これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

映画「繕い裁つ人」

tukuroi1522

中谷美紀は美しい。
改めてそう思った。
昨年のNHK大河ドラマ「軍師 官兵衛」での女房役を見る限り、とても美しいとは思えなかった。
かつての美しさはもう見られないのかと残念に感じていた。

しかし、それは思い過ごし。本作での中谷美紀は凛とした美しさを醸し出していた。
その感情をグッと抑えた表情、背筋の伸びた歩き方、お客さんと接する時に見せる笑顔、
どれも魅力的だった。
それがロケ地である神戸の街と上手く重なり、温かさと張りつめた緊張感、
守るべき伝統が混ざり合う映画を構成していた。

普段、僕らは当たり前のように洋服を身にまとい生活している。
それなりに今日は何を着ようかと考えたりもする。
しかし、その程度で、ここに登場する人たちのような深い想いは持っていない。
もしかしたら僕にも大切な一着があるのかもしれない。
だが、まだそれに気づいていないし、ありがたさを理解していない。

この映画を観て、洋服が人生において重要な役割を担っていることを識ると共に、
自分の愛着のなさを反省した。

不思議なことにそんな洋服を眺めながら泣きそうになってしまった。
それは今まで映画を観てきた中でも初めての経験。
そんな経験ができるのもこの映画の魅力。
そして、そろそろオーダーで一生着られるスーツでも作ってみたらどうか
と単純な頭が想いを巡らせていた(笑)。

何を守り、何を変え、自分自身はどこに向かっていくのか。
一番大切なのは何か。
これはどんな人生でも共通のテーマだと思う。
改めて考えるいい機会でもあった。

もし、可能なら(100%ムリです)、中谷美紀と一緒にチーズケーキをホールごと食べてみたい。
会話を盛り上げる自信はありませんが・・・(苦笑)。
そんなことはどうでもいい。

中谷美紀は美しい。
改めてそう思った映画だった。

沈みゆく大国 アメリカ

sizumu1521

時々、疑問に思うことがある。
アメリカの法人のトップの報酬が30億とか20億とか想像をはるかに超えた金額であったりする。
細々と報酬を頂く側のやっかみがあるのかもしれないが、とても正しい金額だとは思えない。
プロ野球選手のような人気商売で瞬間的な稼ぎであれば理解できないこともないが、
一企業の一社長がとてつもない報酬を得ることには疑問を感じたりする。

いくら全責任を背負うと言ってももらいすぎじゃないだろうか。
きっといざとなったら責任は取らないだろうし(そんなことはないのかな・・・苦笑)。
報酬は企業が得た利益に基づいて算出もされるだろうから、
その会社は一体どれだけの儲けを出しているのだろうか。

資本主義の世界である以上、それを否定するつもりはない。
自分たちが弱ければ淘汰される。それがおかしいとは思わない。
全ては自己責任だと認識はしている。
しかしだ。
ちょっと異常と思えてしまうのは、僕に貪欲さが足りず、
勝負の世界を生き抜いていないからなのか・・・。

本書を読んで、資本主義のひずみを感じるとともに強欲を善とする社会を一層見せつけられた。
全てのことはシンプルであるのがいい。
しかし、より複雑にすることでそこにお金が生まれてくる。
頭のいい人はそこを巧みに操る。
本書に書かれている保険会社や製薬会社はまさにそれだ。

複雑な構造を作り上げることで利益を奪っていく。
金融業界も同様なのかもしれない。
かつて医者は憧れの職業であったが、今や自殺が一番多い職業のようだ。
冷静に考えれば誰にでも異常と思えるのだろう。

そんな世界を見ていると僕はつくづく日本人でいいと思う。
トップが高い報酬を得ることが理想だけれども、
日本人の社長は報酬が少ないと言われる程度がいいのかもしれない。
僕にはそれが本当に正しいかどうかは判断できないがそんなふうに思う。

しかし、そんな幼稚な思考ではこれからの世界は生きられないのかもしれない。
バブル崩壊後のハゲタカではないが、徐々に獲物を狙って襲ってくる輩が現れるだろう。
何が正義かを自分の中で常に問い、生きなければならない。
対岸の火事とは思わないようにしながら・・・。

映画「深夜食堂」

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フォーストシーンを観て、これは昭和の時代を描いてるのかと思ってしまった。
新宿あたりの街並みに「ドン・キホーテ」の店舗が映ったので、
今の時代かと認識したが、映像のテイストは昭和の香りが残っていた。と思う。

