これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

世界の経営学者はいま何を考えているのか

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア 世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
(2012/11/13)
入山 章栄

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いろんな場で紹介されているので、つい手に取った本書。
経営者の書籍はスムーズに体に入り込んでいく。経営全般の書籍も比較的、体に染み込みやすい。
しかし、経営学となると話は別。この一冊を読み終えるのに随分と時間を費やしてしまった。「経営学」とか「経営学者」と言った途端に体に入り込むスピードは落ち、なおかつ、思うように吸収することができない。
それだけ自分の勉強嫌いや学習能力の低さが表れてしまったようだ。本棚の飾りになりそうな気配満々なのだが、時には読み返す必要はあるだろう。
赤線を引っ張った箇所を抜き出ししても
「ハイパー・コンペティション下では、理論的には、より積極的な競争行動をとる企業のほうが高い業績を実現できる。」
「一時的な競争優位を連鎖するように獲得していくことが、現代に求められることなのです。」
「競争優位を実現できる企業はもはや全体の2~5%しかないのです。」

と別々の箇所をつなげるだけでも、先端の競争戦略を理解することは可能。
また、こんなことも書かれていたり・・・。
「不確定の時代に計画主義は通用しない、と唱えるのが「学習主義」を支持する学者たちです。」
「「考える前に、まずやってみるべき」というのが学習派の主張です。行動していくうちに市場の状況や顧客の好みなどを学習し、徐々に自らの事業計画もはっきりわかっていくだろう、不確実性が高いときにはむしろそのほうが効果的だ、というわけです。」

まさに、Webサービスを中心に考える戦略ならば、ぴったりと当てはまるといえるだろう。
と、書籍から抜粋して、ブログの書評をごまかしているわけだが(笑)、全てを読み通して理解するのは一度読んだだけでは難しいだろう。
そもそも学習することは、一度で習得できないわけだし・・・。

映画「桐島、部活やめるってよ」

桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組) 桐島、部活やめるってよ(DVD2枚組)
(2013/02/15)
神木隆之介、橋本愛 他

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知っていることといえば、原作の朝井リョウ氏が先日の直木賞受賞者であり、同じ岐阜県出身であることとこの映画がキネマ旬報で高い評価を得ていたことくらい。
どんなストーリーであるか、原作とどう違うかは全く知らないまま、この映画を観た。
DVDのパッケージでも販促用に商材でも使われているのはオタクチックな役を演じる神木隆之介だが、本当はモヤモヤした気持ちを抱えながら日々を過ごす高校生役の東出昌大ではないだろうか・・・。他にも主役級の出演者は何人もいるので、特に拘る必要はないのかもしれないけど。
タイトルにもなっている桐島はこの映画で一切出て来ない(ちょっと語弊があるかもしれないが)。その出てこない人物に高校生たちは振り回され、高校生らしい感情で揺れ動いていく。
段々年齢を重ねていくと、悲しいかなこの映画で描かれる感情は薄れていく。昔はそんな感情を随分と大切にしていたはず。それが自分のコンプレックスだったり、照れくささだったりする結構情けないものも含めて。
知らず知らずのうちに、また多くの経験を積み重ねることで忘れてしまうのだ。映画を観ながら、つくづく大人はつまらないなとも思ってしまう。ほんの瞬間的な時間でしかないが・・・。
この映画が今どきの高校生を忠実に描いているかどうかはわからない。同世代が共感して観ることができるのかもわからない。
ただ40歳半ばのオッサンが感情移入できるのも事実。これも青春なんだと。何か美しい。
ちょっと解せないのが映画部の取り扱われ方。あんなオタクっぽい連中ばかりではないはずだ。世間一般的にはきっとそう見られてしまうんだろうなあ~、何だか何だが・・・(笑)。
映画の中で出てくる映画、塚本晋也監督の「鉄男」。健全な女子高生は観ないでしょ(笑)。

「ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 」を読む

ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書) ブラック企業 日本を食いつぶす妖怪 (文春新書)
(2012/11/19)
今野 晴貴

