これからも前向きに 名大社会長ブログ

日本の分断 私たちの民主主義の未来について

なぜ本書を選んだのか。
著者である三浦瑠璃氏を知っておいた方がいいと思ったため。
以前読んだ「不倫と正義」は中野信子氏との共著。

三浦氏の著書は一度も読んだことがなかった。
正直、TVも観ていないので、どんな場面で活躍しているのか、
どんな発言をしているのかも知らなかった。

母校同窓会の記念イベントで講演者としてお招きすることになり、
また、当日の送迎を任されたこともあり、失礼があってはいけない。
そんな想いから本書を手にした。

結果的にいえば、イベント当日にコロナに罹り、送迎は他の方が担当することに。
目論見としては、本書をネタに会話が弾み、お友達になることだったが、それは果たせず。
仮に送迎できたとしても、お友達になることはなかったと思う(笑)。
ただどんな会話になるかはともかく、同じ空間を味わいたかった・・・。

人生はなかなか上手くいかない。

母校での講演は国際政治学者らしく、今後、日本が世界で果たす役割を話された。
(責任を感じてオンラインで拝聴)
それは日本の存在感が薄れる中でも果たすべき役割があること、
どう価値の再発見をするかということ。
米中対立の中での振る舞いやグリーン投資、デジタル化の推進など、多岐に亘った。
最後は政府と企業と大学との関係性で締めくくられた。

この分野の話を伺うケースも少ないため、
理解度はイマイチだが、より高い視点からの講演は勉強になった。
その目線の高さは場合によっては嫌われるかもしれない。

講演は日本と世界が中心だが、本書はあくまでも国内の政治が中心。
それも自民党と立憲民主党の違いについて分析者としての視点が入る。
先日、読んだ「22世紀の民主主義」と一緒に読むと今の政治の理解がより進むかもしれない。

僕らは本当に政党で政治家を選んでいるのか、
憲法改正が大切なのか、消費税や社会保障が重要なのか、曖昧な面は多い。
だから安定志向に走ってしまう。
もちろん分断はあるだろうが、民主党と共和党のような極端な分断ではない。

本書は2年前の書籍なので、この時と首相は違う。
今とは切り口も少しは変わるだろう。
どんなことでもそうだが、短期の視点と長期の視点が必要だし、
グローバルな視点とローカルな視点も必要。

それに気づけただけでもいいのかな。
まだまだ勉強不足だね。

映画「君だけが知らない」

またまた韓国映画。
そして、またまた名演小劇場。
今年は僕の映画人生においてもレアな一年。
そんな大層なことでもないが・・・。

本作はどこまで話題になっているのだろうか。
よほどの通じゃないと見過ごしてしまう作品だと思う。
僕はたまたま映画.comでチェックしていて、
ソ・イェジの艶めかしい表情が気になってしまっただけのこと。

全体感でいえば韓国人女優に好きなタイプが多いんだろうね。
一生に一度くらいは旅行に行ってみるかな。
家人は行かないだろうから、誰か付き合ってくれないかな・・・。

そんなことを書くと余程韓国好きに思われるかもしれないが、そうではない。
韓流ドラマも観たことはないし、BTSだって知ったのは最近こと。
名前を言える女優さんもチェ・ジウくらい。
ちと古いか・・・。

しかし、今年観た海外作品は韓国映画が多く、どれもハズレがない。
本作もそう。
レビューを読むとこの類の展開は韓国映画のお得意のようだが、
僕は全く先が読めずハラハラしながら100分を過ごした。

まさか、こんな展開になっているとは・・・。
ラスト30分は絶対語ってはいけないといろんなところに書かれている。
ネタバレ禁止なんだね。
僕の場合、最初の10分すらネタバレさせないけど。

解説やあらすじを読むとサスペンス映画と思われるだろう。
確かにその要素はある。
しかし、僕は形を変えた恋愛映画とも感じたし、その真っすぐな生き方に感動も覚えた。
記憶喪失とか未来予測とか映画ではありがちだが、
ありがちでない方向に仕上げているのはさすが。

