これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「本を読む 映画を観る」の記事一覧:

売れないモノの9割は売れるモノに変えられる

売れないモノの9割は売れるモノに変えられる 売れないモノの9割は売れるモノに変えられる
(2012/10/22)
佐藤 昌弘

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20代の頃はこの類の書籍をよく読んでいたと思う。まだまだ甘ちゃんな頃は何にでもすがりたく、参考になりそうなものは手を付けていた。
(今でも甘ちゃんという話もありますが、ここでは省きます・・・笑)
では47歳のこの時期にどうして本書なのか?
それは著者の佐藤昌弘氏とご縁を頂き、直接プレゼントされたため。佐藤氏は本書に限らず、多くの書籍を著されており、この他にも「凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールストーク 」「凡人が最強営業マンに変わる魔法のセールスノート」も頂いた。
「セールスシート」の方は大判で図解も多い事から、2年目の名大社女子に読むように渡した。いつもどんな時でも「ありがとうございます!」と元気な返事はするけれど、果たして読んだだろうか・・・。ちょっと心配だな・・・(笑)。
本書はどちらかといえばマーケティングの要素よりも心理学の要素が強い。人のこころを読んで、どう対応していくか、それをうまい例えで解説している。なるほど!と思わせてくれる点が多い。
マーケティングを基本に心理学、言語学、記号学、社会学など多くの事を学ばれ、それを実践に生かされている。著者に贔屓のお客さんが多いのも納得できる。
佐藤氏とは一度しかお会いしたことがないが不思議な縁。共通の知り合いから紹介されたのがキッカケだが、最寄駅が僕と隣、嫁さんと同じ出身地、オフィスの前をよく車で通る等、接点が多い。
それだけでも身近に感じ信頼を持ってしまうのは、本書で佐藤氏が書かれていることと共通する。う~ん、乗せられているな・・・(笑)。
売上が伸び悩んでいる営業や店舗、商売を始めて間もない方には気づきが多いと思う。

いよいよ最終回!ハゲタカ鑑賞会

本日は第4回ハゲタカ鑑賞会。
いよいよ立ち上がるか鷲津ファンド。ド~ンと出資しようじゃないか・・・。
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大好評(?)の企画も今回がラストとなる。前回開催が1ヶ月以上前になるので、少しばかり緊張感が緩んでしまった感がないわけではないが、この最後の日も楽しみたいと思う。
なぜこれだけの期間が空いてしまったかは大きな理由がある。主催者の僕たちが忘れていたわけでもサボっていたわけでもない(笑)。
このドラマ制作に関わる大物人物をゲストとして招へいし、世の中を「あっ」と言わそうと画策していたために日程が先延ばしになってしまった。
結果的にその画策は頓挫してしまったが、もしこの企画が進行したのなら、相当大きなイベントとして打ち出すことができただろう。そして、世の中が「あっ」と言っただろう(笑)。お楽しみはしばらく先という事で・・・。
8月ともなるとこれまでの参加者も様々な予定が入ってくる。家族旅行だとか町内のお祭りだとか夏休みらしい予定で欠席される方も多い。少々寂しいがこればかりは仕方ない。
ヒマなメンバーで、いや、失礼、何よりもハゲタカ第一優先メンバーで最終回を盛り上げていきたい。思い切って未公開シーンも上映してしまおう。
当日飛び入り参加もOKなので、ご希望の方はぜひご連絡を!
ただ僕も残念なことがひとつ。
定番の懇親会に参加するもののアルコールが一切飲めないのだ。夜中の2時過ぎに家を出て御岳まで登山に行く予定があるため、さすがに飲むことはできない。気持ちがグラグラ揺らぐだろうが、ぐっと我慢して会話を楽しみたい。
帰宅後は速攻で寝て夜中に飛び立つので、今回の状況はブログで書くことはできない。共同幹事の櫻山さんのブログに期待したい。日曜日版の執筆もあるだろうが、きっとその才能を最大限に生かし、うまく絡ませて書いてくれるんじゃないのかな・・・(笑)。
いずれにせよ最後の鑑賞会でも多くの気づきと学びを得たいと思う。

