このポスターと予告編だけであれば観ることはなかった。
また、紹介記事ではホラー映画のジャンルに分類されている。
僕はホラーはまず観ない。
本来であれば素通りする作品。
しかし、観てしまった。
理由はただひとつ。
Voicyで中谷祐介氏が絶賛していたから。
中谷氏はぴあの編集者で「映画のトリセツ」という情報番組をVoicyで配信している。
僕はこの番組を車で聞くのだが、あまりの絶賛ぶりに耐えられず劇場に足を運んだ。
中谷氏はホラーでもなければ、タイムトラベルものでもないという。
傑作に近い表現。
まんまとその解説に乗せられた流れ。
僕のブログを読んで、感化され映画館に出向く人に近いのかも・・・。
それは違うか(笑)
観終わった後は「う~ん、なるほどね・・・」と何の参考ならない感想。
これでは良かったのか、悪かったのか、区別がつけようがない。
でも、僕の感想は「う~ん、なるほどね・・・」。
ホラーじゃないといえばホラーじゃないが、やっぱりホラーな気もする。
タイムトラベルものも同様。
どうにでも受け止められる。
しかし、ホラー作品に留めておくのは勿体ない。
それで片付けちゃいけない。
そんな意味では中谷氏と同じ意見。
60年代と現代のロンドンが交錯し、そこに絡む人間模様も時代を反映させる。
表舞台と魅力と裏舞台の猥雑さが混じり合い、悲劇が悲劇を呼ぶ。
どこに向かえばいいのか、何が正解で何が間違いなのか、戸惑う場面も多い。
時に席から飛び上がってしまうような演出もあったり・・・。
あまりドッキリさせんでくれ。
ここまで書いたところで映画のことは何一つわからない。
少しだけ紹介すると60年代に憧れるファッションデザイナー志望の女子学生が、
一人暮らしを始めた訳ありアパートで夢の出来事を描く作品。
それが半端なく美しく、半端なく恐ろしい。
簡単すぎるがそんな映画。
主役は2人といっていい。
現実のデザイナー志望の学生エロイーズと夢の中で歌手を目指すサンディ。
この交錯する姿に僕らはハラハラさせられる。
この2人に魅了された男性客は多いんじゃないかな。
僕はエロイーズを演じたトーマシン・マッケンジーの方がいい。
それも派手になっていく姿より田舎娘であか抜けない頃が可愛らしい。
最近、海外の女優に惹かれることが多くなってきた。
若い証拠だね(笑)。
僕の映画目線は中谷氏とは異なるが、映画の魅力を感じたのは事実。
きっと世のオジサンにもウケるだろう。
今回、Amazonプライムの有料版で鑑賞。
少し前まで無料作品だったと思ったけど、違ったかな(笑)。
本作の日本での公開は一昨年。
その年のキネマ旬報ベストテンにもランキングされていた。
気になっていた作品だが、観ようと思ったきっかけは「それでも映画は「格差」を描く」。
本書はストーリーを完全にネタバレさせ、著者の見解で格差を語る。
映画を観ていない者には酷な書籍だが、その視点は面白かった。
一般的に本作はミステリー作品。
観ながらどんどん迷宮に入っていく。
主人公であるジョンスに感情移入し、
それに絡むヘミ(ジョンスの幼馴染みで結ばれる相手)、
ベン(ギャッビー的な謎の男)の存在に戸惑っていく。
特にベンはまともなのかそうでないのか全く分からない。
見るからにお金持ちのスマートな若者。
ポルシェを乗り回すが、威張るわけでも偉ぶるわけでもない。
その隣に何故かいるヘミ。
その関係はどうなっているんだ・・・とジョンスのように観る側も感じる。
そんなふうに映画は展開し、衝撃的なラストを迎える。
何の知識も持たずに映画を観たのなら、
現代韓国を描くミステリー作品に留まっていたのかもしれない。
しかし、書籍を読んだことでいろんな背景を考えながら観てしまった。
韓国内での格差が反映されてると。
大学を出ながらフリーターでギリギリの生活をするジョンス、
遊んでいるようにしか思えないが高級マンションに悠々自適に暮らすベン。
そして妄想なのか本能のままなのか分からないヘミ。
そこには「大いなる飢え」があるという。
その「飢え」が衝撃的なラストを生む。
そのラストは納得できない流れではない。
しかし、それが「飢え」からきているかは観ている者は分からない。
その点もミステリアスなのかも・・・。
きっと監督はそこまで計算して本作を制作しているんだろう。
最近の韓国映画はイヤらしいね(笑)。
本作の原作は村上春樹の「納屋を焼く」。
いつ読んだ?
