これからも前向きに 名大社会長ブログ

カテゴリ「会社を想う 仕事を思う」の記事一覧:

選ばない面接術

突如としてブログネタに困ることがある。
何を書けばいいか全く浮かばない時がある。
そんな時は読んだ書籍の「書評ブログ」としてちょくちょくアップしていた。
状況によっては随分前に読んだ本をアップしたこともあった。

しかし、今はない。
継続して読書はしているものの、ここ最近は何故か進みが遅い。
あっちの本に手を出し、こっちの本にを手を出し、
中途半端にしか進んでいないため「書評ブログ」が書けない。

何が言いたいのか。
ネタがないと言いたい。

そんな状況の中、やや焦りを抱えながら、
毎月送られてくる「日経トップリーダー」を読んでいた。
「お~、これでいいじゃないか・・・。」とホッとした気持ちになった。

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と、前フリが長くなったが、今日のブログは「選ばない面接術」。
「日経トップリーダー」の読者は主に中小企業の経営者。
記事も全般的にそんな経営者向けに書かれている。

この特集に書かれていることは目新しいことはない。
うちの会社では普通に実施している内容だ。
(商売的に当たり前の話か・・・笑)。

しかし、この特集を読んで、ハッとさせられる経営者は多いだろう。
クライアントでも担当の話を聞く限りできていない会社も少なからずある。
担当者は頭を抱えていても、意外とトップは自分の落ち度に気づいていない。

それはどんなことか。
至って単純な話。
中小企業なのに志望動機を求めすぎ。
学生を見極めようとしすぎ。
採用してやるオーラを出し過ぎ。
など、分かる人には分かるが、分からない人には全く理解できないことが書かれている。

この特集で少しでも感じてくれたのなら、一定の効果は見込めるだろう。
6月も半ばを過ぎ、採用戦線も明暗がはっきりしてきた。
昨年の反省から立て直した企業もあるだろう。
諦め状態の企業も存在するだろう。
大手サイトのアンケートでは既に内定率は50%を上回っているが、
実際はそこまではいっていないと思う。
名大社の大学担当の報告を聞く限り、そんな感じがする。

採用を継続する企業にはまだチャンスもあるし、
第一希望に縁のなかった学生もまだまだ可能性は十分。
6月30日に開催される名大社とディスコさんとのコラボイベントは130社程の企業が参加するし・・・。
(来週あたり、名大社スタッフブログで誰かが書くだろう。)
お互いにやれることは沢山あるはず。

おかげさまで名大社は内定辞退者は一人もないまま(今のところ・・・)、採用活動を終了しそう。
それは若手のスタッフの頑張りによる面が強いが、そのノウハウは僕も提供できる。
完璧な手法なんて存在しないが、ある程度の成功へ導く方法は語れるんじゃないかな。
ビジネスでやってるわけだし・・・(笑)。

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それでもこの特集で書かれていた孔子の「九思」には感心させられた。
どこかの場所で使わせてもらおう(笑)。

ブログのネタ不足なんて言わずに本業のネタが書かなきゃいけないね。
反省・・・。

自然体に生きること

名古屋のラジオ局ZIP‐FMに「WEEKEND MASTER」という番組がある。
最近はパーソナリティーというよりナビゲーターって呼ぶのかな?
DJなんて誰も呼ばなかったりして・・・(笑)。

この番組は磯谷祐介くんという人気ナビゲーターが務めている。
僕は6年前に彼とあるイベントでご一緒させてもらった。
ブログにも書いていた。その時のブログがこれ。
facebookでは友達になっていたものの、すっかりご無沙汰の状態。

2ヶ月ほど前、僕と共通の知人であるクリエーター兼カメラマン兼なんでも屋さんの
吉川さんから連絡があり、僕にこの番組に出て欲しいというオファーがあった。
この番組では素敵な生き方をしている人をピックアップし取材して番組で流し、
また、動画も同時にYouTubeで流しているという。

素敵な生き方をしている一人として、どうやら僕が選ばれたようだ。
多分、毎日飲んだくれてノー天気な毎日を送っている姿を見て決めてしまったみたい(笑)。
それが素敵なんだろうか・・・。
よく分からないが、受けることにした。

過去の出演者をチェックしてみるとそうそうたる人が多い。
また、これは期待を裏切るなと思いながらも、
会社の宣伝が少しでもできればと開き直り、一昨日の収録に立ち会った。

当日は磯谷くんがインタビュアーとなり僕から話を引っ張り出し、
その姿を吉川さんがカメラで押さえている。
こんな感じ。

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これはマジメな顔だが大体はオチャラケな表情ばかりだった。
会社ではなく個人にフォーカスするということで会社の宣伝はほとんどできず(笑)。

僕が辿ってきた道のりといかにくだらない生き方、
いや違う、いかにステキに生き方をしてきたかをベラベラ喋るというもの。
はっきりって誰も興味を持たないだろうと思う。
こんな番組を作ってていいのかとも思う。