唯一、ネタバレで話すと、
(ネタバレでもないな・・・)
刑事役のパク・サンウクは岸谷五朗に似ている。
映画を観ながら、そう感じた人は多いはず。

最近、韓国映画のブログを書くと最後に「ガンバレ、日本映画」的な締め方になることが多かった。
それだけ日本映画に危機感を抱いたわけだが、本作であれば十分戦える余地はある。
それは作品のレベルではなく題材として。

本作を観ると、お金を掛けなくても面白い作品はいくらでも作れると思うのだ。
いい意味でアイデアをパクればいいんじゃないかな。
全然負けないと思うし。

ここまで来たなら今年はあと1~2本は韓国映画を観ようか。
次は「奈落のマイホーム」か、「犯罪都市 THE ROUNDUP」か。
その前に観るべき作品も多いけどね。

食べ物のはなし 伏見シリーズ 番外編

2年ほど前にこんなブログを書きました。
「お酒とわたしと1万円」
4軒ハシゴして1万円使うという何ともくだらない妄想ブログ。
しかし、これは人気食べ物ブロガーとしては憧れる飲み方。

10月中旬にそれに近い理想の飲み方を経験しました。
一人で行くのは寂しいので、日本酒通の愚か者副本部長にお付き合い頂いて。
目指すは一人3軒7000円。
円頓寺時代は3軒5500円で満足しましたが、
物価上昇もあり少しだけグレードを上げてみます。

ちなみに今回登場するお店はすでに伏見シリーズで紹介しているので番外編。
分かっているお店じゃないとこんな組み方はできません。

最初に向かったのは名古屋を代表する、いや日本を代表する居酒屋「大甚」さん。
明るい時間から店内は賑わい、自分たちがお邪魔した時はほぼ満席。

定番サッポロ黒ラベルからスタート。

穴子にイカにどて煮。
そうなると日本酒が飲みたくなります。
ここも定番、賀茂鶴のぬる燗。

いやいや美味しいですね。

隣の席には20代の女性が一人飲み。
美味しそうに日本酒を飲んでいます。
思わず声を掛けそうになりましたが、まだ理性のある時間。
踏みとどまることができました。

長居は禁物。
1時間ほど経ったところで次のお店に向かいます。
ヒルトンホテルの向かいのビル地下にある「味一」さんに久々に訪問。

ここは魚料理と日本酒が美味しい。
若女将に挨拶すると
「辞められたといわれたので、もう来られないかと思ってました。」
「いやいや、仕事はしているからね・・・。」
そんな会話をしながら注文したのが、新政No.6。

ずっと飲みたいと思いながら、
酒屋にも売っていないし、
飲み屋さんにも置いていない。
ようやく味わうことができました。
これだけ美味しい日本酒にありつけるとは・・・。

さんまの刺身もふっくらしています。

生ガキも鰯の天ぷらも美味しい。

日本酒がスイスイ進みます。
こちらは人気の地酒が豊富なので、嬉しいですね。

いい感じで酔って向かったのは、伏見を代表する街中華「香蘭園」さん。

店内はほぼ満席。
運よくカウンターが空いており、通してもらいます。

最後はビールに戻りましょう。

街中華にはキリンラガーでしょうか。
餃子とねぎチャーシューがいいアテになります。

〆はラーメンと行きたいところですが、日本人らしくお米で・・・。
炒飯をシェアしながら頂きました。

サッポロ黒ラベルで始まり、キリンラガービールで終わる。
素晴らしい飲み方です。

ここで初めていくら掛かったかを計算。
一人あたり8500円。
予算7000円はオーバーしましたが、許容範囲としておきましょう。

気軽にこんな飲み方ができる日常がありがたい限り。
まだまだ気をつけなければなりませんが・・・。
特にコロナはね(汗)。

ごちそうさまでした。
副本部長もありがとうございました。

ハリウッド映画における中国との関係

映画コラムニストは勉強熱心でなければならない。
それはより多くの映画を観ることだけではない。
周辺環境も押さえておく必要があるということ。

それが理由ではないが、最近、時間の許す限りオープンカレッジなるものに出席。
母校の教員によるリレー講座で、OBはありがたいことに無料で受講できる。

僕も大学で教える端くれとして他の先生の授業の進め方にも関心があったし・・・。
やはりいい点は盗まないとね。

今回ブログに繋がるのは「ハリウッドと中国」という講座。
今、ハリウッド映画の中国市場での割合は圧倒的。
ハリウッド映画の興行収入のうち中国が1/4という。
直近はコロナの影響があるものの、
ハリウッドはもはや中国に気を遣い映画を作らなければならない状況。

