これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「名古屋を知る 街を歩く」の記事一覧:

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その35

私は調子に乗っていたのだと思う。
人気食べ物ブロガーとおだてられ、
「山田さん、私の店も書いてください」等と言われ、明らかに調子に乗っていたと思う。

私のスタイルは名前を明かさず、存在を隠し、店をルポするもの。
ありのままの事実を誰にも干渉されず書くことを大切にしてきた。
それが私の数少ないこだわりと言っていいだろう。
しかし、脚光を浴びるうちに自らを見失っていたのも否定できない。
間違いなく私は驕っていた。
そんな態度が知らず知らずのうちに伝わっていたのだろう。

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こともあろうに私のルポの姿を読者の一人に撮られてしまったのだ。
眼鏡を外し、服装も変え、誰にも気づかれないはずなのに・・・。
だが、私の驕った態度が読者に見抜かれ、偶然ではあるがその姿を撮られてしまった。

私は動揺していた。
それは隠し撮りされた事実ではなく、私自身の現状の浅はかな振る舞いに動揺していた。
わずかな時間であったが、私は食べ物ブロガーとしての立場を捨て、以前の姿に戻ろうかと迷った。
しかし、それは今の自分だけでなく、これまで積み上げてきた私自身を否定することを意味する。
その勇気はまだ持ち合わせていなかった。

もう一度、自分を取り戻すために円頓寺にある隠し撮りされた系列店にお邪魔した。
1か月前にオープンしたばかりの「えんそば 円頓寺店」。

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新店特有の爽やかな空気が幾分、私の気持ちを楽にさせた。
もう一度原点に戻ろう。
私は強い意思を抱え、注文した。

中かけそば(冷) 490円

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値段の割にはコシの強い蕎麦が私に元気を与えてくれた。
「もっと、真っすぐ生きろ。」と蕎麦が語りかけてくれるように感じた。
短い時間で私はころそばを平らげた。
多分、自分に向き合う行為をしていたのだと思う。

私は円頓寺にある系列店にお邪魔したおかげで自分を取り戻すことができたようだ。
感謝をしなければならない。
「この値段では申し訳ないな。」

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私は棚を眺めながら、ここに並んでいる酒なら感謝に値するだろうと考えた。
いつか恩返しすることを誓い、私は店を去った。

食べ物のはなし 番外編 塩台湾ラーメン

私が暮らす名古屋市郊外から車で5分くらいの閑静な住宅街。
閑静というにはいささか語弊があるかもしれないが、懐かしさとのどかさを感じる場所。

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とても商売に向いている環境ではない。
人通りはほとんどなく、地元住民以外の方はまず通ることはない。

そこに1軒のラーメン店がある。
飲食業を商いとする場合、店舗に相応しい立地条件であるかを判断材料にすることは当然のこと。
交通量の多さ、駐車場への入りやすさなど、どんな立地かが出店する際に重要になるはず。
それが飲食業における常識。
このラーメン店はそんな常識に逆らうかのような店構えである。

人との出会いは偶然性である。
食べ物の出会いも偶然性であるといっていい。
私がこれまでルポしてきた店もたまたま通りかかったという偶然性に負うことが多かった。
しかし、このラーメン店に偶然性は当てはまらない。
明確な目的を持っていなければ発見することすら叶わない。
意図的な行動でしか出会うことができないのだ。

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そのラーメン店は「たご」。
名古屋のラーメン通では言わずと知れた存在。
私は必然性で持ってこの店を利用したことになるのだろうか。

席数はカウンターのみのわずか8席。
店主に効率性を感じることはない。
まるで懐石料理を作るかのように丁寧にラーメンを作る。
恐ろしいほどのこだわりを感じる。
とても商売っ気があるとは思えない。
一途な想いがラーメンを一つの芸術品のように仕上げていく。

私は時間を気にすることなく、その風景を眺める。
このラーメン店に訪れ、私のこだわりは一体何であろうか。
自分に問うてみる。
何故か私はこのラーメン店にお邪魔すると同じものを頼んでしまう。
他にいくつも自慢の品があることを知っていながら・・・。