それでも磯谷くんはそれが大切で、演出された姿ではなくナマの姿を伝えたいという。
元々カッコつけるタイプでもないので、ありのままを喋っていった。
彼はインタビュアーのしての腕が高い。
僕は調子に乗せられ、ほとんどどうでもいいことばかりだが、
2時間近くも喋ってしまった。
偉そうに若い人に伝えたいことや好きな言葉も語ってしまった。

その模様は7月9日(土)、10日(日)の番組でオンエアされる。
ちょっとだけいいことを言っているので、おヒマな人はぜひ聞いてください。
なんか、最近ラジオ多いね(笑)。

インタビューを受けながら自分でも気づいていなかったあることに気づいた。
「自然体」というキーワード。
僕は社長になってからより自然体で人に接しようと心掛けている。
そんなような話をした。
一般的に「自然体」とは周囲に気を遣わず、ありのままの自分を見せることを意味する言葉だと思う。
また、そんなふうに感じている人は多いだろう。

しかし、話をしているうちに気づいた。
僕の自然体とは違うと・・・。
僕の自然体は人に会う時は一定の緊張感を持つ。
約束はしっかりと守る。
目上の人に対しての接し方と同世代に対しての接し方の微妙な違い。
それも自分の中では自然体なのだ。

となると世間が思う自然体とは異なるが、それが自分にとっては自然体であり、
大切にすべきことだとこのやりとりのなかで気づかされた。
そんな話は番組内でカットされるかもしれないが、
インタビューを受けた僕がいい気付きを与えてもらった。
いやあ~、楽しい時間でしたね。

そして、最後はエントランスの前で記念撮影。

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彼は才能豊かだから、これからの活躍が楽しみ。
一昨日はありがとうございました。

何もしない社長は何も語れない

ありがたいことにちょくちょく講演の依頼を頂く。
そのほとんどは採用関連のこと。
最近はファミリービジネスのネタもあったりするが、ほぼ本業に絡んだ講演。

だが、ごく稀に妙な講演依頼も頂いたりする。
今回、アスクネットさんからの依頼もそう。
人材育成や組織を語って欲しいという。
僕はその道のプロではない。
どちらかといえば自分が学びたい側である。

しかし、担当者は勇気を振り絞ってお願いに来たのだから、
(どんな勇気かはわからないけど・・・)
無下に断るわけにはいかない。
「どうなっても責任は取りませんよ。」
と最初から責任放棄をして受けることにした。

タイトルを聞かれたので、
「何もしない社長が語る、就職、人材育成、組織とは」
とすこぶるいい加減なタイトル案を提出した。
そうしたら、そのまま採用されこんなチラシも出来あがってしまった。

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う~ん、完全にふざけている。
全く説得力に欠ける。
ところが「いやあ~、山田社長、これは面白いですよ。みなさん、逆に興味持ちますよ。」
とタイトルが勝手に独り歩きし始めた。

気づかないうちに実績のある高校の先生との対談も組み込まれていた。
「社会・地域から重宝される人材の共通点と育成法」
え~っ、オレは何を喋ればいいの??。

担当者に「どうなっても知りませんよ。」
と半ばやけくそ気味に言うも、
「大丈夫ですよ。普段通りで構いません。忌憚のない意見を語ってください」
と返ってくる。
普段通りだから困るんだろ。分かってないな・・・。
と心の中で呟くしかなかった。

一昨日、担当者、高校の先生、ファシリテーターの3名が
当日の打合せのため、わざわざお越し頂いた。
あちこちの話をしていたら何となく盛り上がってしまった。
ファシリテーターの方は
「こんな雰囲気でいいんじゃないでしょうか?」
なんて無責任なことを言う。

その時も「期待には沿えないと思います。」
とキッパリと言うが、そのあたりの事は軽く流されてしまった。
まあ、これは開き直るしかない。

何もしない社長が語るといってるんだから、何も語らなくなって叱られないだろう。
それはちょっと違うか。
どうせなら「何もしない社長は何も語れない」というタイトルにすればよかったかな。
それではどんどんわけの分からない方向に進んでしまうな(笑)。

当日はどんな事を話すかはまだ何も決めていない。
誰か何を話せばいいか教えてくれないかな・・・。
こっそり助けてあげたいと思う方は、こっそり教えてください(笑)。

そして、「時間を無駄にしてもいいよ!」という奇特な方は、
7月2日にナディアパークに来てください。
それでは主催者に真剣に叱られそうだ。

う~ん、安易に依頼を受けるものではないな・・・。
しばらく時間はあるので恥をかくのは最小限に留めるよう中味をこれから考えるとしよう。
どうぞよろしくね!

