真夏の夢は続きます。
先週はあっさりと食事が終わってしまいましたが、
このまま引き下がるわけにはいきません。
戦略を練り直し、再度出陣です。
前回の反省点の一つとして大通り沿いで人目が気になったことが挙げられます。
それでは上手くいく事も上手くいきません。
もう少し人通りが少なく、隠れ家的な場所を考えねばなりません。
伏見シリーズといいながら、実際は少し離れたお店に連れ出し、
サプライズを与えるのです。
伏見から栄に向かい住吉町に入った雑居ビルにある「ドラード」さんに行ってきました。
ここには小さな看板が出ているだけで、
こんな場所にビストロがあるとは誰も想像できません。
ビルも怪しげな表情を醸し出しています。
それでいいのです。
誰にも気づかれず、ひっそりと食事を楽しむ。
そんなシチュエーションが求められます。
密かに調べると食べログの得点もかなり高いのです。
日替わりランチで勝負はできません。
ここは自信作を提供してもらうのみです。
「すいません、Daurade Lunch (ドラードランチ)をください。」
ちょっと巻き舌っぽく注文します。
「デッザ~トもつけてください。」
気取って追加します。
4品から選べる前菜はオニオングラタンスープ、
3種類から選べるメインは鶏むね肉のカツレツトマトソースを選択しました。
「オニオングラタンスープは時間が掛かりますが大丈夫ですか?」
「はい、へっちゃらです。」
平静を装います。
本当に時間は掛かるようです。
隣のテーブルに続々と料理が運ばれてくるのに対し、こちらはなかなか出てきません。
「時間は大丈夫ですか?」と聞かれますが、
「気にしなくていいよ。全く問題なし。」と答えます。
余裕を見せることが大切です。
たわいもない会話を繰り返しながら料理を待ちます。
このじれったさが作戦のポイントです。
しかし、作戦もお店と協力しないといけません。
そのあたりにミスが生じたようです。
予想をはるかに超えた時間が掛かっています。
時間配分を間違えてしまったようです。
心地よい緊張感はけだるい時間へと変化していきました。
会話が途絶えた頃、元気のいい店員さんが料理を運んできました。
「おまちどうさまでした!」
心の中で”待たせすぎだぞ”と叫びます。
ドラードランチ(デザート付き) 1800円
ランチにしてはしっかりとした作り込みがなされています。
料理人のこだわりを感じる手作り感は舌を唸らせます。
「なかなか、やるじゃないか・・・」
食後のコーヒーを飲みながら尋ねます。
「まだ、時間大丈夫だよね?」
「すいません。もう時間はありません。戻ります。」
真夏の夢は思うようには叶いません。
ごちそうさまでした。
仕切り直します。
伏見周辺の広小路通沿いはオフィスビルが並びます。
日中は歩道はビジネスマンが闊歩しています。
目的地に向かい脇目も振らず歩きます。
そんなビジネスマンはこちらのお店の存在を見逃すはずです。
実際、僕自身もこんな場所にこんなお店があるとは、
教えてもらうまでは知りませんでした。
会社のビルの向かいにあるのが野村證券ビル。
その隣のビルの地下にある「こくら」さんに行ってきました。
そのお店の存在に驚かされたのかもしれません。
間抜けな撮影姿がかすかに写っています。
接待向きなステーキハウス。
もしくは、ここで落とすぞ!と勝負を決める雰囲気もあります。
その相手が誰であるかは知りません(笑)。
この日はランチでしたが、店内はとても静か。
ピーンと張り詰めた緊張感があります。
当然、カウンターに座ります。
ランチでも勝負する時は勝負をするのです。
メニューをしばし眺めます。
財布の中身と照らし合わせます。
「すいません、フィレステーキ定食を2つください。」
「当店はA5の牛をご用意しています。よろしいでしょうか?」
「はい、お願いします。」
少しだけ体が震えます。
しばらくすると奥から重厚感のある制服に身を包んだシェフが登場します。
「いらっしゃいませ!では、早速始めさせて頂きます。」
「あっ、お願いします。」
ランチ用の肉を奥の冷蔵庫から出し、野菜を並べます。
見事な手捌きで野菜と肉を焼き始めます。
会話はなく、じっと肉が焼かれるのを眺めます。
シェフは話題を提供してくれたのでしょうか?
