サントリーを表現する言葉としてよく知られているのが「やってみなはれ」。
本書の中にも何度となく出てくる。
その言葉自体は、単純明快で分かりやすく感動めいたものがあるわけではない。
ところが下巻の最終章あたりで鳥井信治郎が息子・佐治敬三に投げかける言葉で何故か涙が出た。
しごく普通の場面である。
しかし、その言葉が会社を全面的に任せ、
息子に全幅の信頼を置いた言葉のように刺さり、思わず涙が出てしまった。
著者である伊集院静氏にそんな意図があったかどうかは分からないが、
僕の中では最も感動するシーンであった。
本書は日本経済新聞にも連載されたサントリー創業者鳥井信治郎氏の生涯を描いた小説。
新聞紙面は気になっていたものの読まずに終わってしまった。
著者の伊集院静氏も何の疑いも持っていなかったが、
読み終えてからその関係性についてハッと気づいた。
成人式や入社式の日には必ずサントリーの広告があり、
送る言葉を書いているのが伊集院氏。
今年はこんな感じだった。
なかなか、いい。
娘にも送ったしね。
以前でいえば佐治敬三と開高健の関係に近いのではないか。
サントリー宣伝部的な役割。
執筆の背景にそれがあるとしたら、とても美しい話。
鳥井氏の生涯はどんな経営者が読んでも夢やロマンに溢れ憧れる存在。
僕のようなちっぽけな凡人は参考にすることもできず、
ただただその行動力を唖然としながら見ているだけ。
自分に置き換えて考えてみることはできようもない。
人間的度量の大きさや描く未来は壮大。
だからこそ日本を代表する洋酒メーカー、
いや飲料メーカーを創り上げることができた。
普段、エラそうに17年物のウイスキーを飲み、
何のためにもならないウンチクを語っている身が恥ずかしくなった(笑)。
当たり前の話だが、初めてウイスキーを作る場合、先行投資以外何もない。
回収できるのは数年後で、それまでは全て投資。
恐ろしく博打に近い。
それを笑顔でやってしまう。
今さらながら凄い人物ですね。
そして、ファミリービジネスとしてもお手本のような企業。
亡くなってしまったが長男・吉太郎、次男・佐治敬三。
(本書は佐治家のことは一切触れていない。このあたりのことはこちらですね・・・笑)
また、その息子たち。
有能な後継者を続々と育て、その伝統や理念をきっちりと継承している。
企業と同時に同族企業としてのロールモデルであるのも間違いない。
いい勉強になりました。
本書を読み終えるとウイスキーが飲みくなる。
早速、会社の地下のBARに行って、飲んでくるかな。
いかん、置いてあるボトルは余市じゃないか。
まあ、竹鶴氏も登場することだし、それもいいかな(笑)。
きっと友人映画評論家ヤブさんの映評がなければ観なかった作品。
山崎監督は好きな監督の一人だが、ファンタジーの類はあまり得意ではない。
ふだんはカッコつけて社会派映画を気どって観るタイプだし・・・(笑)。
結果的には観ておくべき映画だった。
全編通して、とても不思議な感覚に襲われ、僕自身が別の世界に引き込まれていく。
これも不思議な感覚なのだが、
映画を観ながら大林監督の名作「さびしんぼう」を思い出してしまった。
高畑充希さん演じる亜希子役と富田靖子さん演じる「さびしんぼう」がダブってしまったのだ。
「さびしんぼう」は僕が大学時代に観た映画で大林作品では一番好きな映画。
これまで観た日本映画の中でもトップ5に入るだろう。
感化され尾道のロケ地にも行ってしまったほどだ。
