昨日は母校の4年生に対して就職ガイダンスで講演を行った。毎年この時期に依頼を受け、「中小企業の魅力と探し方」をテーマに1時間程度話をさせてもらう。
参加学生は昨年とほぼ同じ70名程度。5月も下旬に入り大手企業の内定も一巡した時期のため、参加学生はリスタートを図る時期。なかなか就職活動が上手く進まず悩んでいる学生が多いと予測されるが、顔つきを見る限り、こちらが心配するほどでもなかった。
昨年までであればもっと暗い表情の学生が多かったと思うが、今年はそうではない。かと言って、景気上昇を期待して余裕をかましているわけでもない。
ほとんどの学生がこれからの時期を前向きに捉えようとする姿勢がうかがえた。あくまでも感覚的な話。全く根拠もない。
しかし、僕が話をしていることに対してのうなずきや表情からそれを十分感じさせてくれた。僕は例年のように就職環境の真実から中小企業の魅力、その探し方、自分に向く中小企業のポイントを持論を踏まえて話させてもらっただけ。それを感じ取るのは参加学生になるわけだが、表情はかなり納得していたように思う。
この東海地区には堅実で魅力的な中小企業は多い。これから採用活動を本格化させる会社も結構存在する。そんな企業と出会ってお互いの魅力が伝われば、これまでの苦労も報われるはず。
昨日の学生を見る限り、諦めずに活動を進めてくれそうな雰囲気が十分伝わってきた。講演終了後も「ありがとうございました!」と元気よく挨拶をして退出する学生が多かったのも印象的。
お辞儀をしながら「よし!問題ないぞ!」と心の中でつぶやいてしまった。今のままで構わないから継続してもらいたい。
僕も会場を失礼しようとしたタイミングでキャリアセンターの方から頼まれごとがあった。このガイダンス終了を待って、何名かの3年生が話を聞きたいと会場にやって来たのだ。少しだけでもアドバイスをして欲しいという依頼だった。
15分程度の時間しかなかったが、その学生らと就職について語り合った。相談内容も基本的なことだったが、その積極的な態度には好感がもてた。先々に不安を抱えるものの、明るい表情だった。
時間的な余裕があればもう少しゆっくりできたのだが、次の予定もあったので失礼した。またまた「よし!問題ないぞ!」と心の中でつぶやきながら・・・。
今日、明日は名大社の合同説明会が開催される。どんな出会いにするか、どんなチャンスにするかは本人次第。僕らは背中を押すことしかできない。
大丈夫!自分を信じて前に進んでもらいたい。
カテゴリ「人について考える」の記事一覧:
2013年5月24日
全く問題なし。今のまま進め!
2013年5月10日
たかがメール、されどメール
面接を実施した学生さんにはしっかりと返事をしなければならない。内定を提示する学生さんには「うちにおいでよ!」と言えばいい。それほど難しいことではない。
難しいのは残念だが不採用にする学生さんに対して。そこには気を遣うし、申し訳ないと思う。それが理由でもないが、僕が面接した学生さんにはきちんとした返事をメールで送る。
最終面接でどんな印象だったか、どんな点が良かったか、不採用の理由はどこにあるかをメールで送ることにしている。限られた人数なのでできることだが、僕の中では最低限行うべきマナー。最後まで自分たちの会社の事を想ってくれた方に対して、気持ちの入っていないお祈りメールは失礼にあたるとも思う。
そのメールに対して、親切にお礼の返事をくれる学生さんもいれば、何もない学生さんもいる。当然だろう。中には「山田社長から頂いたメールを読んで悲しくて泣きました。でも、これからも頑張ります。」という内容のメールもあったりする。とても切ない気持ちにもなる。仕方のないことだが・・・。
そんなことを採用担当を任された10年以上前から行っている。今は最終面接の学生だけだが、以前はもっと多くの学生にメールを送っていた。