永遠の0

永遠の0 (講談社文庫) 永遠の0 (講談社文庫)
(2009/07/15)
百田 尚樹

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今更、僕がブログで書評を書く必要性もないだろう。100万部を突破したベストセラーだし、今年には映画化もされるほどの作品なので、あえて取り上げる必要もないと思ったが、あまりにも周りの方に勧められた作品なので、それにお応えする意味でアップしたい。(何だかイヤらしい性格・・・)
百田尚樹氏の「海賊とよばれた男」を読み、「ヨカッタ!」とほざいている時に多くの方に勧められたのだ。本書の存在は知ってはいたものの、さしたる興味もなくこれまで過ごしてきた。小説自体をあまり読むことはないし・・・。
読む小説もビジネスを前面に押し出した書籍ばかりで(海賊とよばれた男もそれに近い)、ここ最近、この分野を読むことは全くといっていいほどなかった。
しかし、たまには読むものですね。人のおススメは素直に聞き入れるものですね。それが今回の感想。
読んでおくべき一冊だと読後、じわっとくる気持ちを抑えながらそう感じたのだった。
歴史認識はいろいろあると思う。ある人にとっては正解でも、ある人にとっては全面否定ということもあり得るだろう。本書においてもそれは言えると思う。
だが、それを超える人間の尊さは世代を超え、時代を超え、我々にとって重要な意味となる。僕は決してしないけど、僕の知人は思わず奥さんを抱きしめたそうだ。僕は決してしないけど、その気持ちはよくわかる(笑)。
僕が感服したのはその綿密な歴史検証とストーリー展開。
「海賊とよばれた男」ようなタッチで描かれていると勝手に予測をしていたのだが、完全に裏切られた。それもいい意味で完全に裏切られた。
本書を読んでも号泣しない僕は冷めた人間かもしれないが、何を大切にして生きていくべきかは教えて頂いた。生命の重さを含めて・・・。

経営センスの論理

経営センスの論理 (新潮新書) 経営センスの論理 (新潮新書)
(2013/04/17)
楠木 建

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前作「ストーリーとしての競争戦略」を読もうと思っているうちに機会を逸して、ここまできてしまった。タイミングを逃すと中々読めないものである。
最近、発売されたのが本書。新書という手軽さもあり、何のためらいもなく手に取った。きっと「ストーリーとしての競争戦略」はその値段とボリュームに腰が引けてたのかもしれない。タイミングを逃したなんて、都合のいい言い訳に過ぎない(笑)。
本書を読んでも経営のセンスが磨かれるわけではない。「スキル」よりも「センス」が大事だと言ってるだけで、そのノウハウが書かれているわけでもない。それでいい。ノウハウを学んでもセンスとは別次元であり、真逆の方向しかいかないだろう。それを理解できただけでもよしとすべきなのだ。
これまで戦略の基本としてフレームワークなどはケーススタディを通して学んできた。これが万能ではないが、新しく物事を考えるに5Fや4Pは整理するのに役立つのは事実で、今も有効なツールである。
しかし、それは一定のスキルで誰でも取り組めるので、差別化には程遠い。失敗をしないためのツールで成功に導くわけではない。成功に導くには行動力や論理的思考力、リーダーシップは必要だが、センスが最も重要なのかもしれない。
このセンスは目に見えない、文字にもしづらいため、あるなしの区分けは難しい。判断基準も人により異なる。センスが悪い人はセンスの悪い人をセンスがいいと判断するだろうし・・・。(なんのこっちゃ)。
本書では就職活動における企業選びを例に面白い表現もしている。
僕も講演の場でよく話をする就職人気企業ランキングの例えだ。まだ働いたことがない学生が人気企業を選び、ベストテンが公開される。これについて異議を唱えたりするのだが、著者は分かりやすい言い回しでそれを表現された。
就職人気ランキングとは「ラーメンを食べたことのない人によるラーメン店ランキング」と。これは分かりやすい。次回の講演で使わせていただきます(笑)。
センスというと何となく感覚的な要素と捉えられがちだがそうではない。具体的と抽象的と両面で考える。それも論理的に考えることでセンスは養われる。軽はずみに「センスあるねえ~」なんて使ってはいけないのだ。
本書を読むだけでは分かったような分からないような感じ。やっぱり「ストーリーとしての競争戦略」を読む必要があるな。と言ってる時点で、センスはないのだろう。
う~ん、残念・・・(涙)。