そのさびしんぼうと亜希子の泣いて去るシーンがなぜかダブってしまい、
ぐらりと体を揺さぶられてしまった。
正直言って、高畑充希さんはこれまであまりカワイイとは思わなかったが、
(すいません)
この映画で一気に好きになってしまった。
映画の与える影響は大きいですな(笑)。
ネタばれになるので多くは語らないが、
この作品には貧乏神やら死神に加え、多くの魔物や幽霊が登場する。
安藤サクラの死神なんてやたら軽い。
「~っすよね~」という語り口調。
しかし、そのコミカルさが上質なエンターテイメント作品に仕上げている。
映像もさすが山崎映画と思わせる世界。
亜希子が連れ去られる「黄泉の国」は宮崎映画で見たような気もするが、創造性溢れる世界だ。
チープな恋愛映画はこの歳になると観る気になれないが、
この作品は胸がときめき、
忘れかけた若い頃の感覚を思い出させてくれる。
ジャンルは異なるが大人が楽しめる恋愛映画といってもいい。
この映画の脇を固めるのは山崎作品の常連。
堤真一、薬師丸ひろ子、三浦友和らがいい味を出している。
こんな映画が多いときっと日本もシアワセになる。
年末年始に相応しい映画だろう。
昨年の公開時に見逃した作品。
友人映画評論家のヤブさんは高評価をしていた。
最近、Amazonプライムにアップされたので、早々に鑑賞。
またもやAmazonプライム地獄に堕ちていった(笑)。
そして、この映画の登場人物もことごとく堕ちていく。
まあ、それがたまらなくいいのだろう。
どこからみても福山雅治はカッコいい。
脱いだ姿も引き締まっていてなかなかいい。
主演作も多いが、本作がハマリ役ではないか。
弁護士も固い父親も龍馬もいいが、こんなスケベでだらしなく、
それでも真の通った役柄が彼には合うのではないか。
役作りはほどほどで自然体で臨んでいるように思えた。
他の役者も素晴らしい。
少し前に「私の男」を観たが、
(これはブログには書かない・・・笑)
二階堂ふみの恐ろしいくらいの演技に驚いた。
その時のインパクトはないにせよ、この作品でも映画を引っ張る。
将来、どんな大女優になるのだろうか。
そして、リリーフランキー。
その壊れた存在感は半端ない。
この才能はなんだ。
なにかつけて天才だ。
先週観た「探偵はBARにいる 3」も良かった。
吉田羊さんも相変わらずステキ。
ここだけ“さん”付け(笑)。
こんな強い女性に絡まれてみたい・・・。
と出演者の評価ばかりしているが、肝心の作品はどうか。
野次馬的に楽しめるし、楽しむべき映画。
やっている行為は結構酷い。
仕事とはいえ、恨まれることは多い。
それをプロの仕事として行う。
それはそれでプロ根性を見せてくれる。
だから、酷いシーンでも好感をもって受け入れることができる。
そうじゃないと懸命に打ち込む彼らは浮かばれない。
そこまで難しく考えなくても単純に楽しめばいい。
実際あんなふうにスクープは撮られるのだろう。
面白いナンパな作品であったが、最後に一つ。
あのラブシーンは必要なのかな・・・。
サービスシーンかもしれないが、個人的にはなくてもよかった。
このシリーズはつい観てしまう。
いや、表現が正しくない。
つい観たくなってしまう。
そんな作品。
ちなみに一作目のブログはこちら。
二作目のブログはこちら。
しかし、前作からほぼ4年も経過。
随分と時間は経ったが、そんな感じは一切しない。
何より主役の2人が全く変わらない。
歳を取らない。
人間的な軽さ、重さも変わることがない。
舞台となる北海道も同様。
