戦略の立て方、戦術の組み方はビジネスに通ずる面もあるだろう。弱小の組織が大きな組織に打ち勝つためにすべき手段が盛り込まれている。
全然違う表現だが、ドラッカーの「強みを生かせ」ということだ。
日本に当てはめれば、野村監督がヤクルトや楽天で展開した野球に近いのかもしれない。データを重視しながら、選手のモチベーションを上げ、金満球団に挑んでいく。その姿は似て異なるが・・・。
そうなるとこの「マネー・ゲーム」のような映画を日本で創ってもよさそうだが、そんな簡単ではないだろう。
まずあんな大リーグ選手と変わらないような俳優を使い、リアルに演じさせるのは到底無理。そんなシーンは白々しく映ってしまう。
そして、本当の試合を感じさせるようなスタジアムを描くのも難しいだろう。
(あの映画は全て演出なのかな。さすがだな・・・)
現代のVFX技術を駆使すれば何とかなりそうだが、それはそれで250キロのスピードボールが投げれそうな完全フィクションの世界。企画段階では面白くても、実現可能性が低いのが日本の野球映画になるのかもしれない。
本作とは全く関係のない事ばかり書いているが、僕はこういった人間ドラマとスポーツのリアリティが融合した映画は好きだ。主人公への感情移入もしやすい。人との駆け引きも面白い。
ブラッドピット扮するGMの男気も好感が持てるが、この映画はハッピーエンドで終わったかと言えばそうではない。最終的に主人公は成功を成し得ていないのだ。結果的に引き抜きを試みたレッドソックスは数年後、優勝しているし、他球団もこのスタイルを模倣したという。
それでもビッグマネーが飛び交う大リーグに一石を投した事には大きな価値があると思うし、そうせざる得なかったとしても、その挑戦は素晴らしい。僕も思い切った戦略を打ち立てられる人物になりたいものだ。
結局は映画の感想とは全然違う方向に進んでしまったが、気持ちのいい映画であったのは間違いない。
今週の日経ビジネスの特集は何とも恐ろしいタイトル。
マスメディアはどんな事でもランキングを付け情報発信してしまう。そのリサーチ力とデータ分析力には感服するが、内容を読んで恐怖心を覚えるのも事実。
前後して4月29日の日経新聞には「経営者の発言 指南します」という記事が掲載されていた。博報堂が経営者の年頭所感や株主総会での発言内容を指南するサービスを開始したという内容。
そんなビジネスが成立するのかと唖然もしたが、この特集を読み進めるうちにその必要性を感じたりもした。
トップのメッセージ一つで企業イメージが奈落の底に落ちることもある。どんなメッセージをどんな顔して発信するかはかなり重要だ。
僕のような小さな存在であれば、発信するメッセージは全て自分で考えるのが当たり前であり、今回の特集も新聞記事も他人事に過ぎないが、それは影響力が小さいから言えるからに過ぎない。
それでも、もっといい表現はできないものかと悩むわけだから、世間一般の認知された企業のトップの苦労は比較にならないだろう。
発信力ランキングは誰もが予測するだろうが、1位がソフトバンクの孫氏、2位がファーストリテイリングの柳井氏。両氏のマスコミへの露出度や著書を見れば、当然と言えば当然。
柳井氏は昨日ブログで取り上げた「成功は一日で捨て去れ」でもストレートにメッセージを発信している。しかし、この両氏、発信の仕方や考え方は大きく異なる。
ソーシャルメディアをフル活用する孫氏とは違い、柳井氏は明確な理由があって一切使わない。それだけでも2人のメッセージに対する大きなこだわりを感じることができる。
一方で世間に対してもメディアに対しても全くメッセージを発しないトップも存在する。それにも明確な理由があるが、現在の1億総メディア化した社会では通用しなくなりつつあるのも現実のようだ。
