これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「人について考える」の記事一覧:

ザックジャパンを喜ぶ。

オーストラリア代表を延長戦で制し、日本代表がアジアカップで優勝した。
本当に喜ばしい。昨晩のtwitterのツイートの数を見るだけで、あの時間帯に声援を送っていた人の多さを物語っている。
本日のニュースも日本代表一色で、ザッケローニ監督の采配やチームの一体感、長友、川島の活躍を絶賛する報道が繰り返されていた。
全く異論はなく、ワールドカップからアジアカップに至る選手とチームの成長はまさにニュースで報じられている通りだと思う。
また、監督の試合終了後のコメントを読むと、何故、ザッケローニが代表監督として選ばれたかが理解できる。
監督就任当初は思い出す限り、不安視する要素も多かったように思う。イタリアでは既に終わった人であるとか、欧州人が日本の文化に合うのかなど、否定的な見方もあった。
しかし、結果だけ見れば、ザッケローニ監督ほど日本人の特性や強みを理解し、生かしてきた監督は歴代監督を見てもいないのではないだろうか。
オシム監督よりも岡田監督よりも、選手の能力の引き出し方が上手いように思える。
(あくまでも素人の考えであることをお許しいただきたい。)
川島、長友、本田、香川あたりが目立ったとはいえ、個で戦うのではなく組織で戦うチームである事は変わりなく、そのチームの一体感の醸成こそが日本の強みである事をザッケローニ監督は短い経験の中で掴んできたのだろう。
マスコミへの対応方法の指導があったかどうかは知らないが、それぞれの選手のコメントもチームを想い、他の選手を想う内容ばかりであった。
そう思うと試合の素晴らしさだけでなく、選手の人間性の素晴らしさを感じることのできた大会であった。
おかげさまで寝不足で、今日はランニングもできなかったがどうでもいい。朝から何度も李のボレーシュートを見ながら、感動の余韻に浸っていた。
これから益々、日本代表への期待感も高まるだろう。その分、プレッシャーも増えるだろう。
仕事の進め方、人の使い方にも大いに参考になる。
それも含めて、これからが楽しみである

クリスマスの思い出

未だに小学校3年生の息子は、サンタクロースの存在を信じている。
本日もサンタクロースが本当に希望するプレゼントを贈ってくれるかを心配していた。かわいいものである。
しかし、本物のサンタが存在するとして、どんな状況でどのようにプレゼントを枕元に置くかは、全く気にしていないようだ。
そこが男の子と女の子との違いかもしれない。
中学生になる娘は、今でこそより現実的なプレゼントを求め、その金額まで計算するのようになったのだが、2~3年前までは本当にサンタの存在を信じていた。
それも、サンタへの疑問や気遣い、感謝の気持ちを毎年手紙に綴っていた。
「どうしてサンタさんは欲しいものが分かるのですか?」
「家には煙突がないのですが、どうやって入ってくるのですか?」
「毎年ありがとうございます。体に気をつけて頑張ってください。」
 etc・・・。
時には、サンタへのちょっとしたプレゼントが用意されていたこともあった。
バカな父親としては、娘から送られる質問に答えるために東急ハンズでクリスマスカードを買い、深夜にそのカードに答えを書き込み、プレゼントと一緒に枕元に置いていた。
翌朝、娘は手紙を読み、うれしそうな顔をして、その内容を嫁さんに伝え、はしゃいでいた。僕はその様子を見ながらほくそ笑んでいたのだ。
結果的には、サンタクロースの文字と僕の文字とがあまりにも似ている(というよりも一緒)のが原因で、サンタの存在がバレてしまったのだが、それ程遠くない美しい思い出である。
クリスマスは子供にとって特別な日であると同時に、親にとっても意外とうれしい日なのかもしれない。
サンタの存在を知った娘は、それでも弟にサンタの存在を教える事はなく、何も知らない顔をしている。
きっと平気な顔をして、何事もなかったようにプレゼントを開けるのだろう。
クリスマス。いろんな思い出が詰まっているのだ。