こりゃ困ったな・・・。

最近、めっきりテレビを見なくなった。
欠かさず見ているのは「サンデーモーニング」と「八重の桜」くらいで、あとはニュース番組やスポーツを適当に見る程度。
子供たちは楽しそうにバラエティ番組を見ているが、貧乏性のせいか、時間が勿体なく感じてしまう。「そもそも家にいないでしょ!」と嫁さんに言われれば、何の返答もできないのだけれど・・・(苦笑)。
ところがここにきて困ったことが起きた。先々週から始まったCBCドラマ「半沢直樹」。そして硬派な番組が多いNHK土曜ドラマ「七つの会議」。2つの社会派のドラマが共にスタートした。
原作は池井戸潤氏。
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「半沢直樹」の原作の「オレたちバブル入行組」「オレたち花のバブル組」も一気に読み、以前のブログにアップ。「七つの会議」もその中味に反発しながらもブログにアップ。3冊とも珍しく集中して読み切ってしまった小説であった。
当初、「半沢直樹」は見るつもりはなかった。時間が勿体ないから・・。現に第1回は見なかった。ところがである。面白い!面白い!と絶賛する友人の声があちこちで響く。その声に誘惑され見ないつもりの気持ちが揺らぎ始めた。
そして、第2回を録画して見てしまった。面白い!。
併せて録画した「七つの会議」も立て続けに見た。ヤバい!面白い!。
ハッキリ言って、両作品とも嫌な世界。社内での軋轢や派閥争い、保身を前提とした組織には全く興味がない。僕は会社内で気を遣うことほど無駄なことはないと思っているので、このドラマに出てくる2つの企業には勤めたくはない。そして、そんな会社にはしたくない。
だから嫌な世界であるこのドラマに対して拒否反応を示すはずなのだが、これがすこぶる面白い。
これは困った。土日にかけて、見るべきテレビが増えてしまった。嫁さんがこの手のドラマに興味を示し、一緒に観てくれればリビングを占領できるのだが、全く関心はない様子。どこかで一人の時間をみつけて見るしかない。本当にこれは困った。
しかし、同時に週末の楽しみも増えてきた。
堺くん、東山くん、頑張って不健全な組織と闘ってね(笑)。

リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ

リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ (角川oneテーマ21) リッツ・カールトン 至高のホスピタリティ (角川oneテーマ21)
(2013/05/10)
高野 登

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朋友櫻山氏が以前ブログで紹介していたこととクレドを真剣に取り入れてみようと思い手に取った本書。
前リッツカールトン日本支社長の高野氏のお名前は知っていたものの、著書を読むのは初めて。クレドを目的に書かれた書物ではないので、その件にあまり触れていないのは当然だが、ヒントとなる言葉はあちらこちらにちりばめられていた。
リッツ・カールトンの有名な取り組むとして「一人2000ドルの決裁権」がある。素人目にみれば、なんて羨ましい権利だと思ってしまうが、それはとんだ勘違い。
2000ドルの決裁権は信頼の証であり、何よりも重大な責任感を伴う。僕が大きな案件に勇気のいる決断をするようなものだ。20ドルの決裁であれば安易に判断してしまうだろうが、2000ドルであれば簡単にはいかない。エンパワーメントが信頼のバロメーターであるのも納得である。
ホスピタリティという言葉はサービス業のために使われているような気もしてしまうが、実際はそうではない。我々のような事業でもホスピタリティは必要だし、普段の仕事生活、家庭生活においてもついて回る。何気ない一言が相手に喜びを与えることもあれば、傷つけることもある。
文字でいえば、たった一文字にあたる言葉でも使い方で、相手の捉え方は変化するのだ。上手くメッセージを伝えようとする前に、普段の会話も十分気を遣わなければならない。そんなことを考えると人前で偉そうなことを喋ってもできてないことは山ほどある。反省・・・。
本書に書かれている通り、一流のホスピタリティを得ようと思うなら、感性を磨かなければならない。何気ない日常の中で、いかに発見し、俯瞰し、想像し、観察する力を養わねばならない。
ぼ~っと歩いているのでは、何も見えない。常に目の前を意識することも重要なんだ。
ここにも登場する長野にある伊那食品工業。最近、僕の周りでもベンチマークツアーであったり、講演会であったり、出掛ける人が多い。参考になる点が多分にあるのだろう。これはいずれ伺う機会もあるだろうな。
そして、肝心のリッツ・カールトン。
僕は一度も宿泊したこともなければ、お邪魔したこともない。家族で出掛けることがないので、出張の際、思い切って泊まってみるのもいいかもしれない。一流のおもてなしを肌で感じるのも一つの学びだ。
といいながら、まだまだビジネスホテルに泊まる生活なんだろうけど・・・(笑)。

