昨日は、東海地区のキャリアコンサルタントのグループであるMCC東海の定例勉強会に参加した。
これまでこの関係と言えば、CDA資格取得者による勉強会は頻繁に参加していたのだが、今回は同じキャリアカウンセラーでも別組織。
国家検定でもあるキャリアコンサルティング技能士の資格を有する方の勉強会だ。この技能士の1級資格取得者は、全国でまだ4名しかいないのだが、その内の2名はこの勉強会に所属されている。かなり敷居は高く、高尚な勉強会でもある。(事実、全国から問い合わせがあるらしい・・・。)
今回、僕はこの勉強会に講師として招かれたのだ。
講演内容は大学生の就職環境をテーマに、日頃感じている事を本音ベースで話すだけだが、頂いた時間は2時間。かなり長丁場となる講演だった。
大学や行政を中心に業務に従事される方を中心に話をさせて頂く事もあり、主観的な内容とはいえ、あまりいい加減なことは言えない。
実際のデータを活用しながらその数字的なギャップと、企業の採用環境の現状についてなど、実例を交えながら進めさせて頂いた。普段、採用企業側と接することのない方にとっては新鮮に映ったのかもしれない。2時間もの長時間ではあったが、寝てしまう方が皆無だったのは(笑)、それなりに話が伝わったのかもしれない。
我々の役割を少しでも理解頂き、現状を把握頂けたのなら、僕としても大変ありがたい。
僕の講演の後には、普段から懇意に頂く大学のキャリアセンターの方も講演された。
内容としては、どうしても僕と被る面は出てしまったが、学内の担当でしか感じ得ない学生の実態を披露頂けたのは勉強になった。
学生がいつまでもお客扱いである実態がその一つ。
ゆとり教育の影響もあるだろうが、昨今の学生は自分たちがお客だという意識が増しているという。キャリアセンターへの接し方も含め、自分たちがお客様という立場で臨んでくる学生が多いらしい。
授業料を払っているから当然だという解釈もあるだろうが、学ぶ側はそれではいけない。しかし、本来の授業とは縁のないキャリアセンターとそんな関係を作るケースが多いようだ。その点で問題はあるのだが、そんな学生が無事に内定を獲得し社会にデビューしたとして、問題が解決するわけではない。
入社してもお客様意識は続くようだ。それが「新くれない族」に発展する。
「新くれない族」とは、「ほめてくれない」「指導してくれない」「やりたい仕事をさせてくれない」といつまでもお客様意識を持つ若手。これが、結果的に早期退職や新型うつに繋がっていくようだ。
「働く」ということは自ら自立し稼ぐことを前提にした場合、その流れは当たり前。そのキャリアセンターの方は、現状に学生に留まらず、社会に出てからのそのような現象に危惧されていた。早い段階でお客さん扱いを止めていかないと・・・。
これは一つの例だが、この内容も含めて僕自身もいい勉強の機会であった。
今回の勉強会には30名程の方が参加されていたが、初めて会う方がほとんど。それでも同じ志を持つ方ばかりなので、お互いが打ち解けるのに時間はかからない。勉強会終了後の懇親会も大いに盛り上がった。
有り難いことに多くの方から感謝の言葉を頂いたが、僕自身が感謝すべき勉強会だった。
ありがとうございました!
カテゴリ「人について考える」の記事一覧:
2012年6月18日
キャリアコンサルティング勉強会にて
2012年6月13日
「ゆとり世代」について学ぶ
昨日は朝一番に朝刊のチェック。
中日新聞に僕が取材を受けた記事が掲載されていたからだ。思った以上に大きい扱いで驚いた。また、多くの方から「新聞見たよ!」との連絡も頂いた。
この地区ダントツの新聞社だけに反響は大きい。さすが~!