ブランデーを振り火をつけます。
「お~、凄いね!」
「凄いですね・・・」
少しだけ会話が盛り上がります。
またまた見事な手捌きでステーキを切り刻んでくれます。
(この表現は正しくないかも・・・笑)。
「おまちどうさまでした。」
「ありがとうございます。」
フィレステーキ定食 2800円
美しい焼き具合です。
アップにしてもその美しさは変わりません。
「美味しいね。」
「はい、美味しいですね。」
「ご飯お替りしたら?」
「はい、分かりました。」
緊張感も少しだけほぐれたような気もします。
ワインを飲みたい気分になりましたが、午後からのコトを考え水で我慢します。
「僕もご飯をお替りしようかなあ~。」
この気の遣い方が好感を生むのでしょう。
撮り忘れましたが、ステーキ用のソース、たれ、塩も美味しいです。
順番に食べることをおススメします。
どんなローテーションがいいかは分かりません。
「どう?お腹は?」
「いっぱいです。」
「この後どうする?」
「仕事に戻ります。」
「そうだよね。」
とても静かなお昼の時間でした。
こちらのお店はカウンターのみのBarも併設されています。
年代物のウイスキーが並んでいます。
やっぱり夜に来るべきですね。
そうすれば違う展開になると期待できます。
ごちそうさまでした。
またまた伏見を離れます。
既にネタ切れでしょうか?
それとも、夏バテでしょうか?
もし、もう夏バテになってしまったのなら、肉を食らうしかありません。
男らしくガツンといきたいものです。
そうなると食べるべきはとんかつです。
たまたま娘を名駅に送る予定があったので、その帰りに寄らせて頂きました。
中村公園駅と岩塚駅の間にある「とんかつオゼキ鈍池店」さんに行ってきました。
この店構えは歴史を感じさせます。
創業何年かは分かりませんが、有名な老舗の焼きとんかつのお店です。
この日も夕方6時前に入店しましたが、ほぼ満席でした。
若いお客さんよりも年配の方が多く、歴史が長い人気店であることが窺えます。
ここではスタンダードな注文をしなければなりません。
「すいません、とんかつ定食を下さい。ソースは味噌でお願いします。」
名古屋人らしく味噌カツにすることも忘れてはいけません。
ざっとメニューを見直します。
とんかつ屋さんですが、自慢のドリアやチャーハン、チキンピカタなど、
らしくないメニューも並びます。
そして、一つの品が僕の目に留まりました。
「すいませ~ん」
再び店員さんを呼び、
「これをひとつお願いします。」
とメニューを指し追加で注文します。
しばらくすると「おまちどうさまでした。」と運ばれてきました。
とんかつ定食 1700円
これだけでは普通のとんかつに見えますよね。
アップするとこんな感じ。
こんがり焼けています。
肉は分厚くジューシー。
油濃くないので、あっさりしています。
年配の方が普通に平らげるのがその証でしょう。
「なかなか、やるじゃないか・・・」と周りを見ながら頷きます。
ちょうど半分くらい食べた頃、運ばれてきました。
「お待たせしました。自家製シューマイです。」
自家製シューマイ 510円
「お~、これこれ、これが食べたかったんだ。」
この器も年季が入っていい味を出しています。
久しぶりに井之頭さんが登場します。
これがやりたかっただけかも・・・。
師匠と同じですね(笑)。
こちらも美味しく頂きました。
ごちそうさまでした。
一年に1度発売される週刊東洋経済のNAGOYA臨時増刊。
これって、他のエリアでも同様に毎年特集が組まれているのだろうか。
見たことないけど、僕が知らないだけ?。
今年は「名古屋の逆襲」という挑発的なタイトル。
昨年が「飛翔する名古屋」。一昨年が「動き出す名古屋」。
単にタイトルに困っただけだろうか(笑)。
名古屋で事業を営み名古屋に住む者として、客観的な記事は気になるもの。
ついつい購入して名古屋の強みや特徴を再確認してしまう。
本号には友人でもあるコメ兵の石原社長もインタビュー記事でデカデカと登場していた。
最近の積極的な展開は目を見張るものがありますね。
さすが!