パフのイベントで改めて考える

久々に新幹線で酔っ払いながら書くブログ。いつも内容は適当だが、飲んでいるので更に適当な要素であることはご勘弁を・・・。
本日は、Fネットのパートナー会社であるパフのイベントに参加した。合同説明会でもなく、ありがちな啓蒙的な学生的なイベントでもなく、社会人も学生も共に将来を考えるイベントである。
タイトルは「職サークル No.Working No Life Week」。これだけではどんな内容かは全くイメージできないと思うが、要約すると社会人である我々がいかに若者に働くことの意義や喜びを伝え、育てていくかというもの。
このイベントに出席を決めたのは、パフの代表である釘崎さんの想いに近いから。同じような事を僕自身も考えているからだ。しかし、僕の考えなど、想いの強さからいえば、まだまだ弱いものと感じる内容であった。
イベントの構成としては、就職の本質を突いた寸劇、自己を知るためにグループワーク、インターン学生の未来に向けての報告など、多岐に亘った内容であった。
総合司会を務めるポンタこと本田勝裕氏の巧みな話術と積み重ねてきた経験から生まれる学生へのアドバイスが、全体をまとめ上げてくれる。
この著名な方を呼ぶこと自体このイベントと真剣な想いがあると感じるのと同時に、この企画に共感する気持ちが本田氏にもあるのだろう。
13:30からスタートしたイベントは、涙物の寸劇も含め17:30に終了。参加する学生には4時間の長丁場のイベントであったが、そこで得た充実感は時間に代え難いに違いない。
間接者として聞く僕にも忘れてはならないいくつかのキーワードがあった。
「就職活動を通し、殻を破る」「協力と競争が自分を作り出すエンジンの要素」「ヘタクソ一生懸命こそ共感を呼ぶ」「行動し人に出会うこと」etc・・・。
もちろん主催者のパフであったり、本田氏の言葉であることも多いが、何よりも経験を通して学生が発した言葉が素晴らしかった。そこには間違いなく「成長」があるのだ。
そうであると、我々はやはり学生に対し、就職活動を通し、働くことの素晴らしさや楽しさ、期待感を伝えなければならない。
それが再認識できただけでも、このイベントに参加した意味は大きかったように思う。
イベント終了後は、打ち上げにも参加させて頂いた。パフの若手社員との語り合いを中心に、パフに協賛するクライアントの担当の方々とも話をさせて頂いた。
そこでも大いに反省である。
我々田舎者からすれば、東京は効率を重視し、よりロジックを求めることが人間としてプライオリティがあるように思っていた。実に浅はかである。
そこには人間味に溢れ、純粋に人が好きだ!何よりも想いだ!行動だ!と感じさせるメンバーが全員であった。
本来、自分たちが持つべき感情を正直に表現されていた。それを実感した。
築地で海鮮丼を食したことも今日の喜びではあったが、それ以上にひとりの人として、伝え育てる喜びを感じることができた一日であった。

