これからも前向きに 名大社会長ブログ

松下幸之助直伝 社長の心得

著者の江口先生に頂いた本書。
僕のような能力のない者は定期的に読まないとすぐに忘れてしまう。
江口先生の著書は結構読ませて頂くが、定期的に機会を持つことが大切。

異なる書籍でも松下幸之助翁の言葉や行動を具体的に提示頂けるのがほとんど。
新たな発見があったり、以前頭に入っていたことが抜け落ちたり、
とその都度、学びになる。

中でも本書は松下氏の言葉や行動を現代社会に置き換え、
その必要性を分かりやすく解説されているので納得感も高い。
50年前の言葉であろうが、原理原則は変わることなく、
真摯に受け止めなければならない。

僕は社長を退いた身だが、経営者の端くれであることは事実だし、
またどこかで社長を務める可能性もなくはない。
そのためにも「社長の心得」は常にインプットが必要。
頭や体の中に染み込ませ、当たり前に行動できるのが理想。
道のりは果てしなく遠く辿り着けることはないが・・・。

松下氏らしい言葉も所々に紹介されている。
土光敏夫氏の有名な言葉
「まず知恵を出せ、知恵なき者は汗を出せ、それができない者は去れ」
に対して、松下氏は
「まず汗を出せ、汗の中から知恵を出せ、それができない者は去れ」
といわれる。
より実践に基づいた言葉だ。

また、「おまえはひよこ」と言われないように心掛けろともいわれる。
「愚かな人、間抜けな人、エゴの人、恥ずかしい人、卑怯な人、幼稚な人、滑稽な人」
の頭文字がそれ。
特に若い人は気をつけた方がいい。
いや、愚か者のオマエだと指されるかもね(汗)。

先日の勉強会でも話されていたが、
「鳴かぬなら、それもまたよし、ホトトギス」もそう。
信長でも秀吉でも家康でもない。
この言葉はまさに今、この社会にとっても必要なのかもしれない。
そんなことも感じた。

AIだのDXだのどんなに時代が進化しようとも
経営にとって大切なことは大きくは変わらない。
古典からの学びも同様。

改めていい気づきとなりました。
江口先生、ありがとうございました。

映画「ビヨンド・ユートピア 脱北」

前回は「コンクリート・ユートピア」
”ユートピア”というタイトルの作品が続く。
時代が求めているのか。
国内外で様々な事件が起きる背景から、今年のキーワードになるかもしれない。

今年はドキュメンタリーを多く観る年。
その一発目が本作。
重すぎたかもしれない。

これがドキュメンタリーの持つ力だが、自分の中の陽が吸い取られていく。
そんな気がしてならない。
しかし、目を背けてはいけない。
正面から知ることも大切。

本作は脱北を試みる家族の行動を描く。
まさに命懸け。
密着しカメラを回し続ける制作陣も命懸け。

北朝鮮の要人に見つかれば、作品自体が泡と消える。
作品だけじゃない。
脱北者も制作陣もスポイルされるだろう。
描かれる世界が正しいとすれば、その行為自体がなかったこととなる。
実に恐ろしい。

本作の製作はアメリカ。
ドキュメンタリーとはいえ自分たちの主張が込められているといえなくもない。
100%素直に受け取るのは危険だが、ほぼ近いのは間違いなさそう。
普段僕らがニュースで見る北朝鮮は表面的な姿にすぎない。
それは誰しも分かっている。

しかし、現実をどこまで把握しているかといえば、ほぼしていない。
それは映し出されないから。
隠されているから。
本作の姿が事実だとすれば、作品でアピールするしかない。
金正恩が否定しようが、何かで脅そうが、訴えるしかない。
フィクションとしか思えない世界は現実だと・・・。