そろそろ僕にもインタビューのオファーがあってもよさそうなもんだが、
インタビューしたところでくだらないネタしか拾えないのは編集側も分かっていることだろう。
もし、わかっていたとしたらそれも凄いけど・・・(笑)
愛知県、名古屋市のデータがいろんな角度から取り上げられているがこれは役に立つ。
講演させてもらう場なんかでこのようなデータを使わせてもらい、説得力が増す。
名古屋人のパチンコ好きは俗説というデータも掲載されているがそれも納得。
僕自身も全くやらないし、社内でもそんな話は一切聞かない。
東日本大震災の義援金の多さがブロック紙である中日新聞が全国紙を抑えダントツなのには驚いた。
横並び意識と同調圧力があるのは頷ける。
うちの会社もそうだし(笑)。
伊勢湾台風時にお世話になったからという恩返し的な要素もあるという。
本特集では名古屋めしについても面白おかしく取り上げられている。
名古屋めし1.0、名古屋めし2.0、名古屋めし3.0があるなんて初めて知った。
こんなWeb進化論的なこと、みんな理解しているのかな?
名古屋めし1.0とはひつまぶし、味噌煮込みうどん、きしめんなど伝統的な食事。
名古屋めし2.0は味噌かつ、あんかけスパ、手羽先、台湾ラーメンという2000年代にブレイクした食事。
(それ以前から人気なかったけ?)
そして、名古屋めし3.0が台湾まぜそば、かき揚げまぶし、味噌唐揚げなど。
台湾まぜそばは分かる気がするけど、他はどうなんだろう。
かき揚げまぶしは食べたことがないし、どこで食べられれるかも知らない。
名古屋人として失格かも・・・。
他にも地元大学の強さや産業構造についても書かれている。
地元を振り返るにもいい勉強にもなるし、地域の差別化を行うのであれば踏まえておくのは必須。
「ブラタモリ」でも話題になったことだし、
日経新聞の「私の履歴書」も日本ガイシの元社長だし、
これからも話題を振りまいていくのかな。
名古屋の逆襲。
その一翼を担わねば・・・(笑)。
暑い日が続きます。
ガッツリと食べたい気持ちにもなりますが、僕ももう51歳です。
決して若くはありません。
肉、肉、肉という選択ばかりは体が求めないようになってきました。
会社から栄方面に向かい住吉町に入ったところにある「冨士屋本店」さんに行ってきました。
伏見シリーズで扱うにはギリギリの場所かもしれません。
この落ち着いた佇まい。
20代、30代では魅力に感じないのかもしれません。
しかし、50歳を過ぎると体が自然と反応してくるのです。
吸い込まれるようにお店に入ります。
ランチメニューは魚ばかりです。
定番の鯖味噌定食から始まり、うな丼定食まで全6種類で、
唐揚げとかイカフライなんてものはありません。
焼くか煮るかの勝負なのです。
人気食べ物ブロガーは迷った末に焼魚定食の「かれいみりん」を選びました。
本当は「赤魚の醬油焼き」にしたかったのですが、
同席した伝説の日曜版ブロガーに先を越されました。
同じ品を頼んでもいいのですが、
ここは人気食べ物ブロガーとして違いを認識せねばならないのです。
しばらくするとそれぞれの定食は運ばれてきました。
焼魚定食(かれいみりん) 980円
これぞ日本の正しいザ・定食です。
小鉢があり、冷奴があり、煮物があり、ちょっとしたフルーツも添えられ、
大根おろしも可愛らしく置かれています。
白米にはしそふりかけもかけられ、名古屋人が好む赤味噌の味噌汁です。
かれいみりんもバランスよく姿勢正しく並べられています。
「お~、なかなか、やるじゃないか!」
自然と言葉が発せられます。
先週は馬鹿の一つ覚えのように「美味いっすね~」としか言っていなかったので、
久々のこの言葉の響きに体が震えます。
「おっ、いいぞ、この感じ。」と言って食べ続けます。
隣の伝説ブロガーの赤魚も迫力があり魅力的。
次回はこちらを注文することを心の中で誓いました。
食事を終え、ふとカウンターに並べられたプレートを眺めるとこんなことが・・・。
「おっ、プレモルが1杯80円、来月は知多ハイボールも1杯80円、
なかなか、やるじゃないか!」
こちらの冨士屋さんは今年で80周年。
名古屋でこれだけ続く居酒屋は他にどこがあるのでしょう。
大甚さんくらいでしょうか。
長年続くお店の歴史と1杯80円の出血大サービスに感動し、お店を出ました。
ごちそうさまでした。
絶対に夜、来るぞ~!!
