著者の山口周氏を知ったのはつい最近。
ブログにも書いた「ニューエリートの必読書 500」に登場する一人として書籍を紹介していた。
次に登場していた明石ガクト氏が山口氏の
「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」を紹介。
その流れから最新作を購入。
新聞広告でタイトルは知っていたが、俄然興味が沸いた。
かなり納得できる内容だった。
自分は既にオッサンの領域。
それを否定するつもりはサラサラない。
しかし、思考や行動はそれではいけないと常々意識している。
そうは言っても劣化している面もあるだろうが、
本書では僕が気をつけなればと思うことが様々な角度で指摘している。
多分、劣化しないオッサンはこの書籍を素直に受け入れるだろうし、
劣化するオッサンは”ふざけるな!”と否定するだろう。
どう自分を客観的に見れるかどうかが重要かと思うが、
劣化するオッサンはいつの間にか全てが主観的になってしまうのだと思う。
といいつつ、自分も大いに気をつけねばならない(笑)。
著者は「組織のリーダーは構造的・宿命的に経時劣化する」という。
二流の人間は自分が本当の二流であることを理解し、
誰が一流なのかを知っている。
しかし、三流の人間は二流を一流と思い込み、
頑張れば自分も一流になれると誤解するという。
組織というのは数の論理で構成されている面も多いため、
支持されようと思えば一番数の多い三流を集めればいい。
そうなるといずれ組織は三流が中心となり、その中からリーダーが生まれる。
三流から一流が生まれることは少ない。
仮に生まれた場合、抹殺されるという構造。
前述の「組織のリーダーは構造的・宿命的に経時劣化する」の意味に繋がる。
僕の要約した表現では分かりにくいかもしれないが、
イメージすると腑に落ちる。
健全な組織を作るのはこの点もカギとなるだろう。
良いリーダーは良い業務体験によって作られ、
その良いリーダーが良い業務体験を人に与えてリーダーを育成する。
その循環ができれば拡大再生産となるわけだ。
となると自分のことは棚に上げても良い業務体験をさせること。
簡単なようで難しい。
しかし、それを怠っては自分が劣化するだけでなく、組織も間違いなく劣化する。
本書は僕らのようなオッサンが対象だと思うが、
ぜひ、20代、30代の若手にも読んでもらいたい。
山口氏は若年層があまりにも本を読まないと言われる。
僕も同じことを感じる。
良質的なインプットが必要な時期を逃し、知的に怠惰な習慣が何十年も続けば、
次の世代は「劣化したオッサン」以上に劣化した「ゾンビオッサン」になる。
そのために継続な学びは必要だと思うのだが・・・。
哲学者のルソーはこんなことを書いている。
青年時代は知恵をみがく時であり、老年はそれを実践する時である。
僕もそれなりに勉強してきたつもりだが、所詮それなりである。
その結果が今だ。
タラレバでは仕方ないが、
もっと勉強していればもっといい実践ができていたかもしれない。
自分の反省を若手に押し付けるつもりはないが、
少なくとも今の時間を無駄にしてほしくはない。
そして、僕も劣化しないために学び続けなければならない。
なんだか真面目な書評ブログになってしまった(笑)。
「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?」も読んでみるかな。