塩台湾ラーメン 830円

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この写真は以前撮影したもの。
当時若かった私は店主を気にすることなく写真を撮ることが出来た。
そして、
「いいぞ、いいぞ、この感じ。こんなラーメンが食べたかったんだ!なかなか、やるじゃないか。」

そんなセリフをほざいただろう。以前の私なら考えられる軽はずみな言葉。
しかし、ブログの文体が変わった今、
そんな態度は真摯な店主に対して失礼だと感じてしまうのだ。
変わらないのはこの透き通ったラーメンと店主のこだわり。

「大将、今日も美味かったよ。」
感謝を込めて、水の入ったグラスを乾杯するかのように持ち上げた。
店主はかすかに頷いたように見えた。
私はそっとグラスをテーブルに置き、店を後にした。

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その34

私はいつものように円頓寺を歩いていた。
ぼんやりと考え事をしながら歩いていた。

「思いのほか、先週、先々週の食べ物ブログは好評だ。
これは師匠に対しての裏切り行為に当たらないか・・・」

そんなことを考えていたのだ。
私の食べ物ブログは師匠の文体を真似て、また「孤独のグルメ」を参考に作られたもの。
守破離と言えば聞こえはいいが、実際は大した修業をしていない身として正しいあり方ではない。
しかし、今は新しい可能性を求め挑戦していく段階と自分に言い聞かせている。

珍しく工事中の円頓寺商店街も何かの因果だろうか。

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そんなことを考えるうちに目的地であるお店に辿りついた。
目にしたのは「臨時休業」という貼り紙。
一つの目的を失った。
一方で新たな挑戦がある。
生きていくことはそんなことの繰り返しかもしれない。

気持ちを切り替え、私は円頓寺本町に向かった。
そして昭和の香りのする喫茶店「散歩」に入った。

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スタバやコメダが台頭する中、昔ながらの喫茶店が減少傾向にあるのは間違いない。
後継者不足を含め様々な問題を抱えているだろうが、
店を切り盛りする店主はそんな雰囲気を微塵も感じさせない。
それが私に少しばかりの勇気を与えてくれた。

焼うどん定食 650円

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いかにも昭和を感じさせる。
その頑固ともいえるスタイルに涙が出そうになった。
その姿勢を噛みしめながら私は食べ始めた。

「焼うどんが600円で焼うどん定食は650円。50円でご飯とみそ汁が付くわけだな。
これはみそ汁じゃないぞ。豚汁じゃないか。お~、なかなかやるじゃないか。」

以前の私ならきっとこんなことを呟いていたはずだ。
たかだか3週間前の話だが、遠い過去のようだ。
時折、以前の私が垣間見えそうな瞬間はあるが、あえて自分に厳しくし、以前の私を消し去る。
これも生きていくための試練と捉えるべきなのだろう。

理解者を増やす行為は賛同者が離脱する行為。
食べ物ブログという小さな枠組みの中でも与える影響は少なくはない。
私は常にそんなことを意識しながら、今日も円頓寺を歩いていく。

食べ物のはなし 番外編 情熱まぜそば

かつて名大社は栄の中日ビルにオフィスを構えていた。
その南東にあるのが栄ウォーク街。
以前は女子大小路と呼ばれ、錦に勝るとも劣らない繁華街であった。
現在も栄ウォーク街という名称より女子大小路と呼んだ方が馴染み深いようだ。

中日ビルに勤務していた頃、頻繁に女子大小路に足を運び、酒を酌み交わした。
今となっては懐かしい時代。
オフィスを移転してから、ここで飲むことは極端に減った。
どうだろうか。
一年に1回あるかどうかと言っていいだろう。

ランチタイムもこの周辺をよく利用した。
30代後半は営業と企画部門を兼務しており、このあたりでよく昼食を取った。
かなり忙しい時期だったこともあり、せいぜい15~20分程度で済ませ、会社に戻ってくる日も多かった。
ハードワークを自ら実践していた時代。
今の私を作り上げてきた。
環境や立場は変われども、この事実を忘れてはいけない。

ふと感傷的になり、久しぶりに女子大小路に足を運んでみた。
世界の山ちゃん。

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ここも後輩や学生を連れてよくお邪魔した。
3000円も出せば、十分満足することができた。
私たちの憩いの場であった。

