僕のようなネクラな人間はどうしてもネクラな映画ばかり観てしまう。
それでは偏った世界しか知ることはできない。
時にはスカッとするような痛快な映画も観た方がいい。
それが少しでもネクラから脱皮することにも繋がる。
そう、無理やりにでも思考を変えるのだ。
そんな意味では最適な1本といえるだろう。
本作はレイトショーで鑑賞。
それも生ビールを飲みながらの鑑賞。
映画コラムニストとしては姿勢を正し難しい顔をして観るべきだが、
時には自らを否定することも必要。
一旦、自分の役割を放棄する気持ちを持つのだ。
一体、何の話をしているのだろう(笑)。
本作は一連のオーシャンズシリーズになるが、僕は過去の作品は一度も観ていない。
改めて調べて初めて「オーシャンズ11」「オーシャンズ12」
「オーシャンズ13」の存在を知った。
言い訳すれば、これらの作品が公開された時は映画コラムニストを名乗っていなかった時期。
やむを得ないことなのだ(笑)。
このシリーズはジョージ・クルーニーを中心とした犯罪もので、
本作はジョージ・クルーニーの妹役としてサンドラ・ブロックが演じる。
これまでとは切り離されているので過去の作品を観ていなくても全く問題はないが、
ファンからすれば知っておいた方がいいといわれるだろう。
多分、犯罪の展開で共通項があるのかな?。
本作も冒頭からテンポよく映画は進行していく。
ワクワク感を引きずりながら観ていくのだが、
よくあるアクション映画のようにずっと手に汗握って疲れるわけではない。
高尚なワクワク感と緊張感といったところ。
巧みなストーリーで観る者をあっと言わせる作り。
そして、映画が終わりそうで終わらない点もいい意味で観る者を裏切るし、
それがさらに映画の魅力となっている。
たまにはこういった娯楽作品も観た方がいい。
それもお気楽ノー天気ばかりでなく、少し頭を使う程度がいい。
いかん、いかん、オーシャンズシリーズを観たくなってしまった。
また、Amazonプライムの餌食になってしまうのか?
これが製作に名を連ねるスティーブン・ソダーバーグの戦略なのか?
たまにはレイトショーもいい。
生ビールを飲みながらもいい。
お客さんもいっぱいだったしね・・・。
本当はこんなことを書くべきではないが、本作は観る予定がなかった作品。
当初は同じミリオン座で公開されている
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」を見るつもりだった。
それがその日の計画が狂い、たまたま時間が合った本作にしたまでのこと。
予備知識もなく、急きょスマホで調べて確認した程度。
映画館に入った時は観客で賑わっており、劇場内もほぼ満席。
そこでこの作品の話題性の大きさをまざまざと知らされた。
たまにはこんな映画の見方もいいのかもしれない。
自分の好みの作品ばかりだとどうしても偏ってしまう。
ちょっとした偶然の出会いが思いがけない出会いになったりする。
キャリアの世界と一緒だね(笑)。
本作は旧ソ連を舞台に独裁者スターリンの死後のドタバタを描いた実話。
それをコミカルに皮肉っぽく描いている。
ロシアでは上映禁止というからよほど本国では
気にくわない描き方をされていると言っていいだろう。
ソ連のことを描いているが製作はイギリス。
出演する役者もイギリス人であったり、アメリカ人であったり。
英語が理解できない僕でも映画は英語で作られてることくらいは分かる。
調べてみると公開は英語版と書かれているがロシア語版なんてあるのかな?