「創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか」を学ぶ

一昨日の金曜日は僕も所属するFBAA(日本ファミリービジネスアドバイザー協会)
定例セミナーが行われた。
僕がファミリービジネスアドバイザーの資格を取得したのは2年前。
月日の経過は早い。
現在は第4期の方が資格取得に向け学ばれている。

今回のセミナーのスピーカーはグロービス経営大学院の田久保義彦氏。
このセミナーの基になっている書籍「創業300年の長寿企業はなぜ栄え続けるのか」は
以前にブログでも紹介した。
知人が共同執筆をしていることもあり、馴染み深い。
ファミリービジネスを基本にしているが、どちらかといえば経営戦略の要素が強い。
それが僕には却って興味深く、今回の講演も自身の会社の目指すべき方向を含め大きな学びとなった。

講演の内容は以前のブログから想像してもらいたいので、ここでは多くを語らない(笑)。
この書籍に書かれていることも僕の中でかなり抜け落ちているので、
振り返りとしては十分であったし、何より新たな気づきが多かった。

それは僕がファミリービジネスアドバイザーという立場よりも一人の経営者として気づかされたこと。
名大社は同族企業ではないが、そこで重要視される価値観は繋いでいく必要がある。
同族の方がやり易いのは事実だが、そうでなくともできるはず。

今回の講演では岡谷鋼機さんや月桂冠さんの例が随所に盛り込まれ、
そこに田久保氏の調査結果から考察された鋭い経営的視点が述べられた。
経営にとって「倫理観」が重要なのは僕も常に思うところだが、
ビジネススクール的な見方で倫理観や神棚が語られたことはちょっと意外。
僕が学んでいた頃はもっとロジック主体で人間味が溢れる要素は少なかったのではないかな。
今の方が断然いいけど・・・。

企業が長く栄えるためには
・自社は何者なのかを見定める
・あくまでも謙虚に、しかし、前向きに
・当たり前のことを当たり前のように積み重ねる
・成長のための成長ではなく、継続のための成長を

この点が重要。

今回、田久保氏の講演を初めて拝聴したが、まるで講演者のお手本。
上手いし面白いし分かりやすい。
常にテキトーな講演しかしない(できない)自分にとって遠い存在だが、
少しでも近づきたいと思ってしまった。
おこがましいけど・・・。

そして、この日はもう一つ感動的なことがあった。
ジャ~ン。

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このグラフィックレコーディング。
クリエイティブファシリテーターの山田夏子さんが田久保氏の講演を聞きながら、
模造紙にこのようなイラストを描いてく。
スゲエ~。
単純にメモを取るだけでも大変なのに、こんなふうにまとめてしまうとは・・・。
それにメチャクチャ分かりやすい。

議論やワークをホワイトボートに書くことはよくあるが、
ここまでできたら湯水のようにアイデアが浮かびそう(笑)。

セミナー後の懇親会でご一緒できたのも光栄。
いろんな種類のワインも美味しかった。

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来週は久々にファミリービジネス向けの講演も行うので、それに向けてもいい勉強になった。
ありがとうございました。

「現場力を鍛える」を学ぶ

先週はトーマツイノベーション主催のセミナーに参加。
ローランド・ベルガー会長の遠藤功氏の講演「現場力を鍛える」を拝聴した。
遠藤氏の著書は「現場力を鍛える」が有名だが、僕は読んだことがない。
少し前に「経営戦略の教科書」を読んだが、それほど感銘は受けなかった。
大変失礼な言い方になってしまうが、
すでに理解していることばかりで目新しさを感じなかったのだ。
ブログにも取り上げなかった。

すいません。
大してできてないくせに生意気なことを言って・・・。
経営戦略を学ぶ前なら、もっと感動したとは思うけど・・・。
すいません。

今回、初めて直接話を伺ったのだが、
とても理解しやすく、その話しぶりも大変勉強になった。
結論から言えば、現場の感度を活かす企業が「微差力」を生み、
継続し積み重ねることで決定的なビジネスの差を生むという。
そのためにはまず大戦略(グランド・ストラテジー)を描く必要がある。
個別の戦略では意味がなく上位の戦略。

そもそもそれができていないじゃないか・・・と反省(苦笑)。

そして、自立分散型組織への転換が現場力を活かすことになる。
スーパーのイオンやイトーヨーカ堂の本部主義(管理中心)と
ヤオコー、オオゼキの個店主義(個々で考える)の例が分かりやすかった。
スーパー市場が縮小する中で、伸びているところとそうでないところの違い。
あくまでも一つの例に過ぎないが、多くの業界でいえること。

そこに「闘う集団」として戦闘能力を強化する。
これが今の経営において大切で、現場力の重要性を明確にしていた。
現場力を有効的に活かした例として、加茂水族館や
JR東日本テクノハートTESSEIを挙げられたが、こちらは単純に面白く参考になった。

現場力を鍛えるにはエンパワーメントも大事だが、それだけでは機能しない。
「現場の感度」を引き出す「本社の感度」が重要。
現場から力を発揮するのはボトムアップの世界だが、
そこに至るための政策はある意味トップダウン。
トップが現場に耳を傾けるための力量と支援が必要。

