これからも前向きに 名大社会長ブログ

無二の記憶を刻むために

暗闇の強制力があるから、
作り手と深くつながり、
無二の記憶となって刻まれる

ステキなコピーだ。
日曜日の日本経済新聞NIKKEI The STYLEの文化時評の記事。
この欄は時々もの凄く興味深い記事が掲載されるので、結構楽しみだったり。
芸術の分野が高尚すぎてついていけない時もあるけどね(笑)。

この日は「コロナ禍を生きる小さな映画館」としてミニシアターの現状について書かれていた。
名古屋でいえば「シネマスコーレ」や「シネマテーク」がそれにあたるが、
会社に近い「ミリオン座」も近い存在。

僕はシネクラブ会員となり、ちょくちょく通っている。
マイナー作品の上映が多いので、元々、観客がいっぱいになることは少ないが、
たまに話題作が上映され満席に近かったり・・・。

それがコロナウイルスの感染拡大の影響でしばらく休館。
再開後も座席数は半分にして対策を取っている。
ただ観客は少ない。
お客さんの不安は大きく、客足が戻るには相当時間が掛かるだろう。

僕なんか身勝手に映画館が一番安全な場所じゃないかと思っている。
換気にはかなり気を遣っているようだし、マスクも着用している。
誰も喋らないので飛沫防止は万全。
席の間隔も十分。

映画館はもっと堂々とすればいい。

経営が心配になるが、クラウドファンディングでかなりお金も集まったようだ。
少なからず協力はさせてもらった。
もっと映画館に行くべき・・・。

僕もAmazonプライムで映画を観るが、基本は映画館。
やはり違う。
その魅力が・・・。
冒頭のコピーがそれを上手く表現している。

僕がAmazonプライムで観た「劇場」はミニシアターとの同時公開。
映画館で見た後にAmazonで観た人も多いという。

しかし、映画館で味わった気持ちの高ぶりはないと記事には書かれていた。
自宅ではあの暗闇は再現できないと・・・。
僕も映画館で観ていたら、山崎賢人の気持ちがもっと分かったかもしれない。

まだまだ映画館に足を運ぶことに抵抗感がある人も多いだろう。
その気持ちは分からなくはない。

でも、僕は十分安全対策を行った上で通う。
それが大切。
無二の記憶を刻むために。

食べ物のはなし 特別編 郡上八幡

たまには伏見だけでなく愛知県を離れたいものです。
向かったのは岐阜県郡上市。
かなりの距離があるような気もしますが、
自宅から高速道路を使えば、1時間ちょっとで街のど真ん中まで行けます。

京都だって2時間で行けるわけですから、車でちょっくらお出掛けも家庭円満には必要です。
向かったのは郡上八幡の城下町。
南町にある「アンキア郡上」さん。

100年以上経つ古民家を改装し、約2年前にオープンしたイタリアン。
こちらにお邪魔したのはもちろん初めてのこと。

しかし、オーナーの北山さんとは30年近いお付き合いです。
2年前まで住吉町でレストランバーを経営され、地元の郡上に戻られました。
まだ彼が20歳そこそこの時に僕が通っていたBARで働いていたのがきっかけ。

途中ブランクはありましたが、こんな偶然から再開。
その時のブログも引っぱり出しておきましょう。

そんなこともあり、久しぶりに北山さんのお店にお邪魔しました。
彼もかなり喜んでくれ、平日のランチタイムにも関わらず特別な料理を用意してくれました。
イタリアンではあるものの、和のテイストも取り入れ、郡上の食材をふんだんに利用しています。
特に水がキレイな郡上で育った野菜はおススメですね。

まずは前菜盛り合わせ。

そして、北山さんお得意の手作りキッシュ。

隣の女性は生ビールを頂いた後、ノンアルカクテル。

しがないドライバーはノンアルコールビールで我慢します。
特製サラダ。

地元の湯葉となんとアワビも入っています。
トウモロコシも甘くて美味しい。

そして、飛騨牛。

きっと中津川あたりのお肉屋さんも喜んでいるはずです。
満席だった店内も気がつけば貸し切り状態。
昔話から最近の郡上事情まで話も弾みます。

そして、鮎とムール貝のパスタ。

鮎のパスタなんて初めてでしたが、さすがの腕前でした。
最後は自家製アイス。

今回は特別なメニューなので値段の表記はしませんが、
これだけの食材を使っているのにビックリするようなお値打ちさ。

「北山くん、そんな気を遣わなくていいから・・・」
「せっかく山田さんに来て頂いて、僕は本当に嬉しくて嬉しくて・・・。楽しみにしていました。」
何年も自分のお店を切り盛りすると言葉も巧みになってきます(笑)。

