韓国映画ばかり観るのではなく、時には中国映画を観ないと。
今年2本目。
1本目は1月に観た「こんにちは、私のお母さん」。
特に理由はなくタイミングが良かっただけだと思う。
映画.comの評価も高かったのかな。
ちょっと時代を感じさせる作りだったが、本作は風景や映像美も現代的。
映画.comの評価が高いのも同じ。
中国映画は総じて評価が高くなる傾向?
客観的に正しい描き方かどうかは不明だが、本作は中国の現実を表現しているように思う。
一人っ子政策がもたらした歪みが及ぼした影響を・・・。
根本的な男性、女性の立場、地位ある者とそうでない者との格差もあるだろう。
それに抗う若い女性。
映画の舞台に限らず、現状の中国でもいえるのかもしれない。
それをオブラートに包みながら、兄弟愛を描く・・・。
そんな邪な観方をしてはいけないね(笑)。
ネタバレしない程度に説明すると、
両親を亡くした小さな弟を突然預けられた姉の葛藤を描いた作品。
な~んだ、特に何の問題もないじゃないかと思われるかもしれないが、
姉となるアン・ランは小さい頃に親に見捨てられている。
詳細は映画を観てもらえれば理解できるが、
そのあたりが一人っ子政策や男性中心の社会を露にしている。
こんな日常的に養子縁組がなされているとは全然知らなかった。
僕的には映画のポイントはそこ。
「マスクが濡れるほど泣いた」
と表現されるとお涙頂戴の感動作品として捉えられる。
間違いではない。
僕もウルウルしたのは事実。
しかし、ストーリーが想像の範囲を超えたわけではない。
やはり現代中国の抱える問題をあぶり出している点が重要じゃないかな。
但し、これだけはいっておこう。
姉役のチャン・ツィフォンと弟役のダレン・キムは素晴らしい。
2人の演技がなければ、ダサい作品になりかねない。
その表情は抜群。
チャン・ツィフォンはこれから中国のトップ女優になっていくのかな・・・。
個人的には韓国の女優さんが好みだけど(笑)。
やはり映画はいろんなことを教えてくれる。
本作で中国の家庭問題を学べたのはよかった。
ヤバい。
このままでは映画館だけでなく、
AmazonプライムやNetflixも韓国映画ばかり観ることになってしまう。
危険信号だ。
しかし、残念ながら面白い。
何気なく観た本作もググっと惹き込まれてしまった。
公開は2017年なので、ネタバレも問題ない。
多くの人が既に観ていると思う。
どれだけ話題になったか分からないが、ヤスダがスタッフブログに書いていた。
いち早く韓国映画に注目していたわけね。
続編はともかく「KCIA 南山の部長たち」は早く観たい。
本作は謎のウイルスに感染した人たちがゾンビとなり次々と人を襲っていくもの。
襲われた人は自身もゾンビになりゾンビは増殖化していく。
なぜそうなるのかはさっぱり分からない。
暗闇が苦手で音に敏感になる理由も分からない。
とにかく凶暴で人を見つけると襲い続ける。
それだけみれば完全なホラー映画。
そんな展開が続き、恐怖におののくだけなら僕は観ない。
本作はそんな描き方をしながらも、
愛と勇気に溢れた人間ドラマであり、
スピード感満載のアクション作品。
それも特急列車・KTX101号を舞台にした車内で起こる密室劇。
緊張感はハンパない。
面白い要素を何でもぶち込んで壮大な物語にしてしまう韓国映画の力を見せつけられた。
あり得ない世界のあり得ない展開だが、
実社会と上手い具合に融合しているので別世界の出来事ではない。
そのあたりは見事。
仕事一筋の父親の気持ちも理解できるし、
自分勝手な会社役員に反発を覚える。
ゾンビを囲む、いや、ゾンビに囲まれる人たちは人間らしく振舞い、
助け合い、傷つけ合い、いつの間にかゾンビになっていく。
救いようのないラストを迎えると思ったが、
さすがに身も蓋もない状態にはさせない。
主役はコン・ユ。
もちろん知らない。
正統派の二枚目。
どこかで見たことあるような雰囲気。
というより日本に似た俳優がいるような・・・。
誰かな?