昭和の高度成長時代の日本を英語で製作されたら違和感を感じるだろう。
他国だからすんなりと受け止められる作品と言える。
ただロシア人が観たらその内容に限らず腹が立つに違いない。
一方でこうした形で歴史を忠実に伝えることも大切かも・・・。
本国に任せておけば闇に包まれてしまう歴史もあるだろう。
それが目的がどうかは分からないが、
そんな意味ではこの作品があちこちの映画祭に呼ばれるのも理解できる。
ジャンルはコメディ。
時折、劇場内も笑いが起きる。
ただそれはクスっとこぼれる程度の笑いで大笑いするコメディではない。
もっとも日本映画が苦手とするだろうシニカルで風刺性の強いコメディ。
あれっ、シニカルも風刺も同じ意味?(笑)。
このあたりは教養を問われるな・・・。
本作は観る側の教養を問われる作品でもある。
観客もナンパそうなカップルは一組もいなかった。
それがそこそこヒットすることにもしかしたら意味があるのかもしれない。
地方の劇場まで公開されるのが理想だと思うけど・・・。
たまにはこんな作品も観なきゃいけませんね。
「ガウディ計画」を読み、その勢いでこの最新作も読んでしまった。
圧倒的にこれから読む方が多いと思うので、
内容にあまり触れないように紹介したい。
そんな表現力が僕にあるのかな(笑)。
面白いように佃製作所には難問が訪れる。
一般的な中小企業の製造業って、
もっと地道に静かに業務をこなしていくはと思うが、ここでは180度異なる。
小説だから当たり前か。
本書のカギは特定の個人。
今までの池井戸作品は個人よりも巨大組織が相手。
その組織の中の個人を描くケースが多かったと思うが、
今回はより個人がクローズアップされる。
それもなんかイヤらしい感じで・・・。
それをバッタバッタ切り倒していければいいのだが、
そうなっていくのは相当ストーリーが進んでから。
いつものように立場は弱く、もがいてばかり。
それが今回は佃製作所に限らない。
別の中小企業も対象。
そんな意味では本書の主役は佃製作所ではなくもう一つの企業になる。
そして、ここからはあくまでも僕の推測。
本書には間違いなく続編があり、そこで佃製作所が再び主役の座を取り戻す。
な~んとなく予想できなくもないが、その予想は裏切られるだろう。
前回のTVドラマで「ガウディ計画」がドラマの進行と同時に発売されたのと同じで、
この続編も秋から始まるドラマのどこかのタイミングで発売されるだろう。
TV局と出版社がコラボした巧みなマーケティングと言えるかもしれない。
全く違っていたとしたらごめんなさい。
単なる妄想と受け止めて欲しい。
本書を読んで、改めて理解できたこと。
小説は電子版が向いている。
一方でビジネス書は線を引いたり折り曲げたり、
後で振り返ったりすると電子版はまだまだ不向き。
僕の集中力が足りないだけかもしれないが、
ビジネス書はどうしても記憶に残りにくい。
その点、読み切りの小説はいい。
きっとこの続編も発売された途端にkindleでダウンロードしてしまうんだろうなあ。
その前にハゲタカの続編「シンドローム」を読むことになるんだけど・・・。
昨年気になっていたが見逃した作品。
今回、先日購入したTVをネットに繋げ、Amazonプライムで有料で観た。
時代はどんどん進歩していくね(笑)。
このポスターの二人が並ぶ写真はもっとも悲しいシーンと
いうことが観終わった後、分かった。
これだけじゃネタバレならないよね(笑)。
僕が黒澤清監督を初めて知ったのは大学時代。
「ドレミファ娘の血は騒ぐ」という映画が話題になった時。
元々はピンク映画だったのが、一般映画になったレアな作品。
洞口依子さんの映画デビューであり、
亡き伊丹十三監督が怪しい役で出演していた。
黒澤監督は自主映画上がりで僕ら映研連中の間では特別な存在だった。
その後もかなり異質な映画を撮り続けていた。