できればワインと一緒に食事をしたかったですが、次回にとっておきましょう。
気持ちのいい時間を過ごさせていただいました。
ごちそうさまでした。
そして、ありがとうございました。

郡上に遊びに行かれる方はぜひお立ち寄りくださいね。

少しは経済活動もしないと・・・

先週は平日に休みをもらった。
名大社はお盆休みの他に7月~9月までに2日間自由に休みを取得できる。
僕は該当しないが、誰にも迷惑に掛からない日を見図って取得。

それが先週。
たまには夫婦二人でのんびりするのいいと思いながら、遠出はまだできない。
長期休暇の余裕もない。

あれこれ考えた末に選んだのは郡上。
岐阜県の非常事態宣言も解除されたこともあり、出掛けることにした。

僕は岐阜市出身。
郡上市は実家から一時間程度の場所。
国道156号線を上って行けば辿り着く。
学生時代、下道でスキーに行く時は大体そのルートを使っていた。

身近ともいえるが、僕にとっては近くて遠い。
ほとんど街自体に触れたことはない。
郡上踊りの経験もなければ、お祭りに参加したこともない。

一度はゆっくりと過ごしてみたいと思いながら、機会がなかった。
ようやくこの歳になってお邪魔する時が来た。
いつでも行こうと思えば行けるんだけど(汗)。

天気が良ければ阿弥陀ヶ滝に行く予定だったが、台風の影響で早々に諦め、
向かったのは郡上八幡城。

日本最古の木造再建城であり、日本の100名城にも選ばれている。
どの季節か、どんな天候かで、いろんな顔を持ち、城マニアを喜ばせる。
車で近くまで行けるが、そのルートはハードでまあまあなドライビングスキルが求められる。
郡上八幡城はあいにくの雨だったこともあり、ほぼ貸し切り。

戦国時代、ここから城下を眺めながら、誰の味方になるのか考えていたのだろう。

それを想像するだけで面白い。
紅葉シーズンは激混みしそうな予感。

その後、道の駅に寄り、昼食へ。
昼食の模様は人気食べ物ブロガーに譲りたい。
お邪魔したお店が中心地になので、そのまま散策。

郡上は水がきれい。
あちこちで川が流れている。

郡上八幡町旧庁舎はお土産も売っていれば、食事もできる。

鯉も恵まれているのだろう。

まん丸と太っていた。
もっと動きなさい。

同じ岐阜県でも高山とは違う趣。

よりコンパクトだが、お互いが分かち合っているような。
今年は郡上踊りも中止になり、街は寂しいようにも映っていた。

街ぐるみで盛り上がれる時期は必要。

そして、少しでも経済活動をすべき。
ただ僕ができることといえば、食事をし地元の名産を購入するくらい。
郡上の酒蔵の日本酒を購入。

こちらの銘柄が代表選手らしい。

夜が早い町だが、できればいくつかのお店でお酒を飲み、
ブラブラと街を散策し、適当に温泉に浸かり、翌朝、川沿いをランニング。
この先、そんな時間が作れるといい。

まずは小さな経済活動から。
明日はステキなお店も紹介したい。

ブランディングは中小企業を救う!

最近、愚か者本部の活躍が目覚ましい。
メンバーが相次いで書籍を出版しているのだ。

少し前は名誉本部長である釘崎さんがこの2冊。
『「最高の人材」が入社する採用の絶対ルール』や『採用力検定 公式テキスト』。

そして、この8月末に副本部長の櫻山さんが本書を出版。
出版早々、アマゾンでは品切れでかなりの売れ行きのよう。
いずれも愚か者本部の責任者である本部長を差し置いて先生になってしまった。

一体何の話をしているんだ!という方も多いだろう。
愚か者本部の活動は割愛するが、それだけ有能なメンバーで構成されているのは理解できるはず。
本部長には一向に声は掛からないが、知らん顔をしておこう。

そんな前置きはどうでもいい。

著者の櫻山さんとの出会いは8年前。
経営塾で櫻山さんが講演されたのがきっかけ。
その時のブログはこちら

共通の知人もあり、そこから意気投合し一緒にいろんなことを仕掛けるようになった。
同級生というのも大きい。
「ハゲタカ鑑賞会」とか「古事記の会」とか、仕事か遊びか分からない企画もあるが、
ここ数年はマジメに「名古屋ファミリービジネス研究会」を立ち上げ、
パートナーとして一緒に企画・運営をしてきた。