歓楽街としての華やかさと寒々しい街の風景がマッチしている。
主役の探偵大泉洋さんは相変わらず軽薄で単純、それでいて情に脆く人間的だ。
本作は和製ハードボイルドだと思っているが、ありがちなクールさは見られない。
いとも簡単に物騒な事件に巻き込まれ、それを嘆き騒ぐ。
今さらながら、主役の名前を調べてみたら「探偵」としか書かれていない。
そういえば映画の中でも名前で呼ばれることはない。
初めて知った・・・。
そのあたりの演出はハードボイルドだ(笑)。
毎回、ゲスト(?)として美しい女優が登場し、探偵を翻弄する。
今回は北川景子さん。
悲しい過去を背負い儚げに美しく生き抜いている。
探偵はその美しさに翻弄されたわけではないが、
結果的に大差なく、後悔する行動をとってしまう。
羨ましいけど(笑)。
ストーリーの展開は読むことができる。
裏切られることはない。
その分、どんどん感情移入していく。
観る者も巻き込まれていくわけだ。
それがこの作品の素晴らしさといえるだろう。
そして、このシリーズの主役は大泉洋しか考えられない。
北海道という舞台がそうイメージさせるが、彼のキャラクターが映画を引っ張っている。
大笑いできるのも、しんみりするのも、手に汗握るのも彼のおかげ。
これだけ人を笑わせる二枚目はいない。
日本を代表するマルチプレイヤーではなかろうか・・・。
脇を固める役者もステキだ。
相棒の松田龍平はもちろんのこと、田口トモロヲ、マギー、
安藤玉恵あたりのキャラクターが映画をより魅力的にさせる。
数年で1本でいい。
ずっとシリーズで続けて欲しい。
寅さんのようにはいかないだろうが、
大泉洋扮する探偵がどこまでムチャができるのか、
どの段階でコンビを解消するのか、
そして、探偵業を廃業するのかを観てみたい。
この先も期待したい映画である。
2か月前に若手勉強会がリニューアルされたことをブログに書いた。
若手メンバーを3チームに分け、課題図書について学びを共有する。
最後は今後の自分に活かせるポイントを宣言する。
月1冊×3か月×3チームで回す。
結果として若手全員が全ての課題図書を読む。
それが11月で一巡し終了。
今月からはまた新たな3冊でスタート。
僕はファシリ役なので、読んでも読まなくてもどちらでもいいのだが、
議論をスムーズに進行するために読んでおいた方がいい。
12月は3チームがそれぞれの書籍について発表するので、
僕は3冊全てを読んでおくのがベスト。
これが難しい。
いや、この短時間ではムリ。
言い訳ではないが他にも自分にとっての課題図書もあり、
そこまで追いつかないのが正直なところ。
最近、ようやくその1冊である「管理しない会社がうまくいくワケ」
(写真右端)を読み終えただけ。
これは11月の「名古屋ファミリービジネス研究会」の補足資料としても使われた。
講師の西やんが人間関係を良くするために必要なことを話すわけだが、
その内容が本書に盛り込まれている。
近い書籍では「自分の小さな『箱』から脱出する方法」があるが、
それをよりビジネスに近づけたのがそれ。
”外向き思考”になること、いわゆるマインドセットすることが大切だという。
読んでいて納得させられる面は多かった。
うちのメンバーにも内向き思考はいるので、是非、読んでおくべきだろう。
少し前に勧められて購入した「モチベーション革命」は手つかずのまま。
先に若手が選んだものを片付けなければならない。
個人的には伊集院静氏の「琥珀色の夢 小説 鳥井信治郎」に没頭したいのだが・・・。
