元岩手県知事増田寛也氏とIGPI代表の冨山和彦氏との対談集。
冨山氏の前著「なぜローカル経済から日本は甦るのか」 に共感し、内容が近い本書も手に取った。
最近、行政でも地方創生という言葉が飛び交い、ジャブジャブと予算も使われている。
その使い方が正しいかどうかはともかく、それだけ地方に注目が集まっている。
僕らのビジネスの基盤となる愛知、岐阜、三重もそう。
「ここが地方といえるのか!」とハゲタカらしき人が迫ってくるかもしれないが、
このエリアも首都圏に対しては地方。言い換えればローカルな地域となる。
そこではそこで成り立つ産業や盛り上げるサービスを作っていかねばならない。
ついて回るのは雇用。
僕たちが大切にしていることと都合よく考えればリンクしているわけだ。
この類の書籍に共鳴したこともあるが、最近、大学のガイダンスで講演させてもらう時は、
地元就職(=ローカル)のメリットを強調するケースが増えた。
それはグローバルを否定するのではなく、その両方が上手く機能することで、
働き手の満足度も向上することを言っている。
冨山氏の発言はドラスティックな面もあるとは思うが、本質を突いている。
ローカルであればこそ、2.5次産業みたいなものが需要を満たしていくだろうし、
最近、よく耳にするドローン、人工知能、IoTもローカルだからこそ活かせる技術になり得るという。
僕の幼稚な頭ではドローンをローカルで活かしていく想像力は湧いてこないが、
技術の進歩が地方の距離感を失くし、イノベーションを起こしていく可能性は十分にあるのだろう。
IT企業がド田舎に会社を移転させる例も増えているようだし・・・。
ローカルの中でもこの東海地区はとても恵まれた地域。
天下のトヨタ自動車もあれば、工作機械、航空機などの製造分野も突出している。
そのため経済も安定しているし、全国的に見て求人倍率は高い。
名大社が元気でいられるのはこのローカル性があるからこそ。
そこに感謝をしなければならないし、さらに発展するよう努めなければならない。
これからもローカルの中での差別化を徹底し、
より活性化する仕組みを作っていくのも僕たちの役割だろう。