その1階にあるのが系列のラーメン店「やどかり屋」。

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ここでそそくさとラーメンを平らげ、会社に戻った日々もそれほど昔ではない。
しかし、記憶とは曖昧なものだ。何を食べていたか思い出すことが出来ない。

自販機の前に立ち何を注文しようか迷う。
その当時の感情が徐々に蘇ってきた。
それには瓶ビールが似合うのかもしれない。
いくつかの品のチケットを購入し、カウンターに座る。

ビールを飲みながら、若かった頃を思い出す。
今よりも尖っていたか。そうはいっても組織に迎合していたか。
複雑な思いが頭の中を遮ってくる。

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ビールも哀愁を帯びているように思える。

情熱まぜそば 810円

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当時、このメニューはなかった。
「世界の山ちゃん」は変わらない。このラーメン店も変わらない。
しかし、時代と共に求められるものは変化していく。
それに対応できるものだけが生き残っていく。
どんな分野でも同じことがいえるはずだ。

私たちもこの街も変わることと変わらないこと。
この情熱まぜそばが私に教えてくれたようだ。

今日の食べ物ブログはいつも違うと思うのは気のせいだろうか・・・。

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その33

大好評の円頓寺シリーズも新たな展開になってきそうな予感です。
美しい女性と「四間道レストランMATSUURA」さんに行ってきました。

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話題のフレンチです。
お店に入る庭もこんな感じです。

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「おっ、なかなかやるじゃないか、人気食べ物ブロガーも立派になったもんだ。」
という声が聞こえてきそうです。
「こんにちは、予約した山田です。」
と普段の円頓寺シリーズと入り方も全く違います。
「山田さま、お待ちしておりました。こちらへどうぞ。」
と案内してもらいます。もちろんコースです。
いつもの定食や丼とはか~な~り違うのです。

「本日のコースは××の○○で△△になります。」
と難しいことを言われましたが、よく分からなかったので聞き流します。

ランチ 2800円
「お~、なかなかやるじゃないか・・・。」
再び声が聞こえてきそうです。

蕪のスープ

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美しい人を隠し撮り

ポトフのテリーヌ

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こちらのお店はテリーヌが名物です。
僕は全然わかりませんが、世の女性は喜ぶのでしょう。
え~っと、詳しい説明がありましたが覚えていません・・・。

オーストラリア産子羊のロティ

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久しびりに子羊を頂きます。
肉は引き締まっていますが、ほどよい柔らかさです。

その他にデザートもありましたが、
自慢しているように思われるので、写真は止めにします(笑)。

コーヒーとお茶菓子

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こんな砂糖の並び方は初めて見ました。
右上のS字っぽい皿です(皿とは言わんな・・・)。
バケットについているバターとなんちゃらのソース?クリーム?もとても美味しいです。

たまにはこんな優雅なお昼の過ごし方もいいものです。
ワインを飲みたくなりましたが、行動が怪しくなる恐れがあったため控えました。
品が問われるのです。

円頓寺の四間道にはこんなお洒落なレストランも存在します。
平日にもかかわらず結構な混み具合でした。
接客を含め人気がある理由はよく分かりました。

円頓寺シリーズの新展開はいかがだったでしょうか?
次回があるかどうかは未定です。

ごちそうさまでした。

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その32

円頓寺シリーズはいつまで続ければいいのでしょうか?
ここ最近、この悩みで毎日悶絶しそうな日々を過ごしています。
仕事が手に着かない状態に陥っています。
これを自分の首を絞める行為というのでしょうか。
会社の業績が落ちたらこのブログのせいだと思ってください。

それでも「継続は力なり」と信じて、シリーズを続けます。
円頓寺商店街にある「那古野そば」さんに行ってきました。

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半年前くらいはカフェでしたが、いつの間にかお店が変わっていました。
オーナーさんが一緒かどうかはわかりません・・・。

ここはお店の入り口に野菜が並べられ、野菜を購入することもできます。

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地域に愛される努力は常に必要です。メニューを眺めます。

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「さて、ランチはどうするかな?」
ざるそばもぶっかけも気になりますが、最近は寒くて仕方ありません。
先週のように熱燗でも飲んでいればざるそばもいいですが、平日はそんなわけもいきません。

