これからも前向きに 名大社会長ブログ

80年代音楽の繋がり

これまで美容院は経営者仲間のカリスマ美容師の下に通っていた。
とてもお洒落な美容院で場違い感はハンパなかったが、それでも関係性を重視していた。
できればそのカリスマ美容師でカットしてもらうのがいいのだが、何せお店は結構遠い。
自宅からだとさらに遠方。

そろそろ髪を切りたいと思いつつ、お邪魔する時間的余裕がなかった。
そこで近所の美容室を探すことに。
家人が通っている美容院でいいかと思い、そんな話をすると「絶対やめて!」と一蹴。
自分で探すことにした。
こんな時はとことん冷たい。

ググるとホットペッパービューティーから近くのお店がいくつか紹介された。
初めて使うホットペッパービューティー。
娘なんかは上手く割引を活用している。
50代半ばのオジサンがお邪魔しても恥ずかしくなさそうな美容院を探した。

その中の一軒を予約して、早速伺った。
極端な話、誰が捌いてもあまり変わらないと思うが、初回はやはり緊張するもの。
そちらのお店は完全予約制で男性オーナー一人で経営されている美容室。
それなりにお洒落だが若い女性がいない分、落ち着く。

希望だけ伝え、カットしてもらうことに。
当然、世間話になるがこれが意外と難しい。
百戦錬磨の伝説の営業マンの僕もこういった場は苦手。
何を喋ろうか考えてしまう。

そんな時にBGMで流れていたのが、シカゴの「素直になれなくて」。
「こちらは80年代の音楽を流すんですか?」
「嬉しいですねえ~、そんなお客さんは大体同世代なんですよ。おいくつですか?」
「54です。来月で55ですけどね。」
「えっ、同い年です・・・。私は11月で55です」

そんな会話で一気に距離が近くなり、これまでの経験を伺ったり・・・。
コロナで飲み屋さんも大変だよね~というような会話ししているうちに
「同級生の女性も栄で小料理屋をやってるんですが、苦労してます」
「栄のどこですか?」
「住吉町です」
「えっ、なんていうお店?」
「●●●です」
「え~っ、ちょくちょく行きますよ。同級生なんだ」
「ちょっと天然ですけどね」
通の読者ならこの時点で●●●は分かるだろう(笑)。

先月もお邪魔して、あ~で、こ~でと女将の話題で盛り上がった。
そこから日本酒の話にも広がり・・・。

一曲のBGMからこんな展開になるとは思ってもいなかった。
世間の狭さを感じると共に偶然性の大切さも改めて。
たまたま訪れた全く知らない美容院でこんな話に繋がるとは。

当面はカリスマ美容師ではなく、こちらに通うことになってしまうかも。
Nさん、すみません。

ネタ不足を補うたわいもない出来事だが、こんな日もあるわけね。
住吉の女将にもネタの提供にお邪魔しないとね。

映画「喜劇 愛妻物語」

昨年見逃した本作をAmazonプライムで鑑賞。
それも有料で。
いい作品は見放題でなく、しっかりとお金を払わないとね。
偉そうに言うほどでもないが(笑)。

本作の主役は濱田岳というより水川あさみ。
この作品でキネマ旬報主演女優賞を獲得。
雑誌のインタビュー記事ではとてもチャーミングに写っているが、
映画の中の彼女はすさまじい。

「ミッドナイトスワン」のダメな母親役も良かったが、やはり本作はそれを上回る。
旦那役である濱田岳を罵倒し続ける姿は恐ろしくもあるが、可愛らしさもあり憎めない。
すっかり色気を失ったオバさんの香りもするが、
時折見せる愛くるしい表情にはドキッとさせられる。
これが映画の大きな魅力ともいえよう。

それにしても売れない脚本家、濱田岳のダメっぷりにはほとほと呆れるが、どうも憎めない。
娘に対してのモノで釣るとか、噓を言わせるとか、父親としての行動も最低。
見ていて腹も立つ。
しかし、なぜかほのぼのしてしまうし、許してしまう。

それはなぜか。
娘役の新津ちさの演技によるところが多い。
本当にこの夫婦の子供のような無邪気で自然体な演技。
演技ではなくそのまんまじゃなかと思わせる。
天才子役じゃないか。