大学時代か?
完全に忘れている。
もう一度、読んでみたくなった。
2021年の毎週水曜提供の食べ物ブログは今回が最後。
今年も一年お付き合い頂き、ありがとうございました。
多くの方から「伏見界隈のお店は参考にしてます。」とか、
「いつも美味しいものを食べてて羨ましい」とか、
「水曜日のブログのファンです」とか、お声がけを頂きます。
せっせと他にマジメなブログも書いていますが、水曜日が一番評判がいいようです。
ありがたい話ですが、どうなんでしょう・・・。
素直に喜んだ方がいいのでしょうか。
今週から始まった新シリーズの人気が高まることを期待します。
今週は番外編です。
今年秋にオープンしたイオンモール Nagoya Noritake Gardenにお邪魔してきました。
こちらはただのショッピングセンターではありません。
BIZriumというオフィス棟も隣接し、そこには大学のキャンパスもあります。
今回は買い物ではなくその大学の視察が目的でした。
このBIZriumは「働く」と「暮らす」を一体化させ、ワークワイフブレンドを提案しています。
オフィス棟からダイレクトにフードコートに食事に行ったり、
休憩の合間に夜の食材の買い物ができたり、
散髪もできたりと何かと便利な場になっています。
担当の方にご案内頂きましたが、オフィス移転を考えたくなりました。
せっかくなので、こちらで食事を楽しむのもいいでしょう。
中部地区初出展や新業態初店舗が多いのもこのモールの特徴。
「豚ステーキ専門店B」さんに行ってきました。
こちらの本店は北九州市ですが、名古屋店は地元の愛知みかわ豚を使用。
地産地消的な考え方もいいですね。
こちらのメニューはとてもシンプル。
豚に拘った数種類のメニューしかありません。
ここは代表的なメニューをオーダーすべきでしょう。
豚ステーキ定食 1000円
豚ステーキ専門店で豚ステーキ定食。
これ以上のシンプルさはありません。
アップにするとこんな感じ。
豚肉が踊っています。
この豚ステーキをどう食すのか。
いろんな薬味を楽しめるのも特徴かもしれません。
ご飯、みそ汁もお替り自由。
瞬間的に気持ちが揺らぎましたが、ここはグッと我慢。
この豚肉なら何杯でもいけそうなのが正直な感想。
とても美味しく頂きました。
こちらの施設は話題になっている店舗も多いです。
流行に敏感な人気食べ物ブロガーは見逃しません。
ただのミーハーという話もありますが・・・。
TSUTAYAさんの店舗。
みんな写真を撮っていますね。
同じ行動・・・。
どれだけの人が本を買っているでしょうか。
ごちそうさまでした。
来年も食べ物ブログをよろしくお願いします。
今日で名大社を任され12年が終わる。
明日から13年目がスタートする。
1989年に入社して33年弱。
2/3が社員として過ごし、1/3を社長として過ごしている。
長いようで短い。
短いようで長い。
僕の名大社の半生なんて大したものではない。
威張るものでもない。
それでも喜びも悲しみも経験し、多くの乗り越え、今に至っている。
世の中の成功した経営者からすれば、足りないものだらけ。
伝えられることも限られている。
しかし、自分が辿ってきた道を振り返るのもいい機会。
このブログで33年間の半生を綴ってみようと思う。
3回で終わるかもしれないし、半年くらい掛かるかもしれない。
先の見えない作業だが、当時の記憶を引っ張り出しながら、自分を美化せずに書いていく。
30歳からは日記をつけているし、半年に一度行われた幹部研修会も議事録が残っている。
そこを紐解きながら、どんな仕事をしてきたか、
何を考えて行動していたかをできるだけ披露していく。
プライベートなことは極力書かない。
必要最小限に留めておく。
今も当時の日記を読みながら振り返っているが(昨日現在で2008年)、
家庭内でいかに機能していないかが克明に書かれている。
特に30代は酷かった。
家庭のことは嫁さんに丸投げし、子育ても全て任せてきた。
罪滅ぼし程度の夏休み、冬休みの旅行と場当たり的な休日の遊びしかなかった。
今のご時世を考えると完全に家庭人失格。
よく我慢したと思うと共に子供たちを立派に育ててくれた。
ブログで振り返る前に、まずは嫁さんに改めて感謝。
あくまで仕事中心の日々だったが、言い訳はできない。
今思えば、自分でもよくあんな生活ができたなと感心してしまうほど。
後悔はしていないが、大いに反省はしている。
30代のハードな日々はいずれアップされるだろうが、まずは謝罪と感謝から・・・。
いかん、何も振り返らないうちに初回が終わってしまった。
次回より入社からの出来事を書く。
毎週月曜日は半生を振り返るブログ。
こちらのシリーズもよろしくお願いします!