不格好経営

不格好経営―チームDeNAの挑戦 不格好経営―チームDeNAの挑戦
(2013/06/11)
南場 智子

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発売からまだ1か月足らずというのにあちこちで話題に上っている。
僕の友人もfacebookやいろんな場所で感想もアップされていたり・・・。それだけ著者の南場さんは注目度が高いわけだ(さん付けで呼ぶのは失礼な気もするがこの方が相応しいような気がして)。
何かと露出が多いDeNAの創業者であるとか、いきなり社長を辞任してしまうとか、ビジネスマンにとっての興味度は高く、その真相を教えてくれ~と仕事に尖がった連中が周りに多いと予測。そんな人たちとお付き合いするケースが多数あり、僕の周りに読者が増えるのは自然なことだろう。
僕は10年以上前に南場さんの講演を偶然にも名古屋で拝聴したことがあった。当時から女性起業家としてマスコミを騒がしていたので、どんな経営者なのか興味もあり参加させてもらった。
(偉そうに。ボンクラサラリーマンだったくせに・・・笑)。
確か全国のリサイクルショップの情報を共有させてというような話をされていたと思うが、僕としてはあまりピンと来なかった記憶がある。また、もっと熱く語る経営者かとも思っていたが、とても自然体で表現される方という印象。そのあたりは本書を読めば、素直に納得できる。
南場さんが辿ってきた道のりや想いについては、他の方が述べられているので、あえて僕が感想を言うまでもない。いろんな書評を読んでもらえればと思う。
僕が感じたのは現社長の守安氏の存在の大きさだ。
守安氏の存在は社長交代時とベイスターズ買収の際に頻繁にマスコミに登場した姿しか知らず、どんな方かも全く無知であった。
テレビで観る印象もそれほどインパクトの強い社長像は感じなかった。勝手に今後のDeNAは大丈夫かと大変失礼なことを思っていたくらい。ほんと、すみません・・・。
本書ではその守安社長の会社内における才能や仕事の貢献度が細かに著されている。それは勉強になった。こんな人物だからこそ、この成長企業を引継ぐこともできたのだろうと納得もした。それがよかった。
その買収した横浜ベイスターズは今までの弱さでいいんだけど・・・(笑)。ファンに叱られるな・・・。
お~い、ブランコ、ホームラン打ちすぎだ!
よく勘違いしてしまうのは、スポーツニュースの野球結果の表示。
巨12×D1。なんて表示されると、つい、ドラゴンズぼろ負けじゃんと嘆いてしまう。DはDeNAのことなので関係ないが、Dragons(ドラゴンズ)と勘違いしてしまうのだ。そんな人多くない?(笑)。ちょっと紛らわしかったりする。
とまたしても本書に興味ある方には全く参考にならないブログになってしまった。すいません・・・。
でも、その語り口にとても好感を持った本書。自らのペンで書いた気もしますよ。
ありがとうございました。

なぜ大企業が突然つぶれるのか

なぜ大企業が突然つぶれるのか 生き残るための「複雑系思考法」 (PHPビジネス新書) なぜ大企業が突然つぶれるのか 生き残るための「複雑系思考法」 (PHPビジネス新書)
(2012/09/19)
夏野 剛

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かなり意味深なタイトルである。しかし、本書を読む限り、意味深なタイトルを言及している箇所はない。だからと言って詐欺まがいの書籍ではない(笑)。周辺情報から推察して、「それが原因になっているでしょ!」と強いメッセージを発しているのだ。読み手によっては不快感を持つケースも多いかもしれないけど。
著者の夏野氏といえば、NTTドコモで「iモード」のサービスを立ち上げたことで有名。僕も12~13年前に「iモード・ストラテジー」を読んだ記憶がある。
内容はさっぱり覚えていないが、日本には素晴らしく先端的で優秀な方がいるもんだと感心していた。本書でもその口調は最先端を走る秀才そのもので、痛烈なコメントは小気味いいくらい。共感できる面も多い。と同時に僕のような凡人は取り残されてしまうのではという恐怖も覚える。
変化する必要は感じているし、自分自身も常に変化しているつもり。トップが変化を意識し実践しなければ、この複雑な時代を切り拓いていくことも難しいと思っている。
恐怖を抱くのは、その変化のスピード。著者は訓練により100メートルを10秒で走ることができるかもしれないが、僕はまず無理だ(苦笑)。僕に限らず大半の人は無理だ。
これは本書を非難しているのではなく、著者が自分をスタンダードな基準に置かれていることに若干の違和感を感じた。自分の能力のなさを露呈させただけかもしれないが・・・。
しかし、その考え方やアウトプットの手法には勉強させられる面は多い。例えば、こんな文章。
重要なのは「ITという”武器”を使っていったい何をしたいのか」という目的である。そこで単純に「鉄砲を集める」ことをめざした軍は、「弾の補充」という隙を突かれて貴重な兵力をうしなうことになるだろう。一方、「鉄砲を使って、組織の戦力を上げる」というお目的意識を明確に持っていた信長軍は、旧来の戦い方を続ける武田軍を完膚なきまでに叩きのめすことができた。