メジャーになり切れない感じがいいんじゃないのかな。
そんな意味ではこの映画も異質。
最初の5分でその映画の異質感を感じることができる。
タイトルクレジットのシーンは一般的な映画ではありえない。
インパクトのあるファーストシーン。
そして、途中までは予測不能。
どんな展開になるのかさっぱり分からない。
登場人物が本物なのか偽物なのか、なにが正しいのか正しくないのか、
観る者の想像力に委ねられる。
一見、リアルなストーリーと思わせながらも異次元の世界に導かれる。
これは社会派ドラマか、ミステリーか、
純愛ドラマなのか、それも迷わせる。
最後の最後で僕の結論は出たのだけれど・・・。
いいよね、こんな感じ・・・。
主役の長澤まさみさんは途中までは結構イヤな女。
感情も露にする。
でも、それも彼女の場合、魅力的だったり。
イヤな女役もよく似合うが、それが色っぽかったり。
あの感情の起伏も・・・。
そして、抱かれたい。
な~んて(笑)。
全編通し非現実な映画だが、もしかしたら間近に迫っている恐怖も感じる。
それは宇宙人のような侵略者じゃなく、もっと身近な存在で。
一体、黒澤監督は何を言いたかったのだろうか。
未だよく分からない。
シンプルに人間愛だろうか・・・。
何を今さらと思われるかもしれない。
最近、第3弾「下町ロケット ゴースト」が
出版されたタイミングで第2弾の本書を読み終えた。
下町ロケットのことをブログに書いたのは6年前。
当時のブログを読み返しても相当感動したことがわかる。
また、立て続けに「空飛ぶタイヤ」を観て、その感動に引きずられたのも読もうと思った理由。
やはり単純な性格だ。
この「ガウディ計画」はすでにドラマ化され、それも観ているので
原作も今さらな感じだがつい読んでしまった。
いつものパターンなら原作を読んでドラマや映画を観るというのに・・・。
通常、小説を読む場合はその登場人物が勝手に頭の中でイメージされていくのだが、
ドラマを観た後に原作を読むとドラマの登場人物がそのまま頭の中にイメージされる。
サヤマ製作所の椎名社長は小泉孝太郎が頭に浮かぶし、
貴船教授は世良公則が、一村教授は今田耕司が頭に浮かぶ。
不思議なもので上手く操られている感じだ。
それにしても今思えばこのキャスティングは凄い。
普通のドラマなら考えにくい配役。
世良公則の悪役なんて想像しにくいが、このドラマでははまり役。
そんな点でもこのドラマは面白かった。
最近、友人との会話ではTBSの一連の池井戸作品と
7月からスタートしたテレビ朝日の「ハゲタカ」が話題になる。
テレビ朝日はTBSドラマをかなり気にして対抗意識を持っているのではないかと・・・。
真相は不明だが、そんなことをネタにしながら酒を飲むのも悪くはない。
あまり固い話ばかりじゃいけないのだ(笑)。
そんな意味ではたまにはTVドラマも観なきゃいけない。
話題を原作に戻そう。
池井戸作品は中小企業が大企業に立ち向かうケースが多い。
本作の場合はいつも暗躍する銀行はほとんど登場しないが、
常に会社はギリギリの状態。
生きるか死ぬかの選択を迫られている。
そんなシーンを読むたびに自分の恵まれた立場に安堵しながらも、
危機感を持ってみたり。
そして最後には勇気づけられたり。
本作のラストもドラマで分かっていても、その結末に向かうと共にハラハラドキドキする。
やはり単純な性格だ。
やっぱ池井戸作品は中小企業の味方ですね。
どうやらこの秋から「下町ロケット」が再びドラマ化される。
ドラマが始まる前に第3弾も読んでおかねばならない。
この秋はいろんな意味で忙しくなりそう。
忙しいながらも楽しい夜を過ごしていきたい。
いつか観よう観ようと思い、
ずっとAmazonプライムのウオッチリストに放り込んでいた。
全5話でざっと5時間あるわけだから、そう易々と時間が作れるわけではない。