彼女の母親、父親に対して気を遣う表情。
子供らしいワガママな態度。
そして親への感情。
いやいや、素晴らしい。

軽蔑なまなざしを送る母親、スケベさと情けなさを交互に見せる父親、そして娘。
この3人がロケハンがてらの旅行で家族の崩壊と絆をシンクロさせていく。
状況次第では暗くなりがちな物語だが、本作はタイトル通り喜劇。
ゲラゲラではないが、ほんわか笑ってしまう。

この作品は足立紳監督の自伝小説の映画化だが、よほどだらしない人だっだわけね。
成功したから自伝も作品となる。
やはり男はいい女性に恵まれないと一人前になれない。

水川あさみは屁の一発さえも男を幸せにする。
僕も缶チューハイをストローで飲んでも許すだろう。
いい女性の普段の行いが男を創る。

楽しめる一本でした。

ゲンロン戦記 「知の観客」をつくる

たまたまNewsPicksのホリエモンの番組を観ていたら対談されていたのが東浩紀氏。
哲学の分野では有名な方だが、
僕は名前を聞いた程度でどんな活躍をされているのか知らなかった。

この番組でも本書を宣伝しながら、ホリエモンに対してズバズバと直球を投げられていた。
どうやらホリエモンとの相性はいいみたい。
たまには哲学書でも読んでみようと何も考えずポチっと購入。

現在の資本主義やネット社会の未来について思想を述べられているかと思ったが、全然違った。
「ゲンロン戦記」とは東氏が2010年に創業した株式会社ゲンロンのこれまで。
経営者としての苦悩を描いたビジネス書。

予測していた内容と180度異なったが、いい意味で裏切られた。
面白おかしく悪戦苦闘の物語を読ませてもらった。

世の中には立派な評論家、エコノミスト、コンサルタント、哲学者はごまんと存在する。
僕もそんな方と話をすれば自らの経営をケチョンケチョンに非難されるだろう。
それはある意味、仕事としての役割を追及されるので当然。
やむを得ない。

では、そんな方が自分で企業経営をされたら絶対上手くいくのか。
それは分からない。
経営者として実績を残しその立場になられたのであれば説得力もある。
しかし、そうではないとすれば・・・。

東氏はそうではない事実を自らの言葉で、またその間違いを辛辣に語っている。
それはとても潔い。
言い訳することなく経営の難しさを自らを客観的な視点に立たせているのだ。
確かにここで書かれていることは経営者の資質を欠く面も多い。
(失礼な発言をすいません、コンサルでもないのに・・・)

自らの思いだけではマネジメントはできないという証明。
どんな大きな会社であれ、どんな有能な経営者であれ、働く社員がいて成立する。
誰でも分かることだが、どこかで見誤る。

それを東氏は哲学チックに語っている。

「やっていけそうだ」と思うことと、現実に実現することは全く違う。
やるべきことを発見するというのは、ほかの選択肢を積極的に切り捨てることでもある。

言葉と現実はつねにズレている。

「ほどほどに傷つけあうことができる」コミュニケーションの環境が切磋琢磨には絶対必要。

ゲンロンを強くするためには「ぼくみたいなやつ」を集めなければならないと考えていた。
その欲望自体が最大の弱点だったのです。

等々。
印象に残った箇所をピックアップしてみたが、やはり表現力も重要。

企業の成功物語も学びだが、こうした記録も知っておくのも損はない。
まだまだ知らない世界ばかり。
もっと知を高めないとね。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その176

外に出ると雨が降り出しました。
「しまった、ビルの地下の店にすればよかったかな・・・」
と思いつつ、もう錦通を越えていました。

たまには伏見地下街にも顔を出しましょう。

10年前はシャッター街に近い状態でしたが、
最近は飲み屋さんが増え、活気を取り戻してきました。
コロナの影響はどこまであるのでしょうか?