学生イベント「生き活~じぶんフェア~」に参加

本日は、就職活動を行う現役大学3年生が主催するイベント「生き活~じぶんフェア」に出席した。
このイベントをサポートするアスクネットのKさんからお誘い頂き、彼の熱い想いに応えるカタチで参加したのだ。
このイベントでは学生と社会人を合わせて80名ほどが集まった。グループワークを中心に行い、それを通し、働く価値観を見出していこうというもの。学生が自分自身の過去、現在、未来をテーマごとにまとめながら、それをオブザーバー的な役割で社会人が意見を述べる。
少人数で分けられたテーブルにそれぞれ学生と社会人が入り混じり、話を進めていくのだ。僕も一つのテーブルに入り、空手部女子主将と登山部男子リーダーとワークを行った。一緒に組んだ二人の学生は真剣そのもの。自分のこれまでの足跡や将来への迷いや不安を含め、真面目に語ってくれた。
それに対して、偉そうに意見するわけだが、その意見についても素直に耳を貸してくれていた。清々しさを感じると共に、何とか社会人の先輩として気づきでも与えたい気持ちで僕自身もそのワークに臨んでいた。
このグループワークの間に、ZIPFMでパーソナリティを務める磯谷祐介氏が講演を行った。
これまでの経験を基に自分らしくどう生きていくかという内容は、彼の培ってきた、また悩んできた人生の中から、自分なりの答えを見つけ出したこと。
「自分の決めた責任であれば後悔しない」「何をしたいかはわからないが、どう生きたいかは決められる。それは楽しむ事」という言葉は、参加した学生にも響いたのではないだろうか。磯谷氏の人となりと魅力を感じる事ができる講演だった。
その後、その磯谷氏と学生代表、そして、社会人代表として僕が加わり、パネルディスカッションが行われた。名大社の代表という立場もあるが、むしろ個人の見解に近い話をさせてもらった。何の打ち合わせもなく、いきなりの質問に答えていく形式だったので、適切な答えかは定かでないが、普段から抱く気持ちを正直に話したつもりである。
どこまで学生に通じたかは分からないが、少しでも今後の生き方に参考にしてもらえればと思う。あくまでも就職活動はステップでしかないわけだし・・・。
磯谷氏とは相反する生き方をしているため、時に全く反対の話を披露する場面もあったが、考え方や生きるための価値観は共通する面もあったように思う。一緒に意見するはずの学生代表パネラーは、すっかり一聴衆者になっていたような感はあるが(ガンバレ~)、貴重で楽しい時間を過ごさせてもらった。
パネルディスカッション終了後は、再びワーク。
同じテーブルの空手部女子主将と登山部男子リーダーには、詳細の自己紹介はしていなかったため、僕の立場に驚き、恐縮していたように思えたが、それでもお互いのあるべき未来に語り、最後のワークを終えた。
イベント終了後の懇親会は、参加したい気持ちもあったが、予定があったため、会場を失礼した。
本日、参加していた学生にはそれぞれの温度差があるが、高い位置での温度差である。自ら2000円を出費し、学びのために時間を費やしている。多くの人から何かを吸収しようと積極的に動いている。
そんな動きは決して無駄にならない。
前向きな学生の姿を見て、勇気付けるつもりが逆に勇気付けられた1日であった。
今回のイベントに感謝である。

就職ガイダンスで感じたこと。

本日、県内のある私立大学の就職ガイダンスで講師を務めさせて頂いた。
この大学は、女子短大から四年生大学にシフトし、今年で3年目。今の3年生が最高学年で、先輩の実績もなければ、先輩から就職活動の大変さを直接聞くこともできない。
それも総合系の学校ではなく専門性の高い大学なので、入ってくる情報も限定されている。一般的な大学3年生が持っている情報よりは圧倒的に少ないであろう。
そんな学生に対しての講演だったので、開始前は学生の意識や「果たして自分の話がどこまで伝わるか?」と不安な面も強かった。
しかし、結果から言えば、それは杞憂であった。
事前情報として、懇意にしているクライアントの担当から、礼儀正しくしっかりした学生が多いということは伺っていたのだが、本当にそれを感じさせる学生が多かった。
教室に入った時の挨拶の仕方や聞く姿勢が、とても気持ち良かった。第一印象がいいということだ。これまで多くの大学で話をさせてもらってはいるが、教室に入った段階で、正直、やる気がなくなるケースもあった。
(立場としては失格だが・・・)
しかし、今回は教室に入った瞬間にこちらのやる気が更に湧いてきたのだ。聞き手の態度で話し手の意識が大きく変わることを直に感じる瞬間だった。
実際に話を進めていく上においても、真剣な表情で話を聞いていた。時にうなずき、時に笑顔を見せながら、その眼差しがこちらにも伝わってきた。
講演テーマは、最近、僕が多くの大学で機会を頂いている「中小企業の魅力と探し方」。それを現4年生の就職戦線を踏まえての90分のガイダンスである。
当初は75分程度話をして、残りの時間を質疑応答に使おうと考えていたのだが、こちらもつい熱くなり、時間ギリギリまで話をすることになってしまった。
少しでも自分の想いを伝え、今後の就職活動に役立ててもらいたいと心底、感じたのだ。そして、ネガティブな情報ばかりで、就職活動に後ろ向きになりがちな昨今の状況に、希望を与えたかったのだ。
学生が危機感を持つのは大切なことだと思う。しかし、それを通り越し、諦めであるとか、世間に対しての非難ばかりがはびこるようでは、将来に対してなんら楽しみがなくなってしまう。
それは、社会人としての先輩として、この事業に関わる者として、避けなければならない。
そういった気持ちを伝えようと、これからの可能性を語っているうちに、ついつい時間が経ってしまった。
(学生さん、申し訳ありません。)
本来は、相手が真剣であろうとなかろうと、こちらは真剣にならなければならない。
ただ、真剣な相手には、より真剣に臨まなければならない。
今回の講演は、それを感じさせてくれるいい機会であり、学びであった。感謝!
厳しく辛い経験もあるだろうが、自分の魅力が必ず伝わる時が来ると思う。それを信じて、頑張ってもらいたい。