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本書の感想をブログに書くことは結構迷った。正直な感想を書くことで誤解を招く可能性があるからだ。僕のブログに影響力があるわけではないので、別に気にする必要はないのだが、僕の思いが変な方向に独り歩きしてもいけないと思うし。
ここに書かれている内容を否定するつもりはない。むしろ、賛同する面も多い。著者の主張する実際ブラック企業で行われている実態は許されるはずはない。相談内容を普通に解釈すれば当然のこと。採用支援を業務とする我々も「使い捨て」ありきで採用する企業に対してサポートしているわけではない。
しかし、である。我々が御付き合い頂く企業で離職がないわけわけではない。会社に不満を抱いて辞める社員がいないわけでなない。どんな優良企業であろうと会社に不満を持つ人材は存在するだろうし、退職する人材も存在するだろう。
本書でもすべての企業がブラック企業になり得る可能性があると書かれてはいる。だが、残念なのは外食業や中小企業がすべてブラック企業という捉え方ができてしまう点だ。
確かに外食業は他の業界に比べ離職率は高い。土日勤務は基本であるし、勤務時間が長いのも特徴だろう。業界全体での課題であることは間違いない。
しかし、どの企業も社員の待遇改善に取り組んでいるし、むしろ人手不足感がバッドサイクルに働いているのであって、「使い捨て」で人を雇用しているわけではないはずだ。それは中小企業でも同様といえる。
本書を読むと働ける場所はかなり限定的になってしまうのではないだろうか。中小企業経営者のやっかみと捉えられても仕方ないが、本書を読んで感じた素直な感想である。
最近、ブラック企業という言葉ばかりが先行しているような気がする。企業選択の判断基準がブラック企業であるかないかだけで決めるのは本意ではないはず。本書でも「戦略的思考」を持つことが重要と訴えているので問題ないが、そこまで辿り着いてくれるよう訴求していく必要はあるだろう。
そうはいっても非難してしまった点はあるが、僕が知らない実態が克明に著されていて勉強にもなった。自分の立場として常に意識しなければならないのは間違いなさそうだ。

男の貌

男の貌: 私の出会った経営者たち (新潮新書) 男の貌: 私の出会った経営者たち (新潮新書)
(2013/01/17)
高杉 良

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僕にとって高杉良と言えば、「金融腐蝕列島」「呪縛」一連の金融業界シリーズ。その著書を読んだ時からビジネス小説が面白いと感じたのかもしれない。調べてみると著者の作品はそのほとんどが実際の事件を小説に焼き直しているケースが多い。
僕が読んだ中では「青年社長」のように実名で書かれているノンフィクションも多数存在するが。
それを基本と考えるならば本書は稀有な存在となるのかもしれない。これまでの取材経験の中で感じてきたリーダー像を人物に照らし合わせながらあぶり出している。その分、説得力があるのかもしれない。
本書の面白さは直接接した一流の経済人から得たリーダー像の表現もあるのだが、その取材の裏側にある闇の世界を遠慮せずに暴露するスキャンダラスな面白さもある。どんな一流の経営者でも「オモテ」と「ウラ」の顔を持っており、巧みな使い分けにより、その企業を発展させてきた背景がある。
日本を代表する経営者 小倉昌男氏をバッサリ斬ってしまうのも見方を変えれば痛快である。名著「経営学」では読み取れない本人の人間性もズバッと表現してしまうのだ。
もしかしたら「オモテ」と「ウラ」の違いが大きければ大きいほど人間の深みがあるのかもしれない。「オモテ」と「ウラ」があったとしても、所詮、見分けがつかない自分はやはり凡人でしかないのだろう(苦笑)。
本書を読む限り、相当危ない橋も渡っており、懐柔や恫喝、札束ビンタなど人間を壊しにかかる行為も繰りかえされるようだ。それにも屈せず、本書を書きあげるまでに至るのは、まさに「ペンは剣よりも強し」の証。
最後まで一貫して表現しているのは、本物のリーダーは「勁さ」と「優しさ」の両方を持ち合わせているということ。肌で感じとった自らの証明だろう。
それにしても大物人物は怖いね。
よかった、小物で・・・(笑)

