yu17031

昨年公開された映画だがタイミングを逃し観ることができなかった。
作品の評判も良かったが、主演の宮沢りえさんの評価も高く
キネマ旬報はじめいくつもの賞を受賞していた。
DVDでしか観ることはできないと諦めていたが、
なんと家から一番近い映画館「中川コロナ」で18日(土)より2週間公開されるのを知った。

これは運がいい。
早速、昨日、朝一番で観に行った。
思わず泣いてしまった。
お涙頂戴映画であるのは否定しないし、そんなシーンも多い。
そんな演出にまんまと乗ってしまった。

少し前に観た「愚行録」はブログにも書いた通り、気分の悪い映画だった。
登場人物は不幸で、不幸のまま生きていく。
本作品も基本、登場人物は不幸である。
厳密にいえば不幸を背負った過去を持つ。

しかし、生き方が変われば、そんな不幸も幸せに変換できる。
正しく愛を注入すれば、みんなハッピーになれるのだ。
それを一身に背負い、見事に生き抜くのが宮沢りえさん演じる主役の幸野双葉。

公開されしばらく経つので、ネタバレしても問題ないだろう。
少しだけ触れておく。
末期がんを宣告され余命2ヶ月を激しく生きていく。
それは家族のため。そして、自分のため。
それを涙なくしては観ることができない。

その真っ直ぐさ、母親らしさ、圧倒的な人間的強さと優しさ。
最後の最後まで自分の果たすべき目標に向かい生きていく。
「死」という恐怖に立ち向かいながらも懸命に生きる。
いやあ~、ステキな映画だった。
昨年観ていたら、僕のベストテンの上位に食い込んでいただろう(笑)。

作品そのものも見どころだが、出演者一人ひとりも見どころ。
これほど上手いキャスティングの作品も少ない。

まずは宮沢りえさん。
主演女優賞総なめは当然ともいえる。
やつれていく姿も含め、感動的。

娘役の二人も最高だと思う。
杉咲花さんは圧倒的存在感。
Cook DoのCMで回鍋肉を勢いよく食べる姿しか知らなかったが、こんな上手いとは。
子役の伊東蒼ちゃんも小学生とは思えない演技。
オダギリジョーもそのだらしなさや抜け感もいい。
一人ひとりの役回りで作品のリアルさが高まっていく。
そんなことを感じてしまった。

この作品の肝はハグ。
ハグというよりは抱きしめると言った方がいいのかもしれないが、それが人を幸せに導いていく。
重要なシーンでそれがみられていく。

タイミングよく公開してくれてよかった。
今回は中川コロナに感謝ですね(笑)。