これからも前向きに 名大社会長ブログ

新しいキャリぷらとFネット拡大幹事会

16日(金)は東京へ出張。5月に移転した「キャリぷら東京」へ顔を出した。先月まで御茶ノ水にあったのだが、延べ5000名を超える学生の参加もあり、より規模を拡大するため九段下に移転した。
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元気に就活を行う学生の情報交換の場となっているのはうれしいこと。うちの会社も僅かだが協賛しているので、もっと活用せねば・・・。
ほんの少しだけ宣伝をさせてもらった(笑)。
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キャリぷら東京はふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の事務局であるキーカンパニーさんのオフィスも兼ねる。GW中に同様に移転された。ここでも少しだけ自社の宣伝(これじゃわからんか・・・笑)。
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この日は各地域の就職情報会社(HR事業者)が集まってFネットの幹事会が行われた。ゲストを招いて新たなサービスの紹介もあったが、今回の議論の中心は次年度以降の新卒採用の在り方について。
これまで12月スタートだった新卒学生の就職戦線が翌年3月に後ろ倒しされる。それにあたり各社ともそれぞれの戦略を打ち立てている。すでにリリースしている会社もあれば、今まさに計画中という会社もあり状況は様々だが、各エリアに合致したやり方を練っている。
ブログではその戦略を披露することはできないが、僕自身学ぶべき点は多い。
どうすれば地域の企業がスムーズな採用活動が行えるのか、どうやってUターン学生にメッセージを送っていくか、ここでは活発な議論が繰り返された。こういった場は情報交換だけでなく、僕にとっては大いに刺激にもなる。
自社の足りたい点も感じ、新たな打ち手を考えねばとも弱い頭をグルグル回したりもする(笑)。
いい時間を共有させてもらいました。
夕方からは懇親会。
ここでは固い話から愚か者同士のくだらない話まで酒を酌み交わしながら盛り上がる。こういった時間も僕には貴重。日中には出てこないあっと驚くような話題もでてくる。そして、最後に記念撮影。みんないい笑顔。
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よりよい就職環境を作るために、互いに切磋琢磨し励んでいく。1社1社の力は小さいかもしれないが、ここで協力することで大きなパワーを生み出していく。今後もそんな場になればいい。
一昨日はお疲れさまでした!

やっぱり営業は面白い!

ここ最近、僕の営業といえば既存の取引先の営業同行(挨拶回り)か、知り合いの経営者からの相談で営業と一緒に提案に伺うくらい。
ここ数年、営業らしい営業なんてしていない。ポジション的に全面に出ないことが通常ともいえるが、少し寂しくもある。
入社以来20年以上、営業畑で働いてきたため、その仕事の面白みは肌で十分感じている。営業に出たいと思いながら、悶々とした日々を過ごしている毎日だが(笑)、今回、新規営業の機会を頂いた。
ご縁のあった経営者から紹介してもらったため、純粋なプロモートとは言い難いが、社長や担当者とは全く面識のなく、過去一切接点のなかったお客様。そのお客様に一昨日営業を掛けてきたのだ。会社にお邪魔する段階の緊張感が心地いい。受付で電話をし(僕じゃないけど)、応接に通してもらう。
先方の課題は事前に把握をしていたので、その課題を深掘りする。うちの会社のことも知ってもらわないといけないので、大手との違いや特徴を説明。
隣に優秀な営業マンが同席しているので、僕は黙っててもいいのだが、ついつい話をしてしまう。それも身を乗り出して喋ってしまう。かなりめんどくさい奴になってしまった。
営業マンは僕に遠慮しているのは間違いない。今となっては商品知識にしても、他のクライアントの状況にしてもその営業マンの方が詳しいのは理解しているが、ついつい調子に乗ってしまう。
それでも場を白けさすことなく(多分・・・)、お客様の聞き役も十分果たし(きっと・・・)、一定の信頼関係も築けたと思う。それが証明されるのはしばらく先だろうけど。
お客様との商談を終え、同行した営業マンに駅まで送ってもらい、電車に揺られながら、その経過について振り返ってみた。そして、改めて感じた。
僕はお客さんとあ~だ、こ~だと話している瞬間が好きなんだと・・・。
会社の中で難しい顔をして、いや、そのふりをして過ごしているよりも外に出て、いろんな業界のいろんな担当の方と話をしている方がよっぽど楽しいと・・・。
営業って、いいなあ~、営業って、面白いなあ~。とつくづく実感してしまった。
僕なんて営業経験があったからこそ、今、このような仕事をさせてもらっているわけだ。
営業を通しての人との出会い、会話の中からの学び、よりよい提案、全てのことは営業が教えてくれたのかもしれない。
やっぱり営業は面白い。そんな日を送ると、また機会を作って外に飛び出してみたいと思う。