「まず、そばはかけ。あと丼は何にするかだな?」
天丼では芸がない気がする、どて丼という気分ではない、
となるとしらす丼か、鶏そぼろ丼か、真剣に悩みます。
こういう時は前日何を食べたかを思い出します。

「昨日は確か・・・。そうか、そうだった!」
「すいません、かけそばと鶏そぼろ丼でお願いします。」
「そばは大盛に無料でできますがどうしますか?」
「もちろん大盛りで!」
と本能的に大盛を注文してしまいましたが、5秒後に後悔の念が自分を取り巻きます。
「しまった、だったら丼は要らないじゃないか・・・。
ダメだ、ダメだ。今年に入ってかなり太ったぞ。」
今更、大盛を止める勇気はありません。
大盛を頼んで残すような失礼なことはできません。

「オレはなんて弱い人間なんだ・・・。」
人気食べ物ブロガーの威厳はすっかり消え失せています。
「おまちどうさま!」

かけそば+鶏そぼろ丼 850円

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そばも丼も至ってシンプルですが、くどくないのですいすい食べることができます。
食べているうちに「大盛なんて楽勝じゃん。」
とすっかり後悔したことを忘れています。
この愚かさが直らない限り、痩せることはできないはずです。
「よしっ、夏はぶっかけ大盛としらす丼だな。」
と気持ちも切り替わっています。

最近、円頓寺界隈に蕎麦屋さんが増えているような気がします。
今改装中の居ぬき店舗も蕎麦屋さんが入るようです。
円頓寺商店街が蕎麦屋激戦区になる日も近いと思われます。
どこのお店も健闘することを祈っています。

変な終わり方になってしまいました。
悩みが尽きることはなさそうです。
ごちそうさまでした。

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その31

ようやく冬らしい寒さになってきました。
名古屋も今年初めての雪です。

最近本当に寒いですね。
こういう時には温かいものが食べたくなります。
「オレの胃袋を満たしてくれるのは、味噌煮込みか?台湾ラーメンか?
激辛カレーうどんんか?。なんだ、なんだ・・・」
と頭の中をグルグルさせながら円頓寺周辺を歩き回ります。

それだけでも汗が吹き出しそうです。
年明けに「孤独のグルメ」を見過ぎたせいか、気分は井之頭さんのようになっています。
「違う、違う。今日のオレは去年までのオレとは違うんだ・・・。
モーレツ、トツゲキ、ガンガンな一年にするんだ」
難しいカタカナ言葉が勝手に出てきます。

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ちょくちょくお邪魔している「香楽」さんの前を通りました。
「そうか、久々に担々麺で汗をかくか。」と気分が乗ってきます。

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「いや、それではモーレツ、トツゲキ、ガンガンにはならない。」
心の中で叫びます。

「すいません、ランチをください。」
昨年まで本当は食べたいのに麺とご飯のセットはできるだけ我慢していました。
今年は攻めるるのです。
「は~い、おまちどうさま!」と目の前にやってきました。

日替わりランチ(ラーメン+天津飯)700円

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ラーメンは至ってシンプルですが、すっきりとした美味さです。
あっさりとしたラーメンが減っているような気もしますが、
たまにはこのような昔ながらのラーメンも食べたいものです。
ハムと焼豚が両方入っているのもお得感があります。
この写真だと天津飯がちょっと寂しそうなので、角度を変えて写してみます。

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それだけでも美味しく見えそうな感じです。
こちらもシンプルな味わいで、日本の正しい中華料理屋さんのランチです。
ラーメンがいくつかから選べる、ご飯ものもいくつかから選べる。
そんな必要なないのです。一本勝負でいいのです。
「うちのランチが気に入らないお客は別の店に行ってくれ!」
そんな自己主張も必要です。

人気食べ物ブロガーの敏感な読者は理解されているのかもしれません。
”これって、ネタ不足じゃね?”