原題は「I Care a Lot」。
英語力のない僕がググって翻訳すると「私はたくさん気にします」。
映画を観終わった後であれば納得するが、何となくイマイチだし、原題では伝わらない。
そう思うと「パーフェクト・ケア」という造語?は映画を象徴し絶妙。
ロザムンド・パイクの表情からしてピッタリなタイトル。
僕に共感する人いないかな?
主役を演じるロザムンド・パイクは今僕が最も好きな海外女優。
海外の女優さんはなかなか覚えられないし、
いくら美人でもそんなに惹かれることはないが、彼女は別格。
僕の中では燦然と輝いている。
それはなんだろうか。
美しさに惹かれるよりも、
(もちろんタイプの美しさだけど)
そのたくましい演技と魅せる表情に完璧にノックアウトにされる。
さほど本数は観ていないが、以前見た作品も衝撃だった。
「ゴーンガール」では美しくも危険で恐ろしい妻を演じていたし、
「プライベート・ウォー」では片目を失くした命懸けのジャーナリストを演じていた。
この2本だけでも完全にやられたわけだが、負けず劣らずの本作の演技。
あの勝ち誇った笑顔や感情むき出しもあれば、無表情に徹する表情は恐ろしさを超える。
そして、クラクラとのめり込んでしまう。
やあ~、すべてがステキ。
ということで僕の中のナンバーワン女優。
以上、映画コラムニストブログでした。
と終えたいが、そんなわけにもいかない。
少しは映画を紹介しないと・・・。
本作を社会派ドラマと捉える人もいれば、
サスペンス・コメディと捉える人もいるだろう。
アクション映画の要素がないわけでもないが、捉え方はまちまち。
いろんな解釈を生むはず。
また、本作で描かれるような事件が起きないとも限らない。
すでにアメリカでは起きているのかな?
判断力を失くした高齢者の後見人となり、
その資産を搾り取ってしまうような悪徳後見人が起こす事件が・・・。
きっと日本でもそれに近いことは起きていくだろう。
犯罪としてではなく、善意として行う行為に恐ろしさは倍増する。
それを笑顔で粛々と進めるロザムンド・パイク演じるマーラ。
どんな脅しにも屈することなく、闇の組織にも勇敢に立ち向かう。
一体、彼女を支えているのはなんだろうか。
その逞しさの源は不明だが、男性への接し方や相方のと関係性で想像することは可能。
いや、強い。
こんな女性は絶対に敵に回したくはない。
2021年も終わるタイミングでインパクトの強いショッキングな作品に出会った。
なにげにおススメしたい一本。
そして、女性の笑顔には気をつけろ。
資産なんて持たない方がいいね(笑)。
この1冊を読むのにどれだけ時間が掛かっているというのだ。
本書を勧めてくれた盟友櫻山さんの過去の投稿によると、
著者の睡眠時間は3時間、読書時間は一日平均6時間、執筆時間は一日12時間とのこと。
読書も月平均300冊という。
300冊読もうと思うと何年かかるんだろう。
もちろん一日6時間の読書すれば1年もかからないと思うが、
その時間の掛け方は尋常じゃない。
アウトプットの量がインプットに比例するとまではいわないが、
佐藤氏のインプット量は半端ない。
だからこそ本書なんてサラッと書けてしまうのだろう。
本書には20冊の悪書が紹介され、佐藤氏が鋭い視点で解説している。
この中で僕が読んでいるのは3冊のみ。
それだけで失格者の烙印を押されそう。
ヤバいね・・・。
それも「告白」「ゼロ」「突破者」というその時代にベストセラーになった作品しかない。
ヒトラーもスターリンも毛沢東も金正恩も読んでいない。
情けないがドストエフスキーも読んでいない。
う~ん、アウトプットはインプットの量に比例するのか(汗)。
今後、時間が作れるのであれば、この悪書を片っ端から読むのもいいが、
興味が沸くのはどうしても古典よりも最近の作品。
カルロス・ゴーンやトランプあたりを先に理解したいと思ってしまう。
佐藤氏は悪書を踏まえながらカルロス・ゴーンもトランプもプラスの評価をしている。
その表現は説得力があり、マスコミの評価と一線を画す。