本書でも触れているが、櫻山さんはブランディングの講師として、
ファミリービジネスにおけるブランドの在り方を分かりやすく語られてきた。
僕はこの研究会でも、櫻山さんのセミナーでも幾度となく話は伺っている。

僕の頭が貧弱なせいもあるが、その都度、新しい発見もあり、いい学びを頂いている。
常に新しい情報も盛り込み、最近のブランディングの傾向から不変のテーマまで幅広く話をされる。
このブログでも何度も紹介しているので、時間のある方は検索してもらいたい。

そんな意味でいえば、本書は櫻山さんがこれまで提供してきた内容を一冊に凝縮させたもの。
伝えたいことが全て詰まっているといえる。

本書は啓蒙だけに留まらない。
実際にブランディングに成功した地元の中小企業も登場し、その重要性を明かしている。
名大社がお世話になるクライアントも堂々とした態度で・・・。

基本的には企業のブランディングを説いているが、僕は自身のブランディングにも触れていると感じた。
櫻山さん自身のブランディングのための行動も全公開。
大体のことは知っているつもりだが、そこに書かれている「習慣」は並大抵のことではない。

本人にとっては必要不可欠なルーティンだが、それを真似るのは難しい。
個人のブランディングとして学ぶべき点も多い。
本当に愚かなのは本部長だけなのかもしれないね(笑)。

幸い今週は2人でサシ飲みの機会もある。
本書が酒の肴になることも多いだろう。

その時に伺ってみたいのは「mini Think Week」。
本当は「Think Week」として一週間くらい世間から離れ、考える一週間を設けたい。
現実的にはそれは難しいので、近々「mini Think Week」は設けたい。

そんな話もできるといい。
グデグデになって愚か者にならなきゃいいけど・・・。

中小企業の経営者だけでなく、自分をブランド化させたい個人にもおススメしたい1冊。
ぜひ!

「仕事映画」に学ぶキャリアデザイン

いやいや、面白かった。

キャリアを大学で教える講師として、
名古屋のカリスマキャリアカウンセラーとして、
映画コラムニストとして、
そして、就職支援会社のトップとして・・・。

こんな書籍の存在が新鮮と共に、こんな切り口で映画を語り、
労働環境や働き方を語ることが何よりいい学びだった。

本書は著者の一人梅崎先生から送って頂いた。
(そのタイミングで、ちゃんと自分でも購入もしてます!)
なぜ送って頂けたかといえば、昨年6月に学習院大学に通ったのが、きっかけ。

「映画の中のキャリアデザイン」
こちらのブログでも書いたが、間もなく会長になるパフ釘崎社長に誘って頂き、
映画を通してキャリアを学ぶ機会を頂いた。

その時の担当教授が梅崎先生。
大学の授業なんて楽しんだことがなかったが、この時はワクワクしながら受講。
第2回目の授業もブログに書いている。

そんな授業でのケースをまとめられたのが本書。
授業では1本もしくは2本の映画を題材にキャリアを描いていたが、
本書では一つ一つの作品から職業や変動する労働環境を描いている。

日本映画で変動する社会を並べても、
あゝ、野麦峠~ALWAYS三丁目の夕日~フラガール~スーパーの女
と変化していく。

時代時代の女性の働き方を描くだけで、
国内における女性のキャリアを変遷を知ることが可能。
今までそんな視点で映画を観ていなかったので、新たな楽しみも増える。
ストーリーや演出だけでなく、
時代背景と共に当時の立場を理解させることは映画の役割としても重要。

「映画=芸術」「映画=娯楽」から
「映画=教養」「映画=時代認識」へと移っていく。

社会派映画コラムニストとして果たすべき役割が認識できた。
これから僕が生きていく道になるのかな。
どうみても食べてはいけないと思うが・・・。

本書では洋画、邦画合わせて22本が紹介されている。
実際、僕が観たことある作品は11本。
やはりイギリスの名匠ケン・ローチ監督は観ておくべきだね。

そして、もう1本、「天国と地獄」。
黒澤明監督の名作だが、本書に書かれる観点で観たことはない。
20年以上前の話だし・・・。

モノクロにこだわった黒沢監督が一瞬だけカラーの映像にしたのは有名だし、
そのサスペンス劇は楽しめるが、これからは「仕事映画」としての視点も。
セリフを含め格差がもたらす影響も知っておくべき。
「天国と地獄」は近いうちにもう一度観よう。