本作では脱北を図りブローカーに頼りながら移動を繰り返す5人家族と
脱北者の母親が本国の息子を救出するために奔走する姿を中心に描く。

5人家族は中心となる夫婦と80代の老婆、小さな子供2人。
夫婦は北朝鮮の実態を知っているが、老婆と子供は半信半疑。
そこには洗脳という言葉が見事に当てはまる。

老婆や子供は北朝鮮は豊かでいい国と信じ、金正恩も神のように敬う。
それを表す象徴的なシーンに僕は恐ろしさを感じた。
こうして国は成り立っているのかと・・・。

他のレビューと同じ疑問を僕も抱いた。
脱北者を支援する牧師の資金源はどこか。
当事者にそんな資金はない。
ブローカーに渡す金額も含め相当なお金はかかる。
支援団体があるにせよ、そこまでの資金を保有しているのか。

この作品の興行収入がそれにあたるのか。
そんなことも考えてしまった。
より多くの方が本作を観れば、手を差し伸べることになるし。

映画館の入場時にこんな冊子が配布された。

北朝鮮の人権の実像が暴かれている。
悲しくなると共に恐ろしくもなる。
それでも国は維持できる。

いかに自分たちが平和なのかを実感しながらも、向き合うことも忘れてはいけない。
貴重な作品といえるだろう。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その272

約1ヵ月ぶりでしょうか。
伏見に戻ってきました。
今年に入って豪勢な食べ物ブログを提供してきましたが、日常に戻ります。
全国30万人の読者もその方が安心するのかもしれません。

この伏見シリーズも今日で272回。
年内には300回に到達するかもしれません。
ということは新たなお店を28店紹介するということ。
まあまあ高いハードルです。

300回を達成したら伏見飲食業振興協会から表彰してもらいたいですね。
そんな協会があるかどうかは分かりませんが・・・。

向かったのは会社から南東に歩き、住吉町付近にある「羊屋ラムワークス」さん。

昨年11月にOPENしたばかりのお店。
以前は「天下一品」さんがお店を構えていましたが、15メートル先に移転しました。
系列店なんでしょうか?

こちらは名古屋では珍しいジンギスカン専門店。
どう浸透させていくか楽しみですね。
ランチメニューの看板が店外に掲げられています。

ラムカレーにしようと入店しましたが、
やはりここは初心者なので定番メニューを注文することにしました。
案内されたカウンターにはこんな飾り物が・・・。

これもブランディングなんでしょうね。

ジンギスカン定食 980円

大きなお皿に多くの野菜とラム肉が盛られています。
特製の味噌ベースのタレが食欲をそそります。
ラム肉はクセもなく食べやすく、グワシグワシと野菜と一緒にご飯を頂きます。

テーブルにはラムスパイス。

こちらをパラパラと振りかけてよりインパクトを持たせます。

寒い日ではありますが、少々の汗をかき食べ終えることができました。
かなり満腹になりますね。

改めてメニューを眺めると飲み放題の案内が・・・。

30分390円。
以降は1分15円と書かれています。
ということは1時間飲み放題で840円。
これはお値打ち。
楽勝で元が取れるでしょう。

年明け早々からセコいことを考えてしまいました。
1時間一本勝負をしたい方はご一緒しましょう。
夜は夜で楽しめそうですね。

ごちそうさまでした。

若手が地域を盛り上げる

先週は僕が会長を務めるFネット(ふるさと就職応援ネットワーク)の例会及び若手研修。
研修は17(水)日にオンライン、19(金)、20(金)日はリアルで開催。
北は北海道から南は九州博多まで約30名近い若手社員が集合した。

僕はいずれも立ち会い、最初にそれっぽく挨拶した後は、研修風景を眺めていた。
ジ~っと見つめていると嫌がれるので、適度に席を外して。
講師は毎年お願いしている研修工房の曽山さん。
多くの実績を持つ曽山さんだが、
Fネットの研修は参加者の意識も高くコミュ力もあるのでやり易いという。
お世辞もあるだろうが、ある意味、人材業界の特徴かもね。

17日のオンライン研修は7社13名。
名大社からは2名参加し、積極的にグループワークでも発言していた。
最近、僕自身がそんな機会も減っているので、新鮮に映ったり、頼もしく感じたり・・・。