ダイバーシティの影響も大きいが、
ハリウッドのメジャー作品にはアジア系、中国系俳優の出演も多くなった。
「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督がアカデミー賞を受賞するのも関係なくはない。
そんなことは映画を観ているだけでは気づかない。
もっと勉強しないとね。

と、ようやく冒頭の写真の映画。
「ザ・ランドロマット パナマ文書流出」という2019年の作品。

本作はこの講座を受けるまで全く知らなかった。
一般公開ではなく、Netflixでの配信のため話題性も部分的。
監督はスティーブン・ソダーバーグ、主演はメリル・ストリープで超メジャー。

かなり社会性が強く政財界に対し批判的。
一時期話題になったパナマ文書流出の実態を暴いている。
それだけでも勇気ある制作陣。
制作陣は全世界に対して遠慮はしない。
その中でもNetflixはかなり自由度が高いようだ。

本作には中国の中心的な存在も描かれている。
徹底的に汚職を排除した習近平氏だが、そのあたりのことが・・・。
それが原因かどうか不明だが、本作は中国では観れない。
きっちり統制が図られている。

そんなことを講座で伺ったので、必然的に本作を観ることになった。
どこを向いて映画を製作するか、
その作品がその国にどう受け入れられるか、
グローバルになればなるほどその視点が必要。

映画も社会勉強のひとつ。
とっても参考になりました。

映画の内容にはほとんど触れていない(笑)。
サクッと観れるので、時間のある時にぜひ!

もっと余裕なはずなのに、ランニング日記2210

ランニングするにはとてもいい季節。
暑くもないし、寒くもない。
一年を通してそれを感じるのは意外と少ない。
10月がもっとも理想の月といえる。

しかし、今年はどうだろう。
肌感覚でいえばそうでもないと感じることも・・・。
10月初旬はむしろ暑かった。
下旬はむしろ寒かった。
厳密にいえば暑い日もあり、寒い日もあり、ちょうどいい日もあり、そんな感じ。
特に下旬は急に寒さを感じる日が多かった。
それは気温を見てれば分かるが、ランニングをするとより実感する。

まずは10月にランニング距離を報告しておこう。
もはや誰も気にしていないかもしれないが・・・。
10月は103km。

先月も見事に目標はクリア。
これで10か月連続。
パチパチ。

あと2か月で人生初の1年通しての目標達成。
少し先が見えてきた。
達成した暁には大々的に祝賀会でも開くかな。
ジャングルポケットあたりの大物ゲストを招いて・・・。
な~んて、そんなことを考えたり。
まずは残り2か月をしっかり走ることだけどね。

10月は特に遠征もなく無茶な計画もなくコンスタントに走ることができた。
これは10月末の戸田川緑地公園。

公園内も秋らしさが漂ってくる。
今、愛知県はジブリパークの話題でいっぱい。
それを意識しているのか。

ハロウィーンもあったが、ここで記念撮影した人はいるのか?

少なくとも僕が走る7時前後は誰もいなかった。

こんな走りやすい月なら、もっと距離を伸ばせてもよさそうなのに・・・。
ちょっと体調がイマイチの時もあり10km以上を走る日が少なかった。
もっと余裕をもって達成できると思ったがそうでもなかったね。

さて、11月。
今月はどうだろう。
報告は改めてするが、ちょっとヤバいかも。
まさか、自分がそうなるとは・・・。

それはさておき、これから来春のマラソン大会のエントリー。
よし、今年と同じ大会に参加するぞ!!
と呑気な気持ちでいたら、すでに名古屋シティマラソンの受付は終了していた(汗)。
ありゃりゃ。
ぎふ清流ハーフマラソンは忘れないようにしないとね・・・。