数か月前の事だが、ある団体のパーティーに出席し、抽選会で当たり名前を呼ばれたことがあった。景品を頂き、席に戻る途中に若い参加者に声を掛けられた。
「山田さん、就職活動の時に御社を受けた○○です。覚えていますか?」と。一瞬、何のことかと思ったがすぐに思い出すことができた。7~8年前にうちの会社を受けてくれたイキのいい若者だった。
「あの時、山田さんから頂いたメールは今でも保存しています。時々、読んでいます。」と思いがけないことを言ってくれた。正直、どんな内容のメールだったかは覚えていないが(苦笑)、送ったのは事実。それを今でも残していることに驚くと共に、素直に嬉しかった。
「へ~、そうか。ありがとう。今も頑張ってるか?」と他愛もない会話をしてその場は終わったが、たかだか一本のメールでもそんな扱いを受けるこちらも喜ばしいし、光栄なこと。
就職活動の敏感な時期、一本のメールが相手を傷つけることもあれば、勇気づけることもある。それを我々は真摯に受け止めなければならない。一つひとつの行為に責任を以て臨まなければならない。
昨日、学生にメールを打ちながら、そんなことを思ったのだった。
2013年4月8日
松下幸之助歴史館へ行く
大阪出張した翌日の土曜日は時間に余裕があったので、門真市にある「松下幸之助歴史館」へ。
パナソニック本社に隣接されている。本社はその歴史と創業者の思いが伝わる桜並木。
散り始めた桜としとしと降る雨がもの寂しさを感じさせた。
歴史館の入口付近では松下幸之助氏の生い立ちとその年齢ごとの企業状況が分かる映像が流されていた。
僕は今年で47歳になるわけだが、その時にはもう1万人の従業員を抱えられていた。そして、ちょうどその倍の94歳の時に逝去された。
それが平成元年。僕がまさに社会人としてスタートした年になる。亡くなられて既に24年が経過したわけだ。パナソニックについて何か語れるわけでもなく、その立場にもないが月日が経つと企業は大きく変化していくことがよく分かる。
入館すると道の文字と共に
自分には自分に与えられた道がある
広い時もある
せまい時もある
のぼりもあれば、くだりもある
思案にあまる時もあるだろう
しかし 心を定め
希望をもって歩むならば
必ず道はひらけてくる
深い喜びもそこから生まれてくる
深い言葉だ。
館内はその時々に発売された製品が芸術品のように並べられている。家電が贅沢品であることを十分に思わせてくれる。
ここでは松下氏の直接の言葉が聞けるコーナーがいくつも用意されている。経営を語る、人生を語る、人づくりを語るなど珠玉の名言が映像と共に楽しむこと、いや学ぶことができる。
時間さえあれば一日居ても退屈しないだろうし、これだけ経営の勉強をできる場所もないだろう。半人前の僕が言うのはおこがましいが、すべての経営者はこの歴史館を訪れるべきだと思う。
そして、パナソニックへの入社を希望する学生も必ず見ておくべきだ。Webだけで知識を蓄えるのではなく、肌で感じてもらいたい。
来館者が少なかったせいもあるが、いくつかのコーナーは独占で僕の気が向くまま使わせてもらった。「人生を語る」という映像のコーナーで「悩むのも仕事」を本人が直接語られていた。経営者の最も大切な仕事は悩むことであるとメッセージを送られていた。
涙が出そうになった。ちっぽけな悩みばかりで右往左往する自分も何だか認められたような気がして嬉しかった。素晴らしい時間を送らせてもらった。
1時間も拝観すれば十分だと思っていたが、結果的に時間は全然足らず、後ろ髪を引かれながら歴史館を後にした。半日でも足りないくらい。
しかも、これが無料。地元の方は一度や二度は入館されているのだろうか。もし、されていないとしたら勿体ない話だ。
2013年3月18日
振り返るのも大切なのだ!