キネ旬ベストテンを読みながら

kinejun121
今月のキネマ旬報は2012年映画ベストテン。自称映画ファンとして、時代についていくためにも(苦笑)毎年この号だけは購入している。
日本映画ベストテンも外国映画ベストテンも見事なほど、ほとんど観ていない。特に外国映画ベストテンはマニアックで通好みな作品ばかり並んでるので、観る術すらない。
ところがである。読者選出の外国映画ベストテンではなんと4本も観ているではないか。洋画よりも邦画の方が好きな僕としては非常に珍しいこと。それも偶然か全ての作品の感想をブログに書いている。
3位アーティスト、6位ダークナイト・ライジング、7位レ・ミゼラブル
8位人生の特等席
難解で芸術的な香りが高い作品は一切なく、娯楽作品ばかり観ていることがよくわかる。まあ、それはそれとして・・・。
もっと邦画、洋画に関わらずもっと幅広く観なければならないな。
2012年の映画界の総評を読むと面白い事実が書かれている。
興業収入は1951億9000万で前年比107.7%と年間入場者と共に増加している。内訳としては、ここ数年は邦高洋低の状態が続き、年間の興収も圧倒的に日本映画が多い。洋画離れが進んでいるというのだ。日本映画の方がよく観られているわけだが、伸びているのは限定的。
東宝、東映、松竹の大手3社の合計は990億9760万円。そのうち東宝が741億円の興収で群を抜いており、前年比も125%。一方で松竹は74億円とここ数年前年割れが続いている状態。映画界でも勝ち組負け組が鮮明になってきているようだ。
東宝が配給した「BRAVE HERATS海猿」が73億の興収があり、松竹が配給した全18本とほぼ同じ興収なのだ。1本の映画が一つの映画会社の興収と同じになってしまっている厳しい現実がある。ヒット作がないと言ってしまえばそれまでだが、ここにはマーケティングでも戦略でも大きな力の差が生じているのだろう。
「男はつらいよ」や「釣りバカ日誌」などのシリーズもので支えられてきた背景が、もしかすると今のマイナス要因になっているのかもしれない。あくまでも推測だけど・・・。かなり興味深く読むことができた。
そして、個人賞採点表で面白かったのが新人女優賞。
なんと2位があの壇蜜なのだ。最近、メディアでもやたら露出が多くなり話題性も高いが、新人賞でこれほど評価されているとは・・・。
残念ながらその主演作を観ていないので、何とも言いようがないが、きっと評論家たちを魅了する演技をしているのだろう。
毎年、もっと観なければと思いながらも、思うように観れないのが映画。
時間配分を上手くコントロールしながら、その機会を増やしてはいきたいんだけど・・・。

個を動かす 新浪剛史、ローソン作り直しの10年

個を動かす  新浪剛史、ローソン作り直しの10年 個を動かす 新浪剛史、ローソン作り直しの10年
(2012/12/13)
池田信太朗

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メディアへの露出が多いので、知らない方はいないだろう。
セブンイレブンの鈴木敏文会長は有名でも、現社長はそうでもなかったり、地元サークルKサンクスの中村社長の顔もパッと浮かばなかったり(すみません)するのではないだろうか・・・。
それだけローソン=新浪社長のイメージは確立されており、元気溌剌な姿が頭に浮かぶ。本書にも書かれている通り、マスコミを上手に「利用」しており、時代を代表する経営者の一人であるのは間違いない。斬新な戦略はメディアを賑わしているが、僕らが知っているのはあくまでも上辺で、詳細までは不明な点が多い。
本書は本人からの聞き取りも含め綿密なリサーチにより、最近までのローソンの10年間が描かれている。
「改革」を言葉にするのは簡単だが、実際にそれを行うのは半端ない力が必要。それも外部から突然現れた社長ともなれば、社員との信頼関係は皆無で、スタートはゼロではなくマイナス。
シラッとした社員の前に立っている姿を想像するだけで、背筋がゾッとする(苦笑)。僕なんかはいきなり会社を任されたと言っても、全てを理解してくれるメンバーと仕事をする訳だから、その苦労は比較にならない。持ち前のパワーだけで解決できる問題でもなく、いかにヤル気にさせるかが重要。
その事については、巻末にスクウェア・エニックスの和田社長が新浪氏の経営手法を代弁している。
新浪さんはヒントを教えてあげた上で「やってみろ」と。それをじっと見守ってやる。そういう感じじゃないですかね。やれると信じてあげる、ということです。だから彼の部下たちは奮い立って動くんじゃないでしょうか。
社長業って人を動かすのが仕事ですから。大きなビジョンを作って「こっちだよ」と言ってあげて、まずそれが社長の一つ目の仕事です。二つ目の仕事は、もうひたすら人を鍛えて、育てて、動議付けをしてそっちに持っていくことですね。