なるほどな、と感心してしまう。
名古屋の地下鉄名城線の「右回り・左回り」という表現に感動する場面も著者の思考の深さを捉えているだろう。何も考えずぼんやり見ている自分はまだまだレベルが低い。
進化するための材料は目の前に転がっているが、それに気づかず通り過ぎてしまうことがいかに多いか。無理だ無理だと言いながら、やっぱり反省しきりだな・・・(苦笑)。
家で本書を読んでいたら、6年生の息子がタイトルを見て僕に言った。
「お父さんには関係ないじゃん」。
確かにそうだけど、別にいいいだろ!

鍵泥棒のメソッド

kagidoro
内田けんじ監督作品は面白い。商業映画で公開している「運命じゃない人」も「アフタースクール」も全て面白い。
派手な演出やアクションがあるわけではない。壮大なストーリーでもない。しかし、オープニングシーンから引き込まれグイグイと作品にのめりこんでしまう。上質なコメディ映画というのはこんな作品のことをいうのだろう。
脇役陣もスパイスが効いているとはいえ、登場人物は堺正人、香川照之、広末涼子のほぼ3人。それぞれの個性が絡み合って進行していくストーリーは全く展開が読めずハラハラする。コメディにも拘らず緊張感たっぷりなのだ。
何となくラストは予想できるが、それも監督の手のひらに踊らされているようで心地いい。幸せな気持ちになれるのも嬉しい。こんな日本映画の存在って、この先も大切だろう。特に最近は絶望的な映画が増えているような気もするし・・・。ちょっと褒めすぎかな?(笑)。
それにしてもこの内田監督。4年に一度くらいしか映画を撮っていない。周防正行監督も何年に1本しか撮っていないが、作品はかなりヒットしているし、奥様も草刈民代さんだから生活の心配はないだろう。
内田監督の作品もそれなりにヒットはしているだろうが、4年間他の仕事をせずに暮らしていくのは難しいのではないか。余計なお世話でどうでもいい話だが、つい心配になる。この精巧な脚本を仕上げるには相当な時間を要すると予測できても、そんなことを思ってしまうのだ。
それが理由ではないが、もっと作品を作って欲しい。名古屋での公開もどこまであるかわからないが、複数の映画館で上映してもらいたい。一部のマニアに留めておくのはもったいない話だ。
こんなブログを書いているうちに過去の作品もまた観たくなってきた。ちゃんとDVDは置いてあるかな・・・。

旅の窓

旅の窓 旅の窓
(2013/04/26)
沢木 耕太郎

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気分転換にさらりと読める一冊。著者が世界中を周り、その時に出会ったシーンを写真に収め、エッセイを残している。それは中国であり、東アジアであり、ヨーロッパであり、アメリカであり、まあ全世界だ。
そんな全世界を旅して、その時に感じたことを思うまま書ける職業とは何ともうらやましくもあるが、きっとそれは表面的にしか見ていない証拠だろう。
書いてあるのは実に他愛もない日常。普段の光景と普段の生活がにじみ出ている。著者もその場面での感情が異なるのか表現にも違いがあるように思う。軽く流せるエッセイもあればそうでないエッセイもあって・・・。
著者はプロのカメラマンではない。でも、素人の僕が見てもプロとの違いはわからない。本書に掲載されている写真がプロの作品であると言われれば、何ら疑うことはない。しかし、プロから見ればアマチュアの域なのだろうか。
僕は本書を岡山への出張の際、新幹線で読んでいた。東京に出張する時の風景はすでに見慣れた風景だったりする。それが反対方面になるとその感じ方は違う。
京都あたりまでは何度か目にしているわけだから目新しさはないが、大阪を越えると途端に新しい風景が目に入ってくる。本を読んでいるわけだから、ずっと眺めているわけではない。時々、ぼんやりと見る程度。それでも新鮮なのだ。
僕の「旅の窓」と沢木氏の「旅の窓」とでは雲泥の差はあるが、なぜ沢木氏が旅先で写真を撮りたくなるのかは何となく分かるような気がした。そして、思った。ちょっといいカメラが欲しいと・・・。
一眼レフの高級品は使いこなせないが、せめてモックンが宣伝しているカメラくらいは・・・。facebookやブログ用にスマホで写真を撮っているだけでは、本当にいい絵は撮れないのかな。
最近はスマホのカメラも優秀なので、それは単に腕の問題だとは思うのだけれど。