まずはあと2か月、なんとかはしたいけどね。
う~む。

映画「RRR」

インド映画を侮ってはいけない。
まだまだ日本映画に比べて格下と思っている輩もいるだろう。
僕もその一人と自認しておく。
VFX技術、芸術性、エンターテインメント性において日本映画の方が優れていると・・・。

本作を観て感じた。
素直に謝りたい。
自分にバイアスが掛かり、いかに時代遅れかと・・・。
誠に申し訳ありません。
そりゃあ、今や、経済成長率も比べ物にならないし。

そういえば3年前にも同じようなことがあった。
社外取締役を務める株式会社パフの執行役員が「きっと、うまくいく」を観ていないことを、
ボロカスに言ったのを思い出した。
映画コラムニスト失格だと。
本作を観なかったら、更に輪をかけてボロカスに言われただろう。

正直にいえば、本作を観る予定はなかった。
しかし、映画評論仲間のBush解説員が大絶賛。
他のレビューを読んでもすこぶる評価は高い。
異口同音に3時間の上映時間が気にならないと・・・。
心が揺さぶられ、また、映画コラムニストの意地もあり、観ることにした。

まさに仰るとおり。
評判どおり。
3時間の長さを気にすることなく、手に汗握りながら観てしまった。

単純なストーリーが故に観終わった後の爽快感。
その迫力に圧倒された。
いやいや、凄いぞ、インド映画・・・。
そう言わざるを得ない。

本作の製作費は日本円で97億円。
インド映画史上最大の製作費という。
それを許す製作サイドとS・S・ラージャマウリ監督の勇気には感動。
監督は自分のやりたいことを全て3時間の中に詰め込んだんじゃないのかな。
アクション映画であり、ミュージカル映画であり、男同士の友情を描く青春映画。
様々なジャンルが混ざり合うが、一切の手抜きはない。
ここでこうくるかという展開も含めお見事。

僕はMARVEL作品は観ていないのでスケールの違いは分からないが、きっと負けてはいない。
対抗馬になるはず。
多分・・・。
大英帝国の傍若無人な描き方も無責任に楽しめるし。

それにしてもインド人女優も美しい。
シータ役のアーリアー・バットには惚れ惚れした。
特にエンディングのダンスシーンにはやられてしまった。
映画とは関係ないシーンだが、何度でも観たい。

3時間の上映時間に合わせて予定を立てるのは結構ハード。
一日の計画を左右する贅沢な時間の使い方。
だからこそ贅沢な時間を過ごしてもらいたい。
タイトル「RRR」の理解も含めてね。

芸術の秋を愉しむ

今日は文化の日。
元々は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」を趣旨として制定されたらしい。
時代は少しずつ変われども、せっかく制定された文化の日は大切にしたい。

今日はそれに相応しいブログ。多分。
先日、京都へ訪問。
目的は下宿する息子の衣替え。
秋冬物の衣類や寝具を運ぶという何とも親バカな役割。

それだけでは勿体ない。
せっかくなら秋の京都を楽しんだ方がいい。
神社やお寺もいいが、紅葉にはまだ早い。
観光もしたいが、もう少し人が少ない時期がいい。

となると向かうのは博物館や美術館。
京都には多くの施設が揃っている。
以前から一度お邪魔したかったのが、京都市京セラ美術館。
新館「東山キューブ」は「アンディ・ウォーホル・キョウト」。

京都に住んでいた妹が教えてくれた。
美術館は秋晴れに映える。

それだけでも気持ちは昂る。
施設内に入ると伝統から生まれる革新性に驚く。

事前にネットで予約し、QRコードの提示で入館。
これもイマドキ。
国内の文化施設がこんなオペレーションになると活気づくんじゃないかな。
お年寄りにはキツイもしれないが・・・。

館内はスマホのみ撮影は自由。
デジカメとの違いは何か不明だが、入場者にとってはありがたい。

時代ごとに作品は並ぶ。
アンディ・ウォーホルは何度か京都に訪れ作品も残している。

今回の展示会には作品とは関係ない代物も展示。

請求明細書。これを喜ぶ方もいるのだろうか・・・。

こんなレイアウトもウォーホルらしさなのか。

僕が学生時代にその活躍ぶりが話題になったが、今でも色褪せない。
この分野にはとんと疎いが、その影響力は今でも大きいのだろう。

その芸術性はよく分からなくても、とにかく見続けることが大事。
日本初公開作品が100点以上展示されているというから
熱烈ファンは全国から足を運ぶんだろうね。
それを京都で開催する。
ミーハーな僕はより芸術度が増すような気がしてならない(笑)。