台風は過ぎ去りましたが、もうすぐ梅雨は明けるのでしょうか?
名古屋はムシムシとしたジメッとした毎日です。
こうした日はさっぱりとした食事を食べたくなります。
やっぱり魚系ですね。
それでは先週と同じで変わり映えがしません。
前回は関西でした。
やっぱり本場は北陸でしょう。
それも富山が本場でしょう。
根拠はありませんが、そんなお店がこの7月初旬には相応しいと勝手に決めました。
御園座の西側に位置する「別邸 きときと」さんに行ってきました。
落ち着いた店構え。
一歩奥に入った場所だからこそ感じる風情です。接待にも最適。
富山湾で捕れた新鮮な魚を食べさせてくれます。
富山と言えば、そう、白海老です。
といっても僕は一度も富山に行ったことはありません。
名大社には富山大学出身者がいますが、あまりイメージはよくありません(笑)。
それはさておき、お昼の貴重な時間を過ごさねばなりません。
じっとランチメニューを眺めます。
富山らしい料理が並びます。
迷った時は一番最初に書かれてあるメニューを注文すべきです。
「すいません、これをお願いします。」
正式名称を言った方がよさそうでしたが、舌を噛みそうだったので止めておきました。
しばらくすると運ばれてきます。
「お待ちどうさまでした。」
富山新湊産白えび天丼御膳 1500円
これ、噛まずにす~と言えますか?
「とやましんみなとさんしらえびてんどんごぜんをおねがいします!」
意外と言えますね(笑)。
全体の写真では分かりずらいので、天丼をアップにしてみます。
白海老が所狭しと敷き詰められています。
う~ん、このアップの写真でもよくわかりませんね・・・。
「いただきます!」と井之頭さん風に食べ始めます。
天丼は何から食べていいか迷います。
通常の天丼なら大きなエビが2本くらい入っているかと思います。
まずは一本食べ、他の天ぷらを食べてから最後にもう一本食べる、
こんな感じが正統派といえるでしょう。
それがこの天丼は白海老がどれだけ入っているかわかりません。
食べでも食べても白海老が丼から表れます。
「なかなか、やるじゃないか」
といつものセリフを吐くものの、どんどん白海老が出てくるのです。
まるでホラー映画のようです。
それはちょっと失礼ですね。
個人的にはこの白海老を別の皿において、冷酒でも飲みたい気分です。
お腹の中で白海老が踊っています。
これはこれで海老好きには堪らないでしょう。
ごちそうさまでした。
今週は梅雨らしくどんよりとした天候が続きます。
ガッツリ肉でも食べて精でも付けたいところですがそんな気分でもありません。
サッパリとそれでも食べごたえのある食事をしたいものです。
会社から北に向かい、錦通り沿いにあるオフィスビルにそれらしいお店を発見しました。
魚が自慢のお店のようです。
新鮮な魚といえば、北陸や伊勢、静岡あたりを連想しますが、そうではありません。
なにわの味だそうです。
なにわでイメージできる食べ物といえば、
串カツ、お好み焼き、たこ焼きです。
魚は遠い存在のような気もします。
それを確かめるためにビルの地下にある「うお徳」さんに入りました。
「いらっやいませ~、カウンター席へどうぞ!」
関西弁ではありません。
ランチメニューがいくつか並んでいます。
ここは名物であり、先頭に書かれている定食をオーダーしなければなりません。
他のメニューも気になるところですが、
「すいません、名物たいめし定食をお願いします。」
続々とお客さんが入店してきます。
「すいません、刺身定食をください。」
「あっ、僕も・・・。」
「私はたいめし定食で・・・」
あるグループは刺身定食に軍配が上がりました。
しばらく待っていると左隣に女性の一人客が座ります。
「刺身定食を頂けますか?」
「ほ~、刺身定食は人気なんだ・・・」
と隣とチラチラ眺めながら感心しています。
「お待たせしました。たいめし定食です。」
たいめし定食 750円
「おお~、なるほど、こんな感じなのか・・・」
想像していたのとは少し違いますが、期待が持てそうです。
アップにするとこんな感じです。
どこからどこまでが鯛なんでしょうか?