これまで出会うことのなかった分野、いや世界を教えて頂いて感謝。
梅崎先生、ありがとうございました。

クソ暑い毎日だから…。ランニング日記2008

9月に入っても暑い日は続く。
愛知県の8月の猛暑日は22日。新記録?
確かにこう毎日うだるような暑さが続くとそれだけでもうんざりするし、
それに加えマスク着用となるとしんどさも増す。

熱中症が増えるのもやむを得ないが、自分自身は体調管理を行い、
こんな猛暑にも耐えうる体力を維持せねばならない。

それが目的ではないが、この8月も猛暑が続く中、コンスタントに走った。
毎年8月は夏季休暇も重なり日程的な調整はしやすい。
しかし、過去のブログをチェックすると一度も目標をクリアしたことはない。

せいぜい70~80km程度の距離。
暑さとか雨を言い訳にしていたようだ(苦笑)。
大会もないのでモチベーションが上がりにくい季節でもある。

まあ、これも言い訳。
そんなことばかりではこのランニングブログも止めた方がいい。

この8月も歴史的な猛暑が続いた。
クソ暑い日ばかりなのは事実。
そんな中で、どれだけ走ったのか。

なんと104km。
今年3度目の目標達成。
快挙だ!

といっても理由は明確。
飲み会がなく翌朝がラクになった。
ステイホームで時間的余裕ができた。
それだけのこと。

ライバルも走り始めたようだが、鼻クソのような距離なので(笑)、話にならない。
基本的に朝6時台のランニングだが、それでも走り終えた時は汗でグショグショ。
全身汗だらけで気をつけて浴室に向かっても汗がボタボタと落ちる。

それを見つけたカミさんは露骨に嫌な顔をしながら、
「ヤマちゃん、汗、拭いといてよ」
と冷めたひと言。
頷くしかないですね。
小さいことを気にするなと言いたいが・・・。

目標達成し、大いに汗をかいた8月だが、体重が減ることはない。
全く変わらない。

これも理由は明確。
ビールが美味すぎる。
この夏休みはまあまあ昼から飲んでいた。

走ったせいもあるが、庭の手入れをしたことで、半年分の汗をかいた。
水分補給は必要。
それもガソリンが必要。
燃費が悪いので、どんどん注入しないといけない。
それが理由で体重は減らないようだ。

走らなかったらどうなるんだろうね・・・。
それを考えると怖い。

そんな8月だが、さすがにペースはゆっくりでキロ6分前後。
それでも結構きつかったり・・・。
今月は少しは涼しくなるのか。
連続の目標達成は難しいが、スピードも上げていきたいね。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その150

気がつけば伏見シリーズも150回を迎えることになりました。
記念すべき100回が昨年9月。
約1年で50回というわけです。

毎週毎週飽きることなく、時に番外編や特別編を織り交ぜ書いているので、
当たり前といえば当たり前。

これはいつまで続ければいいのでしょうか。
本当に喜んでもらえてるのでしょうか。
ふとそんな考えが頭をよぎりますが、深く考えても空しくなりますので、
いつものように人気食べ物ブロガーとしての責務を果たしていきましょう。

とはいえ節目となる150回。
それなりに盛り上げなければなりません。
まだ紹介していない人気店に行くべきでしょう。

向かったのは伏見通りを北に向かったところにある「豚郎 伏見店」さんです。

この界隈では人気店でお昼時は並びます。
この日は11:45に入店したのですが、それでも数組が既に待っていました。
さらに早めの行動が求められます。

こちらのランチは丼物がメイン。
一番人気は豚カルビ丼定食。
並、大、特とありますが、9割ほどのお客さんは豚カルビ丼定食を注文しています。

ここはあえて勝負を臨むべきでしょう。
「すいません、三河豚極上ロース丼定食の並でお願いします。」
と勇気を持って注文します。
実際はそのまま言うと舌を噛みそうなので、
メニューを見ながら「これの並をください。」と言っただけですが・・・。

こちらのお店はテーブルの引き出しに箸や調味料が収まっています。

テーブルの有効活用ですね。

三河豚極上ロース丼定食(並) 1300円

ちなみに一番人気のカルビ丼定食(並)は750円。
ここは150回記念。
お店側にそれを伝えながら、
(本当は伝えていません)
バーンと盛大にいかねばなりません。

三河豚の極上ロースって、どんな感じ?