誰かと誰かを足した感じ・・・。
最近、そんなふうに思うことが多くなった。
勝負してる感に好感度が増す。
いかん、ますます韓国映画にハマりそう。
気をつけないと・・・。
気がつけば12月も2週目に入りました。
一年の経過は早いですね。
今年に入って伏見シリーズは今日までで30回の積み上げ。
地道な活動が続いています。
そろそろ限界といいつつシリーズが続くのは30万人の読者が支えてくれるからこそ。
改めて感謝いたします。
この調子で2022年も無事に終わりたいですね。
人気食べ物ブロガーは映画コラムニストも兼ねていますが、
よくお邪魔する映画館にミリオン座があります。
そのミリオン座の向かいにあるのが、今回お邪魔した「焼き小籠包 李家」さんです。
その隣にある「伏見あおい」さんは人気店。
以前、ブログで紹介した時はそこまで人気ではなかったですが、
今や11:30には店外に人が並んでいます。
こちらは約3年前に紹介しています。
人気食べ物ブロガーの影響力は大きいですね(笑)。
タッチパネルを眺めるといくつかの小籠包が紹介されています。
焼き小籠包はどんな感じなんでしょうか。
ランチで試してみるべきでしょう。
しかし、焼き小籠包はCランチ。
まずお店を紹介するにはそのお店を代表するAランチを注文せねばなりません。
ここは心を鬼にして注文します。
Aランチ 780円
ラーメンは醤油、塩、台湾、豚骨、台湾豚骨から選べる大陸系パターンです。
ここは正統派の台湾ラーメンをチョイス。
日中はマスクをしているので匂いも気になりません。
このランチには大ぶりな唐揚げも2個ついてきます。
ライスはお替り自由なので、食べ盛りの若手ビジネスマンなら満足するのは間違いありません。
味は至ってノーマル。
時々、頂きたくなるランチです。
しかし、この業態は競争が激しいと予測します。
半径15メートル以内に同じようなお店が2店あります。
味の差はさほど変わらないと思われます。
となると勝負は価格かインパクト。
努力が求められますね。
切磋琢磨して更に味に磨きをかけて欲しいです。
次回こそは焼き小籠包にチャレンジしたいですが、ご飯のおかずに向いているでしょうか。
女将さんに聞いておくべきでした。
ごちそうさまでした。
本来11月はランナーにとって一年通して走りやすい時期。
暑くも寒くもない。
気持ちいいランニングができる季節。
また、祝日も2日あり平日に時間が取れなかったとしても挽回できる。
そろそろ宴会シーズンになってくるが、
最近は一次会で帰るケースがほとんどなので翌日の支障も少ない。
好条件がそろう時期であるのは間違いないのだ。
僕の周りでは月200km走る強者も多い。
それに比べれば僕の目標は月間100km。
エラそうに語る距離でもない。
目標達成は極々当たり前だと思うのも当然のこと。
しかし、である。
世の中はそんな時ほど注意をしなければならない。
ドイツに勝った日本代表がコスタリカに敗戦するのと同じ。
油断は禁物。
それに近いことが僕にも起きた。
11月初旬にコロナ陽性となった。
大事な予定もあったが全てキャンセル。
周りにも大きな迷惑を掛けた。
本当に申し訳ありません。
楽しみにしていたイベントも見合わせた。
そして、肝心なランニング。
コロナの影響で1週間ほど中止。
この期間が与えるダメージは大きい。
毎月ギリギリ目標達成する身としては相当厳しい。