周辺が騒がしくなってきた・・・。

私事の話で恐縮です。
(いつも身内ネタしか書いてないのに、今更、何って叱られますね・・・笑)
多くの経営者同様、会社以外の活動でいろんな場に所属させてもらっている。ロータリーであったり、出身大学のOB会であったり、経営塾であったり様々。
各方面からお誘い頂き、断る理由もないので何も考えず所属するケースも多い。個人的にネットワークが広がることも財産だし、自分より優秀な方と接することでの学びや刺激も多い。
どこの場でも基本若手の存在となる。入会時は最年少だったりする場合もある。そんなことをしながら長いもので4年、短いもので1年が経過する。
最初のうちはただ参加し、ボーッとしていればよかった。話を聴きながらニコニコしていればよかった。そのボーッとしてニコニコしながら聞いていたのが好印象に映ったのか、余程ヒマそうに見えたのか、今年に入って責任の重い役職が一気にのしかかってきた。
新しい期に入る段階で班長や幹事など、会社の中ではお目にかかれないが、それなりの場ではそれなりのポジションが舞い込んできた。
「私なんてまだ未熟で・・・」と曖昧ながら否定的な言葉を発するものの、謙遜しているように解釈され、知らず知らずのうちに決まってしまう。
昨日なんて、早朝の会と夜の会の二つの会合でそんな役割を担ってしまった。
「山田さんは毎日飲んでいて楽しそうだね・・・」と所属グループの仲間から無責任に言われ(笑)、反論することもできず(涙)、そのまま受け入れることに。
今の状況をそのまま放置していくとヤバいことになるぞ・・・。昨日は朝も夕方も会社に居なかったし・・・。
このままでは社内、社外問わず、仕事せずに遊んでいる愚か者だ!と勘違いされる。誰か真面目な僕の姿を見てくれないかな。
最近、周辺が騒がしくなってきた。
今日は朝からしっかりと営業会議に出て、難しい顔をしながら仕事をしたいと思う。
と、つまらない私事でした(笑)。

ちょっと残念、でも頼むぞ!日本代表

昨日、ブラジルW杯の日本代表の発表があった。以前ほど僕の中の関心は薄らいではいるものの、やはりそこは日本代表、気になるものである。
知り合いの社長はわざわざブラジルまで観戦に行くようだし・・・。
羨ましい~。その財力と時間が欲しい(笑)。
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いろんな報道でもあるように手堅いザッケローニ監督にはほとんどサプライズはなかったようだ。本命の選手がほとんど。強いていえば大久保選手くらいなのもか・・・。
我がグランパスは誰も選出はされなかった。今のグランパスで一番得点能力の高い闘莉王も選考漏れ(そこは求められてないし・・・)。
J2降格が危ぶまれるチームからは余程信頼がない限りは無理な話だろう。なぜこんなにもグランパスは低迷してしまったのか・・・。
ケガ人続出という理由も理解できるがそれだけではないはず。これではどんどん興味が失くなってしまうではないか。
頼むよ、西野監督!
それはさておき、あと1か月に迫ったワールドカップ。イビチャ・オシムも日本には十分チャンスがあると語っている。
楽観的な僕は1勝2分けで予選突破と評論家でもないのに、相手国に全然詳しくないのに勝手に予測している(笑)。初戦をどう乗り切るかだな・・・。
個人的にJリーグが全然盛り上がらない分、ワールドカップはぜひ盛り上げてもらいたい。頼むぞ!日本代表!
でも、一体何時に放映されるのかな。ちゃんと観れるのかな・・・(苦笑)。

