昨年、見逃した作品をAmazonプライムの有料版で・・・。
最近、Amazonプライムは有料版ばかり観ている。
メリットないじゃんね(笑)。
大きな話題にはなってはいないが、内外の評価も高い。
キネマ旬報ベストテンでは日本映画2位だし、
読者選出ベストテンではなんと1位。
洋画「ジョーカー」のような過激さはなく、邦画「火口のふたり」のようなドキドキ感もない。
とても小さな世界の普通の人たちの話。
しかし、映画にはグイグイ引き込まれ、いつの間にか終わる。
主役と一緒に喜んだり悲しんだり、時に苦しんだりと・・・。
僕と登場人物の距離感は近い。
その一つはロケ地。
映画ではある地方都市しか表現されていないが、ここは三重県伊勢志摩。
奥さん役である池脇千鶴は近鉄に乗るし、松坂牛で有名な和田金に顔を出す。
近鉄の行先は伊勢中川。
乗っている車両も僕と同じ。
行先は反対方面だと思うけど・・・。
だから距離感が近い。
いやいや、これはどうでもいい話(笑)。
池脇千鶴が車中で崩れ落ちるシーンはなんとも辛かったけど・・・。
彼女の助演女優賞は頷ける。
今後もいい母親役をやっていくんだな。
ガチで・・・。
主役は元スマップの吾郎ちゃん。
随分前の「十三人の刺客」もよかったが、これもいい。
「凪待ち」の慎吾ちゃんといい、脱退したメンバーはいい役者人生を歩んでいるんじゃないの?
草彅くんの「台風家族」も評判高いようだし・・・。
オムニバスの「クソ野郎と美しき世界」は総じて駄作だが・・・(笑)。
本作は稲垣吾郎、長谷川博己、渋川晴彦(彼もいい味)が演じる幼馴染みの友情を描く。
同級生の友情というと安っぽく聞こえるが、そうではない。
40歳を手前にそれぞれの事情を抱え、自分と相手に葛藤を繰り返す。
順調なことはほんの少ししかない。
他人から見れば小さな問題に悩み、時々逃げながらも真剣に向かい合う。
それが人間っぽさを感じさせる。
そして突然訪れる死。
人生なんてそんなものかもしれない。
日常の中で突然やってくる。
それでも悲しさの中に立ち止まっているわけにはいかず、前に進まなきゃいけない。
その描き方が清々しい。
過度にお涙頂戴にせず、
(それでも涙を流しちゃうけど・・・)
現実を受け入れる。
何があろうと残る者は生きていかねばならない。
大きな世界を描くことはできないし、知ることもできない。
懸命に小さな世界の中で生きている。
だから半世界なのだろうか・・・。
僕も小さな世界の中で生き抜いていかないとね。
胸に刻まれる映画でした。