前回のブログで1980年代は5年刻みにすると書いたが、それは止めておく。
5年刻みだとあと8回も書かなきゃいけない。
週1回のアップでも終了するのは6月下旬。
さすがに飽きる。
読者の方ではなく、僕が・・・。
他の書籍もアップしたいし。
1980年代は僕の人生で一番映画を観た期間。
特に大学生になった80年代後半は相当数。
85年~89年で400本以上は観ているんじゃないかな。
しかし、当時の作品を思い出せないことも多い。
タイトルすら忘れている。
映画を観ることが目的で、その中身をしっかり留めておくことはなかった。
昔はブログもなかったしね。
この頃からキネマ旬報もちょくちょく購入するようになった。
高校時代は邦画よりも洋画を好んでいたので、「ロードショー」を毎月買っていた。
「E.T.」(82年1位)は満席で通路に座って映画を観た。
当時は座席指定も入れ替え制もなく、人気の映画は長蛇の列。
「ストリート・オブ・ファイヤー」(84年7位)も超カッコいい作品。
大学時代にオープニングシーンを真似て映画も作った。
ただのコメディになってしまったが。
日本映画では宣伝力にまんまと乗っかり、角川映画にハマった。
若かりし薬師丸ひろ子が好きだった。
「翔んだカップル」(80年11位)、「セーラー服と機関銃」(81年18位)、
「探偵物語」(83年25位)、「里見八犬伝」(83年50位)、「Wの悲劇」(84年2位)
あたりは映画で観て、ビデオでも観たんじゃないかな。
相米慎二、根岸吉太郎、沢井信一郎らの監督も好きになっていった。
面白いことに「翔んだカップル」は80年公開時にベストテンにも入っていないが、
80年代を代表するベスト30では28位。
「マルサの女」(87年1位)が80年代の30位なので、
評論家の評価もあまり当てにはならない(笑)。
時代と共に作品の評価も変わってくるだろう。
森田芳光監督の「家族ゲーム」(83年1位)が80年代の4位なのは納得できるが、
「の・ようなもの」(81年14位)が19位なのはいかがなものか。
そんなことを感じたり・・・。
80年代はメディアの力が映画の興行収入に大きな影響を与えた。
先述の角川作品もそうだが、フジテレビが圧倒的な力を持っていた。
当時の歴代配収のトップスリーが「南極物語」「子猫物語」「ビルマの竪琴」(85年7位)。
上位2作品はあまり評価は高くはない。
僕も3作品とも観ているが「子猫物語」は残念ながら何の記憶もない。
とりとめなく当時のことを書いているが、まだまだ終わりそうにない。
もう少し80年代のことは書きたくなってきた。
5年刻みではないが、もう1回振り返ってみたい。
続く・・・。
久しぶりに不思議な映画を観た感覚。
時代性や背景は異なるが、こんな感覚の作品は1970年代にはあった気もするが、
2023年に上映されるとは・・・。
ふんわりと静かなそれもセリフもない時間が長いので、
Z世代の連中なら倍速かスキップにしてしまうだろうな。
映画館ではできないけど・・・。
多分といっていいか分からないが、
個人個人の感性により見方や評価は変わってくる作品。
当初は抜群に高かった評価も時間と共に下がっていく。
僕のように高い評価に期待して観た人たちが裏切られた感を抱いているのかもしれない。
それは作品を否定しているのではなく、バイアスが勝手に掛かってしまう状態。
それは映画を観る側だけでなく、映画に登場する人たちも同じ。
そんな雰囲気を漂わせる。
こちらはどんな展開になるのか、さっぱり読むこともできないし、
あちらは人物像を勝手に創造していく。
映画の解説には
「不思議な能力で人々を癒す青年が自分自身の過去と向き合う姿を描いたドラマ」
と表現してあるが、それも受け止め方によっては随分と異なる。
抑揚のない、瞬間的にはグッと上がる展開が観客を惑わしてしまうのだろう。
主役坂口健太郎の表情も含めて・・・。
映画の舞台は長野。
僕は車ナンバーの「松本」で理解したが、自然に恵まれた世界としか判断できない。
壮大な自然が映画をピュアにさせているが、
舞台が東京だったらもっとドロドロした関係性に陥るだろう。
誰かが書いていたが、その暮らしぶりも気になるところ。