19、20日のリアル研修は東京のUZUZさんのオフィスを借り5社13名。
姫路からもわざわざ参加頂いた。

オンラインもリアルもそうだが、講師が一方的に話すのではなくワークが中心。

それぞれの課題に向き合い、自分の考えや仕事ぶりを披露していく。
入社1年未満なのにレベルの高い意見をいう若手も多く、こちらがハッとさせられる。
お互いの刺激になるのは間違いない。

会社にどっぷり浸かった我々とは異なる。
いい意味で未熟で、いい意味で悩みを抱える。
この場ですべて解決することはないが、
お互いに自己開示し共有することで強みも弱みも理解できる。
翌日から少なからず仕事への向き合い方が変わるだろう。

Fネットの若手研修は2018年から実施しているので、今年で7年目。
過去、研修に参加したメンバーで加盟会社のリーダーに育っている者も多い。
今回の研修でもリーダーズインタビューに4名の先輩に協力してもらった。
以前は頼りなかった者がこう成長していくのか・・・。

そんな姿を見るだけでも嬉しくなってしまう。
5年後、リーダーズインタビューに先輩社員としてこの場に来てほしい
と研修終了後にも挨拶させてもらった。

19日は隣の会場で例会を行っていたので、
懇親会は経営者&若手、ゲスト、講師合同開催。
いつものようにムチャブリもあり、こちらも大変盛り上がった。
わずかな活動ではあるが、こんな場がいずれ地域を盛り上がる若者を育てていく。

これからに期待したいね。

そうそう、日本酒は飲んでたよね。

前回書いた家飲み日本酒ブログで次回のアップは11月といっていた。
もう1月下旬。
仕事をサボっていたわけじゃないが、すっかり時間は経過。

2023年は忘年会も完全復活で、飲み会も多かった。
それが原因ではないと思うが、風邪も引いてしまった。
珍しく2日間連続で休肝日にしたり・・・。

それでも飲みに行かない日は家飲みがほぼ毎日。
記録を残すことは自身と日本酒好きの読者の参考になる。
そんな自分勝手な想いで10月から12月までの家で飲んだ日本酒を紹介しておこう。
1月以降は3月あたりにアップのつもり。
忘れないようにしないと・・・。

京の秋
息子が内定式のために帰省した時のお土産。
京都駅で購入するので招徳酒造が定番。

ほしいずみ純米吟醸ひやおろし
秋らしい日本酒を頂く。

森嶋純米吟醸
外飲みで美味しかったので、初めて購入。

純米吟醸於大
愛知県の地酒。
「どうする家康」効果で売れたのかな?
あまり売っていないと思うけど。

よこやまsilver7
ふるさと納税返礼品。
長崎県壱岐島のお酒だが、僕好みのフルーティーな味。

kamosumori純米吟醸
これは女性好み。
家人も喜んで飲みますね。

久保田千寿
少し寒くなってきたので、ぬる燗で頂く。
家人の友達から頂いた。
感謝!

たかちよグリーン
しぼりたて生原酒だが、ラベルの色の違いは分からない(汗)。

AKABU純米吟醸
以前は一番好きだったかも。

八海山
定番の日本酒。
11月は燗酒も増えてきた。

シン・タカチヨ
これが2023年のベストかも。
無濾過生原酒。
メチャ美味かったが、もう買えないのかな。

いい徳利が欲しくて、やきもの市で備前焼の酒器を購入。
燗酒が美味くなった気がする。

賀茂鶴本醸造上等酒
コスパはいいですね。

KISS of FIRE
北陸旅行の際、鹿野酒造さんの酒蔵で購入。
いろんな賞を獲得しているお酒。

手取川大吟醸hoshi
旅館で飲むために買ったが、家でも・・・。

手取川しぼりたて純米生原酒
加賀温泉界で飲んで美味しかったので、近くの酒屋で購入。
家でも美味い。

常きげん山廃仕込純米酒
こちらも酒蔵で購入。
くせはあるが冷やでもぬる燗でもOK。

楽器fp
久々に頂く楽器。
ピンクのラベル、このイラストは初めて。
年末に相応しい。

紀土純米大吟醸。
一年の締めはこれ。
大みそかに頂いたふるさと納税返礼品。
毎年お願いしてますね。

昨年も多くの日本酒を頂いた。
いろんな銘柄を購入することで家人の好みも分かってきた。
このあたりを飲ませておけば機嫌がいいというのも予想がつく。
上手く利用していかないと・・・。

