いい意味で予告編に騙された作品。
何度となく観た予告編は明らかにキムタクが正義、
ニノが暴走する若手検事のように思われる。
しかし、実際は・・・。
そのあたりは映画を観てもらえればいいのだが、
本作の予告編はイヤらしく観客を誘導し、
ついそれを信じて主役についていこうとすると裏切られる。
「カワイイ子、いるよ」とポン引きに引っ張られ、
見事に酷い目に合うケースに似ている。
例えがよくないな・・・。
中らずと雖も遠からずと思っているのは僕だけだろうか?(笑)。
僕はキムタクのファンではない。
特に好みの役者というわけでもない。
しかし、なぜか彼の作品を観ている。
酷評された「無限の住民」や「HERO」「武士の一分」も観ている。
特別上手いわけではないが、役柄はきっちりと演じ切っている。
同じ検事役でも最上検事と久利生検事とは性格も風体も全く異なる。
そこは十分違いを見せるのだが、
やっぱりキムタクであることはどうしても認識させてしまう。
役所広司さんとはそこが違うのかな・・・。
映画を通し、観る側に答えを求めているように思える。
その正義に共感することができるのか否か。
両方の捉え方はできるだろう。
行為として間違いは頭では理解できる。
だが、人間は感情の動物。
自分がその立場を最大限生かせるとしたらどうなるのか。
大義名分をかざすことも十分可能だし、
意志として感情を正当化することも可能。
人間の弱さとエゴを正義を盾にして自己矛盾に抵抗しているようにも思える。
こんな書き方をするとエラく小難しい映画のようなそうでもない。
あくまでも娯楽作品として観るべき。
きっと原田監督は社会派映画を
エンターテイメントに仕上げるのを得意としているのだから・・・。
最後まで飽きることなく面白く観れた映画だが、腑に落ちない面もけっこうあった。
そこだけはほんの少しネタバレさせよう。
観た方はそのシーンをどう観たか教えて欲しいし、
これから観る方はどう感じたかを教えて欲しい。
ひとつはニノと吉高由里子さんの絡み。
あれは必要か?
最初は吉高由里子さんが上手くたぶらかしたとも思ったが、そうではないよう。
もう一つは山崎努氏の存在。
どんな役柄かさっぱり分からなかったが、調べてみると大物弁護士。
その接点はストーリー上、結びつけるには無理があったような・・・。
僕の見方が足りないのかな?。
そのあたりを注意深く見てもらい、その答えを僕に教えて欲しい。
映画は答えを押し付けるケースも場合があれば、問いで終わる場合もある。
そこを含め映画の面白さ。
この作品もきっと賛否は分かれるだろう。
それについて語り合える場があるといいですね(笑)。