上巻を終え下巻に入り、できれば先に読みたいが自分勝手にはいかないようだ。
12月はとてつもなく予定がいっぱいだし。
おまけに僕は歩くのは速いが読むのは遅い。
食事も早いが読むのは遅い。
そんなこんなで来週の若手勉強会に間に合うだろうか。
一冊は何とかクリアできるが、その先はちょっと微妙。
言い訳ばかりでは示しがつかないので、全力は尽くします。
はい。
この作品の評価を見ると必ずしも高いとはいえない。
意外と酷評が多かったりもする。
しかし、僕はこの映画は吸い込まれるように見続け、あっという間の120分。
面白かった。
そして、体が震えるくらいの恐ろしさを感じた。
(ちょっと大袈裟だけど・・・。)
近い将来、それも5年、10年ではなく、2~3年後を見据えた場合、現実的な要素は多分にあり、
自分たちの生活を脅かすような現実性も帯びているのではないだろうか。
このブログも一つだが、僕の生活において今やSNSは欠かせない存在。
朝、起きると必ずfacebookはチェックするし、連絡の手段もLINE比率が高まっている。
「いいね!」の数を意識しているわけではないが、多ければ嬉しいのは事実だし、
名大社スタッフブログでは「いいね!」の数が多いメンバーを表彰している。
異常と思える本作内の会社「サークル」とやっていることは同じ(笑)。
自分では違和感と思っていないことが、客観的にみると
相当違和感と捉えてしまうのが真実なのかもしれない。
この映画で描かれている世界は論理の飛躍ともいえる。
そこまではならんだろ!とは思えるがよりリアルに近づけることにより、
現実味を帯び立たす怖さがある。
そして、その世界に入りつつある自分は非現実を軽視しながらも、いいように操られていく。
それは僕だけでなく知らず知らずのうちに50代は50代なりの、
10代は10代なり手法で巻き込まれている。
主人公メイ・ホランド役のハマ・ワトソンが会議で発した言葉はまさにそれにあたる。
世の中を便利にする代償はとてつもなく大きいのだ。
この映画は2017年に公開されたことに意味がある。
5年前であればここまでの想像力は働かなかっただろうし、
5年後であれば過ぎた過去になっている可能性がある。
近未来を予測するに抜群の時代設定。
だからこそ余計に恐ろしい。
観るべき一本ですね。
主人公エマ・ワトソンはご存じの通り「ハリー・ポッター」のハーマイオニー役だが
いい感じで美しい女性になった。
子役って意外と伸びなかったりするけど、彼女の場合は期待を裏切らない成長の仕方。
そして、トップ役のトムハンクス。
味方によっては本作は悪役。
彼がここ最近、悪役を演じたことはあっただろうか。
昨年観た「ハドソン川の奇跡」も「ブリッジ・オブ・スパイ」も正義感溢れる役。
とても珍しい。
もし、スティーブ・ジョブズが観ていたら、怒り出すかもしれない(笑)。
きっと世の中の新興宗教はこんなふうに広がっていくんだろうな。
そんなことも感じた映画だった。
「孫子」を初めて読んだのは今から15年近く前。
それも中学生が読むような「図解シリーズ」的な書籍。
あちこちで「孫子の兵法」は耳にするし、
ちょっと前に読んでいたマンガ「三国志」でも登場していた。
昨年の大河ドラマ「真田丸」でも何度となく見かけた。
いつの時代にも必要とされている軍略書。
戦いの場だけではない。
ビジネスにおいても必須で、愛読する経営者は多い。
著者佐々木常夫氏もその一人。
本書は東京出張の際、帰りの新幹線で読もうと思い、