ホリエモンについても一定の評価をしながらも危うさをバッサリ。
なるほどね。
そして巻末にはこんなことを書いている。
今回取り上げたような異質な作品を、
「良い悪い」や「好き嫌い」といった主観に引っ張られすぎずに
大局的な視点から読んでみることは健全な常識を育むトレーニングになるし、
抵抗力を高めるワクチンの役目を果たす。
大局的に視点を持つには良書だけでなく悪書も必要だということ。
まだまだ未熟な身。
それよりも読書量を増やさないとね。
12月に入り夜の予定が増えてきました。
今週がピークでしょうか。
コロナの影響があるとはいえ、明らかに昨年とは異なります。
どうやら僕の周りの関係者は我慢できない人たちが多いようです。
会社全員での忘年会はまだ様子見ですが、
少人数の忘年会を対策を講じながら実施する日が続きます。
二日酔いはほとんどありませんが、飲んだ翌日はどうしても麺類を体が欲します。
それも汗を流すことのできる辛さを求めてしまいます。
錦通を北に向かった場所にある「豪運来」さんに行ってきました。
昼間でも周辺に光を放っています。
夜はかなり目立った存在になっています。
回転小火鍋、四川伝統火鍋とは一体どんな鍋なんでしょうか。
まさか回転ずしのように回っているわけではないでしょう。
こちらはランチをお値打ちに食べさせてくれます。
トマトラーメンや和風ラーメンも気になりますが、大陸系のお店だとどうもピンときません。
ここは当初の予定通り、辛さを求めていきましょう。
「すいませ~ん、四川ラーメンとチャーハンのセットで!」
「大盛りじゃなくていいですか?」
「はい」
「100円で大盛りにできますが、普通でいいですか?」
「はい」
そんなに大食いに見えるのでしょうか。
大陸系の女性が慌ただしく注文を取り、厨房に向かっていきました。
こちらは食べ放題のランチもあり、全種類のラーメンも食べれるようです。
「そんなに食べれないよ・・・」
一人で呟いていると運ばれてきました。
ランチセット 580円
四川ラーメン、チャーハン、そしてキムチのセットです。
絵的に寂しいのでアップにしてみましょう。
奥の方に煮卵が隠れていますが、食べ始めて気づきました。
ラーメンもチャーハンも小さめ。
そこでようやく注文に意味を理解しました。
大盛りを注文するとラーメンもチャーハンも普通サイズになるようです。
「なるほど、そういうことか・・・」
100円足しても680円ですから、お値打ちであるのは間違いありません。
瞬間的に後悔しましたが、すぐに現実に戻りました。
「普通サイズのチャーハンと普通サイズのラーメンって、相当じゃん」。
やっぱり580円の小ぶりなセットで十分です。
これでもお腹は満たされます。
特別美味しいわけではありませんが、この価格なら良しとすべきでしょう。
四川ラーメンはもう少し辛くてもいいですが・・・。
ごちそうさまでした。
今日のことではない。
先週の話。
約1年半ほどスッポリ抜けていたリアルの会がようやく戻ってきた。
それも朝も夜も・・・。
この日の朝はクラブ愛知40周年記念特別例会。
出身大学の経済人で構成される同窓会グループが今年で40周年を迎えた。
本来であれば記念懇親会の予定だったが、コロナ禍であるため特別例会に変更。
大学の歴史を学び、現学長から今後のビジョンを伺う場となった。
大学は今年で75周年を迎える。
それ以前の歴史的背景もあるが知る機会はなかった。
軽く伺う場はあったが、しっかり学んだのは初めて。
学長による中期ビジョンも参考になった。
大学時代はサボってばっかりで最低の成績だったが、母校に改めて誇りを持つことができた。
夜は西川塾の例会及び忘年会。
今月より活動を再開。
真面目に勉強会を行い、
(今までも真面目にやってたけどね)
毎月塾生が自らの経験や今後を語っていくことになった。
ちなみに僕の発表は来年1月。
昔、名大社にも勤務していためんどくさい女社長と一緒に発表する。
元々部下だが、僕がスライドを作ることになった。