ドキッ・・・。
来週はどこへ行きましょうか?
少し不安になってきました(笑)。
ごちそうさまでした。

食べ物のはなし 番外編 みそかつ丼

名古屋を代表する商店街といえば・・・。
そうです。
円頓寺商店街です。

もう一つあるとすれば・・・。
そうです。
大須商店街です。
そんな回答をする人はきっと多いでしょう。

今回は円頓寺ではなく、もう一つの商店街である大須に行ってきました。
年明け早々だったからでしょうか。

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大須商店街は圧倒的な人、人、人。
円頓寺商店街のお正月とほぼ同じじゃないでしょうか。
そのうち誰かに叱られそうなので、商店街比較はここまでにしておきます(笑)。

たまに大須商店街を歩くと勉強になります。
円頓寺商店街では感じることのできない熱気を感じることができます。
絶好調コメ兵さんもそびえ立っています。

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石原社長率いる大須を代表する企業です。
大須を代表するのはコメ兵さんだけではありません。
そうです。
大須を代表する「矢場とん」さんに行ってきました。

大須じゃなくて矢場町でしょ!なんていう声は聞こえてきません。
大須を代表する外食企業なのです。
本店はこんなに立派です。

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本店にお邪魔するのは何年振りでしょうか。
少なくともこの立派なビルになってからは初めてのことです。
昔はちょっとオンボロな(スイマセン・・・)店舗でした。
こんな着ぐるみを見るのも初めてのことです。

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この日、お店に入ったのは11時前でした。
はっきり言ってお腹は空いていません。
おまけに大須商店街で名物の唐揚も食べてしまいました。

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本来であればわらじかつを食べたいところですが、そんな食欲はありません。

メニューをくまなく見渡し、
「すいません、みそかつ丼。ネギをプラスでお願いします。」
と消極的な注文をします。

昔はみそかつ丼にはすでに味噌ダレがかかっていたと思います。
最近は違うんですね。スタッフの方が目の前で丼にかけてくれます。

みそかつ丼 1100円+ネギ 50円

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「お~、なかなか、やるじゃないか・・・。」
年明け一発目で定番のセリフが出てしまいました。
途中ゴマを振りかけます。
途中からしをたっぷりと付けます。
「お~、いいぞ、いいぞ。」
全くお腹が空いていなくても、はふ、はふと食べていきます。

「さすが!名古屋を代表する食べ物だ!」
と大いに納得します。
お腹が空いていなくても問題ありません。
食べ終わるころには11時半くらいだというのに満席になっていました。

「ふう~、美味かった。野球チームは大丈夫かな・・・」
どうでもいいことを呟きながらお店を出ました。

ごちそうさまでした。
果たして円頓寺には戻れるでしょうか・・・。

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その30

今年最後の円頓寺シリーズです。
なんと30回目を迎えることが出来ました。
これもひとえに人気食べ物ブロガーを支えてくれた30万人の読者の方のおかげです。
改めて感謝申し上げます。

とてもありがたいことではありますが、止めるに止められなくなってきました。
来年はどうすればいいでしょうか?
このまま続けてもいいのでしょうか?
と少しだけ途方に暮れている年末であります。

今回は今年最後ということもあり、ちょっと豪華な円頓寺シリーズです。
円頓寺本町の商店街を歩いていきます。

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円頓寺商店街とは違い、昭和な雰囲気が残っています。
本町を抜け、菊井町交差点に向かった先にある「海鮮中国料理 黄河」さんに行ってきました。

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知る人ぞ知る有名店です。
予約がないと入れないと専らの噂です。この日も予約で席は満杯でした。

ビールで乾杯した後、さて何を頼もうかとメニューを眺めながら悩みます。
見たことも聞いたこともないメニューが並んでいるので、
どんなものか提供されるかさっぱりイメージが湧きません。
「え~い、こういった時は直感に限る!」
と長年鍛えた人気食べ物ブロガーの勘を頼りに注文します。

出てきました。紋甲イカの何とか・・・。

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正式名称は忘れました。これも中国料理なのか・・・。
そんな感じで食べます。

雲丹と卵のふんわり炒め。

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天津飯じゃありませんよ。そう思った方、素人ですな(笑)。
初めて食べる食感。美味です。