もっと世界史を学ばねば・・・。

一昨日の土曜日は朝から椙山女学園大学へ向かった。就職ガイダンスで講演をさせてもらうのではない。
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自らが学ぶためにお邪魔したのだ。この日はライフネット生命保険CEOである出口治明氏から世界史を学ぶ。
ご存じの通り出口氏は企業経営者であって、歴史学者でも世界史の先生でもない。しかし、どこからその知識を入れたのか不思議になるくらい造詣が深い。
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一方で僕は世界史なんて全く分からない。高校2年の必須科目であったため、一通りの勉強はしたが、すでに頭の中はカラッポ。確かそんなに成績は悪くなかったはずだけど・・・(苦笑)。
出口氏には2月の中部経営塾のセミナーでもお世話になっており、今年で2回目。前回の講演ではリーダーシップについて学んだわけだが、この時はすんなりと腹落ちもした。
しかし、今回は・・・。明らかに自分の知識不足である。話を頂いた内容は素人でも十分呑み込めるが、なんせ基礎知識が足りない。
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少し前に読んだ著書もかなり忘れてしまっている。というよりも頭に中に入っていない。再読しないといけないな(汗)。
今回は西暦500年~1000年のヨーロッパ、中国の歴史について解説頂いたわけだが、今の時代に当てはめても参考になる点は多かった。
僕が印象に残ったこととしては、7世紀の女性の活躍の話。
日本では持統天皇が女帝として世を治めていたわけだが、それには世界のロールモデルの存在があったということ。中国の武則天を始め女性が東アジアでは女性が活躍していた。
持統天皇はアジアの女性の活躍の影響を受けていたという。初めて聞く内容であった。それ以外にも中国4000年の歴史の中で、平和な時代は4回しかなかったなど、出口氏ならではの物の見方があったように思う。
最後に話された勉強する理由「自分で考え、自分の言葉を使い、自分の意見を言う」も僕は大いに納得してしまった。
勉強会終了後は主催者でもある北垣氏がオーナーを務めるCOHALでの懇親会。有機野菜にこだわった美味しい料理を堪能させてもらった。昼からビール、ワインを飲みすっかりいい気分にも・・・。
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この勉強会を通して僕が感じたのは、いかに自分が無知であるかということ。賢者は歴史に学ぶという。もっと学ばねばならない。どこまでやるかは別にして・・・(苦笑)。
いい機会を頂き、ありがとうございました。

リクルートの深層

リクルートの深層 (イースト新書) リクルートの深層 (イースト新書)
(2014/04/20)
大下 英治

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ここに書かれていることが100%真実かどうかはわからない。仮に100%とするならば、僕が抱いていた江副像は大きく変わる。
僕の知り合いの元リク出身者も同じような印象を持つかもしれないし、「その通りだ!」と納得するかもしれない。ただ多くの人は僕と同じような感想を持つのではないだろうか・・・。
一言で言ってしまえば、自分勝手なワガママは人。だからこそあれだけの企業を創り上げることができたのだろう。僕には到底ムリな話。やはり人間が小さすぎますね・・・(苦笑)。
本書では江副氏の生い立ちから死に至るまでを描いているわけだが、ある意味、碧夫人のストーリーでもある。碧夫人の支えと耐え忍ぶ姿があったからこそ、江副氏は成り立ったのかもしれない。尽くす女性の存在は偉大。翻弄された人生だったと同情もしてしまうが・・・。
本書で初めて知ることも多く僕にとっては新鮮だった。リクルートの闇の部分も知ることができた。できればリクルート事件後のことも克明に描いては欲しかったが、そこはまだベールに包まれている面が多いのかもしれない。
ここには江副氏を取り巻く多くの人物も登場する。かつて僕が尊敬していた高塚猛氏の活躍も描かれている。
ダイエ―ホークス代表時代の講演テープはよく聞き、著書も読んだ。しかし、晩節を汚してしまった。これは江副氏にも当てはまる。
どうして名声を極めた人は最後にはあんなふうなってしまうのだろうか。
知らず知らずのうちに人格そのものが変わってしまうのか・・・。大物になりようのない僕が心配する必要はないが、反面教師的に学ぶ面も多かった。
著者の個人的な見方だと思うが、現在のリクルートについてかなり批判的に書かれている。
ぜひ、現役の方に本書の感想も聞いてみたい。