僕は原作もドラマ化されたことも知らない。
ファンであれば小林薫演ずるマスターの顔の傷の理由が何なのかを知っているのかもしれないが、
僕は何も分からない。
ジワーッとした人間味溢れる表情の中に過去に背負うものを感じるが定かではない。

映画の大半は「めしや」の暖簾を出す深夜食堂で繰り広げられる。
「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」が四季と共にテーマとなり
それぞれのドラマが構成されているが微妙に絡み合っている。
その微妙さがたまらなくいい。

監督は松岡錠司。松岡監督と言えば一宮出身の自主映画あがり。
僕が大学時代に8mmで映画を撮っていた頃のスターでもある。
学園祭の映画上映会では松岡監督の自主作品「三月」「田舎の法則」を上映した記憶がある。
ちょうどぴあフィルムフェスティバルが全盛期で、
ここからメジャーにのし上がろうとする映画野郎がたくさんいた。懐かしい~。

映画を観ながら松岡監督のデビュー作「バタアシ金魚」を思い出した。
その映画の主役は筒井道隆。ヒロインは高岡早紀。
「おいおい、そのまんま映画に出てるじゃないか!」とツッコミを入れたくなった。
当時高校生だった二人も、酔っ払い男と愛人になってしまった(笑)。

ツッコミついでにいえば、のほほ~んとした警官役のオダギリジョーは
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の主役。
なんだ、なんだ、身内ばかりじゃないか・・・。
大林宣彦監督の大林組ではないが、いずれ松岡組なんて呼ばれるのかもしれない。

あらら・・・。作品とは関係ないことばかり書いてしまった。
これでは読んでいる方に全く参考にならない。

僕はこの映画をあまり気分の良くない時に観た。
思うように進まないことにイライラしていたのだ。
しかし、この映画を観た後は、イライラしていた自分がバカバカしくなってきた。
そして、温かく優しい気持ちも芽生えてきた。
そう感じさせてくれるのがこの作品のいいところかもしれない。

上手くまとまったかな・・・(笑)

「就活」の社会史ー大学は出たけれど・・・

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就職関連本は毎年当たり前のように発行されているが、
このような就職戦線の歴史を時系列にまとめた書籍は初めてではないだろうか。
職業柄、この類の書籍は読むようにしているが、
本書は自分自身の知識をつける意味においても価値があった。

すぐに忘れないようにしなければなりませんね。
えっ、ムリって?。頑張ります・・・(笑)。

僕の就職活動時期も含め、この「就活」に携わって27年。
当時はバブル絶頂期。僕は能力的にその恩恵を受けたわけでもないが(笑)、
友人の中には就職活動を通して、結構おいしい思いをした連中もいた。
映画「就職戦線異常なし」ほど過激ではないものの、それなりの厚遇を受けていた。

名大社に入社し、新卒採用の支援をするようになったため、
それ以降の就職戦線は手に取るように分かる。
バブル崩壊後の氷河期、ITバブル、そして崩壊。
愛知万博時期における東海地区の盛り上がり、今から思い出してもゾッとするリーマンショック。

その年々をリアルに生きていたので、主観的な見方で言えば著者よりも詳しく語れるかもしれない。
新卒採用の事業は僕が最も好きな仕事だった。
成績も抜群だった(笑)。
客観的な分析ができていないので、実際は簡単に語れないのは承知しているが・・・。

そんな点からすれば、バブル以前の就職戦線は読んでいて参考になり、新鮮に感じた面が多かった。
昨今の就職戦線を悲観的に捉えるニュースが多かったりするが、
本書を読む限り、就職戦線はどんな時代でも問題を抱え悲観的だ。
もちろん好景気で楽勝の時代もあるだろうが、それは瞬間的なことだったりする。
大卒が希少価値だった頃は、営業という仕事は新卒者が就くべき職種ではなかった。
今からでは考えられない。

採用の現場についても今からは考えられないことは多い。
昭和29年当時の日経連の調査では
「各会社が採用に当たり重点を置くのは、①人物②健康③思想、信念、学識、職見④性格、素質
⑤学業成績⑥身元、家庭⑦言語態度などが、大体の順位になっている」という。
今の時代であれば完全にアウトの項目も多い。
それが当たり前の時代。
単純に比較をするわけにはいかないが、今の時代の方がよほどいいのかもしれない。