まだまだできているようでできていないことが多い。
現場のアイデアを簡単に否定してしまうのも問題。
これば僕自身の問題として捉えねばならない。

僕も営業を離れ随分と経つ。
徐々に現場のことに対して鈍くなっているのも事実。
自分ではその感覚がなくなるのは怖くて仕方ない。
かといって、今、営業に戻るのもナンセンス。
いわゆる「本社の感度」というものをどう鍛えるかが求められている。
「現場力を鍛える」ためにトップがやるべきことは多そうだ。

社長になるまでのこと <再掲2>

多分、うちの会社に詳しい業界の方は思っていたと思う。
トップ、ナンバー2のいない名大社は終わりだと・・・。
実際にそのような声は僕にも届いていた。
そんな時期での決断だった。

そこから社長とのやりとりが始まった。
100%の信頼をされていたわけではない。
「もしかしたら、こいつが会社を潰すかもしれない。
自分が作り上げてきた会社を他人が潰すくらいなら、解散した方がまし。」
もしくは
「私物化して会社をメチャクチャにするかもしれない。」
そんなふうに思われていた。

お互いに意見は交わすものの、多くの場合は持論をぶつけられ、
そこから前に進むのは難しかった。
社員もきっと不安だったはず。
ある時、右腕となる社員とサシ飲みをした。
会社の今後が話題の中心だったが、右腕は僕に聞いてきた。
「哲さんは本当に会社をやっていきますか?途中で辞めたりしませんか?」
当然ある疑問だろう。

僕はこれまでのこと、今回の決断のこと、多くの事を頭に巡らせながら答えた。
「大丈夫。辞めない。」
「なぜですか?」
「俺は今まで何かを途中で辞めたことがない。
学校も塾も部活もアルバイトも一度決めたことは辞めたことがない。
30歳から始めた日記も今やってるマラソンも辞めていない。
辞めた経験がないんだ。だから大丈夫だ。」
チープな論理だった。
それでも説得力は持っていたようだ。
右腕は「分かりました。納得しました。」と言って、後は何も聞かなかった。
それは右腕に言った言葉でもなく、自分自身に向けて言っている言葉だった。

そんな状況でも会社は動いている。
自らも営業し、数字が思うように上がらないものの、組織は鼓舞していかねばならない。
同時に経営計画書を作成していく。
今の赤字状態からどう脱却するか。
コストダウン、新商品の開発など黒字化するための道を探っていた。
苦しい時間であった。

最大のコストダウンはオフィスの移転。
創業以来、40年間、栄にある中日ビルにオフィスを構えていた。
徐々に拡張していったため、結構なスペースもあった。
そこから移転で大幅に固定費はカットできる。
しかし、40年間暮らしてきた場所を安々と離れることはトップの感情として許しがたいことでもあった。
ここの説得が難航したが、最後には理解してもらうことができた。

秋頃は、社長とそのようなやりとりを繰り返しながら、
会社存続に向け話し合いを続けていた。
ある時、急きょ呼び出され、二人で飲むことになった。
これまで一度もお邪魔をしたことのない洒落た小料理屋だった。

どんな話になるかは想像ができていた。
僕自身、覚悟もできていた。
どんなことがあろうと会社を守る。
自信も根拠もなかったが、その気持ちだけは強かった。

社長の懸念材料は多かったと思う。
一番大きな要素が会社は誰のものになるかという点。
「お前は会社を自分のものにするつもりはないか?私物化しようとしていないか?」
そこははっきりと答えた。
「ありません。もし、そんな様子を少しでも感じるようであれば、クビしてもらって構いません。」
自分でクビを切りだしたのは初めてだった。

これまで何度もダメ社員の烙印を押され、危うい立場を過ごしてきたが、
自らキッパリ言うのは初めてだった。
定かではないが、この言葉が社長の気持ちを変化させたのかもしれない。
そして、僕は11月に重要事項を決定した。
冬の賞与を一切支給しないことに決めたのだ。
前年も業績は悪かったが賞与がストップすることはなかった。
過去も一度もなかったはず。

それを僕が決めた。
ただでさえ給与が減り生活が苦しい状態でその決断は社員には本当に申し訳なかった。
心が離れる社員が増えるのも予想された。
全ての現場を任されていた僕は全員の前で詫びた。

誰ひとり非難する声は上がらなかった。
会社は酷い状況だったが、夏以降、誰も辞めなかった。
さすがに冬の賞与の件で退職者も出るだろうと覚悟したが、
その時も会社を去る者は誰もいなかった。
僕はそれが一番嬉しかった。

会社は何とかなると思えたのも、そんな仲間の存在だった。
賞与をゼロにしたことで社長は僕にすべてを任せようと決心したようだ。

12月上旬、急に社長宅に呼ばれた。
経営資料を携え最終的な詰めを行った。
そして、その時に僕が正式に会社を引き継ぐことが決まった。
驚くほど呆気なかった。

対外的には翌年の株主総会後だが、
実質は12月21日より全ての決裁権を自分が持つことがその場で決定した。
社長は体調を崩していたこともあり、自ら対応を早めに決断したのだろう。