お店の境と通りの境がないため密は避けられるでしょうが、
それなりの大人しい状態が予測されます。
安いお店を梯子しながらワイワイやりたいところですが、あと少しの我慢ですね。

その通りの途中にある「びーんず」さんに行ってきました。

昔ながらの喫茶店。
入った瞬間懐かしさを感じます。

年齢の割にやたら若い格好をしたスナックのママ風の女将さんが出迎えてくれます。
これもお店のウリの一つでしょう。
名古屋の喫茶店らしいメニューが並びます。

ふと耳を澄ますと店内には80年代の曲がBGM。
「大人の階段の~ぼる、君はまだシンデレラさ~」
H2Oの「想い出がいっぱいが」が流れています。

高校時代大好きだった「みゆき」を思い出します。
「オレは鹿島みゆきの方が良かったな・・・」
と感傷に浸りながら、スナックのママ風の女将さんに注文します。

正統派の喫茶店らしくスプーンとフォークがナプキンに包まれます。

おすすめランチ 850円

こちらのお店は鉄板イタリアンや鉄板インディアンが有名ですが、
やはりオススメで攻めるべきでしょう。

正統派な喫茶店らしくミートスパゲティとピラフのセット。
若者は大喜びでしょう。
しかし、ここは来月55歳を迎えるオジサン。
これだけの量は結構しんどいですが、80年代を思い浮かべ頑張りました。

味も昭和を感じさせる素朴さ。
しっかりと完食しました。

コーヒーとデザートがつくのも嬉しいですね。
デザートはヨーグルトにフルーツポンチ。

これだけでもホッとしますね。

会計はもちろん現金のみ。
PayPayもIDも何とかも使えません。

ごちそうさまでした。
いつもでも昭和な雰囲気を残してもらいたいですね。

伝統的な寺を大改革した元銀行マン

先週は時間を見つけて「日経トップリーダー プラチナフォーラム2021」に参加。
例年であればリアルでの開催だが、昨年、今年はオンライン。
品川プリンスホテルのあの雰囲気も好きだったが、このコロナ禍の中ではやむを得ない。

今年は日経トップリーダーの北方編集長と築地本願寺の安永雄玄代表役員の講演を拝聴。
北方編集長の「失敗の法則」は2年前のFBAAの記念講演会での内容と近い。
改めて「成功はアート、失敗はサイエンス」を認識。
失敗については再現性が高く、企業が潰れる理由も共通する点が多い。
やりきれないから失敗する・・・。

肝に銘じなければいけない。

今日のブログネタは築地本願寺の安永氏の講演。
こちらが思いのほか面白く、かつ勉強になった。

「伝統的な寺を大改革した元銀行マン」
ブログタイトル、そのまんま(笑)。
安永氏は都市銀行に長く勤務された後、コンサルタントを経て住職になられた異色の方。
話しぶりも住職というより経営者が登壇されているよう。

宗教界の環境変化に伴った新たなマーケティング戦略はとても新鮮。
そもそも僕の中にお寺の経営改革なんて発想がなかった。

僕の実家でも檀家はあり、法事などではお世話になっている。
父親の死去の際は随分と勉強もさせてもらった。
僕らのような資本の社会とは別で需要は減少しているとはいえ、
守られている世界だと思い込んでいた。

しかし、よく考えれば実情は理解できるはず。
急激な人口減少や葬儀に対する意識の変化により、お寺を必要とするニーズは減る一方。
僕は田舎育ちで関係性もあるが、一般的には檀家がない家庭もあるだろう。

宗教界で代表役員は聖と俗に分かれ、聖は教えを説く責任者、俗は法人の経営の責任者。
学校でいえば学長と理事長にあたるのか。
宗教法人は公益法人であり、公益的役割が求められる。

全く違う見方をすればサービス業とも受け取れる。
しかし、世間とのギャップは大きく、宗教団体の信頼度は低い。
上から目線で顧客視点がないのも大きな理由。
今までお寺に対し、そんな捉え方をしていなかったが、
当たり前といえば当たり前。

そこに危機感を感じた安永氏は様々な改革を行った。
反発は当然ついてはくるが、少しずつ成果を出すことで築地本願寺の住職からも支持を得ていった。
それは企業の生き残りをかけた改革に近い。

お洒落なカフェを本願寺内にオープンしたり、ヨガやセミナーを提供する銀座サロン、
寺婚という結婚相談所も運営されているという。
古い考えの持ち主であれば違和感しかないが、これがお寺におけるイノベーション。

来訪者は増え、合同墓や納骨堂に予約される方も多い。
新たなニーズを開拓しているわけだ。
どんな世界でもイノベーションは起きているわけだし、
起こさなければますます厳しい時代になっていく。

