ようやく映画コラムニストの仕事も戻ってきた。
最新作ではない。
本作を観たのは11月下旬。
上映している映画館も少ないかも。
まあ、ブログが休止していたからやむを得ない。
僕のブログを読んで観たくなる人は溢れんばかりだが、ご勘弁願いたい。
ヴェネチィア国際映画祭銀獅子賞を受賞した話題作。
要は最優秀監督ということ。
そうなると期待値がグッと上がるが、
海外の評価の高さが国内の評価とイコールとは限らない。
海外から観た日本の描き方、喋り方、文化の見せ方と
国内のそれとはそもそも感じ方も違うだろう。
いい意味でも悪い意味でも僕らが観る外国映画の理解は難しい。
それと同じではないか。
それは素人感覚?
まだ未熟な映画コラムニストの証なのかもしれない。
誤解を恐れずにいえば、本作の評価も賛否が分かれる。
少し前に観た「朝が来る」あたりと比べれば評価の差が激しくなるのではないか。
それは映画の解釈にも差が出るだろう。
反戦映画とみるか、恋愛映画とみるか、
ハッピーエンドとみるか、不幸な結末とみるか、捉え方も様々。
見方を変えれば、蒼井優演じる聡子のセリフも大きな意味があったり、
単なる感情であったり。
しかし、僕らはそのセリフに惑わされ、
戦時中という特別な時代に気持ちを持っていかれる。
これも黒澤監督の思うツボなのか。
だから映画は面白く、どこまでいっても不可思議な世界。
飲んで語っても終わることはない。
本作はその時代背景の作り方や映像美も魅力だが、カット割りも見どころ。
相米慎二作品の助監督を務めた影響か、長回しを多用している。
それがリアリティと緊張感を生み、上手く時代を反映している。
そのあたりも評価を得るポイントだったりして・・・。
あまり映画祭の受賞ポイントは変わっていないのかな(笑)。
それでも日本映画が海外で評価を受けることは大切。
どんどんその魅力を発信させ、全世界で観てもらう機会と作るべき。
ボヤっとしていると隣国に追い抜かれてしまうしね。
日本らしい作品をこれからも期待したい。
僕らはどこまでいっても日本人だしね。