京都市京セラ美術館には他の展示室もあるが今回は東山キューブのみ。
その流れで平安神宮と金戒光明寺へ訪問。

ここでも秋らしさを感じることとなった。
秋の京都はいいよね・・・。
できればもっとゆっくりとしたい。

そうそう、併設されたショップで買ったのがこれ。

タブレット缶。
それも一番ベタなマリリンモンロー。
さりげなく自慢げに見せながら口に放りこもう。

芸術の秋。
キッカケは何にせよ、愉しまないとね。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その232

伏見シリーズはラーメン店の紹介が続いています。
人気食べ物ブロガーとして好感度を上げるにはラーメンが一番。
これは経験上、分かっていることです。

お寿司やフレンチのコースを紹介するより、むしろこちらの方が参考にして頂けます。
そもそもフレンチのコースなんて一度も紹介したことはないですが・・・。

今回のアップで4週連続となりました。
思い切って10週連続を狙うのもいいかもしれません。
「お笑いスター誕生」のでんでんや九十九一を脅かす存在になっていいかも…
そんなことも考えます。

「なあ、みんな、ハッピーかい?」
伝説的なギャグ。
こんな挨拶から始まってもいいでしょう。

すいません。
ちょっと方向を間違えました。
ここはしっかりと自分の道を歩みたいと思います。

会社から栄方面に向かうと見えてきました。

以前、百貨店の丸栄があった場所です。
今はマルエイガレリアとしてオシャレな店舗に生まれ変わりました。
3階にはレストラン&フードホールが今年5月に誕生。
話題のお店も多く、若い女性を中心に賑わっています。

そちらに向かいたいところですが、一人では勇気がありません。
1階にあるラーメン店に行ってきました。
「麺処ぐり虎」さんです。

店内に入り始めて知りましたが、最近お邪魔した「和麺ぐり虎 」の系列店。
メニューはどうやら全く違うようです。
それでは誤解が生じるかもしれません。
一部、同じメニューがあるかもしれませんが、大部分は異なります。

今回注文したのはこちら。
黒トリュフ香る醤油そば 850円

なんだかそのネーミングだけでもそそられます。
アップにしてみましょう。

大きなシャーシューの上に降りかかっているのが、イタリア産の黒トリュフパウダー。
それを聞いただけで豪勢な気持ちになります。
思わず鼻を近づけ匂いを嗅ぎます。

「お~、これは確かにイタリア産のトリュフだ・・・」
と知ったような顔をし頷きます。
時にはそんな態度も必要。
パウダーをスープに絡ませると和と洋の香るマリアージュ。
高級感を楽しむことができます。

な~んて、気持ちだけでもそうしたいものです。
大きなチャーシューも食べ応えがあり、とても美味しく頂きました。
ラーメンもどんどん進化しているんですね。

ごちそうさまでした。
次回はどんなラーメンなんでしょうか。

22世紀の民主主義

つい最近まで著者の存在は知らなかった。
NewsPicksのいくつかの動画で知っただけ。
ガーシーとの対談が初めてじゃないかな・・・。
なかなか刺激的な内容だった。

時代はどんどん流れていく。
というより変化している。
立ち止まっているとあっという間に置いてきぼりをくらう。
世の中の全てを理解しようとしても無理。
しかし、ある一定レベルを把握しておこないと思考も進化しない。
まだまだ放り出すわけにはいかないんだ(笑)。

本作の切り口は面白い。
とても斬新。
それが10年先に受け入れられるかは分からないが、
その感性や分析力にはなるほど!と唸らされる。

経済における「資本主義」、政治における「民主主義」。
その関係性を今まで考えたことはなかった。
資本主義の国が民主主義であるのが当然。
それが正解で疑うこともなかった。