そんな話を聞けただけでも十分参考になった。
安永氏はそんなビジネス視点の話だけでなく、宗教家らしい生き方の話も。

その中のひとつに承認欲求を否定し、ありのままの自分を受け容れるというものも。
自らのダークサイドを理解し受け容れる。
それが大切。

これから生きていく上で少なからず気持ちがラクになったような・・・。
うちの檀家のご住職も有難い話は頂けるが、今回も有難い話が伺えた。

たまには普段とは異なる方の話を聞くのも重要。
もう少しこの分野の勉強もしないとね。

とても参考になりました。

たまには日帰り旅行も

先週金曜日は休みをもらって家人と日帰り旅行。

これまで会社を休んで家族と出掛けることはほとんどなかったが、
少しはそんな時間を持つのもいい。
家を追い出されないためにも・・・。

向かったのはこちら。

初めて乗った近鉄しまかぜ。

平日で空いているせいもあるが新幹線のグリーン車よりも快適。
こんな記念乗車証も渡してくれる。

家人が最新トイレの使い方が分からず、「一緒に付いて来て欲しい」という。
まあ、そんな姿も可愛かったり・・・。

賢島に到着し送迎バスに乗り目的地へ。
伊勢志摩サミットの会議でも使用された「賢島宝生苑」さん。

こちらで食事をして温泉に入るのが今回の目的。
それ以外には何もない。
家人孝行はあるが、後ろめたいことは一切ない。

案内されたのは窓側の席。
向かい合わせではなくお互い並んで食事を頂く。
コロナ禍の観光地の現状を描いているのだろう。

立派なホテルで食事をするのは僕ら含め3組のみ。
もう少しお客さんが入ってくれると賑やかな雰囲気になるけど。
途中からは貸切状態。ちょっと寂しい。

まずは三重県のクラフトビールを頂く。
家人がメニューを眺めながら、
「アオキスーパーなら●●円なのに、こんなに高いの?」
「ここはホテルだからね。」
まあ、そんな姿も可愛かったり・・・。

伊勢神宮の神宮御料酒に選ばれたお酒を頂き、

オリジナル燗酒も頂いた。
作や半蔵という三重の名酒と迷ったが、宮の雪も三重を代表するお酒。

それに合う料理も・・・。

食後は温泉へ。

こちらのウリは露天風呂でもある。
風呂場から50メートル先の露天風呂に向かう。
賢島全体が見渡せる美しい景色。

これがなんと貸切。
こんな贅沢はない。
と同時に勿体ないと思ったり。
家人も貸切だった。
時間もあったので庭園を散策。

こちらは2016年、伊勢志摩サミットで使われた「庭園」。
天気が良ければ、すこぶる気持ちが高揚しただろう。

こんな場所で飲み会ができるのであれば、
いや、会食ができるのであればどれだけ盛り上げれるだろうか。
国同士のくだらないグダグダも解決するのではないか。
オープンマインドでいこうじゃないか。

そんなことを酔った頭で考えながら、フラフラと歩き回った。
初めてお邪魔した賢島。
東海地区にはまだまだ魅力的な場所は多い。

電車に乗って、美味しいお酒を飲んで、温泉に入ったという単純明快ブログだが、
たまにはこんな平日があってもいい。

いい癒しの時間を作ることができました。

映画「BLUE ブルー」

ボクシングが人気が高いスポーツかといえば必ずしもそうではない。
他に人気の高いスポーツは多い。
しかし、なぜかボクシングを題材とした映画は多い。

代表作「あしたのジョー」は除くが、
(山Pじゃなくてね)
日本映画でも「どついたるねん」「ウェルター」「キッズリターン」「百円の恋」あゝ、荒野」、
最近でいえば「アンダードック」と優秀作が並ぶ。
「アンダードック」はまだ観ていないけど・・・。
どれも暗くてちょっと重い。

「ロッキー」のようなアメリカンドリームを描くサクセスストーリーは皆無。
それはハングリーさを追求するボクシングを象徴しているし、
プロでも食べていけない世界では耐える生活もクローズアップされる。

僕はそれが嫌いではない。
ボクシングは話題の世界戦くらいしか見ないが、映画はなぜか惹かれる。
主人公はほとんどやつれているが、それが人間らしくて惹かれるのかもしれない。

