映画の観方は2種類あると思う。
ひとつは事前情報や解説をしっかり予習して臨む作品。
もうひとつは事前情報を何も入れず無の状態で臨む作品。

本作でいえば後者。
監督は藤井道人で主演女優は清原果耶ということだけで十分。
本来、主演はシュー・グァンハンになるけど。
あとは何も知らない方が映画を楽しめる。

何度なく観た予告編で、よくある恋愛映画くらいの気持ちで足を運んだ。
正直なところ、あまり期待もしていなかった。
ただ藤井監督作品は気に入っている。
一般的な評価はあまり高くはないが、昨年の「ヴィレッジ」「最後まで行く」も好きな作品。
「最後まで行く」は本家の韓国版も観たが、藤井作品の方がよかった。

本作は僕にとってはその程度の認識。
清原果耶がアイドルっぽくないのもいいけど。
事前情報を入れすに観るのをおススメした以上、ブログには何を書けばいいのか。
とても難しい。

予習を勧める「オッペンハイマー」のような難解さは一つもない。
流れに沿って映像を眺めればいい。
誰しもが昔持っていた
(今も持っているかもしれないが・・・)
ピュアな気持ちを味わえばいい。

僕は何度となく2人と共に喜んだり、悲しんだり感情を持っていかれた。
年甲斐もなくウルっとしてしまった。
そんな楽しみ方でいいんじゃないのかな。

ストーリーと関係ない点でいえば、ロードムービー的な要素もあり日本の四季も楽しめる。
台湾の風景も・・・。

いや、ひとつだけ予習した方がいいことはあるな。
岩井俊二監督の「Love Letter」を観ておいた方がいい。
僕が観たのは25年以上も前なので、かなり忘れているがちょっとしたカギになる。
藤井監督の岩井監督や「Love Letter」へのリスペクトも感じる。
なるほど、こんな効果が表れるわけね・・・。

脇役陣もステキだ。
大河ドラマ「光る君へ」では貴族役の黒木華は本作では田舎者のフリーター。
中途半端な茶髪も妙に似合い、大河ドラマとのギャップも面白い。
まあ、この程度ならネタバレにもならず、どうでもいい事前情報と理解されるだろう。

僕も出会いを求めて一人で旅に出てみるかな。
青春18きっぷを活用して目的もなくブラブラと・・・。

たまには青春映画もいいね。