『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』藤井 保文、 尾原 和啓

遅ればせながらこの話題の『アフターデジタル』を読後、久方ぶりに大いに刺激を受けた満足感と同時に絶望的な気分にもなった。
(すごいな、中国って言う意味で。日本は大丈夫じゃないだろうなって言う意味で)
オフラインの無い世界がすぐそこまで来ている、少なくとも中国では。そして世界中でも。

IoTやAI、機械学習、dataを集めディープランニングだ、プラットフォーマーになるのだ!デジタルトランスフォーメーションだと焦っている方。その一方で、その言説に恐怖を覚えて世の中がすごいスピードで変わっているのに耳も目も塞いでいる方。
とにかくそんな人たちにこそ、この本は読んでほしい。
知識がなくても、関心がなくても、技術がなくても世の中に置いてかれるって焦っている人にもこの本はかなり面白いと思う。
今世界で起きている(特に中国で)ある種の社会変化が、具体例含めわかりやすく書かれている。その考え方や付き合い方も含め。

もちろん僕の能力ではこの本を正確に解説することなんか不可能だから、
興味がある人は実際にこの本を読んでもらうことをお勧めします。

気になるこの「アフターデジタル」とはなにか?何を意味しているのか?
それは

[モバイルやIoT、センサーが偏在し、現実世界でもオフラインがなくなるような状況になると
「リアルな世界がデジタル世界に包含される」という図式に再編されます]こういった現象の捉え方
これをアフターデジタルと定義します。<本書46P>

つまり誤解を恐れず簡単にいうと、
ECサイトのように、オフラインでやっていたものをオンラインに移す!
という考え方や、
Web広告のように、オフラインの為にオンラインで宣伝する!
という考え方や、
オムニチャンネル化やO2O施策のように、とにかく繋げる、たくさんのチャネルを作る!
という考え方からアフターデジタル時代は一歩進みます。

それは社会をオンラインとオフラインが融合し、一体のものとして捉えた上で、
ただひたすら顧客視点でオンラインにおける戦い方や競争原理として捉える考え方を意味しています。
(この思考方法をOMO<Online Merges with Offline>と言う)

具体例としてアリババが作った未来のスーパーであるフーマー
https://note.mu/fukuwata/n/na6a4ec4169b4

とか

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/65959?fbclid=IwAR2R29yBrJRfoewiXmZOj1AzgKwDvhFGMfxbdt7psAqsjEWdBDU1qNiVN3s

で具体例をみてください。
結構すごいことになっているみたいです。

大事なことは「オフラインとオンラインの主従関係が逆転した世界」という視点転換がアフターデジタル的な考え方です。
それは決してオフラインはいらないと言う意味ではありません。
チャネルはオンでもオフでもなんでも便利な方が良く(ユーザーの良い方で)
リアルからデジタルdataをとるゆえに、UXやプロダクトの改善PDCAが高速度で回るのです。
(だからリアル世界はオンラインの改善のためにとっても大事なのです)

実際、HRテックの世界でこのOMOの考え方でどのようなことが起きるのか?起きているのか?
次はそんなことを知りたいなぁと思いました。

以上、高井でした。