どんな時代でも企業と学生では、企業が強く学生が弱い立場にある。
(ほんの一部はそうでもないが・・)
それは縁故、コネが強かった時代から変わることはない。
新卒一括採用の是非が問われることもあるが、現実の日本社会でなくなることは考えにくい。
新卒採用の事業を今後も継続するとすれば、時代に適した場を自分たちで作っていくしかない。
どんな環境となろうとも・・・。

この分野の歴史も知っておかねばならない。
勉強になった1冊だった。

映画「6才のボクが、大人になるまで。」

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アカデミー賞のノミネート、ゴールデングローブ賞を始め数々の映画賞の受賞など、
今、最も話題の映画の一本。キネマ旬報のランキングでも2位だった。
僕はキネマ旬報でこの作品を知っただけなので完全に遅れてるが、
その実験的な映画製作がかなり高い評価となっているようだ。

多くの映画賞の受賞は、12年の年月をかけて、
一人の少年を中心にその成長過程を描いたことが大きな理由にもなっているだろう。
もちろん映画としても優れた作品だと思うが、その取り組みに対する評価も否定はできない。

あの可愛らしい少年が18歳になるとあんな大人になってしまうとは監督も想像できなかっただろう。
太ったり痩せたりするわけで、きっと監督の思い通りにはならなかったはずだ。

6歳の少年はiMacを使っていたが、18歳になった時点では当然のようにiPhoneを使っている。
それは今を同時進行で生きている僕たちにとっては当たり前のことだが、
映画の撮影が始まった当初は12年後の世界なんてイメージできないと思う。
随分と脚本も手直しされたのだろう。
うまい具合にAppleの宣伝にはなっているな(笑)。

人は育つ環境で人間性が作られていく。
主役であるメイソンは幸いにもまっとうな生き方を選択したが、
あの家庭環境であればもっと危うい方向へ向かっても不思議はない。
12年の流れは、僕が同時に自分が親として携わっている時間ともオーバーラップする。

ほぼ同世代の子供を持つ親として、子供とどう接するのか、
どんな環境で育てていくことが大切なのかを感じながら観ていた。
全て嫁さんに任せてしまっている段階で僕は失格なのだが、
夫婦揃っていることが子供にとっては何よりも重要ではないかと感じていた。

日本とアメリカの違いはあるだろうが、子供が親から受ける影響は大きいはず。
もっと手本となるような態度を示さないといけないのかな・・・。

この映画に関わったキャスト、スタッフの苦労も感じ取るべきだが、
僕のようなちょっと残念な父親にも観て欲しい映画だ(笑)。

居酒屋を極める

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つい先日、一流のBARに行ってみたいと呟いていたばかりなのに、
今度は一人で居酒屋でしっぽり飲みたくなった。
結局、飲めればどこでもいいのかと思われるかもしれないが、決してそうじゃない。
大人としてのこだわりはあるのだ。ほんの少しだけ・・・(笑)。

このブログを書きながら気づいたが、本書の帯の写真は名古屋の居酒屋の名店「大甚」。
名古屋のお店がほとんど紹介されない中で「すべてにおいて日本の居酒屋の頂点」と絶賛されていた。
久しく行っていない。
あ~、行きたい。熱燗が飲みたくなってきたぞ~。

本書では居酒屋の嗜み方から地域の名店、その探し方までが著者の視点で書かれている。
一人で居酒屋に行った場合、どこに座ればいいかも含めて・・・。
僕はまれに一人飲みをするのだが、それはどちらかと言えば気分が落ち込んでいる時。
気を紛らす意味で一人で飲んでいる。正直、楽しいお酒ではない。

しかし、本書を読むと一人で居酒屋を楽しみたいと思えてくる。
至って健康的で単純だ(笑)。
なるほど!と思わせることも書かれている。

「レストランや食堂は胃袋を満たすところ、居酒屋は心を満たすところ」
う~ん、そうだったのか・・・。

一人飲みの流儀も・・・
「居酒屋で一人静かに盃を傾ける練習をし、
いつしか顔なじみができたら、ゆっくりと心を通わせていく。

最大厳禁は自慢と自己主張だ。相手にそういう気配がうまれて来たら離れればいい。

求められることは紳士であること。
無礼講がゆるされる場所であるからこそ紳士なふるまいをするのが本当の紳士。
その修行を居酒屋でする。」
一からの修業が求められそうだ。