時間が流れ、先に映画「空飛ぶタイヤ」を観てしまった。
ブログでも書いた通り面白い作品だったが、
あの長い原作を2時間にまとめるのはかなり難しかったように思う。
そうなると気持ちはドラマの方に傾いてくる。
観る時間を確保せねばならない。
最近はお陰様なのか出張が重なり、その移動中に観ることができた。
ドラマ版は2009年WOWWOWで放映された約10年前の作品。
結論から言えば、この作品を映像化するには最低5時間は必要になるということ。
映画では赤松家の家庭内のことやホープ自動車沢田さんの奥さん、
ホープ銀行伊崎さんの婚約者のことは省かれていた。
そりゃ、省かなきゃ物語は進んでいかない(笑)。
ぐいぐい惹き込まれ、時に喜んだり、時に同じように怒ったり、
時に涙を流しそうになったり、なかなかの感動ものだった。
新幹線の中で思わず声を上げそうになったのはヤバかったけど・・・。
主役の赤松徳郎演ずる仲村トオルは「ビーバップハイスクール」の雰囲気が
未だに残っていると感じたが、中小企業のもがく熱血社長を気持ちよく演じていた。
映画の奥さん役は深キョン、ドラマは戸田菜穂。
この2人は同じ設定でも全く異なるキャラクター。
深キョンは温かく見守る奥さんだったのに対し、
戸田さんは一緒に喜んだり嘆いたりする役。
どちらかを選べと言われたら相当悩む。
2人ともとてもいい奥さんだった。
僕も自分も同じ環境なら乗り越えられる気がする(笑)。
原作も映画もドラマも結果は同じで、
(当たり前か・・・)
ホープ自動車が制裁を受けながらもギリギリ生き残るかたちで終了する。
そこで描かれるのは大企業の身勝手な論理。
不正や自己保身を社会正義として捉えてしまう。
この作品は実話を基に作られている分、余計に面倒臭い。
僕らが知らないだけで、また、このような大事件にならないだけで、
同じようなことはあちこちで起きているのだろう。
必ず立ち上がる人がいるからまだ最悪な事態にはならないけど。
常に自分の在り方に対し、問い続ける能力は持っていたい。
そこがなくなってしまったら、存在価値はないのと同じだ。
映画もドラマもホープ自動車の狩野常務の描き方が象徴的。
映画の岸部一徳さんはいかにも悪だったが、
ドラマの國村隼さんは常に冷静で正論をはく常識人。
素直に話を聞けば正しいことを言っているように思える。
その違いが両作品の醍醐味だと思うが、ドラマの方が実在に近いと勝手に解釈してしまう。
僕も単なる中小企業のオヤジだ。
いつ何時同じような立場に立たされるかは分からない。
その時にどれだけブレずに自分を保つことができるか。
この手の作品を観るとそれを改めて認識するし、勇気づけられる。
もっとこんなドラマが増えればいいと思うが、対象者が限られてくるのかな?
今日も明日も明後日も頑張っていきます!
一部のマニアの中では騒がれ木曜から始まったドラマ「ハゲタカ」。
僕はリアルでは観ることができず、PCで録画分を昨日、書斎で・・・。
ちなみに書斎はエアコンがないのでこの時期は長期滞在は難しい。
特に連日のこの暑さ。
汗だくになりながら初回のドラマを観た。
そんな話はどうでもいい。
一部のマニアが騒いでいたのは
2007年に放映されたNHKドラマ「ハゲタカ」との比較。
このブログでハゲタカで検索してみるとなんと46件。
すべてリンクさせようと思ったが、
それだけで膨大な時間を要するので止めておく。
ただ言えるのは2007年以降観てきたドラマでNHK「ハゲタカ」を超える作品はない。
今でも僕の中ではベスト1位のドラマなのだ。
何度もこのドラマを題材に勉強会を主催したし、
同じようなマニアとは「終わりなき入札」ではなく、
終わりなき名言呟きを繰り返した。
なんのこっちゃ(笑)。
10年以上経過するのに色褪せることのないドラマだし、
ここに描かれている様々なシーンは僕の仕事観にも影響を与えている。