坂口健太郎も居候の齋藤飛鳥も基本は無職。
シングルマザーの市川実日子が看護師として稼いでいるが、生活は大丈夫だろうかと。
いくら田舎でも最低限のお金は掛かるわけで・・・。
そのあたりの不思議さも組まれた演出なのか観る人に聞いてみたい。
このブログではどんな作品かさっぱり理解できないと思う。
それはそれで構わない。
ちょっと不思議な感覚。
たまにはこんな映画を経験してもらいたい。
このブログを続けていたとして、興味を持つ方は限られる。
何のために?と思う方も多いと想像するが、
自分の今後のキャリアのためとでもいっておこう。
まあ、自己満足ですね・・・。
1970年代初めはとにかく暗い。
日本映画も外国映画も暗くて重い。
そんな印象が強い。
日本では学生運動の影響で物騒な事件も多かったし、映画業界は斜陽産業。
1970年には大映が倒産。
日活がこれまでの路線を変更してロマンポルノの道を選んだ。
そんなムードが制作する作品にも影響したのだろうか。
エンターテイメント性の強かった黒澤明も「どですかでん」(1970年3位)
という沈んでしまうような映画を作った。
アメリカ映画もベトナム戦争があったため体制に批判的な作品が多い。
また葛藤する若者を描く映画が多いのも特徴じゃないか。
アメリカン・ニュー・シネマなんて呼ばれながらも、
僕が観た「イージー・ライダー」(1970年1位)にしても、
「スケアクロウ」(1973年1位)にしても決して楽しい作品ではない。
1970年代前半はそんな作品が多かったが、僕は嫌いではない。
その重さが人間の核心を描いているようで、
時間が作れればいろんな作品を観てみたい。
1970年代後半になると日本映画はともかくアメリカ映画は新しい方向に向かう。
ジョージ・ルーカス監督やスティーヴン・スピルバーグ監督の存在が大きいのかも・・・。
「JAWSジョーズ」(1975年)、「未知との遭遇」「スター・ウォーズ」(1978年)
などハラハラドキドキさせる作品も増えた。
このあたりからハリウッド映画が元気を取り戻し、
一気に1980年代に突入していくのかな。
このあたりの作品は意外とキネマ旬報ベストテンの評価は高くはないが・・・。
その頃、日本映画を支えていた、大袈裟に言えば松竹を支えていたのは山田洋次監督。
興行的にも評価的にも寅さんシリーズが日本映画を引っ張っていた。
それ以外にも「家族」(1970年1位)、「故郷」(1972年4位)、
「幸福の黄色いハンカチ」(1977年1位)と高評価の作品を生んでいる。
この時代は僕が学生時代にリバイバル上映やビデオを借りて観た作品も多い。
「約束」(1972年5位)、「砂の器」(1974年2位)、「青春の蹉跌」(1974年4位)、
「田園に死す」(1975年6位)、「青春の殺人者」(1976年1位)、
「サード」(1978年1位)、「復讐するは我にあり」(1979年1位)など。
シアワセな作品は一つもなく、そのほとんどは沈んだ気持ちになる。
これも時代を表しているんだろうね。
70年代に活躍した監督の大半は生きていない。
そう考えると山田洋次監督って、凄い・・・。
先日もNHKの番組に出演していた。
日活ロマンポルノについても、
角川映画についても語りたいが今回はこれにて。
1980年代からは5年刻みにするかな。
続く・・・。
日本で公開されたのは2021年。
当時はあまり意識していなかった。
この一年で僕の韓国映画の見方が変わった。
本作が昨年あたりの公開だったら、劇場まで足を運んでいたかもしれない。
テーマ的に注目していた。
韓国映画は遠慮なしに事実を描く。
日本では到底難しい題材も真正面から抉る。
そこは見習うべきだと思うが、
簡単にそんなことができない事情もあるのだろう。
昔から韓国の政治は闇が多い。
(何も知識は持ち合わせていませんが・・・汗)
昨年見逃した「キングメーカー 大統領を作った男」も想像するに
闇を描いているだろうが、本作もそう。
そもそも韓国は大統領が殺されたり、拉致されたり、
退任後、逮捕されたりとネタが豊富。
そんな表現は失礼だと思うが、恰好の映画の題材になる。
いずれ日本でも昨年起きた事件をいずれ映画化されるかな?