誤解を招く恐れがあるからといえ、何も言わないことが許される時代ではなくなってきている。僕が恐怖と感じたのはその点であり、指南サービスが生まれる背景もあるのだろう。
この特集では「メディアを使い倒せ」と締め括ってはいるが、果たしてどう時代は変化していくだろうか。マスでもソーシャルでも・・・。
どんな状況であっても、僕は自分の責任として自らが考えたメッセージを発したいと思う。いくら稚拙であっても・・・。
そのためにはもっと多くのトップのメッセージを聞いて学ばなければならないが・・・。
いつか読もうと思っているうちに文庫本が先ごろ発売された。従って文庫本を購入し、本書を読んだわけだ。遅すぎたかもしれない。
しかし、これは逆にラッキー。
2010年から2012年の柳井氏が表明する新年の抱負が追加で掲載されているのだ。
本書に書かれている2004年からの新年の抱負を読むとユニクロの変遷が理解できると共に、時代の移り変わりも手に取るようにイメージできる。
僕も会社を任された2010年より新年に標語を作成し、社員に発信するのだが、柳井氏の表現される思いを込めた内容とボリュームを比較すると恥ずかしくなる。その力強いメッセージに対して、自分の信念の貧弱さが如実に見えてしまう。経営者の格の違いは、こんな点にも大きく反映されるようだ。
裏を返せば、それがいい勉強材料になることに感謝すればいい。参考図書として役に立たせてもらえばいいだけだ。(前向き、前向き・・・)
本書で勉強になったのは、新年の抱負だけではない。
柳井氏の仕事へのこだわり、甘え構造の排除、顧客志向の徹底など、本書から読み取れる面は他にも多い。勝ち続ける経営者だからこそ、その言葉に説得力が生まれている。
全てが実践から発せられた言葉で、机上で進められる戦略は一つもない。己に対してどれだけ厳しく接すればいいのかが、恐ろしくなることも含めて・・・。
「会社経営で危機と利益は同義語」「チラシはお客様へのラブレター」「経営とは創意工夫で矛盾の解決をすること」などなど・・・。感心させられる言葉は多い。
年頭の標語についても同様だ。
2007年 「儲ける」
2011年 「Change or Die」(変革しろ、さもなくば、死だ)
と強烈な言葉が続く。
経営者の心構えと発信すべきメッセージは何が重要かを学んだ一冊であった。
本日から名大社では9連休に入る。
出血大サービスの長期休暇ではあるが、昨日まで連続出勤と激務が続いたので、会社のメンバーにはこれまでの疲れを癒しリフレッシュしてもらいたい。それぞれの休日を楽しんで欲しい。
肝心なのは僕の予定である。
悲しいくらい大した予定がない。家族サービスに旅行でもと考えたが、子供たちは部活や少年野球に忙しくそれどころではない。僕の知り合いの経営者には優雅にヨーロッパ旅行されるうらやましい方もみえるが、僕は一泊二日の旅行すらない。
入っている予定といえば、本日のナゴヤドーム、下手くそなゴルフ、仲間との何度かの飲み会くらい。別にゴールデンウィークでなくとも全く問題ない。普段の生活と何ら変わらない。そんな予定ばかりだ。
誰もいない静かなオフィスに顔を出して、一人で考え事でもしようかとも思ったが、それも自宅でできること。昨年までと違って・・・。
それでもやるべきことはある。
ひとつは購入したまま積み重なっているいくつかの本を読むこと。一日中、読書する集中力はないが、この休暇中に何冊かは読んでおきたい。「経営の教科書」や「マネジメント」は読み返す必要もあると思うし。観たい映画も沢山ある。そう思うとオタクチックにやるべきことは多そうだ。
あとはランニングして、たまにスーパー銭湯でサウナに入って、カラダをリフレッシュさせる。理想の経営者の休暇とは程遠いチープな生活になりそうだが、未熟者としては妥当な過ごし方かもしれない。
整理しなければならない仕事もあるし・・・。
充実した休暇を過ごして、GW明けに元気な姿でお会いしましょう!