このころから紹興酒に移ります。
まずは8年物を飲み、その後は15年物を飲みます。
う~ん、円頓寺シリーズ始まって以来の豪華さです。

そして、上海蟹の紹興酒浸け。

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これも初めていただきました。
思わず「あっ、小さい」と心の中で叫んでしまいましたが、こんなものなんでしょうか。
タラバガニを食べる感じとは真逆です。
蟹を食べているというよりは珍味を食べている感覚。
食べなれない感が思い切り出てしまいました。
お酒の弱い人が食べたら、これだけで酔ってしまうでしょう。
予約をしないと食べられない一品です。

店内は静かでお客さんも上品です。
写真を撮るのもはばかれるような気がしたので、誰にも気づかれないように撮ってみます。
案の定、自分が写ってしまいました。

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その後は小難しいことが書いてあった酢豚、そして、〆に五目チャーハンをいただきました。
個人的には五目チャーハンが一番美味しかったような気もします(笑)。
これはもう一度食べたい。写真は撮り忘れました。

この五目チャーハンも1200円するので、それなりのお値段のお店です。
普段の円頓寺シリーズのようなお気軽な感じではありません。
(ランチはそうでもないようですが・・・。)
今年の最後を飾る、それも30回記念だがらこそ、行けるお店なのです。

ほろ酔い気分でお店を出ます。
ごちそうさまでした。

食べ物のはなし、来年もどうぞよろしくお願いします。

食べ物のはなし 円頓寺シリーズ その29

円頓寺本町にやってきました。

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ようやく本格的な冬がやってきた感じで、かなり寒くなってきました。
こんな日は無性に味噌煮込みうどんが食べたくなります。
「よし!ちょっと二日酔いだし、こんな日は味噌煮込みがベスト!」
と訳の分からないことをほざきながら歩きます。

「二ッ玉」さんにやってきました。

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適当にメニューを眺め、味噌煮込みうどんとご飯(小)を注文します。
味噌煮込みうどんを食べる時はどうしてもご飯が欲しくなります。
食欲が衰えることはないようです。
注文を終えた後、改めてメニューを見ます。

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「煮込みうどんのしょうゆってなんだ?ああ、多分、鍋焼きうどんのことだな・・・」
さらにじっくりと見ます。
「むむっ、鍋焼きうどんもあるぞ。鍋焼きうどんのみそってなんだ?」
だんだん頭が錯乱状態に陥ります。
「煮込みうどんのしょうゆ、鍋焼きうどんのみそ・・・。なんだ、なんだ。気になるなあ~。」

周りのお客さんをぐるりと見渡します。
ほとんどのお客さんは味噌煮込みうどんを食べています。
「誰も注文しないじゃないか。どうなっているんだ!」
久しぶりにテーブルをドンドン叩こうとした時に
「はい、おまちどうさま!」と運ばれてきました。

煮込みうどん(みそ)730円+ご飯(小)170円

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「お~、このグツグツ感、いいぞ~。」
と一味唐辛子をたっぷりかけて食べ始めます。
テーブルをドンドンすることはとっくの昔に忘れています。

「油揚げ、かまぼこ、ネギ、麩、なかなかいいじゃないか。」
食べながら肝心なことに気づきました。
「あれっ、卵が入っていないぞ。」
メニューを改めて見直します。

一般的に親子味噌煮込みうどんには卵と鶏肉が入っています。
何も書かれていない場合は、卵が入っているのがごくごく平均的なお店になります。
人気食べ物ブロガーとして適切な分析を行います。
「しかし、この50円の差に卵と鶏肉を盛り込むのはコストが合わないんじゃないのか?」
神妙に考えたりします。

しかし、食べ始めしばらくしたところで気づきました。
鶏肉がたくさん入っているのです。
「そうか!ここは鶏肉が入るのがスタンダードなメニューなんだ。これは、スゲエぜ!」
思わず、はしたない言葉が出てしまいました。
ちょっとお得な気分を味わえた瞬間でした。

名古屋らしい味噌煮込みうどんを美味しく頂きました。
ごちそうさまでした。

「20円のふりかけを頼むお客さんって、いるのかな?」
どうでもいいことを考えながら、トボトボと会社に戻ります。
さて、次はどこに行こうかな・・・。