仮に映画化できても30~40年後かもしれないね。
その時はもう生きていないか(笑)。
本作は1979年に中央情報部(通称KCIA)部長に朴正煕大統領が暗殺された事件を描く。
映画を素直に受け止めれば事件を起こした部長はむしろ正義。
病んだ韓国政府に翻弄されながら、自らの正当性をぶつける。
そのぶつけ方に問題はあるが、同情する声は多いだろう。
しかし、同情は同情。
実態が変わらなければ成長はない。
映画はそんなことが言いたかったのではないか。
大きな権力は人を変える。
大きな裁量権が人を誤った方向に向かわせる。
無責任にいえば、その繰り返しが行われているのが韓国ではないか。
映画はそれを全世界に披露することで歯止めをかけようしているのではないか。
そんなふうに考えたり・・・。
映画で歴史や倫理観を学べるのはありがたい。
当時の韓国の街並みや住まい、食事もあんな感じなんだろう。
それにしてもお酒の飲み方は豪快。
あれは酔ってスベって転んだんだよね・・・。
理想を求めることは必要。
理想を叶えた後、どうすべきか。
その理想を守り抜くのは難しい。
そんなことを感じた映画だった。
僕はバスケットボールの試合をほとんど見ない。
NBAのこともほとんど知らない。
それでもマイケルジョーダンの存在は知っている。
彼が世界を代表するスーパースターである事も知っている。
エアジョーダンの存在も・・・。
ただ、それだけ。
映画を通して知った事実は多い。
本作は実話を基に製作されたサクセスストーリー。
映画コラムニストであり企業人である僕はビジネスを舞台にした映画に惹かれる。
そこで繰り広げられる交渉や駆け引き、上司部下の葛藤がすこぶる面白い。
トップの判断として共感することも現場担当者として反発することもグイグイと引っ張られる。
世界トップの企業と名古屋のローカル企業。
全く違う世界とはいえ理解し得る場面は多い。
会社の業績に一喜一憂するのは世界共通なのかもね・・・。
舞台は1985年前後のNIKE。
大学生になった頃。
当時、NIKEは僕らの生活に馴染みはなかった。
一部の熱狂的なファンはいたと思うが、
流行っていたのはコンバースのハイカットであり、
アディダスのテニスシューズだった。
テニスはやらなくてもテニスシューズを履いていた。
未だに人気のスタンスミスは当時からあったが、
僕はステファン・エドバーグをカッコつけて履いていたんじゃないかな・・・。
そんな時代。
バブルを迎えようとする頃にこんなドラマがあったなんて・・・。
知らなかった。
映画のバックに流れるのも当時流行った洋楽。
タイトルもミュージシャンも出てこないが、耳馴染みのある曲。
映画を観ながらつい体が踊ってしまいそうな感覚も・・・。
ビジネスの現場と楽しい学生時代がオーバーラップする作品がつまらないわけがない。
いかにもアメリカ映画らしいNIKEを持ち上げるサクセスストーリーはぬぐい切れないが、
そこも含め上手くエンターテイメントに仕上げた演出には感動。
中年太りのマットデイモンもリアル感がありよかった。
企業理念の重要性も再認識できた。
一つの仕事の成果が企業のあり方さえ変えてしまう。
楽しみながらビジネスも学べる映画だった。
今回は1960年代をサクッと解説。
60年代に入ると馴染みのある映画監督も増えてくる。
僕が観たことのある作品もベストテンの中には毎年1~2本は含まれるようになった。
代表的な作品でいえば、
61年 用心棒(日本映画2位)