そんな中でスタートした新たな「ハゲタカ」。
世の中には僕のようなおかしな連中が山のようにいるだろうから、
さぞかし制作スタッフも苦慮したことだろう。
それはドラマを観て感じる点でもあった。
NHKのドラマと違い、どちらかといえば原作に近い。
原作のことはかなり忘れているが
沢尻エリカさん演じるホテルのマネージャーがそれにあたる。
しかし、相当、NHKを意識しているんじゃないかと思わせるシーンは多い。
バルクセールの対峙の仕方であり、
旅館(料亭)でのやり取りであり、
ホライズン本社のオフィスでありと・・・。
出演者も太田緑ロランスさんや光石研さんあたりを使うのは心憎い。
光石研さんの中延さん役もいいと思うが、
役柄が異なる前回ドラマ時の雰囲気とほぼ同じ。
巧みな演出なのかな。
1話が終わった段階でドラマの中身を語るのは止めておくが、
今後の展開は楽しみ。
久しぶりに民放の連続ドラマを観ることにしたい。
きっとあちこちでNHK「ハゲタカ」論とテレ朝「ハゲタカ」論が繰り広げられるであろう。
現段階で言えば、NHK「ハゲタカ」にはまだまだ叶わないというのが僕の率直な感想。
それでも次回以降を楽しみにしたい。
暑い書斎で観るのはいやだけど(笑)。
まず自分では選択しない映画。
休日に高校生の息子がTSUTAYAで借りてきたので一緒に観た。
DVDで映画を観るのも久しぶり。
最近、家で観る場合はAmazonプライムばかりなので、こんなシーンも珍しい。
家族で何も考えずワイワイ騒ぎながら鑑賞するには向いている映画ともいえる。
それも単純明快に何も考えずに観るのがいい。
本作は社会的な立場や事件の真相を深く考えるととんでもないことになる。
ハッピーエンドなんて言える場合ではないし、国家問題に繋がる。
トランプ大統領のワガママなんて、ほんのちっぽけなことと思えてくる(笑)。
中枢部の連中はそんなことまで考えて操作をしていたのかな?
ストーリーは至ってシンプル。
その分、映像の迫力で勝負している感ありあり。
世界の主要都市が登場し、あっという間に異常気象に巻き込まれていく。
東京の描き方があまり正しいとは言えないが、そこまでの検証も必要ない。
それが許される映画なのだ。
しかし、つい先日の西日本全体を襲った災害を目の当たりにすると
自然災害と政治的な取り組みとは切り離して考えるものではないかもしれない。
もしかしたら本作はとんでもない社会派ドラマであり、
経済主導の世界を皮肉った映画として捉えることもできる。
映画のメッセージをどう受け取るかは観る者に寄るということだ。
最近、外国映画の俳優さんが全然分からなくなってきた。
この映画で知っていたのは大統領役のアンディ・ガルシアと
側近のエド・ハリスくらい。
ベテラン勢が頑張っているのは嬉しいけど、
それだけしか語れないのは映画コラムニストとしては失格。
もっと最近の傾向性を覚えないといけませんね(笑)。
この手の作品は毎年公開されるような気もするが、
たまにはこんな映画の楽しみ方もいい。
本書も若手勉強会の課題図書。
前回取り上げた「20代に伝えたい50のこと」は僕が推して課題図書にしたのだが、
こちらはチームリーダーのオガワが選んできた。
同業他社を知るというよりは新人が育つ過程を知りたい方が強いと思うが、
センスとしては悪くなない。
今の自分に照らし合わせ読書することもいいこと。
著者の藤沢久美さんにも関心があるのか尋ねてみたが誰も知らなかった。
やっぱ、まだまだですね(笑)。
僕が読み終えた時の印象は2つ。
自分が想像していたディップさんと全然違う、ということと、
何となく名大社の取り組みに似ている、ということ。
ディップさんからは「おいおい、一緒にしないでくれよ。」
と言われるかもしれないが、素直にそう感じた。
そう感じたかったのかな?