さすがにその夜は眠れなかった。
布団の中にいても目が冴えるばかりだったので、
当時放映されていた「坂の上の雲」の録画を観た。
この世界に比べれば、まだまだ小さい事じゃないかと自分を納得させていた。
そんな気持ちで自分を維持しようとしていた。
寒さが堪えたのか、結局、風邪を引いてしまったことを記憶している。

とりとめなく書いてきたが、これが僕が社長になるまでの経験してきたこと。

帝王学を学んだわけでもなく、経営者の準備をしてきたわけでもない。
それでも会社は成り立つ。会社は毎日動いていく。
その年の大晦日の日記にも書いていたが、
この一年は僕の人生の中で最も変化の激しい、スピードの速い一年だった。
何年分かを一年で過ごしてしまったようだった。
トップを任される一年前に飛び込み営業をしている奴なんてあり得ない。

ここで会社以外のこと少し・・・。

社長を引き継ぐ事が決まった時、僕は実家と嫁さんの実家に挨拶に出向いた。
僕の実家は岐阜で農業も含め自営をしている。
僕は三人兄弟の長男。
父親はいずれ息子は戻ってくると期待していたと思う。

僕が実家に挨拶に出掛けたのは、その期待を完全に裏切ることを意味していた。
僕自身、そんな感じで思っていた。
僕は父親に、これから会社をやらなければならない。
家業はやれないとそんな様な話をした。

父親は「会社のことはよくわからんけど、あんばようやってちょ。」とだけ言った。
”あんばようやってちょ”と言うのは岐阜弁で、”しっかりやってくれ”という意味。
その言葉を聞いて僕は安堵とし父親の大きさに感謝した。

そして、嫁さんの実家にも挨拶に行った。
その一年前、義父を癌で亡くしていた。
僕は義母にこれまでの事を話した。

「これから会社を任されることになりました。
家庭の事は今以上にないがしろにするかもしれません。
もしかしたら、最悪の状況に引き込んでしまうかもしれません。
嫁にも子供にも迷惑を掛けるかもしれません。」

そんな僕の言葉に義母は言ってくれた。
「天国に行ったお義父さんは喜んでいると思うよ。
哲也さん、何も心配することなく頑張ってください。」と・・・。
僕は涙が出るくらい嬉しかった。
結局、僕は周りに支えられて生きているに過ぎない。

支えてくれたのは嫁さんの存在もあるだろう。
不思議なことに僕がどんな状況、立場であろうと何も変わらなかった。
単純に僕に関心がないだけかもしれないが、僕が役員を降格になった時も、
給与が半分になった時も、社長になる時も何ひとつ変わらなかった。
「あら、大変、どうしましょ~。」
と呑気に言うくらいで態度はいつも同じだった。
そんな態度に僕は救われたのかもしれない。

長々と書いてきた「社長になるまでのこと」。
思い出したままを感情的に書いているので、どこまで伝わったかわからないが、
今、こうしてこんな事を書けるのも幸せなこと。
改めて充実した毎日に感謝しなければならない。

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以上が2009年12月までのこと。
完全な手抜きブログだが、ご理解いただきたい。
明日からは愚か者ブログをしっかり書いていきます(笑)。
引き続きよろしくお願いします。

社長になるまでのこと <再掲>

明日、第47期株主総会を開催する。
この時期を迎えると思い出す。
こんな時を過ごしてきたことを僕は忘れてはいけないと・・・。
また、会社のメンバーも知っておかなければならない。
特に「丸の内チルドレン」はそう。
そのために2年前のブログを再掲したい。

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今でも時々考えることがある。
もしあの時、自分が引き受けていなかったら、会社はどうなっていたのだろうかと・・・。
少なくない確率で会社の存在はなかった。
そうだとすると、現在、共に働く仲間、名大社を支えてくれるクライアントやユーザー、
そして、僕がこの間、ご縁を頂いた知人やネットワークの存在もなかった。

あの時の決断は間違いではなかったと思うと同時に今、
こうして毎日を過ごせることに改めて感謝。
本日、株主総会を行い会社を任され5年目を迎える今、
いい機会でもあるので、当時の出来事を改めて振り返ってみたい。

役員を降格になったことは昨年同時期のブログに書いた。
2009年がスタートした時は悶々とした状態で仕事をしていた。
前年のリーマンショックで会社の業績は急降下。
過去一度も経験をしたことのない落ち込みを日々の営業活動の中で実感していた。

それでも会社を辞める気持ちは不思議と消えていて、
健康的な状態とは言い難いが真摯に仕事に向き合っていた。
しかし、会社の雰囲気は最悪。
退職する社員は後を絶たず、暗い雰囲気が全体を覆っていた。