(僕が充実しているかは別にして・・・)
今週は名大社の13卒向け会社説明会を開催した。
例年よりも少し遅い開催だったが、セミナールームは予定通り満席。あらかじめドタキャンを予測して予約を募っているので、予定通りがいい事とは思わない。
数は少ないとはいえ、何の連絡もなく欠席する行為が残念でならないからだ。うちの会社に対する興味度はどうでもよく、相手のことを全く考えない態度に対して逆に不安になってしまう。キャンセルする方法も簡単すぎるというのに・・・。規律ある対応をしてもらいたい。
それはさておき、名大社の会社説明会は2年前から若手社員2人に運営を任せている。話す内容も作成するパワーポイントも口出しはしない。厳密に言えば、パワーポイントのデザインにクレームをつけることはあるが。あくまでも個人的な好みで・・・。
3年目を迎えた今年は作成する内容も使う写真やコピーもかなり修練されてきた。やるな!思わせる表現も多くなってきた。
そんな若手が運営する会社説明会だが、僕はその中で10分だけ話をさせてもらう。「何でもいいので話をしてください!」と頼まれるので、その時々に考えている会社のことを話をする。
それでも中味はしっかりとまとめ上げ臨む。しかし、資料も作らなければ何かを見ながら話をするわけではないので、話はあらぬ方向に向かうし、気づけば20分近く話をしているのが現状。
今年は過去2年と全く違う話をしたわけだが、その7割は会社と自分のダメなところを話す。残りの3割でそのフォローをするが、明らかにマイナスイメージが付きまとう内容。
それに輪をかけて、若手は仕事の厳しさを語る。実際の厳しさ以上に厳しい話をする。営業は1ヶ月に400件訪問すると言うが、ちょっと大げさすぎるだろとも思う。夏にはスーツから塩が噴くとも言う。おいおい、そんな姿見たことないぞとも思うが、その場では何も言わない。任せる時は任せなければならない。
説明会後、酒を酌み交わしながら、その話をすると「営業はそれくらい厳しいという覚悟で来て欲しい。」と言うのだ。20代半ばの社員が・・・。どれだけ頼もしいのかと感心してしまった。僕の方が余程甘いな・・・。
僕が圧倒的に会社のダメな話をして、若手が圧倒的に仕事の厳しい話をするにも関わらず、出席者の9割以上が選考を受けたいというから不思議だ。(100%にはなりませんが・・・。当然ですね。)
きっとそんな会社でも共感できる面が少なからずあるのだろう。
今後の説明会で、僕はまた違った話をしてしまうかもしれないが、それもいいだろう。
選考はしばらく先だが、どんな学生と面談できるか今から楽しみである。
最近はほとんど活動していないが、これでもキャリアカウンセラーである。歴とした有資格者なのだ。資格をしたのは今から7年前(多分・・・)。
今年も社員に資格を取得させるよう講座に通わせているが、僕が通っていた当時とかなり内容は変わっているようだ。圧倒的にボリュームが増え、覚えることが多い。試験のハードルも上がり、簡単には合格しない。
今や人気のある資格の一つになってしまったので、資格取得も相当勉強しないとクリアできない。
僕が受講した時は、キャリアカウンセリングの中にメンタルヘルスは存在しなかったが、実社会の変化と共にその必要性が生じてきたようだ。最近はメンタルヘルスを学ばなければならない。企業の取り組み姿勢も積極的だし・・・。
それが理由ではないが、昨日はメンタルヘルスの基礎知識を学ぶ場に参加した。
今や50人に1人がうつ病であるというから、特別な病気ではない。昨今の中途市場でもメンタル面を理由に転職されるケースは増えているのも事実。となれば、経営者としてもキャリアカウンセラーとしても基礎知識くらいは叩き込んでおく必要はあるのだ。
あくまでも今回は基礎であるため、予想を超える学びはなかったが、仕事を提供する側として、社員との接し方で注意するポイントは改めて認識できた。基本はキャリアカウンセリングで用いる技法と同じ。そして、どう未然に防ぐかが重要ということ。
過去において名大社では心身症もメンタルヘルス不全も患った社員はいない。しかし、今後も患わないとは言い切れない。どんな企業でもあり得る話だ。メンタルに強い人間を育成すると共に、より働きやすい職場環境を作らねばならない。
今回の講習では自分自身でもエゴグラムを実施し、ストレス耐性を測ってみた。どうやらストレスをあまり残さないタイプのようだ。
そんなはずはないのだが・・・。(笑)
昨日、お世話になっている社長の会社で、ストレートに言われた事があった。
「最近、顔つきが良くなってきたな。社長らしくなってきた。」と。
素直にうれしく感謝したが、その後に続く言葉があった。
「3年前は時間給で働いている営業のようだった。」と。
かなりショックな言葉であった。
個人的には今も3年前もその社長に接する態度は何ら変わっていないつもり。努めて明るい態度で臨んでいるはずである。しかし、社長の言われることが正解なのだろう。
環境としては一番厳しい状況で、僕自身もかなりくたびれていた時期であったことは否定できない。自分では気づかないうちに表情に出ていたのだ。その悲壮感が・・・。