うれしいとツラいが交錯した日

一昨日から何故か鼻水が止まらなくなった。体の異常は全くない。それほど気にすることなく一日過ごしたわけだが、自宅に戻っても変わらないので、いつもより早く就寝。
朝、目が覚めても症状は治まらず。予定していた早朝ランニングも延期し、安静にしながら出社。一番に近くの病院に出向く。
先日の盟友櫻山さんのブログにもあったように、ずいぶん待たされた割には、診察はあっという間に終了。1分程度じゃないだろうか・・・。結果としてはただの風邪。
薬をもらい飲んだのだが、鼻水が止まらない状態は続く。それが結構、ツラい。
いかん、いかん、夕方から懇意にする大学に依頼された4年生向けの講演がある。それまでには治さないと・・・。という感じで日中を過ごしていた。
そんな昨日、自分のブログをチェックすると、こんな表示がされていた。
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PVがいつもに比べ高く、中部地区で3位にランキングされていた。前日書いたブログがかなりの反響があり、理由は不明だが多くの方に読んでいただけたようだ。
全く面識のない大学関係者の方から感想のメッセージを頂いたり、同じように存じ上げない方がtwitterでリツイートしてくれていた。友人からたくさんのコメントも頂いた。真面目に書くと結構反応があるもんですね(笑)。
これは僕にとってもうれしいこと。いつもこうだと更に嬉しいのだが普段の愚か者ブログではそんなふうにはならない。反響の余韻で生き長らえるだけだ・・・(笑)。
そして迎えた夕方。鼻水が止まらない症状は講演では何とか収まり、何事もなく話すことができた。やはり最後は気合だな(笑)。
昨年も同時期に話をさせてもらったが、参加者は半分程度。今年の就職環境の良さを物語っていた。
だが、参加してくれた学生さんは真剣。終了後、アンケートを見せてもらったが、「これからの活動に自信が持てた。」「中小企業の魅力がよく分かり、活動の幅が広がった。」など嬉しいコメントがたくさん書かれていた。
少しでもこれからの活動に役立ててもらいたい。
調子に乗って大学関係者と飲みに行ってしまったのは、体調不良の身でいかがなものかとは思うが・・・(苦笑)。それも僕にとっては嬉しい時間。
うれしいとツラいが交錯した日。お疲れさまでした。

内定辞退者からの手紙

ゴールデンウィークも明け、就活生の明暗が分かれている頃。第一志望の企業から内定をもらい順調に就職活動を終えた学生、思うように選考が進まず、落ち込んでいる学生。
その背景は様々で、落ち込んでいる学生さんの気持ちは理解できるが、ここはしっかりと継続してもらいたい。企業側も思うように進まず、苦戦している会社も多いわけだから・・・。
ちょうどGWの合間に日経にこんな記事が出ていた。
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内定辞退のあった学生に厳しい言葉を浴びせる人事担当の記事が・・・。この気持ちも分からなくはない。
ずっと採用のお手伝いをしていて、採用担当者の苦労もよく理解している。学生を罵倒したくなる気持ちもよくわかる。しかし、罵倒したところで何の解決にもならない。企業イメージがダウンしてしまうだけのことだ。
ご多分に漏れず、うちの会社も先日、1名の内定辞退があった。しかし、僕はここに書かれていることとは逆で清々しい気持ちになった。
その学生さん(Yさん)には内定を提示する段階で昼食を共にしながら、いろんな話をさせてもらった(他の内定学生も同様に)。
その時に、もう1社だけ選考を受けたいという正直な気持ちを聞いていた。名大社に魅力は感じるが、その企業も魅力に感じてると・・・。結果的にYさんはその会社から内定が出て、うちを辞退することになった。
その会社はこの東海地区を代表する企業。100名いたら99名は、うちではなくその会社を選ぶ(1人は変わり者がいるだろうと・・・笑)。
トップの僕がこんな惨敗宣言をしているようでは情けないが、残念ながらこれが正当な実力。そこは素直に認め、自分たちが選ばれるよう精進していかねばならないだけ。
Yさんはまずは電話でその旨を伝えてきたのだが、直接、会って話をさせてもらいたいと言ってきた。後日、採用担当である名大社女子と一緒に会うことにした。
Yさんは菓子折りを持参で会社に来てくれた。会社説明会から選考に至る過程への感謝、かなり迷っての決断など、これまでの事を飾らず正直に話してくれた。そして、僕と名大社女子に手紙を渡してくれたのだ。
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手紙の内容は恥ずかしいので割愛するが、こんなケースもあるのだ。
確かに残念ではある。しかし、このような信頼関係を築けるのは僕にとっては嬉しいこと。僕はYさんを応援するし、Yさんは名大社を応援してくれるだろう。
内定辞退という結末は決して不幸なことばかりではない。
そんなことを教えてもらったような気がした。