そんな昨日は東京へ出張。
午前中に横浜のクライアントにお邪魔し、午後からはHRプロ主催の「HRサミット2012」に参加した。日本最大級の人事フォーラムと銘打って、様々なセミナーが開催されている。
僕が昨日出席したセミナーだけでも4つ。楠木建氏による特別講演「戦略ストーリーを創る~経営人材の条件~」や常見陽平氏の「新卒採用に明るい未来予想図」など参加し、学びの場を頂いた。今後、事業を推進していく上にも役に立つ事は多いだろう。
本日のブログはその中の一つ「ゆとり世代の採用・育成はここを変える!」を簡単に紹介。
旭化成アミダスの三橋氏が、ゆとり世代の特徴を明確にした上で、企業の抱える課題や活かし方について講演された。
ゆとり世代の特徴は僕らの抱いているイメージと大きくは変わらない。成長意欲は高いが、安定志向であるとか、自分らしさにこだわり、競争意識が低いとか、効率重視、無駄なことはしたくないなど・・・。
今の新卒採用対象者はまさにその世代。何かとマイナスイメージで伝えられるケースが多いが、それは時代背景や育ってきた環境や制度に原因があり、その世代の若者に責任はない。過去20年間の出来事を振り返れば、繋がっていく話なのだ。
大学におけるキャリア教育の定義もあいまいで、現在のキャリア教育の在り方にも課題は多いという。
教員の理解や意識のバラツキ、今のままでいいという自己肯定感の過剰な醸成、就活テクニック・スキルの徹底指導がそれに当てはまるようだ。大学側も懸命な取組みをしているはずだが、先々の働く事を考えた場合、空回りしていることも多い。
そして、採用する企業側も抱える課題は多いようだ。エントリーシートを始め学生に要求することが難しかったり、志望動機を過度に評価したりと・・・。
採用の現場にいながら、僕が普段感じている事も多かった。
ゆとり世代を活かすのに、僕らバブル世代の果たすべき役割も多いという。今の40代が成功体験が少なく自信も失くしているため、ゆとり世代に対して「仕事観」や「キャリア観」を植えつけられていないと言うのだ。
そんな見方もあったんだ。今の若い世代の事を言う前に、自分たちがもっと夢のある社会を創っていかねばならないと反省もさせられた。頑張ろう!バブル世代。
本日はここまでにして、明日は2013新卒採用の現状について伺った話を書こうと思う。
では・・・。
2012年5月29日
最終面接
本日は13年卒業予定者を対象とした最終面接を行った。
一昨年から最終面接は僕と1対1の面接。それも学生には私服での参加を促し、僕もそれに合わせて私服で臨むようにしている。
(スーパークールビズ状態ではいつも私服みたいなものだが・・・)
昨年までは一人あたり30分程度だったが、今年はお互い納得できるまで話をしようと1時間に設定。じっくりと学生と向き合うことにした。
学生の高校時代、大学時代の話から将来の理想像、就職活動を通して学んだこと等も含め、いろんな方向へ会話は飛ぶ。
時に僕の考えを織り交ぜながら話が進むので、面接に臨んでくれた学生もかなり疲れた事だろう。しかし、お互い真剣勝負のため、十分価値はあったのではないだろうか。
これを一日通して行うと僕としてもかなり疲労は溜まる。そのせいか夕方のミーティングは集中力は欠き、メンバーにも迷惑を掛けてしまった。
そうは言っても一時間の面接で全てが理解できるわけではない。極端に言えば、実際、働いてみないとお互いにとってプラスかどうかはわからないのだ。それでも可能性を求めて僕は学生の全てを知りたいと思うし、伝えて欲しい。
僕のジャッジが一人の人生を決めてしまう。そう考えると課せられた責任は重い。安易な判断はしてはならない。だからこそ、この面接という作業は相当疲れるのだ。
今年も多くの学生と語り合うことができた。真剣に向き合えば向き合うほど、現在の批判的な学生の評価を否定したくなる。それは自戒も含め・・・。明るい未来を感じることもできるのだ。
できるだけ早めに結果を出すことにしよう。
僕のわがままに付き合ってくれた学生のみなさん、本日はお疲れ様でした。そして、ありがとうございました。
2012年5月14日
天気のいい日曜日も就職活動だ!