こんな感じです。
そそくさを写真を撮っているようでは伝わりにくいですね(汗)。
お肉は甘みがあり、ほどよい歯ごたえ。

そんじょそこらの豚ロースとは違います。
そんな気がしてなりません。

こちらはキャベツはお替り無料。
最近は野菜が高騰しているとニュースで流れていました。
ここは卑しくも目ざとい人気食べ物ブロガー。

「すいません、キャベツをお願いします。」
どうしても食べたいわけではありませんが、ついお替りをしてしまいました。
これも150回記念というオメデタイ行事と捉えてください。

美味しい牛肉もいいですが、美味しい豚肉もいい。
特に50歳を過ぎると豚肉の方が体に合うのかもしれません。
ごちそうさまでした。
次回は普通にカルビ丼定食を注文します。

昭和16年夏の敗戦

毎年、お盆の時期を迎えるとこんな広告が掲載される。
確か昨年もこれに近い広告が掲載されていた。

これをきっかけに読んだのではない。
もう随分前に友人がおススメしていた。
5年ほど前にたまたまBOOKOFFで見つけ購入。

半額だったか、100円だったかの記憶はない。
読もうと思いつつ、長い間寝かせていた。
その段階で失格だが、ようやくこの夏に読むことができた。

第二次世界大戦を描いたノンフィクションだが、
同時に「マンガ日本の歴史」も読んでいたため、より理解が深まった。
最新の文庫版は著者の猪瀬氏と石破茂氏との対談のようだが、
僕が読んだ文庫版は勝間和代氏との対談だった。

最近、あまり名前を聞かないような気もするが、どうされたのだろうか。
一時期は書店を占領していた思うが(笑)。
時代の変化なのかな?
ここでも投資とリターンに触れていたのは面白いけどね。

僕は本書を読むまで総力戦研究所の存在を知らなかった。
無知は罪とはこんなことを言うのだろうが、
それは教科書にも出てこなければ、これまで読んだ歴史の書物にも登場しない。
(そもそも読んでいないという話もありますが・・・)

戦争となると映画にしてもそうだかどうしても感情面を描くケースが多い。
それにより戦争の悲惨さや無意味さを語るのは重要だが、そもそもの話が削られることも多い。
客観的な視点は反戦的なメッセージがほとんどで、別の視点は少ない。
その点では本書で描かれた無謀な戦争へのプロセスは語り継がれなければならない。

「わが方には大和魂がある」
そんな精神論を振りかざすことがここでは悪と捉えられる。
冷静に見れば僕でも当然だと思う。

しかし、その精神論を振りかざすことは普段ないだろうか?
自身に対して問えば、精神論で物事を語ることは少なくない。
論理立てて、環境を分析しそれに基づいて話をしているかといえば、
そうじゃないことも多いのではないか。

東条英機を批判できないじゃないか(笑)。
彼も相当迷いながら決断したわけで、結果的にみればそれが誤っていたわけで、
だがその時はそんな判断しかできなかった。

自分に置き換えた場合、どうだろうか。
そんな究極の選択はないが、常にそんな意識は持つべきだろう。
トップに求められるのは最終的な決断。
その決断次第で全てが変わる。

いかんいかん、本書の感想が違う方向へと向かっていく(汗)。
歴史を知ることはこの先を予測することでもある。
同じ日本人として何を気をつけるべきか。

それを理解できたこともいい。
どうもまとまりが悪くなったが、夏に読むべき一冊。
もう9月だけどね。

映画「グッバイ、リチャード」

今年公開の映画はリチャードの名が使われることが多いな・・・。
といっても「リチャード・ジュエル」だけか。
映画コラムニストの宣伝をしただけですね(笑)。

主演はご存知ジョニー・デップ。
あれだけ作品が公開されているのに僕はほとんど観ていない。
パイレーツ何とかシリーズも1本も観ていない。

調べてみると前回が「ブラック・スキャンダル」
おっと、これも自分の宣伝になってしまった。
その前は「ギルバート・ブレイク」と相当さかのぼる。
さすがにこの作品はブログに書いていないが、秀作。

本作の評論をチェックすると随所にジョニー・デップらしさが出ていると書かれている。
そのらしさって、なんだろう?
コミカルだけどブラックということか・・・。

ネタバレしない程度に語るとジョニー・デップ演じる大学教授リチャードは余命半年を宣告される。
その半年をどう過ごすかを描いていくわけだが、
肝心の家族にはタイミングを逃し、打ち明けることができない。