たまたま入った本屋でそそくさと選んだだけ。
本当は別の書籍を買うつもりだったが、それが品切れだったので、
目についた本書を手に取った。
目的買いする書籍がほとんどだが、たまにはこんな選び方があってもいい。
どんなビジネス書を読んでも、これに通じる面は多いと感じる。
そう思うとすべての基本は「孫子」にあるのか。
それをどう解釈して、戦略化するのかはそれぞれ。
みんながみんな「孫子の兵法」を理解し実践していれば負けることはないはずだが、
実際はそんなことはない。「
「孫子の兵法」を学んでいても負ける者は負ける。
まあ、当たり前の話。
ただし、少しでもケースを理解していれば、いざという時に役には立つ。
本書も他社の事例を学ぶもの。
同じように実践しても成功するとは限らない。
あくまでも学びでしかない。
それでいいんだけど・・・。
僕も偉そうに学生さんの前で話すこともある。
「戦略という字は戦いを略すと書く。いかに競争相手の少ない会社を選ぶかも重要。
人気のある会社ばかり受けてても正しい戦略とは言えない。」
なんて、ことを言ったりする。
そこに地元のニッチな企業を結び付けていくわけだが、
就活にも大いに役立つというわけだ(笑)。
そう考えると全てのことに当てはまるのかもしれない。
「就活に活かす『孫子』」
「恋愛に活かす『孫子』」
などなど、孫子シリーズは幅は広がるだろうが、きっと売れないだろうなあ~。
どちらにせよ一度や二度かじっただけでは身にならない。
孫正義氏やビルゲイツ氏らはきっと何十回、何百回と読み、
自分の中に落とし込んでいるのだろう。
1回読んで満足している僕はライバルから見れば勝負に値しない。
そう相手に思わせ、油断させるのも僕の作戦なんだけどね・・・。
な~んてね(笑)。
1995年に公開された前作「GONIN」は印象的な作品。
あの頃からビートたけしは殺し屋になり、竹中直人は変態役になっていった(笑)。
佐藤浩市扮するバブルに踊らされた経営者役もはまり役。
その時代を上手く描いていた。
しかし、前作の観たのは20年前。
ほとんど内容は忘れている。
その20年後に続編が製作された。
時代設定も忠実に守り、当時の20年後を描いている。
配役もそのまま生かし、鶴見辰吾は当時に流れのまま出演していた。
そのあたりを背景を読み解くのも面白い。
実際、僕は本作を観終わった後、再度前作を観てしまうというくどさ。
石井隆監督の薄幸な世界に引きづりこまれてしまった。
両作品を観ると共通点が多い。
東京を空撮するオープニング及びクロージング。
全く同じ書体の出演者ロール。
悲しげに流れるロックも同じ。
そして、前作同様出演者のほとんどが死ぬ。
まるでタランティーノの「レザボア・ドッグス」。
あれは全員死ななかったけ?(苦笑)。
よく覚えていないが、そんな感じで凄まじい。
僕はホラー映画はまず観ない。
無惨に殺し合う映画も観ない。
だが、不思議なことに北野武や石井隆の殺し合う作品は観てしまう。
正当な理由を感じるからだろう。
人を殺すのに正当な理由もへったくれもないとは思うが・・・。
前作と見比べると辻褄が合い、遺作となった根津甚八は見事だと思うが、
(あまりにも見栄えが変わり、本人と気づかないかもしれない。)
唯一、納得しがたいのが前作の主役佐藤浩市の存在。
僕が映評をブログに書く場合、ネタバレさせることはないが、
すでに公開から2年経っているので、まあ、許されるだろう。
あの登場はおかしいのではないか?