組織の中心から外されていた僕は、会社を客観的に見ながらも一人黙々と仕事をする日々。
自分に課せられた仕事をこなすのみだった。
だが、自分の環境も徐々に変わり始めてきた。
社長やナンバー2にほとんど相手にされない日々から少しずつ意見を求められるようになってきた。
単純に組織が疲弊していたのが理由だったのかもしれない。

そして、期が明けた4月に営業部門を任される人事が発令された。
「何という気の変わりようだ」と僕は半信半疑でしかなかったが、
久々に部下を束ねることになり気持ちは盛り上がりつつあった。
しかし、業績の低迷は変わらない。
全く先行きの見えない時間を過ごしていた。

僕が代わる前に部門を率いてきた若手のリーダーはそれまでの態度と一変し、
あっという間に会社を去っていった。
あれだけトップに忠誠を誓い、部下に対して罵倒していた存在はいとも簡単に会社を辞めた。
その人事に納得できなかったのか、会社に愛想が尽きたのか、
先行きに期待感がなかったのかは分からないが、
僕は会社から逃げたとしか感じることはできなかった。
営業だけみれば僕よりは格段に優秀。
後輩だったためいろんな話もしてきたが、それ以降は一切に連絡を取ることはなくなった。

そして、5月のある日、数名の社員と社長宅に呼ばれ、食事をすることになった。
かなり重要な話がでることは覚悟をしていた。
一つはワークシェアリングの実施、もう一つは僕の役員への復帰だった。

役員の復帰といえば聞こえはいいかもしれない。
しかし、会社が最悪の時期にその役職は責任が重い。
しかも、ワークシェアリングの中味は半端なかった。
次長以上の役職は給与半分、出勤半分と大胆なもの。
僕の場合、給与半分にわずかな役員手当、出社は自由、
すなわち休みはなしということだった。
割の合わない仕事だった。
会社は助成金の申請をしていなかったため、次長より上の役職者の生活は厳しかった。

実際に僕も手取りの給与ではとてもじゃないが生活はしていけない。
完全な赤字。
幸いにも蓄えがあったため、貯金を切り崩しながらの生活だった。
休日にバイトをしようと真剣に考えていた。

若手社員はそこまで厳しい待遇ではなかったが、
会社に対してのロイヤリティは完全に失くしていた時期。
不安しかなかっただろう。

組織全体もギクシャクしていた。
社長とナンバー2との関係性が悪化した。
少し前から一枚岩に思えた2トップの関係が怪しくなっていた。
詳しい内容はここでは書かないが、結果的にナンバー2は役員を降り、しばらくして退職をした。
現場のリーダーを失くしたのだ。
営業部門の一つを任されていた僕が先輩を差し置き全体を仕切ることになった。

ナンバー2が役員を降りる頃、社長の会社に対する方向性が定まってきた。
高齢であった社長は自らの引退を表明し、3つの中から選択することを考えていた。
「会社の自主解散」
「会社の売却」
「社員が引き継ぐ」

「会社の売却」は社長の意に反する面もあり、選択肢から消えていた。
残すは2つ。
2つとした時点で社長の考えはある程度、決まっていたようだ。
「会社の自主解散」。
今なら社員に退職金を払って処分することができる。それが一番安全策という判断であった。
誰かに任せてもいいという話もされていたが、本意とは感じれなかった。
それに相応しい人物はいなかった。

幹部会でその話を切り出したわけだが、僕は自主解散の判断はやむを得ないと正直思っていた。
特に反対もしなかった。
トップがそう判断するのであれば仕方ないと結構冷めていた。

幹部会終了後、ナンバー2が僕を個室に呼んだ。
「哲、なぜ手を挙げない。お前しかいないだろ。」と言われた。
僕は理解できなかった。
つい数か月前まで、僕は組織から外れ、ほとんど窓際にいた人物。クビに近い存在ではなかったか。
どうしてそんなことを言われるのか当初は理解できなかった。
このブログを書くにあたり、その当時の日記を読み直してみたが、内容は酷いもの(苦笑)。
疲れた、疲れたという泣き言とトップの非難ばかり。
前向きさは微塵も感じられない。
情けない話だが健全な状態ではなかった。

しかし、それは僕だけではなく全社員が同じように感じていたのかもしれない。
もしかしたらナンバー2の一言から真剣に考え始めたのかもしれない。
それは今でも分からない。
ただその頃から、会社をどうすべきかと真剣に向き合うようになってきた。

「自主解散」という選択が本当に正しいのか。
一生懸命働いている社員はどうなる?
名大社を信頼してくれるお客さんを自分勝手な論理で裏切っていいのか?
本当にそれが正しいのか、
自分の行動はそれでいいのかと何度も何度も自問自答した。

次第に明確になってきた。
そして、答えがはっきりした。
「自分がやる」という解だった。
会社全体にそんな雰囲気が少なからずあったと自分勝手に感じていた。
それが後押ししてくれた面もあるかもしれない。

だが、その判断は自分に最大のリスクを与えることになる。
現時点で業績は最悪。売上も前年比3割である。
3割ダウンではない。
ワークシェアリングを実施しているとはいえ、赤字が続いていた。