例年であれば早々に諦めただろう。
しかし、今年は10月まで連続で目標をクリア。
ここは何としてでも継続したい。
気持ちは昂っているが、果たしてクリアできるのか。
なんと11月は103kmのランニング。
強い気持ちが打ち勝った。
14日の週は6日間、21日の週も5日間、走った。
雨以外はほぼ毎日。
また、普段平日は5kmだが、5日は6kmに増やした。
結果、この5日間が目標達成に繋がることに。
京都にも出張したが、早朝の二条城周辺をRUN。
やればなんとかなるもの。
これで11か月連続、ノルマ達成。
パチパチ。
なかなか、やるじゃないか・・・。
という声が届きそうだ。
達成感よりはむしろ安堵の気持ちが大きいが、まあ、よかった。
残すは12月のみ。
今月クリアすれば、人生初の12か月連続100kmRUN。
それでスピードが速くなったとか瘦せたとか、そもそも関係ない。
走ったという事実が大事なだけ。
それが目的。
さて、今月。
ありがたいことに忘年会も多いが朝はきっちりと走りたい。
体調不良になろうが、再びコロナに罹ろうが意地でも目標を達成する。
2022年をいい形で締めくくりたいね。
映画界でいえば今年は永野芽郁の活躍が目立ったといえるか。
「マイ・ブロークン・マリコ」ではファンキーな友達想いのOLを演じ、
本作では女子高生と学校の先生役。
あっ、これってもしかしてネタバレ?
僕は途中までこの二役が別人物じゃないかと錯覚していたんだけど。
登場する名前は一つなので問題はないと思う・・・。
いずれにしても彼女が演じた2本の映画の役柄は似ても似つかない。
180度異なるといっても大袈裟ではない。
それを見事に演じ切る彼女は活躍が目立ったといえる。
これからも期待したい女優の一人。
さて、本作。
表現は悪いが、登場する全員が少しネジが外れている。
まともだし真面目だし真っすぐだが、ネジが外れていると僕は感じた。
それにより上手くいくはずのことも上手くいかない。
それは愛情たっぷりの母親役の大地真央もそうだし、娘役の戸田恵梨香もそう。
義母役の高畑淳子は2~3本、ネジが外れている。
親のネジが外れれば子供のネジも外れるという連鎖。
いい影響を受けようが、悪い影響を受けようが、そこにあるのは母親の存在感。
それが母性ということだろう。
男や父親には分からない感情がそこにうずまく。
映画の本筋から外れるが、過保護でも無関心でもいけないのが改めて分かった。
これはミステリーなどではなく親向けの教育映画にあてはまるんじゃないかな。
それにしても父親はどこまでいっても役に立たないね。
本作も結局は何もせず言い訳しているのに過ぎない。
反面教師としてみる必要があったりして・・・。
これまで戸田恵梨香をあまり意識をしていなかったが、いい表情を持った女優さんだと感じた。
純粋なお嬢さんから冷たい母親に至るまでが違和感なく受け止められた。
その老け方も自然に近い。
高校生の親としては少し若いけど・・・。
現代社会のようで描かれている世界は少し前。
大人になった永野芽郁も15年くらい前か?
原作を読むと時代背景ははっきりするだろうか・・・。
僕は湊かなえ氏を一度も読んだことはないが、どんな小説だろうか。
「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」
と言われているが、ちょっと大袈裟じゃない?