家族愛も感じるヒューマンドラマだが、この作品はR15。
お涙頂戴の感動作にも関わらず15歳以下は見ちゃダメという映画。
まあ、確かにあんなシーンやこんなシーンが飛び出ると健全な少年少女は観ちゃいけない(笑)。
大人に対して不信感を抱く可能性は高い。

大学教授リチャードの設定年齢はいくつだろう?
60歳の問いに呆れていたわけだから、それよりは若いはず。
勝手に推測するに多分、今の僕とほぼ同じじゃないかな・・・。

それを基準にするとリチャードのあと半年をどう生きるか、
何をやれるか、という心理に対してはほぼ同感。
僕も余命半年だと言われたら、同じ行動をとってしまうかも。

しかい、それはかなりヤバいので、止めた方がいい(笑)。
但し、人生において後悔はしたくない。
社会的な意義や家族への貢献も含め、そのあたりを考えなくもないが、
とことんヘベレケになり、立場やルールも無視してしまう行為もあり得る。
今まで懸命に生きてきたからこそ、最後は弾けきってしまう。

それも許されるんじゃないだろうか。
クリスタルグラスを割られた身は許さないと思うが・・・。

常識的に生きてきた人もちょっとしたボタンの掛け違いで非常識となり、
それが感情的になり火に油を注ぐ。
それって映画の中だけではなく、誰にでもあること。
僕の家族でもなくはなく、そんな視点で映画を観ると家族への向かい方も変わる。

大きな波乱も起きないし、奇想天外なストーリーでもない。
今も昔もある話。
不変のテーマなのかもしれない。

だからこそ、時々、こんな作品には触れておきたい。
そう思うリチャードと同世代の映画コラムニストであった。

「マンガ日本の歴史」を読み切った

マンガのシリーズを全巻読んだのはいつ振りか。
間違いなく高校時代。
当時、夢中になっていた「みゆき」「タッチ」以来。
なんだか青春・・・。

それ以降、マンガ自体ほとんど読んでいないし、
シリーズを読み切ったなんてこの歳になってから。
20代~40代は否定状態だったので、ゼロじゃないか。

50代になり「三国志」「レモンハート」「昭和天皇物語」を読むようになった。
否定モードから肯定モードに移った。
娯楽派よりは社会派。
あっ、「孤独のグルメ」があった・・・。

この「マンガ日本の歴史」を読み始めたのが2018年5月。
全55巻を読み終えたのが先週なので、ここまでくるのに2年3ヶ月。
この期間が長いのか短いのかは判断できないが、ちょっとした達成感(笑)。

 

紀元前3世紀あたりから平成に入るまでの期間なのでざっと2300年を描いている。
高校時代、日本史が得意だった身としては理解を後追いするだけだと思っていたが、
実際はそうではない。
歴史の流れを掴んでいくといかに自分の認識が浅いかを認めざるを得ない。

結局は点で押さえただけで、線では捉えてなかった。
年号や人名を記憶していても、それははどうでもいい。
どう歴史が繋がってるのかをこの年齢になって理解した。

そう考えるとマンガが与える文化的好影響をもっと評価しないといけない。
今まで何の勉強をしていたのかな(汗)。

全巻読んで感じたことは、歴史は繰り返すということ。
どんな時代でも好景気、不景気はあるし、
災害や病原菌が環境を全て変えてしまう瞬間もある。

それを乗り越え新たな技術を生み出し、その後の時代を創り上げていく。
その結果、今がある。
55巻目は30年くらい描き平成に入るところで終了する。
なぜかその時聴いていたAmazonMusicがポールマッカートニー&ウイングス。
これも意味があるのかな・・・。

最終巻から今、32年。
2300年からすればわずかな期間。
長い歴史の一部分でしかない。

大局的にみれば、今、この瞬間は些細なこと。
新型コロナウイルスに僕らは右往左往するが、もっと冷静に見るべきかもしれない。
やはり経験ではなく歴史から学ぶべき。

2年かけて読んできた甲斐もあったのかな。
当初は歴史の勉強としか思っていなかったけど。
歴史の勉強は未来を予測することでもあるんだな。

本シリーズの描き方が本当に正しいかは分からない。
右とか左とか多少なりとも主観的な要素は入るだろう。
歴史を繋ぐ者が私見を挟まず全てを語るのは難しいと思う。

そんな点も鑑みながら歴史を知る。
全体像を掴めたので、次へもっと深い世界を知るべき。
これからも日本の歴史を学んでいきたいね。