62年 椿三十郎(日本映画5位)、秋刀魚の味(日本映画8位)
63年 天国と地獄(日本映画2位)、アラビアのロレンス(外国映画1位)
64年 砂の女(日本映画1位)
65年 赤ひげ(日本映画1位)、サウンドオブミュージック(外国映画9位)
67年 日本のいちばん長い日(日本映画3位)、気狂いピエロ(外国映画5位)
68年 俺たちに明日はない(外国映画1位)、卒業(外国映画6位)
69年 少年(日本映画3位)、男はつらいよ(日本映画6位)、真夜中のカーボーイ(外国映画2位)
といったところ。
黒澤作品が多いが、結構、観たことある人も多いんじゃないかな。
ここ挙げたのはかなりのメジャー作品。
意外と日本映画だと上位の作品は一般的に認知度は低い。
今のキネマ旬報ベストテンでも上位はマイナーな映画が多いから、傾向は変わらないか・・・。
興行的にかなり厳しくなっていくのが60年代。
1958年の映画館の入場者が延べ11億2700万人に対し、
1963年には5億1200万人と5年で半分以下となった。
69年には遂に3億人を割り込んだ。
プロ野球チームを手放すのも、経営が厳しくなるのも当然。
テレビを敵対視するだけでも済まない。
今のようにドラマの映画化やテレビ局とのコラボなんて、考えもしない時代。
どんな世界でもピークは一瞬で過ぎてしまうわけね。
そんな中でヒット作を確認すると時代の傾向が理解できる。
興行収入ベストテンでは65年に網走番外地シリーズが3本、66年も同シリーズが3本ランクイン。
計6本は一切ベストテンには入っていない。
ヒットシリーズはどこまでも作ってしまうのは東映らしいのかもね。
ヒット作が偏る中で、監督も徐々に世代交代が進んだのもこの時期。
大島渚、篠田正浩、浦山桐郎など昭和生まれの活躍が目立ってきた。
ちなみに大島監督には一度、お会いしたことがあるし、篠田監督は岐阜出身。
少し身近に感じる(笑)。
アメリカ映画も大きく変わった時期のようだ。
ニューシネマと呼ばれる作品が増え、評価を得るようになった。
ハリウッドが描き続けた華麗で壮大な虚構から、現実に目を向ける作品が目立つ。
当時の社会背景も大きく影響しているのだろう。
年代を代表する作品を探っていくと時代性を反映している。
映画はその時代も教えてくれるわけね。
書き足りないことは多いが、これから更に深刻な70年代に入っていく。
続く・・・。
本作は社会派サスペンスとか、
社会派エンターテイメントと紹介されているが、
重厚な人間ドラマと捉えていいだろう。
ズシリと重くのしかかり、つくづくよくないことが頭をよぎる。
最近観た「茶飲友達」のその後の世界といえるし、
親のこと、自分のこと、家人のことも含め考えざるを得ない。
高齢化社会が抱える避けては通れない問題だが、
誰もが自分に降りかからないことを願う。
名大社でも介護施設のクライアントは多い。
人材確保には相当苦労されている。
ああいった現場を見れば、献身性だけでなくストレス耐性がないと体は持たない。
それを温かく冷静な態度で仕事を続けた松山ケンイチ演じる介護士・斯波の覚悟は相当なもの。
そして彼が放つ言葉。
犯罪者として扱うことに戸惑いを覚えるが、犯した罪を考えれ極刑にあたるのも当然。
しかし、そこに迷いが生じるのは映画を観た多くの人。
2つの正義があり、理論的正しさと感情的正しさがぶつかり合う。
感情的正しさが理論的正しさを上回ることはできないが、理論的正しさは大いに揺らぐ。
長澤まさみ演じる検事大友の表情が全て物語る。