本作もそう。
必ずしもハッピーな世界ではなく、ひねくれた面も多い。
その方がリアル・・・。

松山ケンイチ演じる瓜田は全然勝てないボクサー。
誰よりも練習熱心で分析力もあり、ボクシング愛もある。
しかし、弱い。
生意気な若手の後輩に罵られても飄々とした態度で接する。
自然体にも思えるし、思い切り感情を押し殺しているとも受け取れる。
それは相手に対しての態度というより、努力が報われない自分自身に向く。

ボクシングに限らず、他のスポーツでも仕事でも勉強でも同じではないか。
努力を積み重ねても一つの才能には木っ端微塵。
池江璃花子は「努力は裏切らない」と言ったが、
残念ながら裏切る努力もある。
とても儚い。
だが、とても愛おしい。

松山ケンイチに自分をダブらせる人は多いんじゃないのかな。
僕もどちらかといえば松山ケンイチ同様、青コーナーに属する。
このあたりが映画のタイトルになっているわけね。

好きになるもならないもふとしたキッカケから。
それはキャリアの世界も同じ。
忘れてしまうようなキッカケであっても本人にとってはかけがえのない存在になる。

辞めようと思っても、捨てようと思ってもできない。
何がそうさせるのだろう。
ラストシーンから人間の愚かさとひたむきさに喜びを感じた。

前に進むことも止めてはいけない。
これも大切な道なんだ。

ボクシング映画は面白い。
早く「アンダードッグ」も観たい。

映画「騙し絵の牙」

本作か「ゾッキ」か迷ったが、こちらを選んでしまった。
愛知県民なのに裏切者。
蒲郡のみなさん、申し訳ありません。
大きな理由はなく直感でしかありません・・・。

人を騙して騙されてどんでん返しの繰り返しの映画かと思ったが僕は別の捉え方。
正しい表現かは置いておいて、池井戸作品の出版業界編。
そんな印象の作品。

池井戸作品は主に金融業界を舞台に人をぶった切っていくが、本作は出版業界でそれを描く。
あくまでもビジネス視点は外さない。
映画評論仲間のヤブさんが「ビジネススクール頭」で本作を語っていたが、なるほど、頷ける。
僕もビジネスの立ち位置で自然と観てしまった。

業界の再編、リストラ、マーケットの縮小、大いなる遺産の功罪、伝統の死守と大胆な改革・・・。
企業の発展と生き残りを賭けて戦う姿はビジネスそのもの。
一般的にはエンターテインメント作品だが社会派ドラマといっても大袈裟ではないだろう。

最終的に勝負の分かれ道もビジネスにおける先読みの力。
商品の差別化には大胆な戦略は必要。
それを教えてくれた作品でもあった。

では、本作が硬派で重い作品か?
いやいや誰もが楽しめる娯楽作。

俳優陣も裏切らない。
やっぱりの大泉洋、やっぱりの佐藤浩市、やっぱりの佐野史郎、
やっぱりのリリーフランキー、やっぱりの斎藤工、やっぱりの小林聡美。
見事にマッチしている。

最近、バラエティ色が濃くなった木村佳乃もいい雰囲気だし、
個人的には一押しの松岡茉優もさすが。
役者の特徴をうまく捉え、それが功を奏す出来になっている。

池井戸作品なら最後は大泉洋が佐藤浩市をコテンパンにするんだろうがそうはならない。
いや違うな、松岡茉優が大泉洋をコテンパンにするのか。
そうもならないが、見どころは多い。

アイデアは簡単には生まれない。
基本はパクリに何かを加えることで新たなアイデアに繋がる。
そこに真摯な行動や傾ける情熱が重なる。
きっと観た人は理解してくれるだろう。

当初の想像とは違ったが、楽しめた一本だった。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その175

春の陽気に誘われて、体は勝手に外に向かいます。
この季節は時間に余裕があればランチも少し遠い場所に向かいます。
伏見駅を越え、名古屋観光ホテルの手前にある「しゃなりしゃなり」さんに行ってきました。

毎週、名古屋観光ホテルにはお邪魔するので以前から気になっていたのです。
「少しも遠くないじゃないか」という伏見に詳しい方からのツッコミが入りそうです。
まあまあ大事なのは気持ち。
これからも遠足気分で遠出できる日はいくらでもあるでしょう。