同業他社とはいえ、名大社がディップさんと被ることはほぼない。
採用領域が異なるため競合はない。
そのため情報が乏しいのも事実。
調べてみると冨田社長は僕と同い年。
大学は違うが愛知県の大学出身。
どこかで接点があっても良さそうだが、お会いしたことは一度もない。
どこかのタイミングでご挨拶に行くべきとは考えている。
多少なりとも近い点はあるのだ。
こんな言い方は大変失礼で本人を前にした場合はしっかりと詫びるが、見た目は強面。
強烈なトップダウンで体育会系のガンガン飛ばす営業会社をイメージさせる。
勝手に決めつけてしまって、申し訳ありません。
だから会社の風土もそんな風に思っていた。
しかし、本書を読むと全く違う。
社員さんを大切にし育成する仕組みが散りばめられている。
でも優しいだけではなく、厳しさも徹底的に教えていく。
そんな点が名大社と似ていると思ってしまった。
(えっ、うちはそこまでやっていない?スイマセン・・・)
我々人材ビジネスに共通することだが、
ここ10~15年はジェットコースターに乗るような経営。
先日も某P社の某K社長と飲みながら話していたが、
ここ10年で大きなカーブを繰り返してきた。
そんな意味ではディップさんも同様。
Yahooとの提携話打ち切りも含め、修羅場を潜ってきたから今があるのだろう。
勉強会のほとんどの参加者がキーワードとして挙げていたのが、
「営業は生きる上で武器になる」という言葉。
自分とダブらせる面があったのかもしれない。
ある意味、困難を超える経験はここに存在するのだろう。
企業として見習わねばならない点は多い。
そして、各個人が人間力を高めること。
無形サービスを扱う我々は特にそうだろう。
多分、自分では本書を選ぶことはなかったと思う。
いい機会を頂きました。
感謝!
「ゆとり世代」「さとり世代」「つくし世代」の違いについて
講演ネタとして、使ったりする。
本書を読むと、もうそれだけで若者を語るのは難しくなった。
一般的に今の若者は「ミレニアル世代」。
もっと年齢を限定し、この春から社会人になった世代を「スーパーゆとり世代」という。
この世代の特徴を知り、今の就職戦線に絡ませ話をするのは格好の講演ネタにはなる。
その点で本書の存在はありがたい。
他人の褌を利用するのが得意な僕としては(笑)、
その発行元を提示しながら全体の流れを説明すると結構ウケる。
ただ本書を紹介し喜んでいる場合ではないというのが真実。
正直、ちょっと怖くなってしまったのだ。
著者は最近TVでの露出も多い博報堂の原田曜平氏。
若者研究の第一人者であり、優れたマーケッター。
そんな方が苦労しながら付き合う若者について、自らの経験も併せ若者像を語る。
その現実に怖さを感じるのだ。
最近、若者は「チル(Chill)」という言葉をよく使うようだ。
元々はHIPHOP用語らしいが、「まったりする」「のんびりする」という意味らしい。
これが今どきの若者の象徴的な言葉。
そんな中、求められるのが「横から目線」。
企業内の上司部下の関係でいえば、どうしても「上から目線」になりがちだし、
「今どきの若者は~」と説教口調になりがち。
以前からそれが通用しないことは言われていたが、本書を読むとそれが加速している。
迎合するとか、しないとかではなく、
この世代の価値観をグッとこらえて理解しないと何事も進まなくなる。
それが「横から目線」なのだ。
本書でも頻繁に出てくるのが採用や入社してから接し方。
特に超売り手市場と言われる近年では、その理解があるかないかで戦略も大いに異なる。
どこまで落とし込むかは別にしても、
理解した上で採用手法も変えなければならない。
僕が度々話させてもらうイマドキの若者像も軌道修正が求められるわけだ。
常に勉強が求められますね(笑)。
ミレニアル世代に接する時の基本姿勢は「おひたし」。
分からない方は僕に聞くか、本書を読んでもらいたい。
唸りながらも頷くしかないだろう(笑)。