うむ。
そんな話はどうでもいい。
初回の先週は株式会社アド・ライブ遠藤隆一郎社長。
彼とは10年ほどの付き合い。
学生時代にイベントサークルを立上げ、そのまま起業し30年が経過。
就職経験はなく社長経験しかない。
それだけでも感動ものだが、彼の生き様を改めて知って大いに勇気付けられた。
知り合った時からナイスガイ。
広告会社らしい身の軽さでべらぼうに話も上手い。
西川塾では硬めの挨拶は山田、柔らかめは遠藤と役割も決まっていた。
そんな彼だが1年半前にレーベル病で視力を失った。
今は全く目が見えない。
詳細を書くのは控えるが、いざ、自分が同じ目に遭ったらと想像するだけでも・・・。
遠藤さんは起業から今に至るまでを明るく楽しそうに1時間語り続けた。
もちろん台本もない。
あっても読めない。
パワポもない。
30分に1回、時間を分からせるためにBGMが鳴るだけ。
泣いた日々も続いたが、それを跳ね返す精神力。
鼻から下は元気いっぱいとユーモアたっぷりで語る姿。
以前の遠藤さんと何ら変わらない。
僕ら塾生仲間は笑いながらも感動するしかなかった。
こんな仲間が近くにいて最高と思える瞬間だった。
遠藤さんが強く言っていたのが「言葉」の大切さ。
今は心の中に刻むことしかできないという。
そして、彼が大切していることをみんなに配ってくれた。
そうだよね。
今、やってることが20年後に表れるんだ・・・。
例会終了後は忘年会。
必要以上のソーシャルディスタンスだったが、こちらも楽しい会だった。
そして、定番のナモ締め。
塾生は100%理解しているので、寸分狂わずの手拍子。
久々にまとまったナモ締め。
もっと遠藤さんの話は知ってもらいたいが、ここは仲間だけということで・・・。
ステキな火曜日。
ありがとうございました。
本作のキャッチコピーは、
人間は、「偶然」には勝てないー。
この「偶然」という言葉はいい意味で厄介だ。
僕は大学のキャリアの授業や学生向けの講演で、キャリア理論家クランボルツ氏の
「偶然の出来事は人のキャリアに大きな影響を及ぼし、かつ望ましいことである」
を強調し、偶然の出会いの必要性を語っている。
僕自身、そんな偶然で今の人生が出来上がり、
自分のキャリアにとってプラスに働いているからだ。
それがみんなにもたらされれば、よりハッピーに近づくと信じる。
だが、しかし、その「偶然」は本作の場合、180度違う展開。
ポスターだけでも偶然は不幸をもたらすものと感じ取れる。
う~ん、これから強く言えないじゃないか・・・。
いや、本作は実話をベースにしたのではなく完全なフィクション。
巧みな構成で練り上げられた凝りに凝った作品に過ぎない。
まあ、気にすることはないか・・・。
キャリア理論との接点はここまでにして、偶然が絡み合った本作は実に面白い。
過去にこんな映画があったと錯覚するが、観たこともない斬新なアイデアとも思える。
ネタバレになるのでストーリーに触れないが、僕としてポイントと感じたのが1000ユーロ。
イメージが付きにくいので日本円に換算するとざっと128,000円。
決して小さくない金額。
一介の牧場主がへそくりを赤の他人に送金するには勇気がいる行為。
舞台はフランスだが送金先はコートジボワール。
公用語はフランス語なので、チャットでの会話は問題ない。
少しだけネタを明かすと牧場主は出会い系サイト(?)で知り合った女性に熱を上げてお金を送る。
その女性はでっち上げで、正体はコートジボワールに住む貧困男子。
まんまと牧場主は騙される。
コートジボワールの一人当たりのGDPは2281ドルというから1000ユーロは大金。
味を占めた若者は次から次へと牧場主を騙すわけだが・・・。
これは映画の重要なシーンではあるが、偶然の一要素でしかない。
これとは異なる要素が絡み合って殺人事件へと繋がっていく。
だから「悪なき殺人」。
最後まで観ると、「あ~、なるほどね・・・」と納得するが、途中段階では???の連続。
こいつらは一体何の関係があるんだ!