正月はほぼ毎日、日本酒を飲んでいたので、次回はかなりの本数が並ぶかも。
まとめるのも大変なので、忘れないようにしたい。

今年もいい日本酒LIFEを送っていきたいね。

映画「コンクリート・ユートピア」

タイトルが秀逸。
そんな言葉も名称も映画には出てこない。
しかし、誰もがそれがどこなのか容易に想像できる。
唯一残されたアパート(韓国ではマンションをアパートと呼ぶの?)がコンクリート・ユートピア。

能登半島地震直後に公開された大災害に関係する作品なので、観ることを憚れた。
ただここは割り切りも必要。
本作の大災害はきっかけに過ぎず、人間のエゴや環境によって変化する人格を描くのがメイン。
今回の地震とは似ても似つかないことは予め理解した方がいい。

ネタバレしない程度に説明すると、廃墟となったソウルで崩落しなかった唯一のマンションに
多くの人が押し寄せ、不法侵入をしたため、それを住民が排除し守っていく。
それが住民に安心を与えユートピア化していくストーリー。

それだけでも日本映画にするのは難しい。
さらに難しいのは描かれる人間模様。
人はいざという時にどんな行動を起こすかは分からない。
自分の生活を維持するのが精一杯なのに他人を救えるか。

極端に言えば自分や家族を守るために、人殺しができるか。
そんなことを問われる。
映画を観る限り、日本より韓国の方が過激。
あえて過剰な演出をしているかもしれないが、日本ならこうはならない。
(と思いたい・・・)

非常事態に陥った時に冷静な判断ができるか、
誤った行動があたかも正しい行動として受け止めることはないか。
それは今、世界中で起きている戦争に近い。

自己防衛のためなら相手を傷つけてもいいという愚かな行動に対して、
全く違う切り口で批判しているのではないか。
ラストシーンから愚かな国や人たちへのメッセージとして僕は受け止めた。

そんな意味では強烈な社会派映画にもなるが、
別の見方をすればホラー映画としても成立する。
ゾンビになっていないだけで、実際はゾンビと同じ。
姿かたちは人間だが、やっていることはゾンビ。
そんなふうにも見えてしまう。

そんな両極端な作品を思わせる韓国映画はやはり面白い。
こんな作品を日本では作ってほしくはないけど(笑)。

主演はイ・ビョンホン。
いつもはクールな二枚目が多いように思う。
本作はとても醜くカッコ悪い。
それだけ光っていたということか。

年明け早々、インパクトの強い映画を見せてもらった。

小説「トヨトミの世襲」

前作「トヨトミの逆襲」を読んだ時に次作は「トヨトミの帰還」か「トヨトミの覚醒」と書いた。
全く違ったが、「トヨトミの帰還」はやや近いか(笑)。
「トヨトミの野望」から続いたシリーズの完結編。

ここまできたら読まざるを得ない。
地元で事業を行う身としては、どんな展開になるのか気になるのは当然。
描かれている世界はまさに今。
本書の単行本の帯には「99%実話の噂」と書かれている。
さすがにそれはないと思うが、T会長の顔をイメージしながら読み進めてしまうのは著者の思う壺。

本書にはうちの会社がオフィスを構える「伏見」も頻繁に登場する。
その度にどのあたりか?どこの店か?なんて考えてしまう。
また、ディーラーも実在するあそこの社長と弟?と思ってしまう。
確か奥さんって・・・。
知った名称はより現実に近づけるので、少々、恐ろしかったり。

今回、新たに登場するのが「織田電子」。
あきらかにニデック(旧日本電産)を指している。
それは僕が語らなくても読者の99%が「織田会長は永守会長ね」と頭に浮かべるだろう。
確かに噂に聞く面と同じ点があったりと、内容も事実と思わせる。

