映画絡みのブログが続く(笑)。
とても実話とは思えないメチャクチャな世界。
相当デフォルメしているとは思うが、これが警察の実態だとすれば許されるものではない。
組織ぐるみで否定するのもうなづける話だ。
権力に溺れる姿は傍から見れば滑稽だが、本人からすれば何の狂いもないのだろう。
2月に観た「ブラック・スキャンダル」のFBI役も同じ。
そう思うと単純に映画を楽しめばいい。
その点、主役である綾野剛氏演じる諸星刑事の様変わりぶりは実に面白い。
真っ直ぐな柔道選手から徐々に性格までも変わっていく過程だけでも映画を観る価値はある。
あまり書いてしまうとネタバレになるので控えておくけど。
綾野剛氏の演技は賛否両論あるが、僕は個人的には天才じゃないかと思えてしまう。
その驕った姿、ラリッた姿も含め見事。
その関係に詳しいわけでもないが、もっとも注目すべき俳優の一人ではないだろうか。
「64 ロクヨン」の佐藤浩市氏とは180度異なる刑事役を演じ切っている。
ロクヨンの綾野氏も良かったけどね。
映画を観終わった後はどんよりと体を包んでいた。
それは警察の醜態に呆れたわけでも、映画が重かったわけでもない。
どちらかといえば娯楽映画に近いが、体はどんよりしていたのだ。
理由はやはり人が堕ちていく姿に引き込まれるものがあったのだろう。
結局、悪い事をすれば人はダメになるということ。
どんな世界であっても正しいことを正しく行わないといつかは痛い目に合う。
権力に溺れるというのもそういうことだ。
知らず知らずに自分自身もそうなっている可能性はある。
全てを自分事として捉える意味はこんな点にもあるのかもしれない。
本作品にそんなメッセージが込められていたわけではないだろうが、
僕の印象はそんな感じだった。
みなさん、気をつけましょうね(笑)。
そうそう、この映画には名大社の新人ヤマゾエがエキストラで出演している。
本人もブログに書いている通り警官役。
出演シーンを見逃してしまったかと思っていた終盤、ばっちり映っていた。
演技らしいこともやっていた。
「お~、なかなかやるじゃないか・・・」
と思うと同時に羨ましさも感じた。
あんな現場に立ち会ってみたいと・・・。
色んなことを教えてくれた映画。
閉館前のピカデリーで観れたのもいい思い出になるだろう。