先日書いた「Winny」で今年の主演男優賞は東出昌大で決まりと言ったが、それは撤回。
松山ケンイチかもしれない(笑)。
対峙する松山ケンイチと長澤まさみのドアップが頭から離れない。
今年は家族の闇を描く映画が多いと感じるのは僕だけだろうか。
また3ヶ月あまりだが、そんなことを痛烈に思う。
そして、本作のカギを握るのは坂井真紀と戸田菜穂。
かつて2人とも好きな可愛い女優だったが、すっかり母親役が似合う年齢になった。
ネタバレは避けるが、180度異なる2人の想いや態度がまたこちらの気持ちを揺り動かす。
どちらも否定することはできない。
このあたりは映画を観て確認して欲しい。
一時期、坂井真紀は静かだったが、最近、よく見かけるようになった。
いい感じの中年女性を演じられる。
ある人を思い起こしてしまうのは、僕だけだがそれも悪くはない(笑)。
きっとこれからいい母親役を演じていくのだろう。
かなり辛い作品だが、僕らは自分たちのためにも観る必要がある。
そんなことを感じた映画だった。
ブログを読んで観ようと思っても、上映する映画館は少ないんじゃないのかな。
本作は観るかどうか迷いながら時間が経過。
珍しくハナリー島の大統領がブログで絶賛していたので観ることにした。
すでに上映は終盤。
映画館では一日1回しか上映しない頃。
ある意味、貴重な機会。
見逃したら後で後悔しただろう。
観てよかった。
人は素直じゃなきゃいけないね。
本作はスウェーデン映画のリメイク。
シンプルなストーリーだが、それが人の心をくすぶるのかもしれない。
題材としては日本映画にも合うじゃないか。
いずれ日本でも映画化されるような気がする。
アメリカよりも先に映画化すべきだったんじゃないの。
そんなことを思ったり・・・。
公開終了しているケースも多いので、少しだけネタバレすると、
(といってもほぼ解説と同じ)
町の一番の嫌われ者が隣人との付き合いで、
人間らしさを取り戻していくハートウォーミングな人間ドラマ。
なにがいいって、主役オットー演じるトムハンクスが素晴らしい。
さすがの演技力。
もうそんな老人役かと調べてみたら、1956年生まれなので僕よりちょうど10歳上。
奥さんに先立たれ人取り残された旦那って、こんな存在になってしまうのか。
自分とオーバーラップさせると何となく気持ちは理解できる。
僕には子供がいるが、同じような寂しさが付きまとうのかもしれない。
日本に限らず海外でも近所付き合いはとても難しい。
ありがたくもあり面倒でもある。
しかし、ふとした付き合いからなくてはならない存在になるのも間違いではない。
それが嬉しいコミュニティ。
そのためにはいくら嫌われ者でも人として信用は得なきゃならない。
筋が通った生き方は最後の最後は理解してもらえる。
変な頑固オヤジにはなりたくないが、正しい頑固オヤジも悪くないなと思わせてくれた。
大統領は頬伝うほどの涙が出たと言っていたが、僕はそこまで涙は出なかった。
そんなに涙するなんて、人に明かせない何かがあるに違いない。
しかし、しんみりと感動したのも事実。
おススメの映画ですね。
2ヶ月ほど前、RCの卓話で著者の理央周さんと数年ぶりにお会いした。
卓話もとても分かり易い内容でいい学びになった。
スライドもさすがのセンス。
僕もあんな感じで作れるといいけど・・・。
後日、ありがたいことに最近、出版された著書を送って頂いた。
マーケティング関連の書籍を以前はよく読んだが、すっかりご無沙汰状態。
たまには脳が退化しないためにも読んでおく必要がある。