GW明け最初の日曜の名古屋は雲ひとつない晴天。絶好の行楽日和。
しかし、そんな気候のいい昨日でも就職活動に励む学生は多かった。
名大社が主催する企業展はほぼ毎月行うが、昨日は珍しく日曜日一日のみの開催。
規模としてはこじんまりとしたイベントにも関わらず、多くの学生さんに参加して頂いた。メインとなるのは22社に参画頂く合同説明会になるのだが、今回はそれとは別にいくつかの講演も行った。
先日のブログでも案内した通り。
午前、午後、夕方とテーマを分け実施したが、どの回も学生の表情は真剣そのもの。
講師の話に対し熱心に耳を傾けていた。第一講演の堀内氏は、自らの面接官の経験の話と模擬面接をされ、
第二講演の田中氏は、自らの社会人経験を基に話をされていた。
第三講演の僕の話もこれまで自らが感じてきたことのまとめであり、総じて主観的な内容に客観性を持たせた講演であった。それぞれのテーマが異なるため、内容もマチマチだが、共通する面も見られた。
異口同音だが「企業がどんな人を採用したいか、どんな人と一緒に働きたいか」をよく考える必要性があるということ。
それは社会に出て上司や先輩、同僚への気配りや共感であり、お客様への満足度の提供に繋がる。
仕事を共にする相手(取引企業もエンドユーザーも社員も)がいかに喜んでもらえるかを考えねばならない。学生は「自分は○○なタイプの人間です」と言っても、それを判断するのはあくまでも自分ではなく相手。
しかし、普段の学生の会話や面接を見たりすると自分本位になってしまいがち。それを理解しないと企業からラブコールを受けるのも難しいのだ。
僕ら3人の話が少しでも伝われば幸いだ。中には朝から夕方までの全ての講演に参加してくれた奇特な学生さんもいた。
GWが過ぎて、明暗を分けた学生も多いだろう。しかし、焦る必要はない。こんな日曜日に積極的に活動できるパワーがあれば、目の前の苦難を乗り越えることは難しくない。
まだまだ就職活動は続くだろうが、気持ちのある学生はずっと見守っていきたい。
2012年5月2日
社長の発信力ランキング
今週の日経ビジネスの特集は何とも恐ろしいタイトル。
マスメディアはどんな事でもランキングを付け情報発信してしまう。そのリサーチ力とデータ分析力には感服するが、内容を読んで恐怖心を覚えるのも事実。
前後して4月29日の日経新聞には「経営者の発言 指南します」という記事が掲載されていた。博報堂が経営者の年頭所感や株主総会での発言内容を指南するサービスを開始したという内容。
そんなビジネスが成立するのかと唖然もしたが、この特集を読み進めるうちにその必要性を感じたりもした。
トップのメッセージ一つで企業イメージが奈落の底に落ちることもある。どんなメッセージをどんな顔して発信するかはかなり重要だ。
僕のような小さな存在であれば、発信するメッセージは全て自分で考えるのが当たり前であり、今回の特集も新聞記事も他人事に過ぎないが、それは影響力が小さいから言えるからに過ぎない。
それでも、もっといい表現はできないものかと悩むわけだから、世間一般の認知された企業のトップの苦労は比較にならないだろう。
発信力ランキングは誰もが予測するだろうが、1位がソフトバンクの孫氏、2位がファーストリテイリングの柳井氏。両氏のマスコミへの露出度や著書を見れば、当然と言えば当然。
柳井氏は昨日ブログで取り上げた「成功は一日で捨て去れ」でもストレートにメッセージを発信している。しかし、この両氏、発信の仕方や考え方は大きく異なる。
ソーシャルメディアをフル活用する孫氏とは違い、柳井氏は明確な理由があって一切使わない。それだけでも2人のメッセージに対する大きなこだわりを感じることができる。
一方で世間に対してもメディアに対しても全くメッセージを発しないトップも存在する。それにも明確な理由があるが、現在の1億総メディア化した社会では通用しなくなりつつあるのも現実のようだ。
誤解を招く恐れがあるからといえ、何も言わないことが許される時代ではなくなってきている。僕が恐怖と感じたのはその点であり、指南サービスが生まれる背景もあるのだろう。
この特集では「メディアを使い倒せ」と締め括ってはいるが、果たしてどう時代は変化していくだろうか。マスでもソーシャルでも・・・。
どんな状況であっても、僕は自分の責任として自らが考えたメッセージを発したいと思う。いくら稚拙であっても・・・。
そのためにはもっと多くのトップのメッセージを聞いて学ばなければならないが・・・。
2012年4月24日
変わる顔つき
昨日、お世話になっている社長の会社で、ストレートに言われた事があった。
「最近、顔つきが良くなってきたな。社長らしくなってきた。」と。
素直にうれしく感謝したが、その後に続く言葉があった。
「3年前は時間給で働いている営業のようだった。」と。
かなりショックな言葉であった。
個人的には今も3年前もその社長に接する態度は何ら変わっていないつもり。努めて明るい態度で臨んでいるはずである。しかし、社長の言われることが正解なのだろう。