思い出してみると何の反論もできなかった。
どんなに繕っても人の表情は素直に出てしまう。自分としては百戦錬磨のつもりでも達人はそれを見抜いてしまうのだ。
それは就職活動における学生も、新入社員が成長する過程でも同じこと。みるみるうちに顔つきが変わっていく。物事が上手く循環すれば表情は明るくなるし、仕事を覚えていけば大人の雰囲気を醸し出していく。逆も然り。
そう考えると人の顔つきは正直で、その時々の置かれた状況がストレートに反映される。
これからの季節は何かにつけ、それが映し出される時期だろう。
僕としては、今回、社長に言われ、うれしく思ったことを維持しなければならない。もしくは更に顔つきを良くしなければならない。
人の顔つきは変化していく。
もっともっと、らしい顔つきにならねば・・・。
イベントの初日を終え、本日2日目を迎える。
今回は企業展&転職フェアの両日開催で、13卒対象の企業が48社と昨年同時期と比べればかなり社数が増えたことになる。
また、3月中旬あたりから新卒ナビの申し込みも勢いが増しており、地元中小企業が本腰を入れて採用活動を行うことが肌で感じられる。企業の増加は学生さんにとってはチャンスが広がる。
それを反映してか、昨日一日の結果で見れば、学生さんの参加も3月のイベントよりも増え、活発な動きを見せている。
大手企業の選考がひと段落し、中小企業を中心に新たな志望先を探す学生さんが増えた事が理由の一つ。それは想定通り。例年この時期はそのケースが多いからだ。しかし、今年はそればかりでない。
これから本格的に就職活動を行う学生が多く見られたのだ。昨日行った講演でも就職相談でも、就職活動初期に見られるような素直で純粋な学生が多かった。うちのスタッフのアドバイスも真面目に聞いていたし・・・。
昨日の雰囲気を見ていると一見、曇りがちになる就職活動が明るくなる。
懸命に学生に語りかける企業も、真剣に耳を傾ける学生が目に映る。このような相互が理解する場は、いつの時期も必要なのだ。
たとえ初期の就職活動が上手く進まなかったとしても、これを繰り返していれば、お互いが認めあえる時期がいずれ訪れるのだ。
こういった合同説明会に限らず、企業と学生との接触の場はまだまだ続く。第一志望が叶わなくとも、落ち込む事はない。
新しい出会いが必ずあるし、そこから運命的な企業が見つかる可能性もある。本日もそれを期待したい。
昨日もそんな一日だったはず。だが、ちょっと残念だったのは、事前予約で開催した講演のドタキャンが4割ほどあったこと。一定数のドタキャンは予想するものの、その数が多いと悲しい気持ちになる。その行為も就職活動の一環なのだ。全ては繋がっているのだ。相手を意識することこそ、就職活動には必要となるのだ。
今年も各企業の会社説明会ではドタキャンは多いと聞く。それは注意してもらいたい。みんなが迷惑をする。本当に・・・。
2日目の本日、お互いにとって有意義な時間を過ごしてもらいたい。
今週は名大社が活用する研修会社の経営者セミナーに参加した。
講師は本多プラス株式会社の本多会長。昨年秋のカンブリア宮殿にも出演した東三河の個性的なモノ作り企業だ。
創業は戦後間もない1946年。筆のサヤの製造からスタートした同社であるが、その後、プラスチック・ブロー成形品の開発・製造・販売を中心に行う企業へと変化していった。
「他人のやらないことをやる」という経営理念にあるように、手掛けられている製品は個性的だ。大変失礼な言い方だが、三河地区の製造業が手掛けるとは思えないほど、斬新でオシャレである。会長の講演内容と製品の特徴に、その製品に対する思い入れが十分に伝わってきた。
一般的に製造業がこだわるのは開発力や技術力が中心だが、本多会長は営業にこだわっているのがユニークだ。
今回の講演で、僕が最も印象に残ったのは「自ら考え、自ら作り、自ら売る」という言葉。仕事が面白いのは、この全てが完結してからという言葉に大いに共感した。
我々の事業も同じである。全てを自分たちで考え、作り、販売している。企画するだけ、営業するだけ、ではないのだ。その分、言い訳の余地はないし、全ての責任を負わなければならない厳しさがあるのは事実だが、仕事の醍醐味であるのも間違いない。評価もダイレクトだ。
今まであまり意識しなかったが、「自ら考え、自ら作り、自ら売る」ことが、いかに大切かを思い知らされた。カタチの見えるモノを作る企業とカタチの見えないサービスを提供する企業との違いはあるにせよ、基本的な考えは同じなのだ。また、一つ学びを得たことになる。感謝!
この本多プラスはいい意味で尖っている。この企業の手がけたアジパンダで味の素の売上が2割アップしたという。
一時はプレミアムもついて、15000円の値がついたらしい。ここにも同社のこだわりがあった。次の展開が楽しみだ。
ここ1カ月ほど、バタバタしており、経営者の話を拝聴する機会はなかったが、このような場は継続させなければならない。
僕がこれ以上にボンクラにならないためにも、刺激を受け続けなければならない。
ありがとうございました。