写真だけでは分かりずらいかもしれません。
初めて食べる味。
どんどん箸が進みます。
「いいぞ、いいぞ、なかなかやるじゃないか。」
つい、いつもの(といっても久しぶり)言葉が出てしまいます。
丼を掴み豪快に食べていると右隣にまた女性客が一人座ります。
「あの~、刺身定食をお願いします。」
「なんだ、なんだ、この刺身定食比率の高さは・・・」
心の中で呟きながら、左隣の女性客に運ばれた刺身定食を覗き込みます。
「お~、そうきたか、なかなか、やるじゃないか。」
この日は同じセリフを連発してしまいます。
5種類ほどの刺身が並んでいるのでしょうか。
次回はこれを注文しなければなりません。
たいめし定食も美味しくいただきました。
早く晴れた毎日を過ごしたいものですね。
ごちそうさまでした。
先週の食べ物ブログをアップした後、
師匠から唐揚32個にチャレンジするようにと指示がありました。
ヤル気満々で過ごしていたところ、こんな連絡も入ります。
「最近の食べ物ブログに名古屋メシが全然登場しないじゃないか!」
読書からのお叱りです。
そうです。
この食べ物ブログには全国、いや海外も含め30万人の読者がいます。
名古屋らしさを期待する声も多いのです。
ここはその期待に答えねばなりません。
名古屋と言えば・・・。
その代表格はひつまぶし。
会社から徒歩1分も掛からない場所にある「一冨士」さんに行ってきました。
会社から近いのですが、敷居の高さを感じなかなか足を運ぶことができませんでした。
しかし、ここは全国30万人の読者のために
(ちょっとクドいですね・・・笑)
行かねばなりません。
店内は歴史を感じる佇まい。
格調の高さを感じ、店内は意外と静かです。
なんと創業は大正12年らしいです。
「あの~、櫃まぶしをください。」
ここはメニューに書いてある通り、漢字言葉で言わなければなりません。
少し低姿勢であることも重要です。
しばらくすると運ばれてきました。
「おまちどうさまでした。櫃まぶしです。」
櫃まぶし 2600円
鰻の値段が高騰している昨今の割には、値段は抑えられています。
それも伏見という一等地の割にはお値打ち感があるような気もします。
これは東京、いや海外からお越しになるお客様を連れて行けねばならないなと頭を巡らせます。
一杯目はそのまま、二杯目は海苔とネギ、山葵を乗せて頂きます。
三杯目にお茶漬けにしようと思ったところ、あることに気づきました。
だし汁がありません。
「すいません、出汁はないんですか?」
「別料金になりますが、よろしいですか?」
「あっ、そうなんですか。おっ、お願いします。」
と少し動揺しながら注文します。
出汁が別料金のお店は初めての経験です。
会計時に計算するとだし汁は100円でした。
お茶漬けが嫌いなお客さんのことを考えれば、この方が合理的なのかもしれません。
少しだけ納得しました。
鰻はふんわりと上品な味わい。
もっとお客さんが入っても良さそうな気もしますが、
そこはあまり気にしていないような感じです。
余裕でしょうか。
ツマミの類も結構あるので、夜にお邪魔するのもいいでしょう。
ごちそうさまでした。
「孤独のグルメ」の井之頭五郎さんには驚かされます。
1回の食事代も半端ありません。
すべて美味いメシを食うためにお金を使っているのではないでしょうか。
最近の人気食べ物ブロガーはそれを真似たわけではないですが、
かなり高級路線で無理をしています。
そろそろ普段通りの生活を見せなければなりません。
多忙でランチタイムもわずかな時間しか取れないシーンも見せなければなりません。
優雅でのんびりとしたノーテンキ社長ではない証明が必要です。
会社の裏の雑居ビル2階にある「Attivo」さんに行ってきました。
徒歩一分もかかりません。ひゅっと通りを越えるだけです。
こちらのお店はイタリアン。
お昼はパスタと定食っぽいプレートランチを提供しています。
そのほとんどが700円のランチです。
伏見界隈のランチではリーズナブルな部類に入るのではないでしょうか。
手書きで書かれた看板を指さし、
「すいません。これください。」と注文します。