ご子息のこともネットで調べてしまった。
フィクションであるのは間違いないが、社長室に飾ってある絵は本当かもと思ってしまった。
そのあたりはとても巧妙な展開で想像力を働かせる。

本書はタイトルにあるようトヨトミ家の世襲問題がメイン。
ファミリービジネスを学ぶ者としては否定的に表現される世襲はいかがか?と思ってしまう。
その点に関しては正直な感想だが、世間一般的には共感されるのだろう。
それだけ世襲に対してマイナスイメージを与えるニュースが多いし・・・。

中身については触れないが、前2作と比べるとプライベートが描かれる面が多い。
それもスキャンダラスな場面が多いので、ビジネス小説の枠を超えた印象も。
それは僕だけが感じているかもしれないので、読んだ方の感想を伺いたい。

どちらにしても目まぐるしい展開は読み物としては面白い。
解説には「その“衝撃のラスト”を見逃すな!」と書かれているが、
これが事実だとしたらほんと衝撃。

楽しめたエンターテイメント小説だが、EV市場の動向も学びことができた。
完結篇といっているが、5年後、続編が出たりしてね。

食べ物のはなし 特別編 季節のおまかせコース

今回も特別編。
最近、伏見シリーズのアップがないです・・・。
新規開拓が足りないのでしょうか。
間もなく復活させますので、あと一週、お持ちください。

特別編だからといって遠征ではありません。
今回は近場。
それも名古屋駅前になります。

本来であれば特別編には該当しません。
どうしても特別編にしたい理由があったのです。

向かったのはミッドランドスクエア。
4階のレストラン街にある「築地寿司清 名古屋店」さんに家族で行ってきました。
(ミッドランドスクエアのHPより)

こちらは娘が学生時代にアルバイトをしていました。
それがキッカケで東京の築地のお店にお邪魔したことがありました。
その時のブログがこちら

バイトを卒業して4年近くになるにも関わらず、
ちょくちょく顔を出しているようです。
とてもいい店長さんで今もお店を切り盛りされています。

今回お願いしたのは「季節のおまかせコース」。
値段によって品数が異なりますので、その品数から値段を判断してください。
娘の顔を立ててサービスをしてもらったようです。
嬉しくもありますが、申し訳ない気もします。

まずはエビスビールで乾杯。

前菜。
お酒のアテには最高です。

刺身の盛り合わせ。
イワシとブリが最高でした。

そして焼き物。
お寿司屋さんにしては珍しい和風タルタルソース。
これが絶妙なバランスです。

そうなると白ワイン。
こちらは一点勝負。

あん肝と白子。
体はどうなっても構いません。

あまりにもイワシが美味しかったので、息子が光物盛り合わせを注文しました。

どんどんお酒が進んでしまいます。
これならいくらでも頂けます。

そして鯛の唐揚げ。
甘くもありながら程よい塩味。
これもヤバいです・・・。

茶碗蒸しで体を再度整えます。

お寿司の盛り合わせ。

娘のおススメはとろたくですが、どれも美味しい。
これだけでも一人前はあり、いくら寿司好きでもこれ以上は食べれません。
息子はここぞとばかり注文する気満々でしたが、断念しました。

最後はデザート。

息子も大学を3月に卒業、娘も東京での生活にも慣れ、
山田家も変化の大きい一年になりそうです。

こうして半年に一度くらい家族で贅沢な食事を頂くのも大切。
今回は大変お世話になり、ありがとうございました。。

ごちそうさまでした。

映画「ブルーバック あの海を見ていた」

いい映画だ。
素直な気持ちになれるいい映画だ。
それは映し出される広大で美しい海であり、
海底を自由に泳ぐ魚群であり、それを見守る人たちのこと。
そこに懸ける想いがヒシヒシと伝わってきた。