このままの状態であれば、いずれ破たんを招くことになる。
無借金企業といえどもあっという間に債務超過に陥ることもある。
尊敬する先輩にも揶揄された。
「どろ船の船長になるのか?」と・・・。

(続く・・・)

オフィス移転を考える

事務所が随分と手狭になってきた。
オフィススペースもこれ以上人数を放り込むと快適な仕事環境を作るのは難しくなる。
セミナールームもちょっとした勉強会や講習を行うと満杯。
先日行った全体の研修もかなり窮屈に感じた。

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人材紹介の事業も忙しくなってきたため、
応接もかなり前から予約しておかないと使えないことも多い。
これで会社が伸びていなければ大問題だが、おかげさまで今のところは順調。
あくまでも今のところです(笑)。

6年前、この丸の内に移転をしてきたのははっきり言って「後ろ向き」の移転。
固定費を抑えることを目的とした移転だった。
しかし、今回は「前向き」の移転を検討している。
多分、秋から年末にかけてオフィスを移転することになる。
はっきりした段階で改めてご報告したい。

あれこれ考えることは多い。
せっかく「前向きな」移転をするのだがら今のオフィスにはない空間にしていきたい。
僕が考える新しいオフィスの条件はこの3つ。
★会社に行きたくなるオフィス
★イノベーションが起こる(起こりそうな)オフィス
★稼げるオフィス

ざくっとした表現だが、こんな空間を目指していきたい。

今後、オフィスの在り方は変わってくるだろう。
いずれ会社に出社すること自体ナンセンスになってくるかもしれない。
だが、同じ会社のメンバーが顔を合わせるのなら、
よりよいコミュニケーションが図れる場としたい。
これ以上、よくなると仕事しないのではないかという不安もあるが、
それでも成り立つ会社ができればそれは理想。
絶対にあり得ないけど・・・(笑)。
よりフラットで風通しのいい場を作っていきたい。

そして、個人的に考えていることが一つ。
思い切って社長の机を失くしてしまいたい。
すなわち僕の机を失くすということ。
社長室を失くすということではない。
そもそもそんなものはないし、僕には必要ない。
それよりももっと前進させ社長の机を失くす。

メンバーが猛反対すれば撤回しなければならない案だが、
今はそんなことを思っている。
会社に行かないわけではない。
基本、毎日行く。嫌がられても行く。
しかし、居場所はない。
空いたスペースに座る。それでいい。
ネットさえ繋がっていればどこでも仕事はできるはず。

いきなりオガワの隣に座ったら、無意味に喋りだすだろう。
トミタの隣に座ったら、すぐに営業に出てしまうだろう。
コンドーの隣に座ったら、痩せるだろう。
おお~っ、いいことづくめじゃないか・・・。
そんなふうに今は妄想している(笑)。

セミナールームでの打ち手も増えるから、稼ぐオフィスにも繋がるだろう。
期待が膨らむと同時に不安が付きまとうのも正直なところだが、
ここは思い切りたい。
なんたって経営者に必要なのはセンスと判断力と度胸なのだから・・・。

iten1652

僕はこの机と付き合うのもあとどれくらいだろうか。
今のうちに磨いておくかな・・・。

名大社は「ホワイト企業」になれるのか・・・

hr1605

今週17(火)・18(水)日は日本の人事部主催の「HRカンファレンス」に参加。
2日間合計7つの講演に出席。
今後の事業や人事を構築していく上で参考になる点が多かった。

そのひとつに
『次世代に残すべき素晴らしい会社とは~「ホワイト企業」という概念で日本に活力を生み出す』
というスゴイ長いタイトルのセッションがあった(笑)。

ホワイト企業アワード受賞企業の事例発表と
ワークライフバランスで有名な小室叔恵さんらの取り組みを伺う内容。
知らないうちにホワイト企業認定が始まっていたのだ。
この認定を行う一般財団法人日本次世代企業普及機構(JWS)の説明は割愛するが、
こちらが中心に活動している。

ここが掲げる次世代に残す企業のための3つのホワイトバランスとは、
適正な利益・成長(事業計画、収益の黒字)
お客様からの信頼(売り上げ規模、継続性)
従業員満足度(ワークライフバランス、法令順守、人事制度)
をいう。

一般的にブラック企業の反対となるホワイト企業の観点でいうと
従業員満足度がメインだがそれだけでは足りないようだ。
それについては賛成。

健全な会社であり続けるには、従業員満足度は必要だが、
顧客から支持され会社が儲かっていないと意味がない。
最近の働きやすさの捉え方だとその点が抜け落ちているように感じていたので、
利益や顧客の信頼を加えていた点は納得できる。
そこがなければ次世代に残すべき企業になることはできない。

事例発表では10数名の企業から東証上場の企業までの報告が行われた。
奇抜なアイデアを売りにするケースもあれば地道に向き合うケースも紹介された。
「へ~」と感心することもあり、参考にすべき点が多く見られた。