さて、もうそろそろ一人で行ってみるか。
それとも古びた居酒屋が似合う相手を誘って行ってみるか。
あ~、燗酒が飲みたくなってきた・・・。

映画「ゴーンガール」

 
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この作品はレイトショーで生ビールを飲みながら観た。
シチュエーションとしてはバッチリだと思う。
昼間の健康的な時間帯には似合わない映画だ(笑)。

その辺のホラー映画よりよっぽど恐ろしく、その辺の人間ドラマよりはるかにドロドロしている。
先日、ブログに書いた「さよなら渓谷」でも平凡な生活の方がシアワセと言ったが、
本作を観てしまうとあちらの世界はまだ可愛いのかもしれない。

結婚して20年以上経つとお互いに対して無関心となり、何を考えているのか無頓着になってくるが、
その方がむしろ健全と言えるのかもしれない。
お互いが空気のような存在の方が妙な犯罪には突き進まないであろう。

この映画を観た男性諸氏は女性の怖さを改めて認識するはず。
女性には女性の言い分はあるだろうが、
「いざとなったら、こんなふうになっちゃうわよ。フフフ・・」
と密かに思っている方も意外と多かったりして・・・・(汗)。
あ~、女性の方が逞しく強い。
こりゃあ勝てっこないな。

エミリー役を演じた ロザムンド・パイクは女性の笑顔の裏側にある素の自分を巧みに演じたと思う。
世の男性はあの美しさの翻弄され、気づいた時にはとんでもないことになっている。
あんな危機的な状況も乗り越える計り知れない強さは見習うにも見習えない。
やっぱ女性は怖いですね。
気をつけて行動しないと・・・(苦笑)。

本作は男女の人間関係だけでなく、現代の社会環境も上手く表現していた。
マスコミの横暴、ソーシャルの危うさ、情報操作による行動心理など、
気づかないうちに自分たちが陥りそうな罠も上手く映画に絡めていた。
facebookでくだらない投稿ばかりしているといつか嵌められるかな(笑)。

今年は月2本のペースで映画館に通うという宣言をした。
これが年明け第一弾。それが相応しいかどうかはともかく、かなり衝撃的な作品。
もっと前向きな映画を観るべきだったかな・・・。

ただ世の中の優柔不断な男性はぜひ、観るべきだと思う(笑)。

下町M&A 中小企業の生き残り戦略

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幸いにも自分の身近な存在で本書のようなケースはない。
しかし、世間を見渡せばここに登場する中小企業の実態は数知れず見受けられるだろう。
ファミリービジネスを学ぶと必ずぶち当たるのが後継者の問題。

事業を継承するうえで会社の抱える負債や赤字事業が後を継ぐ者に大きな負担となる。
先行きが明るければいいが、
見通しが全く立たないようであれば継がない方がいいと考えるのがごく自然。
いくら二代目、三代目といっても責任感や使命感だけではやっていけないことはある。

本書のケースでいえば上手くコンサルタントが介入することで倒産を回避し、M&Aを成立させている。そのコンサルタントが著者なわけだから当たり前の話だが・・・。

本書はM&Aが成立するまでの経緯は詳細に書かれているが、
本当に知りたいのはその後の経過。
それも半年とか1年ではなく、3年とか5年を経過した段階でM&Aが成功だったかが検証できると思う。
最近でも日本を代表する大手企業がM&Aに失敗し、何千億円をドブに捨てたという話はよく聞く。
大手だとより目立つが中小でも目に触れないだけで失敗するケースは山ほどあるだろう。
そのあたりの人間模様をきっちりと覗いてみたい。

それは興味本位ということだけではなく、
中小企業のおいても企業文化や理念がどこまで影響するのかを見てみたいのだ。
今後のファミリービジネスを考えた場合、M&Aは必須の課題となるだろう。
単純に時間と人を買うだけではなく、
その裏側にある言葉や文字にできないものを見ておきたいと思うのだ。
文字にできなかったら、知る由もないのかもしれないが・・・。

M&Aという言葉自体、僕自身は身近に感じないが、
今後は真剣に考えなければならない戦略のひとつかもしれない。
それがされる側、する側のどちらとは言えないが、今後、頻繁に起きそうな予感もする。
となると銀行あたりともしっかりお付き合いをして情報をキャッチする必要もあるかも・・・。