昨日は久しぶりにJCDAの地区大会に参加。CDA(キャリアカウンセラー)の資格を取得した当初以来だろうから7年以上の月日が経っているかと思う。
たまには参加しないとどんどん知識は退化してしまう。これ以上退化しようがないという話もあるけど・・・(笑)。
第一部ではワークショップ、第二部では会員による講演が行われた。
第一部のワークショップでは「希望中心のキャリア開発」と称し、3名でチームを作り、参加者一人ひとりの全体像を掴むための議論。
これまでの人生を振り返り、「とてもうまくいった出来事」を共有しながら、話し手は自己の強みを語り、聞き手は話し手の強みを引き出すという作業。いかにもキャリアカウンセリングの世界で使われそうな題材を自らの経験をアウトプットしながら、全体で共有していったのだ。
今の立場になって、自分の強みを語るのはかなり恥ずかしい行為であるが、普段ではやろうとしないためいい経験でもある。
僕は「とてもうまくいった出来事」として30代の時に手掛けた新規事業立ち上げの話をしたのだが、聞き手の受け止め方は様々。
発表後、フィードバックをしてもらったわけだが、聞き手は話し手の強みを用紙に記入する。基本的に相手の事を褒め合う行為だが、自分の気づかない強みを表現してくれて、新たな気づきと共にうれしさが沸いてきたり・・・。
昨日ご一緒したCDAの方も何ともうれしいことを書いてくれた。感心しながらも、こっぱ恥ずかしい(笑)。
第二部は名大社のイベントでも頻繁にご協力を頂く臼井氏の講演。「中小企業志向~貧乏くじ世代と呼ばれて」というタイトルで、中小企業の魅力について講演された。
臼井氏は地元屈指の繊維商社からキャリアをスタートされ、アウトソーシング会社で勤務された後、現在は従業員10名程度の雑貨貿易会社で活躍されている。これまでのご自身の経験を通して、中小企業のメリット・デメリットについて分かりやすく語って頂いた。
メリットとしては、若い年齢で責任あるポジションに就くことができることや、一人が何役もこなし成長スピードが速いことを述べられた。
デメリットととして社員の育つ環境の提供ができていないことや経営者(オーナー)の意向が全てにおいては反映されることの怖さを述べられた。
中小企業の経営者(特に2代目、3代目)は自社以外での就業や一兵卒としての勤務経験がないことも大きな影響も与える。その経営者との相性によって働く環境が大きく変わることも強いという。
全て自分の体験を基に話されてることもあり説得力のある内容。僕らが知っている以上にリアルな中小企業の実態を明かされたのだ。
僕なんかは同族の2代目、3代目でもなければ、オーナー色が強い会社でもない。かといって、1社経験しかないため他の組織を知らない。
同じ中小企業でも世間一般と状況は全然異なる。かなりレアなケースといっても言い過ぎではない。代表的中小企業であるにも関わらず、主観的に代表的なことは語ることができない。今回の講演を拝聴しながら、ふとそんなことも考えた。
会社の経営環境や自分が行ってきた戦略や実務を振り返ることはあっても、個人の上手く行ったことや好きなことを振り返ることはない。厳密に言えば、上手く行ったことなどないのかもしれない。
しかし、時には一人の人間として好きなことをやっているのか、一番うまく行ったことは何かを振り返る必要はあるかもしれない。
と、昨日の地区大会で感じたのだった。
2013年3月17日
中山雅史と日本サッカーの20年。
今回のNumberを書店で見つけた時に、一瞬バックナンバーを発売しているのかと勘違いしてしまった。10年以上前の雑誌が並ぶわけもなく、すぐに特別号と理解したのだが、全く同じ表紙というのは紛らわしいが、僕にとっては実に嬉しいこと。日本サッカーにおいて一番喜ばしい時の発行だったし・・・。
せっかく目に留まったので、重要な箇所だけ立ち読みで済ませようとしたのだが、そうはいかなかった。
(かなりせこいですね。)
ゴン語録を読んでいるうちに買わないのが失礼だと思ってしまったのだ。
1999 また飛び込みますよ。正直、怖いけど、怖がって躊躇していたら僕がいる意味がない。
2001 すべてのプレーを偶然ではなく必然にしたい。
2012 下手だったから、もっと上、もっと上と頑張ることができた。
他にも名言が多数。
何となくオチャラケな発言がイメージされるが、奥深い発言の方が実は多い。泥臭く、がむしゃらなプレーが印象的だが、一緒にプレーした選手や監督は「頭がいい選手」と評することが多い。