しかし、著者が分析する民主主義の国ほど経済成長は低迷。
その相関関係で物事は語れないが、
中国をはじめ成長力の高い国を見せつけられると説得材料にはなる。
コロナ対策も非民主国の方が対応は早かったという。

今の日本を否定できても、僕らはどこかでバイアスの掛かった生活を送っている。
気をつけなければならない。
著者は若者の投票率が上がり政治に積極的に参加しても何も変わらないと断言する。
そもそもの仕組みやルールを変えることが前提。

極端な言い方をすれば政治家は不要。
選挙も政治家もない民主主義の実現も可能かと。
むしろそれが望ましいこと。
それは「無意識民主主義」といい、データを上手く活用し変換すれば実現可能というのだ。

僕にはそんな想像力はないのでイメージもつかないが、
何らかの意思決定をルール・アルゴリズムでデザインすれば辿り着くという。
理解できたような、できないような・・・。

だが、22世紀ともなれば実現可能な世の中になっているとも限らない。
今のままで問題はないと思うのは責任逃れであり、問題の先送り。
そう捉えた方が健全。

これも変化対応。
最近はめっきり自分よりも若い人に教えを請うことが多くなった。
きっとそれも健全なんだろう。
正解なんてない。
自分の中で作っていくしかない。

そんなことを改めて感じた一冊だった。

映画「夜明けまでバス停で」

僕らはまだまだ無責任なのかもしれない。
映画を観てそんなことを感じた。

本作の舞台は2020年。
ちょうどコロナが全世界を襲い、日本も緊急事態宣言が発動された時期。
まだ2年前の話。
現実問題として今もなおコロナ禍ではあるが、2年前とは様相は大きく変わった。

しかし、その時は僕も含め目の前が真っ暗。
何をすべきかもがいていた時期。
会社も大変。
果たすべき業務が果たせず業績は急降下。
赤字が積みあがっていった期間。

僕は自分の周辺を守るだけ。
会社と社員を守ることが役割だった。
それを果たすことはできたが、そこまでのこと。

映画に登場する人たちは蚊帳の外。
僕も自己責任といっていた一人にあたる。
それが悪いわけでもない。
自分の中の正しさ。
しかし、それは上から目線の正しさなのかもしれない。
政府の施策に文句をつけながら、僕も大した差はない。
と無責任さを感じたり・・・。

本作はひとりのホームレスの女性を描く。
運が悪いとしかいいようがない。
元夫の借金を背負い、自ら自作のアクセサリーを売りながら、居酒屋のバイトで生計を立てる。
すこぶる真っ当。
僕よりも懸命に働いているといっていい。

しかし、生活は苦しい。
挙句の果てにコロナでバイトをクビになり、住まいも失う。
転職先も誤解がありホームレスへ。
ありそうでなさそうな話だが、実際に近いことはあるのだろう。

親元や親しい仲間がいれば何とかなる。
それに頼りたくない気持ちも分からなくはない。
自ら不幸になる選択をしてしまう。
そうせざるを得ない。
僕も可能性はゼロではないな…と辛い思いをしながら映画にどっぷりと浸かる。

全ての原因は自分にあるという。
僕も常に自分に言い聞かせてきた。
それはまだ自分がどん底に落ちてないから言えるだけ。

もし、自分が同じ環境ならそこまで強く言えるだろうか・・・。
国や社会のせいにしないだろうか。
正直、分からない。

こんなことを書くとやたら重い作品に思えるかもしれない。
確かにテーマは重い。
しかし、映画は中盤から観方によってはコミカルな方向に進む。
社会への抵抗はさほど暗くはない。

ホームレスの主役三知子を演じる板谷由夏がいい味を出している。
他の出演陣も・・・。
ルビーモレノは久々に観たが、映画の途中まで誰か分からなかった。

監督は高橋伴明氏。
もう終わった人かと思っていたが、
(すいません、失礼ですね・・・)
健在だった。
未だ社会に対して反発する熱い想いは十分に理解できた。
それもユーモアを盛り込んで・・・。

昨年の「茜色に焼かれる」同様、時代を象徴する映画。
今だからこそ観る価値があるだろうね。