前作で佐藤浩市扮する主役は間違いなく死んだ。
モックンが遺骨を運んでいる。
あればウソだと言われると何の否定もしようがないが、
本作のラストシーンの登場は本人そのもの。
実は弟がいたとでもいうのだろうか。
もしくは一瞬の登場なので幻想的な扱いか。
そのあたりを確認するためにも前作と本作を観てもらうといい。
賛否両論あるが作品の出来も比較できるだろうし・・・。
いかん、いかん、これもAmazonプライム地獄。
もっとやるべきことがあるのにね・・・(笑)
昔のアイドルが歳を取るパターンは3つあると思う。
1つはいい年齢の重ね方をするパターン。
キョンキョンや薬師丸ひろ子はそれにあたる。
美しさを残しながらも母親役あたりでいい味を出す。
もう1つは見るも無残なパターン。
大きく姿を変えてしまいイメージすら難しい。
そして、最後はアイドル時代と何ら変わらないパターン。
それは誰か。
本作を観て改めて感じた。
原田知世である。
大袈裟に言えば、「時をかける少女」や「愛情物語」と何ら変わらない。
30年以上経った今も変わらないのだ。
(本作の公開は5年前だが大差ないだろう。)
あの愛くるしい笑顔、ショートカットが似合うヘアスタイル。
10代の頃のままと言える。
僕は角川三人娘の薬師丸ひろ子も原田知世も好きだが、両者の今の見方は異なる。
薬師丸ひろ子の母親役は許せるが、原田知世は許せない。
いくら結婚しても彼女はピュアなままでいて欲しい。
この作品も観る方によっては、原田知世のアイドル映画と捉えることも可能。
そういってしまうとチープな感じになってしまうが、
ドラマの温かさを感じることができる。
女性監督らしい柔らかさを随所に醸し出している。
手入れされた木製を基本とした家具やテーブル。
木綿や絹をベースとした自然に近い服装。
その一つ一つのぬくもりがいい演出となり映像美として反映される。
北海道の四季も美しい。
それが水縞夫婦の優しさとマッチする。
大泉洋扮する旦那役もいい。
余計な会話はせず温かく見守る二人が何より安心感を与える。
毎日焼き上げるパンも美味しそう。
コーヒーのいい香りもこちらまで届きそうだ。
そして、コーヒーを淹れる水縞夫人の原田知世。
とても可愛らしい。いや、美しい。
彼女はいつまでアイドルを続けられるのだろうか。
あまり露出されないからこそ処女性もキープできるのだろう。
公開時は全く知らなかったが、このような穏やかな映画を忙しい合間に観るのもいい。
これもAmazonプライムだったけど・・・。
なぜか嫁さんが持っていたので手にした一冊。
この写真のポーズはよく見るポスターに似ている気がする(笑)。
もはやこの業界では一人勝ちなのではないか?
他に競合があるか考えても思い浮かばない。
最近、愛知県に進出してきたイケアがそれにあたるくらいだろう。
そんなニトリの似鳥会長のことを詳しく知ったのは、
2015年4月の日本経済新聞「私の履歴書」。
痛快ハチャメチャですこぶる面白かった。
カンニング、裏口入学、家出など名誉あるトップなら
葬り去りたいような過去を悪びれることなく堂々と著していた。
当時のブログには愚か者本部の名誉顧問にお迎えしたいなどと失礼なことを書いていた。
その言葉に嘘はなく、その潔い生き方は何よりも学びになる。
一度、似鳥会長の著書は読まなければと思っていたので、この偶然はいい機会。
これも運がいいということだね。
本書は似鳥会長の生き様を含め、経営に対する考え方を余すことなく書かれている。
平易な文章なので読みやすく、腹落ちもしやすい。
対外向けというよりはむしろ社員さん向けに書かれているのではないだろうか?
社員研修の場でも使用できるだろうし、幹部を集めた会議の場でも共有することも可能。
似鳥会長の言われる「成功の5原則」とは、
①ロマン(志)
②ビジョン(中長期計画)
③意欲
④執念
⑤好奇心
特にロマンとビジョンというワードは本書の中では至るところで登場する。
きっと社内でも口癖のように言われているのだろう。
名経営者であれば共通していることだと思うが、
自分の想いはくどいくらい何度も何度も繰り返して言う。
一度話したくらいでは理解したとしてもすぐに忘れてしまう。
もうこれ以上聞きたくないと思わせるまで言わなければ
真に伝わることはない。
僕の場合は自分でくどいのは嫌がられると思っている節があるので、
名だたる経営者からしてみれば未熟でしかない。
ロマンもビジョンも足りない。
もっとしつこく同じことを明るく豪快に言わねばならないのだ。
本書に目から鱗が落ちるような特別なことが書かれているわけではない。
松下幸之助氏に近い原理原則が中心。
それでもその生き方を知るだけでも勉強になり価値がある。
伸びる会社には間違いなく理由がある。
それを理解できただけでも感謝しなければならない。