就職内定塾 体験セミナー

本日、就職内定塾の体験セミナーを開催した。懇意にするL&Dコミュニケーションズの堀内代表とのコラボレーションでの企画である。
今年の春先に二人で飲む機会があり、現状の学生について語り合っている時に、「今の学生をもっと何とかしないかん!」「しっかりとした考えを持って行動させなきゃいかん!」といった事が、そもそもの発端。そこでの熱い議論が、結果として「就職内定塾」というカタチで誕生した。
そのため、この内定塾は就職活動におけるテクニックを教えるのではなく、「人間力形成」を目的としている。
そのプログラムを堀内氏が夏あたりから、具体的に企画を練り、今回の開催に至った。
本日は、その体験セミナーの実施。申込み段階では、セミナールームが満席となる予約であったが、思いのほかドタキャンも多く、少人数でのコンパクトな開催となった。
今回は基礎の基礎ということもあり、自己分析の導き方からプラス思考の発想法、エントリーシートの要点という流れで、1時間半の時間を費やした。堀内氏の学生を巻き込む熱い進行と時々のワークにより、その時間が経過するのはとても早かった。
参加した学生も、1回の授業と変わらない時間ではあるが、かなり短く感じたのでないだろうか。最後に感想も提出してもらったが、「これまでにない体験でいい勉強になった」「友達にも勧めたい」など、うれしいコメントが多かった。
僕自身は直接関わるのではなく、オブザーバー的な役割でしかなかったが、この僅かな時間でも学生に「気づき」を与える事ができたのであれば、その甲斐はあったのだと思う。
我々が認識する社会人としての心構えを含め常識的な思考・行動プロセスが、学生においては未知の物であるのが現実であろう。
その隙間やズレを埋める事が「人間力形成」に結びつく面もあるはずだ。
今回の体験セミナーでは、運営側の課題もあり、終了後、堀内氏と共に反省会を行い、次回へ向けての修正点を語り合った。
最初の一歩は、小さいものかもしれない。しかし、その小さいものを着実に育てる事で得られる価値も大きくなるはずだ。
この場を通して、少しでも成長に貢献していきたいものだ。