自然と共生する大切さを改めて教えてもらったような気がしてならない。
過度な環境保護を訴えるわけではない。
環境問題に痛切なメッセージを発しているわけではない。
ごく自然に自分たちが大切にすべきことを当然と捉え動くだけ。

より快適で楽な生活ばかりを求める自分がちっぽけで情けない人間に思える。
真っすぐ生きるとはこういったことなんだろう。
もっと大切なことは何か。
映画に感動しながら、こっそりと反省をしてしまった。

本作の舞台は西オーストラリアの海辺。
父を海の事故で亡くした母と娘が海と共存した生活を送る。
環境活動家の母はアワビも獲るが、あくまでも最小限。
生態系は傷つけない。

娘は海で鍛えられ、海の奥深くまで潜っていくこともできる。
そこで出会ったブルーバックと名付けられた巨大な青い魚と心を通わせる。
そのシーンは果てしなく美しい。
そして感動的。

誰しもがそんな海を荒らしたくないと思う。
それは無責任に映画を楽しんでいるからか・・・。

ここにビジネスチャンスがあるなら、どうだろうか。
浅はかな僕は揺らぐ。
本当の姿を見ることはせず、表面的な姿だけ捉えようとするだろう。
きっと世界中でこの手の問題は起きているはず。

本作は現在と過去を織り交ぜながら、何が大切なのかを教えてくれる。
そこに説教臭さも、必要以上の演出もない。
自然体に近い。
ドキュメンタリーを見ている錯覚にも陥る。

主演の娘アビーは幼少期、青年期から大人へと描かれる。
母親ドラは晩年期まで。
2人の役柄を5人の役者が演じる。
違和感はなく、むしろ心地いい。

オーストラリア映画って、なかなかいいじゃないか。
マイナー作品だが、素直な気持ちでおススメしたい。

そして、もう一度、オーストラリアにも行ってみたくなった。
1回しか行ったことはないけど・・・。

映画「女優は泣かない」

僕はこういった小さな日本映画が好きだ。
超豪華な俳優陣を並べず、テーマ設定も地味で低予算で仕上げた作品。
メジャー公開もされないし、大ヒットもしない。
(すみません・・・)

しかし、作り手のこだわりや役者陣の懸命さが伝わる。
そこに大きな魅力を感じる。
そんな日本映画が好きで大切にしたいし、応援もしたい。
本作はまさにそれ。

舞台は熊本県荒尾市。
一昨年、熊本に旅行も行ったが、どのあたりかも知らない。
調べてみたら熊本市よりずいぶん北で有明海沿い。
有働監督の出身地だという。
そのあたりも作品に込める愛着もあるのだろう。

映し出される風景や熊本弁がストーリーと融合し、こちらの気持ちも引っ張られる。
物語はスキャンダルで仕事を失った崖っぷち女優と
評価が上がらない女性ディレクターの人生模様を描くだけ。
(ちょっと失礼な表現かな・・・)

大げさな人間ドラマはない。
新鮮なテーマともいえない。
だが、僕はストレートに感情を持っていかれた。

娘と父の問題が余計に僕を感情的にさせたのかもしれないが、それだけじゃない。
笑うシーンでは笑い、泣くシーンでは泣く。
オーソドックスでありながら、小気味よい演出が感動を生む。

象徴的なシーンで父親が娘に焼き飯を振舞うシーンがある。
その焼き飯がいいじゃないか。
チャーハンじゃなく焼き飯。
きっと美味いはず。
そう思ってしまう。

父と娘の絆は言葉はなくでも、関係性が悪くても太く繋がっている。
どんな娘であろうと父親は応援するし、
どんな冷たい父親だろうと娘はきっと信じている。

主演は蓮佛美沙子と伊藤万里華。
このキャスティングも素晴らしい。
崖っぷち女優とイマイチな女性ディレクターを上手く演じている。

伊藤万理華は「サマーフィルムにのって」のまんまな気もしたけど。
あれがキャラか、演技が同じようになってしまうのか。
まあ、それはそれでよしとしよう(笑)。

女優は泣かない。
泣かないし泣けない。
それもプロ。

素直に感じたい作品だよね。