にわかサッカーファンの僕としては、細かな面まではわからないが、今回の特別号を読んでも随所にそれを感じさせる。
この特別号では過去の記事も掲載されているのだが、そこも興味深い。
30歳を越えた中山に、当時、若手で活躍している選手との熾烈なレギュラー争いに関するインタビューがあった。その当時、若手と言われた選手は、中山よりも先に引退している。それも少数ではない。その大半が既に現役を退いているのだ。
その比較をするだけでも中山という稀有なプレーヤーを語るに価値があるのかもしれない。
やはり同世代の誇りだ。自分がたるいと感じた時なんかには、この雑誌はいいクスリになるであろう。
今回の特集は現役時代に一緒にプレーした選手のインタビューも掲載されている。ヒデであったり高原であったり・・・。
その一人にジュビロ磐田時代にプレーしたスキラッチの存在も。でも、これが不思議。どうしてキザで舌を巻くような口調になってしまうのだろうか。
「オレはもうアイツに惚れちまったんだよ!」
そんなイタリア語の表現あるのかな・・・(笑)。
2013年3月9日
よりよい春休みの過ごし方
先週からスタートした春のインターンシップは本日で終了。
親しい大学から依頼を受けて、3名の大学2年生にこの2週間の間、就業体験をしてもらった。夏のインターンシップはどこの大学でも当たり前のように実施しているが、春の実施は少ない。受け入れ先の企業も少ないため、学生に容赦なく働かせる我が社でも希望者は多いようだ(笑)。
大学2年生段階では就職の意識より、むしろ世の中の仕組みを知りたいという気持ちが強く働くようだ。まだあどけなさが残る学生が(失礼かな・・・)、そんな想いで参加してくれた。
体験することは夏のインターンシップとほとんど変わらない。座学、営業同行、電話対応、原稿作成、イベント運営と一通りの業務を行う。僕は毎年座学を担当し、いくつかのテーマに沿って、学びの場を提供する。
僕としてはできるだけリラックスさせ話しやすい雰囲気を作っているつもりだが、受ける本人はそんなことは全くないようだ。緊張しまくって、お腹を壊してしまうこともあったり・・・。
こんな人間でも立派そうな大人に見えるのかな(笑)。営業同行ではお客様に注意されたこともあったようだが、それも学生にとってはいい経験。
一つ一つの経験が自覚を芽生えさせ、成長に近づいていく。社会を知るには実体験が一番なのだ。
インターンシップの最後となるイベント運営の仕事では、このように自然な笑顔も見せてくれるようになった。(といっても、まだ硬いかな・・・笑)
昨日も一生懸命、イベント会場で来場者に声を掛け、与えられた仕事を爽やかにこなしていた。
学生にとって、春休みは最も気持ちがラクで、何のプレッシャーもない一番過ごしやすい期間だろう。アルバイトで多く稼ぐこともできるわけだし、旅行するにも値打ちな金額で楽しむことができるだろう。
一銭の収入にもならず、楽しいというよりは大変な事ばかりのインターンシップ。友達と遊ぶ時間も限られ、学生によっては何の価値もないものかもしれない。
でも、僕は思う。
この過ごした時間はお金を稼ぐよりも大切で、友達と遊ぶよりも重要だと・・・。
そんな風に少しでも思ってくれたら、本当に嬉しいのだけれど、どうかな?
2013年2月25日
伊良湖にて、若者を想う PART2
せっかく伊良湖まで来たので、昨日の朝は周辺をランニング。恋路ヶ浜からフェリー乗り場を越え、ホテル所有のゴルフ場に駆け抜ける。
寒い。風が強い。箱根駅伝の強風に煽られた選手じゃないが、体がグラッと揺らぐほど・・・。そんな環境下、30分程度走り軽く汗を流す。
そして、7時からは若者たちと一緒に海岸清掃。
これまた寒い。それでも全員で懸命にゴミ拾い。プラスチックやビニールの破片が多いこと、多いこと。
若者たちは分科会で発表の内容をまとめた後、順番に発表を行う。
高校生から社会人まで分かれた分科会で、前日の尾川さん講演と今回のセミナーのテーマである「平和」について、議論し合いまとめたことを寸劇や模造紙で大きく気持ちを表現する。
限られた時間での議論のため限界はあるが、どのチームも熱い想いが伝わってくる内容。ビックワードである「平和」や「夢」を自分たちの身の丈に落とし込み、それぞれの解釈を加えた発表には大いに感心させられた。発表した内容を持ち帰り、各々で実践してもらいたい。
それにしても一昨日、講演をいただいた尾川とも子さんの競技に対する執念と夢を叶えるために取り続ける行動力には脱帽。僕のこれまでの努力なんて、屁のカッパにしかならない。