と突拍子もなく現れる人物や意味深なセリフに振り回される。
そして、まんまと監督の術中にはまる。
ドミニク・モルという監督は知らなかったが、かなりイヤらしい人物。
すいません。
地味な作品ではあるが、ハラハラと引っ張られてしまった。
いえるのは後ろめたい行動はしないこと。
やはり「偶然」はいい方向に持ってこないといけないね。
勉強になりました(笑)。
本作は当初観るつもりはなかった。
気にはなっていたが、僕の中での優先順位は低かった。
それを見透かしたのか、またまたミセス日本グランプリ受賞の姐さんから
「山田社長、これを観なさい!」
とほぼ命令に近いコメントがあった。
姐さんの2021年のワンツーは本作と「あのこは貴族」。
ちょっと趣味が違うなと思いながらも(笑)、素直に従うことにした。
確かに観る価値はある。
特に50歳をとうに超えたオッサン、オバサンは若い感覚を取り戻す、
いや、理解するためにも観ておくべきだろう。
新しい日本映画のスタイルともいえるし、今の若者像を忠実に描いた群像劇ともいえる。
映画というよりはミュージックビデオを繋ぎ合わせた感じ。
詩的でもあり実験的でもある。
表現は難しいが、タイトルの「スパゲティコード」とあるように何かが複雑に絡み合っている作品。
僕は映画を観るまで「スパゲティコード」という言葉を知らなかったけどね。
その時点で遅れているのか・・・。うむ。
僕の学生時代はバブル期だったこともあり、ノーテンキ一色。
もちろん将来のことも、人生の意味も考えていた。
しかし、それは1日の中の3分で、残りの23時間57分はお気楽な感じだった。
明るい未来しか描けてなかった。
本作には立場の異なる13人の若者が今を悩み、嘆き、生きる苦しさを心の中に抱えている。
見かけは僕の学生時代よりチャラいが、中身はかなり重い。
それが現代の正しい若者像かどうかは不明だが、
本作を観て共感する同世代は間違いなく多いはず。
同じしんどさを抱えてる。
解決方法は友達とダベることもあるが、頼るのはSNSでありオンラインツール。
電話なんて誰も掛けることはない。
つぶやく言葉もネガティブワードばかり。
もっと前向きに生きろよ!と声を掛けたくもなるが、バブル世代には何の説得力も持たない。
こんなことを書くと暗くて重い映画だと思うが、作品はリズミカルに展開し映像も美しい。
その撮影方法も前衛的な雰囲気を漂わせる。
冒頭に書いたミュージックビデオを繋ぎ合わす作り。
丸山健志監督はデビュー作で才能が花開いたということか。
何の実験でもなく、自分の作りたい映画を黙々と作ったらこうなったということか。
バブル世代の正統派映画コラムニストとしてはこの流れに付いていくのに必死だったが、
今後、この類の作品が当たり前に公開されていくのだろうか。
どうなるか見ものだし楽しみ。
舞台は東京ど真ん中。
夢をかなえるのも、人生の落伍者になるのも、東京にいるからこそ実現する。
都合のいい言い訳はできないわけね。
もっと前向きに生きろよ!と最後まで言わない終わり方でよかった。
やっぱり未来を明るくしていかないとね。