参考にすることや評価することは簡単。
いかに自社で取り組めるかや落とし込めるかが難しい。
うちの会社でもいろんな取り組みはしているが(いや、しているつもり?)、
まだ足りない点ばかり。
できるだけ早く帰社させたいと思っていても遅くまで頑張っているメンバーも多い。
構造的な問題があるのは事実で効率性を含め考えを改める点もある。
やらない仕事の指示をこちら側がしなければならない。
会社の責任があるのも当然だが、一人一人の意識も変えなければならない。
まだまだ遅く残っているのが働いている証拠と思っているメンバーもゼロとはいえない。

制度を整えたとしても本人の意識が変わらないと進められない点もある。
それも変えさせるのも経営側の役割。
僕としては従業員満足度は年々高まっていると思うが、
(自分が思っているだけかも・・・苦笑)
最新の事例を聞くとまだ足りないところばかり。
特に女性比率が高くなり、既婚率も高くなっている今、
そのメンバーに応えるための制度も整備する必要はある。

もっと働く時間や場所がフレキシブルになってはくるだろうから、
それに対応できるインフラも作らねばならない。
満足度を向上させるのは制度や待遇だけではないとは思うが、それを踏まえるのは重要。
まだまだ有給取得率も低いと思うし・・・。
飲み会ばかりやってればいいというわけではないな・・・。
う~ん・・・。

有給を取れと言っても取らないのはなぜだろう?
「そんなこと言ったってとれる状況じゃないじゃないですか・・・」
なんて思っているだろう。

それも僕のせい?
今回のセッションでも、トップから休まないといけないという話をされていた。
そうか、僕がもっと休むべきなんだ。
そうすればメンバーももっと休みやすくなるし、仕事の効率性も高まる。
なんだ、僕が会社に行かなければ名大社は「ホワイト企業」になれるのか・・・。
う~ん・・・。

それはともかく、ホワイト企業になるために会社の内側のことももっと考えねばならない。
もちろん外側のこともだが・・・。

中小企業を襲う社員の不正

fusei165

今月の「日経トップリーダー」はなかなか刺激的だ。
「経営トップの”美しい”引き際」という特集と
もう一つがタイトルにある特集。

”美しい”引き際については、例のセブン&アイ鈴木会長の件。
これについては僕なりの考え方と緊急アンケートの結果と近い。
中小企業のオーナーに実施されたアンケートでは、今回の突然の引退に対して、
「後継者を育て、もっと早くトップの座を譲っておくべきだった」という意見が圧倒的。
簡単な事情ではないとはいえ、僕も同意見。
カリスマの存在が長引けば長引くほど引き際は難しくなるはず。
そして、後を継ぐ者はより辛くなるはず。
なんだか大空電機みたいだな・・・(笑)。

社長が高齢化が進むにつれ交代は難しくなる。
僕のわずかな経験からも言えること。
アンケートでは65歳~70歳が譲る時期として最も高かったが、
僕はもう少し早くてもいいと思う。
あくまでも個人的意見だけど。
この特集では引き際を考えるべき10の兆候が述べられている。
なるほど・・・。
あえてここでは紹介しないが、納得できるものばかり。

そして、もう一つの特集がタイトルにもある「中小企業を襲う社員の不正」。
龍角散の事例を始め、いくつかの不正事件を紹介している。
そのほとんどが内部犯罪だ。

日本国内では、勤務年数10年以上の41歳~50歳の男性、中間及び上級管理職が多いという。
3つの条件を満たすと不正に手を染めやすいらしい。
「機会を熟知」
「丸投げの信頼を得ている」
「自分の行為の正当化できる」
これが3つの不正トラップ。

確かにいくら信頼がおける誠実な人でも、
この条件が揃うと誘惑に負けてしまうケースも多いようだ。
人間誰もが持つ本質的弱さなのだと言われる。

経営者にも性善説で考える者と性悪説で考える者と2種類あるだろう。
僕は社内は性善説に基づいて全ての行為を行っている。
それ自体間違ってはいないと思うが、
不正防止のための対策は念には念を入れた方がよさそうだ。

この特集でもその手法を取り上げている。
中身を読んでみると既に取り入れているものがほとんど。
会社の仕組みとして成立しているわけだ。
しかし、今後、外部からのアタックを含め、常に策を練っておくべき。
これができるのはトップしかいないと思うし・・・。

僕の立場だから勝手なことが言えるわけだが、
いかに個人主体ではなく会社主体で物事を考えることができれば、不正なんて起きようがない。
かなり難しいことだとは思うが、無理なことでもない。
それが理想に近づくことでもあるだろう。

会社は生き物なので、今正しいと思うことがずっと続くわけではない。
ふと、気が緩んだ瞬間、すべてが崩れ落ちることもある。
中小企業の場合、どんな原因もトップの責任。
いや、トップが原因となる。
引き際であろうと不正であろうと自分次第ということを肝に銘じなければならない。