彼女の座右の銘は「石の上にも三年」ではなく、「岩の下にも三年」。
天井を這うように平行に岩の下を登っていく(正しい表現ではないが・・・)。難易度が抜群に高いその岩の下を3年間、挑戦し続けて登り切ったのだ。それは女性では世界初となる成功。その岩を登るため、指の置き場を1ミリずらしたり、指の角度を1度ずらしたりと、見る者には全く分からない努力を積み重ね成功に辿り着いたようだ。
そのため座右の銘ももう一つあり「塵も積もれば山となる」。まさに実践してきたことを自らの証明として言葉にも表している。
彼女は指1本でも懸垂ができるとのこと。講演で見せてもらった映像が見つからなかったので、近いものがこれ。
今、紹介したことは講演の中味でいえば、ほんの一部。他にも紹介したいエピソードが山ほどあるが、とてもじゃないが書ききれない。この講演を聞きながら、何度も涙がこぼれそうになってしまった。
発表した若者も話していたが、夢の実践者の発言は伝播し、他者へ影響を与え、夢の実践へと広がっていく。素晴らしき波及効果。
一泊ではあるが、若者がこのように「夢」や「平和」について真剣に考え語り合うのは貴重な機会。そんな場に立ち会えた僕も幸せなこと。
自分自身が「夢」や「平和」について、真剣に向き合わないといけないんだけどね・・・。
2013年2月24日
伊良湖にて、若者を想う PART1
昨日から加盟する団体の担当として伊良湖へ。
同じ愛知県でも自宅から3時間はかかる。こんなに遠かったっけ?。
前回、伊良湖に来たのは確か10年以上前。まだ息子が生まれる前だから、12年位前だろう。義理の両親との旅行で、伊良湖からフェリーに乗って、鳥羽に行った時以来だ。1月の温泉旅行だったが、その当時も昨日のように菜の花が通りを覆っていた。
そして、伊良湖といえば、恋路ヶ浜。島崎藤村の「椰子の実」でも有名。
大学時に当時付き合っていた彼女とオンボロ車を走らせて来た記憶がある。
結局、その時の恋は最後までは実らなかった(笑)。今も佇まいは変わらないようだ。この季節はたまらなく寒いし、人気もない。
目的地は伊良湖シーパーク&スパ。
3年前までは伊良湖ガーデンホテルで名古屋鉄道の資本だったホテル。これまで縁はなく、初めてお邪魔させてもらった。
いかにもリゾートホテルらしい装いで、写真だけ見れば沖縄と間違えてしまうかもしれない。そんな大袈裟でもないか・・・。
今回の目的は「RYLAセミナー」という青少年指導者を育成するプログラムに参加するため。昨年も同様に参加させてもらったので、今年で2回目。参考までに昨年の内容はこちら。
下っ端のクセに偉そうな言い方で申し訳ないが、僕はこの企画は素晴らしい内容だと思っている。昨年の講演も参加者の発表も感動的だった。土日が潰れてしまうのも全く問題なかった。
そして、今年も同じことが言えそうだ。基調講演の講師をされたプロフリークライマー尾川とも子さんがまたまた感動的な話をしてくれたのだ。
いやあ~、見かけの美しさを吹き飛ばす壮絶な人生・・・。諦めないって、凄い。
その講演内容は、本日若者たちが発表することと一緒に明日のブログでまとめたい。おいおい、思わせぶりな態度で何も若者を想ってないじゃいかと言われるかもしれないが、7時から海岸清掃もありそうなので・・・。
続く・・・(笑)。
2013年2月6日
「常勝集団の作り方」とは・・・
昨日は会社が利用する研修会社トーマツイノベーション主催の講演会に参加。講師は前中日ドラゴンズヘッドコーチである森繁和氏。落合前監督と共にドラゴンズを常勝集団に育てた張本人。
テーマもずばり「常勝集団の作り方」。
以前、落合氏の講演を伺った時は「オレ流~」だったから、主催者側の意識したタイトル付けがあるような気がしないでもないが・・・(笑)
著書「参謀」でもあるように落合前監督の右腕としてチームを支えられてきた話は実に説得力があるもの。見た目はいかつい感じがして、時折、それをイメージさせるエピソードも披露されたが、講演は紳士的でソフトな印象が強かった。
高校~大学~社会人とアマチュア界で全て経験され、プロに入団してからも現役~コーチまで34年間一度もユニフォームを脱ぐことはなかったという。
その間、解説者の経験があるわけでもない。その分野には詳しくないが、そのような野球人生の方もレアな存在ではないだろうか。
ドラゴンズといえば投手陣。その圧倒的な投手力で選手を育てチームを引っ張ってきた。それでも10人に1人大成すればいいと考え、指導にあたられた。