こちらは料亭の味を味わえる創作和食居酒屋。
そう紹介されていますが、夜にお邪魔したことはありません。
しかし、なかなかいい雰囲気の店内。
カウンターでしっぽり飲むにはいいかもしれません。

目を横に向けると大釜度が並びます。
どうやら魚沼産コシヒカリをここで炊き上げるようです。
そして飲み放題には八海山の吟醸酒も含まれるとのこと。
呑み助には飛び跳ねて喜ぶかもしれません。

ランチは3種類。
日替わり御膳は肉か魚を選べるようですが、ここは迷いはありません。

海鮮丼定食 1000円

海鮮丼単品ではなく海鮮丼定食。
サラダも小鉢も茶碗蒸しも付きます。
ご飯も大盛無料です。
気持ちは大いに揺らぎますが、ここは優雅な気分で攻めたいところ。

海鮮丼にはまぐろ、鯛、ほたて、サーモン、いくら、なぜかささみ等。
真ん中に黄身がド~ンと構えます。
これは豪快に食すしかありません。

グワシグワシと音をたてながら勢いよく食べ続けます。
息継ぎすることもなく、あっという間に平らげてしまいました。
お客さんが待っているわけでもなくお店が混んでいるわけでもありません。

「もっとゆっくり食べればいいじゃないか・・・」
貧乏性の自分に語りかけます。
それでも勢いは大切。
丼物は豪快にいきたいですよね。

別の機会があれば、冷酒と共に丼の上の刺身を肴にチビチビとやりたいですね。
その時は八海山なのでしょうか。
妄想は膨らみます。

ごちそうさまでした。

祝・10周年 中部経営塾

先週金曜日は「中部経営塾4月例会」。
盟友櫻山さんが代表幹事を務める若手経営者の勉強会グループ。
もう若手とはいえないか・・・笑。

今回で10周年を迎えられた。
パチパチ。
何事も続けることは重要。

毎年4月は鬼澤慎人講師を招いてリーダーシップを学ぶ。
昨年はオンライン開催に切り替わったが、ここ数年は名大社のセミナールームでの開催。
その関係もあり僕も毎年のように参加させてもらっている。

一昨年の例会もそれ以前の例会もブログに書いている。
う~ん、いいこと書いているのに忘れてるね(汗)。

できれば名大社の幹部メンバーも参加させたかったが、20名限定のため諦めることに。
櫻山さんの挨拶から始まりセミナーへ。

「アフターコロナのニューノーマル 激動の2020年代に求められるリーダーシップ」
鬼澤さんは一方的に話されるのではなく、グループでのコミュニケーションが中心。

お互いがお互いの考えや取り組みを披露することで気づきを得る。
僕も何度も体験しているが、リアルな実践を学べる貴重な場。
今回も異業種の経営者との交流で新鮮な取り組みを理解することができた。

リーダーとして能力やスキルを導くことができるか、
メンタルのフォローができるか。
両方できれば問題ないが、
(両方ともできないのは問題だが・・・)
どちらかを積極的に取り組むこともいい仕事。

それも大きな役割。
いずれにしても「感謝の気持ち」が伴わなければお互いが通じることはない。
お互いの健全な関係性を作るためには「聴く」ことが大切。

「聞く」ではなく「聴く」。
分かってはいるんだけどね。
「聴」という字は「聴す」。
何と読むか?

変換でも出てこない。
調べてもらうといい。
あ~、なるほどね。
漢字ってうまい具合に構成されているね。

そして以前にも習ったこと。
学力の定義も変わり、現在の学力とは、
1.知識、技能
2.思考力、判断力、表現力
3.主体性、多様性、協働性

3年前のブログにも書いているのに、半分しか言えないのは・・・。
どれだけいいことを学んでも月日の経過と共に消えていくね。

鬼澤氏はそれを把握された上で話される。
う~ん、まだまだ未熟さを抱えたまま・・・。
僕だけじゃないからね(笑)。

アップデートしては元に戻ってしまうリーダーシップ。
学び続けることは維持することでしかないかも。
「意味づけ」も重要。

今回も勉強になりました。
そして、10周年、おめでとうございます。
これからも楽しみにしています。

ありがとうございました。