これはうちのような中小企業であれば、まだやり易い面はあるだろうが、ローソンのような大組織となるとそうはいってもかなり困難なはず。とてつもないリーダーシップを発揮されているわけだ。
それは社員だけでなく、バランスよくFCオーナーにも目を向けているから、人間の大きさを痛烈に感じる。ほんの少しだけでもその力を分けて頂きたい(笑)。
本書を読めば、ローソンがマーケティングの会社であることも十分理解できる。セブンイレブンの顧客視点の経営も十分参考になるが、それとは全く切り口の違うローソンの「個客」指向もまた大きな学び。
ビジネスには正解はない。自分たちで創っていくしかない。ほんの少しでも自社に活かせればいいのだけれど・・・(笑)。

映画「東京家族」

東京家族
映画を観た方ならわかるが、上記の写真のようなシーンはあり得ない。
しかし、それを違和感なく受け入れてしまえるのが、この映画の魅力。自分がいかに単純な日本人であることを思い知らされた。何気ないシーンに涙してしまったのだ。
きっと山田洋次監督の作品でなければ、涙することはなかっただろう。
かつて沢木耕太郎氏の著書に山田洋次監督のノンフィクションがあった。かなり若い頃の話だが、「僕の映画には個性がない。個性がないのが個性」と書かれた文章があったと記憶している。
先日、逝去した大島渚監督あたりと比べれば、確かにオーソドックスな手法で映画を撮っている。強烈な個性を感じることはない。
だが、この映画を観ながら、山田作品らしさを十分に感じてしまった。上手く表現できないが、会話の間であったり、差し込まれる風景であったり、エキストラのポジションであったり、らしさが随所に出ていたと思う。僕だけかもしれないが・・・。
この映画はいろんな場で紹介されているように小津安二郎監督の「東京物語」にオマージュを捧げた作品。
僕は残念だが、名作といわれる「東京物語」は観ていない。小津作品は学生時代に「晩春」「麦秋」「秋刀魚の味」は観たくらい。
恥ずかしいが原節子、笠智衆が出演していたことくらいしか覚えていない。まだ共感する面も少なかったのか、正直、面白いとも思えなかった。今、観れば違う感じ方をするとは思うけど・・・。
自分の親や家族について考えさせられる映画の良さはもちろんだが、この作品で一番良かったのはお母さん役の吉行和子。優しい語り口で、いつまでも子供を愛する母親役を見事に演じていた。多分、今年の映画賞助演女優賞を総ナメじゃないだろうか。言い過ぎかな(笑)。そして、中島朋子も夏川結衣も歳を取った(失礼!)。
親を大切にしなければならないと改めて思わせてくれた映画だった。

別れる力 大人の流儀3

別れる力 大人の流儀3 別れる力 大人の流儀3
(2012/12/11)
伊集院 静

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シリーズ第3弾も買ってしまい、一気に読んでしまった。
今年はアルコールの量を少しは減らそうと思っていたが、その思いはもろくも崩れ去りそうだ。やはり飲むことで多くの出会いがあり、より大人になっていける。馴染みに鮨屋くらいできると嬉しいが、それはきっと無理だろう(笑)。ひとりで飲むのも得意じゃないし・・・。
僕は週刊誌はほとんど読まないので、著者の連載を普段の生活の中での接点はない。よりリアルに近づこうと思えば、毎週読むことが理想であるが、まとめて読んだ方が著者の存在により近づけるような気がしてならない。もちろんそれが読まない理由ではないけど・・・。
本書には、先日、引退を表明した松井秀喜氏のことがいくつか書かれている。
当然、現役時代に書かれた内容であり、本書の発売も引退発表前。伊集院氏と松井氏は懇意な関係にあるため、野球を含めた多くの話をしているだろう。
しかし、そこには野球に関しての相談事やアドバイスはないと思う。あくまでも想像にすぎないが、そう思う。この連載を松井氏が読んでいるかもわからないが、ここに書かれている内容が不思議と繋がっているよう思えてしまう。それも僕の想像にすぎないけど・・・。
著者の作品を読むと日本人が大切にしなければならないことを思い返させてくれる。このシリーズだけでも定期的にその機会を与えてくれるわけだ。ありがたい。
参考までに「大人の流儀」「続・大人の流儀」
結局、僕は銀座に行きたいと言っているだけだけど・・・(苦笑)