こちらもいい機会を頂いた。
マーケティングや経営戦略は一通り学んだが、忘れていることも多い。
そして、時代と共に変化もしている。
原理原則は大きく変わらなくとも、
手法や環境が変われば取り組み方もそれに即した対応が必要。
本書では多くの事例を基に分かり易く解説している。
専門的な知識がなくても、すんなりと頭に入ってくる。
経営者や幹部メンバーは構造的に理解しておく必要はあるだろうね。
担当者や部門に任せるにしても、
最終的に組織をまとめる上で仕組は重要だし。
理央氏は大学で教鞭をとられたり、
首都圏でも活動されているが起業当時は名古屋が中心。
事例には僕が普段お世話になっている経営者の企業も取り上げられている。
全然知らない内容だったが、販路拡大において大きな成果を上げた。
身近なところで成功体験があると必要性はより感じる。
小さな気づきを顧客視点でどれだけ持てるかで自社の果たす役割も変わる。
分かっているようで分かっていないことは分析し検証しないと・・・。
基本に忠実に従うことはいつの時代も変わらない。
インサイトという言葉も当たり前に使われるようになった。
カスタマージャーニーもいずれ当たり前になっていくのかな。
僕自身が先端のマーケティングを実施するわけではないが、
どんな行動やコミュニケーションが必要かは常に意識しておかなきゃいけない。
改めてその重要性を認識することができた一冊。
ぜひ、読んでもらいたい。
ありがとうございました。
本作を観た人は少ないだろう。
そもそも上映する映画館も少ないし、上映期間も短い。
残念ながら日の目を浴びる機会は少ない。
そんな日本映画って、結構多い。
ヒット作を複数の映画館で長期間上映するのは興行的にも重要だと百も承知。
しかし、こういった小さな作品が行き届くことで、
作り手の新たな可能性も広がるはず。
そんな場も大切にしていきたい。
正直、僕も素通りしかけた。
たまたまのタイミングと高い評価が気になったので、観ることができた。
小まめなチェックは欠かしちゃいけないね。
本作は東日本大震災から10年後の宮城県が舞台。
震災で亡くした家族を中心に様々な人間関係が描かれる。
それぞれが過去を背負い、それに立ち向かい葛藤しながら生きている。
悲しみは消えることもあれば、増幅することもある。
その矛先は誰にも向けることはできない。
せつないし、悲しい。
周りはそれを見て無責任に「頑張ろう!」「立ち直ろう!」と言ってしまう。
傷口を広げるだけで何の解決にもならない。
ただ悪気もなく、そんな言葉を発してしまう。
僕だって同じようなことをいう可能性は高い。
つい、口走ってしまいそう。
相手のことを思えば思うほど、安易な言葉は使えない。
誰しも当事者になることはできない。
結局は自分で未来を創るわけだが、必ずしも明るい未来である必要ない。
「ありふれた未来」で大丈夫。
それを理解しうるのが周りの役割。
何気に豪華俳優陣が脇を固める。
その中で光るのが手塚理美。
なんと中学生のおばあさん役。
「ふぞろいの林檎たち」での少しカタい看護師役が好きで憧れの存在だったが、
いつの間にか、おばあちゃんになってしまった。
チャーミングなおばあちゃんだけど・・・。
あとボクサー役の松浦慎一郎もいい。
「ケイコ 目を澄ませて」もそうだが、彼はボクサー役しかできないのかな(笑)。
演出的には自主映画っぽい香り。
だが、エンディングで流れる地域ぐるみでの映画の関わりには大いに共感。
これも地方を活かす大切な活動だよね。