東洋経済「就職新氷河期」特集から・・・。

今週の東洋経済の特集は、「就職新氷河期~親も知らない就活の真実」であった。なんだか学生の厳しい状況を煽っている気がしてならないが、発売日に購入し、内容を一読した。
詳しいデータからかなり激しい辛辣な記事まで書かれている。明るい材料がないので、これだけ読むと就職活動に夢も希望もないように思えてしまう。学生の読者は、まだまだ少数派だろうが、これを手にする親御さんは多いだろう。
この特集を読んで、どんなことを感じるのだろうか?
親としての関わり方をつかず離れずで、いい関係を結べればいいのだろうが、関与しすぎると本人にとって不幸な選択を導いてしまうことも否めない。客観的に冷静な判断が求められるだろう。
個人的には、こんな厳しい就職活動だからこそ、学べることや成長できることなど、もう少し前向きな記事が多くてもいいのではと考える。やはり、厳しい就職活動であっても、夢も希望も持って欲しいからだ。
今回の内容のほとんどは、今の自分でも知りえる中味であったが、そんな中で、少なからずショックを受けた記事があった。
大学中退者8万人の記事である。
全入時代に入り、大学進学の割合が50%を超える背景には、多くの中退者を生み出す現実があるようだ。
実に8人に1人が卒業せずに中退する。そして、その中退者の6割はフリーターか無職。定職に就かない、就けない割合が圧倒的なのだ。
勉強不足もあり、この事実を知らなかったことは反省すべきだが、この数字の高さに驚いた。ただ、冷静に考えれば、あり得る話でもあるかもしれない。
大学に入学することが目的化しているのも原因の一つではあるだろうが、事態はもっと複雑なのかもしれない。
中退の割合が12.1%。就職率が60.8%。就職したものの3年以内で辞める者は31.1%。
この数字から判明するのは、入学者が100名いた場合、大学を卒業し3年以上継続勤務するのは、36.8名のみ。大学入学者の4割以下しか、一つの会社に3年以上勤めていないということになる。
ここまで低い数字とは全く思わなかった。景気が悪いから、いいからという外部環境の問題だけでなく、人が働く、まじめに働く、気持ちよく働く、そのことについて、もっと真剣に考えなければならない。
今回の特集を読んで、もっと大局的に物事を考える必要性を感じた。

中間報告。名古屋市会社合同説明会

ここ数日、ブログへのアクセスがかなり多い。これまでにないページビューになっている。
その原因を探ってみると、理由は明らかであった。キーワード検索で「名古屋市会社合同説明会」のワードにに引っかかっているのだ。何とグーグルで検索をかけると、僕のこのブログがTOPに反映される。
喜ばしい事かは正直なところ、微妙であるが、いいPRになるのは事実。せっかくなので明日まで開催されるこのイベントへの来場促進も含め、本日の途中経過を報告したい。
名古屋市1
12時からスタートしたこのイベントは、開始早々から多くの学生さんを中心としたリクルートスーツの若い方が来場。男女比はほぼ半々。
会場となる名古屋商工会議所2階ホールは、早い段階から熱気に包まれていた。
名古屋市2
本日参加の企業は38社。明日も同数の企業数となるが、うち9社は明日のみの参加となる。一般的には知名度はないが、堅実で安定性の高い企業の参加が多い。社名や事業内容だけでは、イメージが掴みにくい方については、直接面談で企業の魅力を知るにはいい機会だ。
来年春卒業予定の学生だけでなく、第二新卒を始めとした若年者の採用も行っている企業の参加も7割近くある。本年春卒業して未就業の方やフリーターをしながら就職先を探している方にもチャンスは多い。
気軽に話を聞ける雰囲気にもなっているので、是非、ご利用いただきたい。
この名古屋市会社合同説明会は、明日の17時まで。
天候の不安はあるが、この会場ではスッキリ晴れた環境を提供していただけると思う。