ちょっと大げさ、「24時間」革命

時間革命
1年のうちに2~3回購入するだろうか、雑誌プレジデント。今回の特集は『「24時間」革命』とかなり大げさなタイトル。いつも大げさだと感じているが・・・(笑)。
それでも手に取ってしまうのは、上手く消費者心理を掴んでいる証拠だろう。
同じような特集を繰り返していると思うのだが、結局、人は同じような悩みや課題がつきまとっているので、まんまと術中に嵌っていく。僕もその一人なんだろうけど(笑)。
今回の特集では、時間の使い方を年収500万、800万、2000万の3つの層に分類し、アンケート結果を基に分析している。バカバカしい面もあるが、なるほどと納得させられる興味深いデータも多かった。
高年収ほど通勤時間を勉強に充てるとか、低年収ほど休日をダラダラ過ごすとか・・・。質問の中に、日曜夜によく観るTV番組という項目もあった。
低年収の方が「ササエさん」を好んで観ているという。ヤバッ・・・。そして、翌日出社したくないと思うことがよくあるようだ。いわゆる「サザエさん症候群」。これにも年収が反映しているとのこと。
僕は今でも家族と一緒に「サザエさん」を観ているが、会社に行きたくないと思うことはない。しかし、20代前半の頃は「サザエさん」を観ながら、「明日は仕事か・・・」と重くなっていたことも事実。そう思うと年収と比例しているのかも。
ただこんなデータに一喜一憂するのではなく、やはりプロの時間の過ごし方を学ばねばならない。
日本電産の永守社長然り、ノーベル賞受賞の山中教授然り。自分では努力しているつもりだが、達人たちと比較すれば赤ん坊のようなものだ。もっと使いこなさないと・・・。ブログなんて書いてる場合じゃないな・・・(笑)。
特集を読んでいて矛盾を感じたこともあった。
デキない人ほど睡眠時間を削っていて、長時間眠る方が脳のポテンシャルは上がるらしいが、ここに登場するデキるビジネスマンたちはちょっと違う。そのほとんどが睡眠時間が短い。矛盾じゃないか?
結局は本人次第という結論になってしまうかな・・・。

間抜けの構造

間抜けの構造 (新潮新書) 間抜けの構造 (新潮新書)
(2012/10/17)
ビートたけし

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著者の作品を読むのは20年振りくらいだと思う。
20代前半に「だから私は嫌われる」や「たけしくん、ハイ」を読んだと記憶している。アマゾンで調べてみるとかなり多くの作品を出版していることに気づかされる。やっぱり才能のある方は違うのだ。湯水のごとくアイデアが沸く。
途中の作品を読んでいないので偉そうに語れるわけではないが、本書は著者の人生観を表現した作品のようにも思う。
特に最終章の「人生の”間”」はそう感じざるを得なかった。自らが起こしたフライデー事件やバイク事故に触れながら、なぜそのような行動を取ったのかも少しばかり述べている。自伝を出されれば、もっと深い話になるのだろうけど。安易に結びつけるわけではないが、その事件前後が生きることにおいて、一番意味を問いた時期でもあるのだろう。
そこも”間”なんだな。こんなことも言われている。
どの時代に生まれてくるかというのは本当に大事だね。その人の”間”がいいか悪いかというのは、どの時代に生まれたかに尽きるんじゃないか。
確かにそう思う。時代より半歩進み過ぎてて認められなかったり、時代遅れのため才能が発揮できなかったり・・・。身近でも結構あり得る話だ。時代に敏感になることが最優先ではないだろうが、その時代を読む力を持ち合わせないと、”間”の取り方を誤ってしまう。自分が気を付けなければならない・・・。
本書にも紹介されているが、北野武映画の間は他の映画に比べ異質だ。それを秀逸と捉える方もいれば、理解不能な方も多いだろう。
本人は全く気にされていないようだからいいのだけど、身勝手といえば身勝手だ(笑)。
僕はあの間が独特の緊張感を生み出していると思う。画面の切り替わりも観客の想像力に任せている。だから玄人受けをするのかなと本書を読んで初めてそんな認識を持った。
やっぱりビジネス書ばかり読んでいると人としての視野が狭くなる。たまにはこの手の本を読んで、自分自身をグイッと広げなければならない。