環境としては一番厳しい状況で、僕自身もかなりくたびれていた時期であったことは否定できない。自分では気づかないうちに表情に出ていたのだ。その悲壮感が・・・。
思い出してみると何の反論もできなかった。
どんなに繕っても人の表情は素直に出てしまう。自分としては百戦錬磨のつもりでも達人はそれを見抜いてしまうのだ。
それは就職活動における学生も、新入社員が成長する過程でも同じこと。みるみるうちに顔つきが変わっていく。物事が上手く循環すれば表情は明るくなるし、仕事を覚えていけば大人の雰囲気を醸し出していく。逆も然り。
そう考えると人の顔つきは正直で、その時々の置かれた状況がストレートに反映される。
これからの季節は何かにつけ、それが映し出される時期だろう。
僕としては、今回、社長に言われ、うれしく思ったことを維持しなければならない。もしくは更に顔つきを良くしなければならない。
人の顔つきは変化していく。
もっともっと、らしい顔つきにならねば・・・。
2012年4月20日
自ら考え、自ら作り、自ら売る
今週は名大社が活用する研修会社の経営者セミナーに参加した。
講師は本多プラス株式会社の本多会長。昨年秋のカンブリア宮殿にも出演した東三河の個性的なモノ作り企業だ。
創業は戦後間もない1946年。筆のサヤの製造からスタートした同社であるが、その後、プラスチック・ブロー成形品の開発・製造・販売を中心に行う企業へと変化していった。
「他人のやらないことをやる」という経営理念にあるように、手掛けられている製品は個性的だ。大変失礼な言い方だが、三河地区の製造業が手掛けるとは思えないほど、斬新でオシャレである。会長の講演内容と製品の特徴に、その製品に対する思い入れが十分に伝わってきた。
一般的に製造業がこだわるのは開発力や技術力が中心だが、本多会長は営業にこだわっているのがユニークだ。
今回の講演で、僕が最も印象に残ったのは「自ら考え、自ら作り、自ら売る」という言葉。仕事が面白いのは、この全てが完結してからという言葉に大いに共感した。
我々の事業も同じである。全てを自分たちで考え、作り、販売している。企画するだけ、営業するだけ、ではないのだ。その分、言い訳の余地はないし、全ての責任を負わなければならない厳しさがあるのは事実だが、仕事の醍醐味であるのも間違いない。評価もダイレクトだ。
今まであまり意識しなかったが、「自ら考え、自ら作り、自ら売る」ことが、いかに大切かを思い知らされた。カタチの見えるモノを作る企業とカタチの見えないサービスを提供する企業との違いはあるにせよ、基本的な考えは同じなのだ。また、一つ学びを得たことになる。感謝!
この本多プラスはいい意味で尖っている。この企業の手がけたアジパンダで味の素の売上が2割アップしたという。
一時はプレミアムもついて、15000円の値がついたらしい。ここにも同社のこだわりがあった。次の展開が楽しみだ。
ここ1カ月ほど、バタバタしており、経営者の話を拝聴する機会はなかったが、このような場は継続させなければならない。
僕がこれ以上にボンクラにならないためにも、刺激を受け続けなければならない。
ありがとうございました。
2012年4月13日
人事評価は難しい~。
今期の大きな取り組みの一つに人事評価制度の見直しがある。
これからの一年間で現在の仕組みを再構築し、より社員が納得できる制度を作ろうという考えだ。基本的には内部部門の責任者にその仕組み作りを対応してもらうのだが、僕も中心的な存在として関わらなければならない。
専門書を読んだり、同業他社のトップにアドバイスを頂いたりしているが、制度の在り方を理解するほど、悩みが多くなる。
シンプルで分かりやすい仕組みができればいいのだが、シンプルだからと言って簡単にできるわけではない。
つい先日も「人事評価の基本~心構えと評価編~」というタイトルのセミナーに参加し、考え方を学んだ。
そもそもなぜ社員の評価が必要になるのか・・・。最終的には社員のモチベーションがアップし、会社が円滑に機能することで会社も社員も成長するのが理想的。そのための人事評価の目的が、給与や賞与、ポスト、幹部社員の選抜、社員育成などにあたるのだろう。
人が人を評価すること自体、無理があるのだろうが、このセミナーではその心構えについて教えを頂いた。
結論を言えば、明確な正解があるわけではない。評価される側に「納得感」のある評価を行う必要があるだけだ。いい評価も悪い評価も・・・。
公平性と客観性を保ちながら、真摯に評価するしかないのだ。
その仕組み作りは、一筋縄ではいかないと再認識できたのが良かったかもしれない。モヤモヤ感は続くな・・・。
評価をする上で気を付けなければならない「ワナワナ5」は、なるほどと納得。
1.ちょっきん効果・・・評価直前の行動や結果に引きずられる。
2.あま党/から党・・・実態より甘くもしくは辛く評価してしまう。