ただいえるのは「口が固い者がM&Aを制する」という不変の真理には自信がない。
ついこのブログで書いてしまいそうな気がして・・・(笑)。
そう考えると当面は買うことも売ることもなさそうだ。

その前にもっと勉強しないといけない。
ファミリービジネスを学ぶためにも・・・。

大人の男の遊び方

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悪だくみをしているわけではない。
ちょい悪オヤジになろうと思っているわけではない。
少しは思っているかもしれないが、怪しげな行動を企んでいるわけではない。
何となく言い訳に聞こえてきた・・・(笑)。

著者の伊集院氏の生き方に憧れを抱いているのも事実なので、書店で目について手に取った。
本書は酒の飲み方、人との出会い、ゴルフ、ギャンブル、
カジノ、麻雀と大人の嗜みについて著者の持論が書かれている。

このようなテーマなら今の作家の中では一番相応しいのかもしれない。
過去読んだ作品も同じ類のことが書かれているケースも多い。
特に酒の飲み方は直接本人から学びたいものだ。

いつもカッコいい飲み方をしているわけではない。
グデングデンになり周囲に迷惑を掛けることもある。
それでもその姿が粋であり、様になっている。

ただのヘラヘラした酔っぱらいの身としては羨ましい限り。
いや、それでも最近は少しは大人になってきたかな・・・。
「ウソでしょ~」と大きな声が聞こえてきそうだ(笑)。

小料理屋で日本酒を一人で飲みながら大将や女将と軽く語る、
BARのカウンターで寡黙にスコッチのロックを飲む、
そんな姿が似合う男になりたいが、当面、うっ、一生無理かもしれない(苦笑)。
でも、それができる大人になっていこうとも密かに思う。
鍛錬だな・・・。

僕はギャンブルはやらない。カジノにも興味がない。
麻雀については覚えておけば良かったと後悔はあるが、今更やろうとは思わない。
そんな点では本書の後半は僕にとってはあまり参考にならなかった。
参考にするために読むべきものではないが・・・。
麻雀の章はあまり意味も理解できなかった。

しかし、これだけ広い範囲で遊び方を語れるのも男としては一流。
そんな生き方は羨ましくもあり、尊敬でもある。
だからこそ男も女も寄ってくる。
近くで雰囲気を感じたい。
「大人の男の遊び方」を当たり前のように晒しておられるのだろう。

さて、一流のBARにでも行ってみるか。
本物の男になるために・・・。

映画「さよなら渓谷」

この映画は何を言いたかったのだろうか。
結局、わからないまま終わってしまった。
何かを想像させるラストシーンも同様。

作り手の意図が明確にあるのか、観る者に委ねられているのかがわからなかった。
素人考えであるが、もしかしたらその演出が海外の映画祭で評価されるポイントなのかもしれない。
そんなことはないか・・・。

一つの事件をきっかけにお互いに不幸を背負っていく。
単純で軽率な行為が一生を狂わしていく。
映画ではそれが完全否定されるわけでもなく、
そんな生き方でも互いにとってかすかな望みが感じ取れたりもする。
その先に幸福が期待できないとしても・・・。

そう思うと平凡に生活する毎日がいかに幸せということか。
些細な喧嘩があるにしても、お互い憎しみ合ったり恨んだりすることはない。
日常的な喜怒哀楽が素直に表現できることが本当の幸福なのかもしれない。
感情を表すのは泣き叫ぶことくらいで、笑うことはほとんどない。
過去を背負いながら生きるにしても、それはとてつもなく辛いことだ。

キネマ旬報でも主演女優賞を受賞した真木よう子さんは
ほとんどスッピン状態で映画に臨んでいるのではなかろうか。
かすれた肌を晒しながら体当たりの演技をしている。
少し冷たく淋しい表情が映画の重さに上手い具合に当てはまっている。

ハゲタカ鷲津政彦こと大森南朋はしまりがなく頼りない。
それがいい雰囲気を醸し出している。

端役の存在もいい。
ほんのわずかな出演でしかなかったが、
新井浩文の悪びれることのない役柄は主役をより際立たせている。
とてもイヤな奴だ。
と作品とは関係ないことばかりになってしまった。
いつものことか・・・(笑)

でも、ふと不思議に思う。
なぜあんな場所で生活をしていたのだろう。
想像できなくもないが、もっと生きる上において
生活しやすい場所はあったんじゃないだろうか・・・。