お行儀はよくないですが、時間がない時はできるだけ簡潔な行動が求められます。
「すいません。え~っとですね、
ここに書いてあるベーコンとほうれん草の和風スパゲティーをください。」
これだけでも3秒、余計な時間が掛るのです。
働き方改革が望まれる昨今、経営者も効率的な行動が求められるのです。
ベーコンとほうれん草の和風スパゲティー 700円
これが名古屋名物 鉄板イタリアンスパゲティーだと
「はふはふ、うおおん、うおおん、オレはまるで人間火力発電所だ!」
なんて、無駄口を叩いてしまいます。
この和風スパならそんな心配は要りません。
ひたすら食べ続けるだけです。
フォークをクルクルと回しベーコンとほうれん草を絡ませ豪快に食べていくだけです。
刺激を生むために特製オリーブオイルもかけたりもします。
これも瞬間的な行動です。
場合によって、パスタはファーストフードにもなり得ます。
しかし、しっかりとした味付け、コシのある麺と十分食べごたえがあります。
勢いよく食べ終え、ふと窓を眺めると目に飛び込んできます。
「ふ~ん、限定ランチはからあげランチか・・・。100円で3個増量できる?」
どうでもいいことが頭をよぎります。
1200円払うとプラス15個の唐揚がつくんだな。
最初はいくつあるんだろう。
6個で200円分。そうなると500円でご飯とみそ汁とサラダ。
それはちょっと高いんじゃないか。だとすると8個くらいあるのかな。
えっ、1200円で23個の唐揚・・・。
どんなに唐揚好きでも、さすがにそんなには要らんだろ・・・。
一人でツッコミ、一人でボケてみました。
時間は無駄にしてはいけません。
ごちそうさまでした。
会社を移転し7か月。
円頓寺商店街に向かうことがめっきりなくなりました。
界隈のお店の方から
「山田さんは全然来てくれない」
「山田さんって、結構冷たい人なのね・・・」
回りまわって、そんな声が届いてきます。
決してそんなことはありません。
円頓寺は今でも僕の最も好きな場所です。
裏切り者でない証拠を見せなければなりません。
また、新しいお店も続々とオープンしているようです。
これは再び行かねばなりません。
円頓寺商店街真ん中、金刀比羅神社の北側にある
「酒事と飯事 黄瀬戸」さんに行ってきました。
今年3月にオープンしたばかりで完全予約制のお店です。
この付近はうろちょろしていましたが、以前は何があったかは全く記憶にありません。
どうやら美容院があったようです。
カウンター8席のこじんまりとしたお店で6800円のコース料理のみです。
飲み物は日本酒が中心。
料理に合わせたお酒が8種類提供されるセットもあります。
今回はせっかくなので、こちらをオーダーしました。
献立表はこんな感じで、日本酒についても県、蔵元、銘柄なども記載されています。
この写真では読みずらいですね。
では、早速、順番に紹介しましょう。
お酒のグラスも見逃さないように。
すべて違うグラスで提供されます。
海そうめん 紀土
空豆の御飯 杣の天狗
たこ・剣先いか 白岳仙
煮あなご 星泉
桜エビの茶碗蒸し 赤武
食器にもこだわりを感じます。
蛍いかのの燻製、小茄子とアンコウの肝 Sogga Nagano
じゅんさい 菊鷹 山廃
平貝の雲丹焼き、いさきの西京焼き 両関
この他にからすみを少しもらい、それに合うお酒も出してもらいました。
同席した日本酒通の同級生元カリスマブロガーも絶賛。
僕はうなずくだけでしたが、女将との会話も弾みます。
「今ほど、日本酒が美味しい時はないんだ。
なぜもっと評価されないのか!
もっと日本酒を飲むべきだ!ドンドン!!」
心地よく酔い、元カリスマブロガーも熱が入ります。
確かに全てが美味しいお酒。
微妙な違いを表現することはできませんが、満足のいく時間です。
〆の御飯も美味しく頂きました。
バックに流れていたのは80年代の洋楽。
ほぼ同世代の女将さんが我々に気を遣ってくれたような気もします。
久しぶりの円頓寺シリーズ。
なんと写真点数28枚。
過去最高の枚数を提供させて頂きました(笑)。
落ち着いて優雅な時間が流れる空間。
こんなお店が円頓寺にあるのもいいですね。
ごちそうさまでした。