3.ものさし違い・・・評価者である自分を基準に評価してしまう。
4.まんなか主義・・・ついつい真ん中の点数をつけてしまう。
5.ハロー効果・・・実態以上によく見えてしまう、悪く見えてしまう。
ありがち、ありがち。
難解なこの課題に正面から向き合って、この一年でまとめ上げたい。
2012年4月3日
平成生まれの衝撃
昨日は新入社員が入社し、全社員の前で挨拶をした。
緊張感は伝わるものの、ありきたりのありふれた言葉ではなく、しっかりと自分の言葉で気持ちを込めて語っていた。清々しさを感じると共に、可能性を感じる挨拶であった。
これまであまり気にしてこなかったが、今年入社の2人は平成元年生まれ。僕が入社した年に生まれた世代が働き始めているわけだ。
今週の日経ビジネスの特集は「平成生まれの衝撃」。
この世代が持つ能力や感性、価値観をいくつかのケースを紹介しながら、綴られている。
「ゆとり世代」と言われる平成生まれは、一般的に内向きで安全思考で、大人しい存在と捉えられる事が多い。草食系男子を象徴する世代なのだ。
しかし、この特集を読む限り、その偏った見方は否定される。どの世代よりも視野は広く、起業家精神も強い。思いを決めたら、大学を休学しても海外に飛び、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資してもらい、斬新な事業を興す。
多くはIT関連ではあるが、僕が全く理解できないようなビジネスモデルを20代前半で組み立ててしまうのだ。長期の戦略で考えれば不透明さがないわけでもないが、その瞬間的スピードには驚かされる。即、アクションに繋げてるのだ。
素直に見習わなければならない。感心せざるを得ない。
一方で、ネガティブな要素も露呈されている。
あきらめやすい、価値観の合う仲間としか付合わない、安定志向より安全志向の世代でもあるのだ。就職活動で苦労してきたにも関わらず、せっかく入社した会社でも早期に退職するケースも多い。企業へのロイヤリティは乏しく、成長できる環境か否かが重要で、価値観は本人ありきでもある。
僕らの世代が単純明快であっただけかもしれないが、この世代をうまく活用するにはこれまで企業が必要としなかった複雑な術を掌握しなければならないというのだ。
とはいっても、お互い心の通う人間である。世代間のギャップや価値観の違いなんて、いつの時代だってあること。僕らも「新人類」と全く異次元の存在のように扱われてきたわけだし・・・。何とかなるものだ。
いずれにせよ、これからは平成生まれと付き合っていくことになる。迎合もせず、無理に価値観も押し付けず、お互い心を通わせながら、自然体で共生していけばいいのではないだろうか。
もちろん、負荷はかけていくわけだが・・・。
2012年3月1日
今の若者も捨てたもんじゃない!
先日ブログに書いた「青少年指導者育成セミナー」の続き。
高校1年生から30歳の社会人まで約120名が集ったこのセミナーだったが、このイベントを終え、僕は晴れ晴れした気分になっていた。
若者たちの発表に感動してしまったのだ。
今回、参加した若者は世代の近い6つのチームで構成され、あるテーマを基にディスカッションを行う。そのテーマとは「幸運は天から降ってこない」という漠然としたもので、それを補うサブテーマが「幸運は輝いて生きる~夢は実現するためにある」
基調講演のバイマーヤンジン女史の話から、自分たちが置かれている環境を客観視し、将来に向けどんな取り組みをしていくべきかを3回のグループワークで討議し、各チームごとに発表をしたのだ。
その発表を聞く前に僕は正直こんな思いを抱いていた。
「ヤンジン女史の素晴らしい講演は参加者には伝わったのは確かだが、どれだけ自分のこととして認識しているだろうか。」「自分とは関係のない世界で、余計なお世話だくらい考えているのでは・・・」というのが本音だった。真摯に受け止める学生は少ないだろうと・・・。
しかし、それは全くの杞憂に終わった。
各チームとも、今の自分たちがいかに恵まれているかを理解し、幸せは自分たちで作り出すもの、努力と行動がなければ幸運は訪れないという表現を異口同音に発していた。それは寸劇であったり、模造紙に書き込んだチャートであったり、表現方法は様々であったが、彼らが感じたことが十分伝わる内容であった。
感謝、思いやり、向上心が満ち溢れていた。参加者は同世代という共通点があるだけでほとんどが初対面。見ず知らず同士が一泊ではあるが、寝食を共にして腹を割って話し合う。わずかな時間で信頼関係が出来上がり、お互いみんな笑顔で話し合っている。実にいい表情をしている若者が多かった。
これまで僕自身が若い世代に対してネガティブに捉えていた面もあったため、反省させられる点が多かった。ステレオタイプでしかなかったのだ。大変失礼な話である。
素直に理解し、努力を惜しまない若者も多いのだ。一番上の世代のグループが最後に言った。
「幸運は努力と共にあり!」
いいじゃないか!