吉見、浅尾、チェンら、大成した投手がいようとも自分の手柄にすることはなく、選手がコメントした時に初めてそれを認めることも人を育てることにおいて重要な要素なのかもしれない。
目標と行動と結果とを上手く組み合わせ(ビジネスでいうとPDCAにあたるだろう)、選手を動かす指導力は企業内でも同様。また、投手においては1年間を通じた設定の仕方が重要という。1年間の目標の勝ち星をどこにおくかによって、翌年以降の実力が見えてくるというのだ。
経営者向けの今回の講演で納得感の強いものになったのではないかな。
講演の後半は質疑応答。
地元経営者ばかり参加しているため、基本ドラゴンズファン。日本シリーズの山井の起用法から、井端・荒木のポジションコンバート、観客動員減少、そして日本ハム大谷投手の二刀流の質問まで出て、テーマとは全く関係のない展開に・・・。
もしかしたら聞いてる側はこちらの方が面白かったと思えるくらいウラ側の話が聴け、貴重な経験ができた。「ここだけの話ですけどね~」といった感じで・・・。
講演終了の後は懇親会。ここでは久しぶりにお会いする経営者の方との懇親もあり、ありがたい時間を過ごさせてもらった。
トーマツイノベーションさんに感謝!ありがとうございました。
2013年2月3日
今週の夜の出来事
今週は久しぶりに週4回夜のお付き合いがあるという有り難い1週間。昨日の土曜日もエンジニア向けのイベントだったので、さすがにくたびれてきますが・・・。
(前回より多くの方にお越し頂き、ありがとうございました!)
そのお付き合いの一つに昨年から度々顔を出させてもらっているアスバシLIVEがある。詳細はHPや過去のブログ(「またまた参加アスバシCFC」、「若者たちの目的意識」)を読んでもらえればと思うが、今回、僕は就職に関する講演と「採用基準」というテーマでのパネルディスカッションに出させてもらった。
「採用基準」なんて、ベストセラーのパクリじゃないかと思ってしまうが、決してそんなことはない。
「採用基準」についてはひとまとめに語れる事ではなく、企業ごとの想いが反映されるもの。それが理由ではないが、僕の想いを勝手に喋らしてもらった。本来の趣旨と違っていたかもしれない。毛受さん、ごめんなさい(笑)。
いくつかのプラグラムを終え、最後は参加している学生さんのプレゼン。
これが強烈に印象に残った。と同時に自分の無知を痛感させられた内容だった。
学生ら自身が「愛知県 学費と奨学金を考える会」という団体を立ち上げ、学びの格差を失くすための活動をしている。
僕も無知で初めて知ったが、現在、奨学金には給付型奨学金、無利子貸与型奨学金、有利子貸与型奨学金の3種類があり、日本の場合、有利子貸与型奨学金が大半だという。その数も100万人近いとのこと。
授業料について中学、高校では手当が充実している日本ではあるが、大学ではそれが見られない。OECD加盟国30カ国のうち15カ国が大学の授業料は無料としている現実と比較すると学費はネックであるのは間違いなさそうだ。
その根本的な問題があるとして、僕が衝撃を受けたのは、その奨学金の返済金額。
有利子貸与の場合、金利が3%。そこから金額をはじき出すと返済額は700万を超える。大学を卒業した段階で700万の借金を背負うわけだ。20年以上働いている僕でも700万の借金は相当額。簡単に判断できる金額ではない。その決断を高校生の段階で求められるのだから、躊躇するのは当然。
大学に進学して学びたい気持ちがあっても、諦めてしまう若者も多いだろう。今回、プレゼンに臨んだ学生さんも自分が奨学金を申請して進学したために、妹はそのリスクに遠慮して進学を諦めたという。切ない話だ。
自己責任と簡単に言い放ってしまえる問題ではない。そもそも子供らに対して自己責任と言うのはお門違いだし。
進学を前提とした教育の場でそんな事実があることを全く知らなかった。無知は罪だ。
そんな実態を自分たちで何とかしようとしているのが、プレゼンをした学生らの団体。その当事者が我々に対し、明確な言葉と想いで伝えようとする行為。それだけでも胸が熱くなってきた。何の支援もしていない自分は熱くなる資格も持たないだろうけど・・・。学生に教えを請うただけ。
安易に国はそんな状況に目を向けるべきだとは言わない。しかし、少なくともその現状をもっと多くの人が知る必要はあるだろう。
それは僕の子供も含めて・・・。いかに自分たちが恵まれた生活をしているかをもっと噛みしめないといけない。
その後、懇親会でその学生らとも席を共にしたが、みんな表情が明るかったのも印象的だった。