『旅人として生きる』

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昨日は待ちに待ったGWのメインイベント沢木耕太郎氏の講演会。講演タイトルは「旅人として生きる」。
しかし、沢木氏が演台に立つなり、いきなり発せられた言葉が「旅人として生きるというこのタイトルは最悪だ!」。いきなり会場をどっと沸かせた。
旅人の定義がないのに、勝手にくくって欲しくないと・・・。こんなユーモアがある方とは全く思わなかった。冒頭からやられてしまった。
沢木氏は年1~2回くらいしか講演は行わないという。依頼は多いのだが、講演を入れてしまうと自由気ままに海外に行ったりすることができなくなることが大きな理由。
せっかく自由に生きていくために努力をし続けその時間を確保できるようになったのに、講演を入れるとその努力が無駄になってしまうという。何とも沢木氏らしいコメントだ。
昨日の講演は2時間程度。沢木氏の気が赴くままに自由な話され、後の質疑応答も懇切丁寧に切り返されていた。
僕は午後の時間の講演会はどうしても寝落ちする時間が出てしまうが(苦笑)、今回はこれっぽっちもそんな時間はなかった。全ての話に魅了された2時間であった。
タイトルのあるような話はほとんどなく(笑)、ご自身が生まれてからどんな方から影響を受け、何をきっかけにこの世界に入ったのかを興味深く話してもらった。
それは僕がこれまでの著書で読んだことのない初めての話ばかり。いやあ~、本当に参加してよかった。
これでは何の話をされているのかサッパリわからないと思うので、一つだけ紹介すると沢木氏は「旅人としては生きていない、ソロとして生きている」ということ。
自らソロとして生きることを選択し、そのために仕事における専門性を磨き、仕事では誰にも負けないくらい手を抜かず、生活面で何でもできる自分になり、学び続けることを放棄しない。
それがソロとして生きることであり、自己の背丈を伸ばすことだという。
僕のチープな表現では意味不明かもしれないが、僕には腹落ちする内容。彼の生き様を直接伺うことで、僕がなぜ沢木耕太郎に魅かれるのか、ようやく理解することができた。
今回の講演は200名近い方が参加され、参加者は僕より若い方が中心。20代、30代の方が多かったように思う。
そんな中で60代半ばの沢木氏は自然体で距離感を作らず、カッコつけることなく、それでも実に爽やかに喋られていた。
インタビューを受ける側が何故沢木氏に心を開いてしまうのかが分かるような気がした。こんな人に取材を受けたら、誰しも不安を感じることなく、どんなことでもオープンにしてしまうだろう。沢木氏の魅力を更に感じ、ますますファンになってしまった。
ちなみに僕の席は前から2番目。それもほぼ正面。何度となく、目が合ったような気がする(笑)。知人に案内してもらったのだが、これにも感謝!
今回は貴重な機会を頂き、ありがとうございました。

激しく倒れよ

明日に迫った『沢木耕太郎さん講演会「旅人として生きる」』。
当日は講演会が基本であるが、特別企画として「あなたにとって、旅とは」と「沢木さんの本の紹介」がセットになっている。
残念だが、旅について語れることはない。一人旅は学生時代の1回のみ。海外への旅行は嫁さんと15年以上に行ったきり。あとは平凡な家族旅行があるだけ。「僕にとっての旅は家族サービスです!」。
そんなコメントは場を白けさすことしかない(笑)。
だとすれば、本の紹介をするしかない。こちらだったら何とかなりそうだ。そこで何がいいか考えてみた。参加者が影響を受けた書籍は大よそ予測することができる。ああ~、あれね・・・。と誰もが納得するであろう。
そうであれば、僕はできるだけ少数派の作品がいい。自分にとって印象深い作品を思い出してみた。
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「沢木耕太郎ノンフィクションⅠ激しく倒れよ」にも掲載されている「コホーネス<肝っ玉>」。最初の出版は短編集「王の闇」。紹介するとすれば「王の闇」になるだろうが、この際、それはどちらでもいい。
この「コホーネス<肝っ玉>」は、今やお笑いタレントしか思えない輪島功一氏の世界チャンピオンに三度挑戦し敗者となり引退していくストーリー。それを同時並行で沢木氏がルポしていく。
チャンピオンである存在から引き下ろされ、尚もチャレンジする姿を描いている。著者がよく取り上げる主人公像。僕はここに描かれる輪島功一氏の生き方が好きだ。
かつてチャンピオンであった栄光の座を捨てて、ボロボロになりながらも自らの姿勢を貫いていく。その一貫した姿に失くしてはならないプライドを感じるのだ。
そして、引退後、沢木氏との酒を交わす場面で、若手選手の育成について自身を語る。
「俺は名選手じゃなかった。だからこそいい選手が作れると思うんだ。」
「俺は二流だったけど、最後まで闘うことをやめないチャンピオンだった。」
この言葉はずっと僕の胸に響いている。もしかしたら、僕もこうなるべきかと・・・。
「激しく倒れよ」そして、「コホーネス<肝っ玉>」。
敗者は多くの事を教えてくれる。