カンブリア宮殿 岡田武史氏に思う。

14日放映の「カンブリア宮殿」をこの休日に観た。前日本代表の岡田武史氏の特別番組である。
日本人の中で、これだけメディアに持ち上げられたり、ボロカスに言われた人も少ないだろう。
こんなジェットコースター状態では、マスコミ嫌いとなり番組出演も拒否してもおかしくない。もしかしたらカンブリア宮殿という世間から見れば、ビジネス向けの番組だから出演したのかもしれない。
まず感じた事は、岡田氏の書斎の本の多さである。企業の経営者を思わせる書棚で、その分野も多岐に亘っていた。そもそもサッカーの監督は理論家が多く、経営者と相通じる面があるのだろうが、岡田氏の場合、それをより一層思わせる本の量であった。
フランス大会時の映像から今回の南アフリカ大会まで、数多くの映像が流れていたが、その積み重ねた経験と年齢には、かなりの深みがあった。相当の苦労を重ねてきた要素が、一人の指導者としての成長をその発する言葉から感じ取る事ができた。
その代表として、「弱さ」を自覚したから勝てたという言葉は、ドラッカーの名言「強みをいかせ」に通じると感じた。
自分たちの状態をしっかりと把握する事で、その戦い方を明確化する事ができる。今回の一次予選突破もそこにポイントがあったようだ。
これはビジネスの世界でも共通だろう。
「リスクを冒す」のは重要だが、それに失敗したら責められる。責任が伴う。当たり前の話である。しかし、そこに挑ませる、チャレンジさせるのがリーダーの役割であるのは、間違いない。
この番組を観ていくうちに岡田氏が語る内容は、企業経営者の話に段々と思えてきた。それだけ数多くのリーダーとしてあるべきコメントが発せられていた。
(きっとそこに番組に意図があるのだと思うが。)
岡田氏は、経営の勉強や他のスポーツの技術を素直に吸収することでサッカーに生かしてきた。
その反対に、今回の岡田氏の出演は、ビジネスに生きる我々の世界でも十分に参考になる内容だった。
サッカー界には戻らないなんて言わず、いざという段階でまた戻ってきて頂きたい。
期待している。

反町監督のコメント

今週発売の日経ビジネスに珍しく湘南ベルマーレの反町監督のコメントが記載されていた。
湘南ベルマーレ自体はJリーグ最下位で、このまま進めば1シーズンでJ2降格という厳しい状況を迎える。そんな辛い立場ではあるが、個人的にこの反町監督の立ち振る舞いは好きだ。
どうしても感情面が出やすいスポーツの取り上げ方に対し、いつも冷静に理論的に応えているからだ。
その反町監督が、今回の日本代表の新監督ザッケローニ氏に関するメディアの取り上げ方に辛辣な意見を述べている。
この記事の掲載段階では、8日のアルゼンチン戦の模様は、当然の事ながら不明だが、ここに書かれているような展開になったように思えてならない。
ザッケローニ氏の前線に3トップを置く戦術が攻撃重視とされ、日本代表が攻撃的にチームに生まれ変わるという期待で捉えられてしまうということが書かれていた。
先入観や固定概念で、ザッケローニ氏の戦術を決めつけてしまう怖さがあるようだ。
3トップであろうが、ボール保持者よりも攻撃に加わる者が4名以下なら守備的なチームであるという。それは対戦チームによって大きく変わるべきで、今回のアルゼンチン戦も守備に要していた人数は多かったように思う。
結果的に、日本代表がこれまで一度も勝った事のないアルゼンチンに対し勝利した事で、ザッケローニ氏の評価は一気に高まったのだが、その守備に対しての意識の強さが勝利をもたらしたといってもおかしくはない。
先入観や固定概念で判断してはいけないのだ。
反町監督はそれも全てお見通しか、先入観や固定概念で捉える事を危惧し、外を見る必要性を説いてる。外を見るとは、国内の報道や専門家の意見だけではなく、視野をもっと広げ、外国人指導者の発言や海外の報道を参考にする必要があるということ。
これはビジネスの世界でもいえること。
だからこそ、スポーツ雑誌ではなく、ビジネス雑誌に寄稿しているのだろう。
「なぜ、日経ビジネスに反町氏?」と最初に感じた僕は、まだまだ固定概念が強いということだ。
反省である。