そのあたりのことを誰か教えて欲しい。
そんなことが気になった映画。
母親の力は偉大だね。
早起きは三文の徳というが、そのことわざに間違いはなかった。
一昨日の晩は翌朝に備え、22時に布団に入った。
目が覚めたのは午前2時半。
しばらく布団に潜っていたが、3時半から心を整えた。
4時キックオフ。
前半だけ見ればドイツ戦同様で敗戦濃厚。
しかし、後半もドイツ戦のようだった。
そう、W杯一次予選のスペイン戦。
逆転での勝利で決勝トーナメント進出。
ここで多くを語ることはない。
嬉しい!!とおめでとう!!の言葉のみ。
試合終了後、facebookをチェックすると喜びのコメントが溢れていた。
サッカーは好きだが詳しくはないので、戦術や勝因については専門家や玄人に任せておく。
いろんな視点があるからね。
それにしてもこの2点目は驚いた。
「AP/アフロ」より
僕はゴールラインを割っていると思ったが、ほんの数ミリ、いや1ミリライン上だったんだ。
VAR判定技術も凄いが、最後まで諦めない三苫も立派。
拍手喝采。
いやあ~、しびれました。
そしていつも冷静な森保監督。
勝利後のインタビューでも感情を抑え、試合を振り返っていた。
僕がいつも感心するのは、必ずスタジアムのサポーターと
TVで応援している人に対して丁寧に感謝を述べること。
どんな試合でもここは欠かさない。
それに連動するように選手も監督と同じような感謝を口にする。
チームを作る上で徹底されているんだろう。
それが互いを信じることに繋がっている。
そして、もう一つ、気になること。
いつも紺のスリーピースのスーツ。
どんな暑い時でもスリーピースだ。
(クソ暑い日本の夏でもこの格好だったし・・・)
ネクタイもいつも紺。
サムライブルーに合わせているのか、
一着しかスーツを持っていないのか、
(さすがにそれはないだろ・・・)
いつも服装は同じ。
理由は調べればわかると思うが、森保監督のゲン担ぎでもあるのかな。
どんな時でも冷静沈着な姿はリーダーとして見習わないとね。
まずは一次リーグ突破、おめでとうございます!
そして、感動をありがとう!
クロアチア戦も期待しています。
ブラボー!ブラボー!
あと1か月早ければ、流行語大賞を獲ったかも(笑)。
ちょうど1週間前はふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の例会。
2か月に一度の例会は従来金曜だったがハイブリット開催が基本となり、
少しでも参加しやすくするため11月は木曜に変更。
結果として曜日を変更しても参加率は変わらなかった(汗)。
何事もチャレンジが重要。
僕はFネット会長も兼ねているので、会場となる東京の株式会社パフへ。
この季節、新幹線から眺める富士山は素晴らしい。
昼食は九段下の人気ラーメン店「雲林坊」さんで担々麺。
LEVEL4にしたので汗だく。
食べ物ブログではないので、報告はここまで・・・。
ご飯も頼めばよかった。
麻婆豆腐も美味しそうだった。
地方で新卒採用支援、人材紹介を中心に行う事業者が集まるが、この2か月は年間通して静かな時期。
各会社で目立った出来事も少ないので、共有事項も控え目。
それだけではリアルでもオンラインでも参加する会社に申し訳ない。
加盟会社は発足時からの会社もあれば、最近入会した会社もあるため、お互いをよく知る必要もある。
今期は理解を深めるため、順番に自社と本人(加盟会社の社長)を詳しく紹介してもらうことにした。
先日、前事務局長のハナリー島大統領もブログに書いていたが、これがすこぶる面白い。
歩んできた人生の失敗談、創業時の苦労や闇に葬り去りたい話など、
知っているようで知らない話が溢れんばかり。
そういった方々が熱い想いを持って各地域で事業を行う。
そんな話は参加する者にとって学びであり刺激。
単純に面白いということもあるが・・・。
今回のメインは先日、東証のグロース市場に上場したポーターズ株式会社の西森社長の講演。
上場までの道のりや苦労話などを親切に語ってもらった。
秘かに上場を狙っているFネットのメンバーには特に参考になったのではないだろうか。
それにしてもFネット加盟会社から上場企業が生まれるのは嬉しいこと。
会としての誇りでもあり喜ばしい。
西森社長、ありがとうございました。
今年最後の例会なので盛大に忘年会も行いたかったが、時節柄、こじんまりとした懇親会。
この場でもここだけの話が繰り広げられ、盛り上がる会となった。
富士山やラーメンの写真はあっても例会や懇親会の写真がないのは残念。
まあ、みんな理解し合えているからいいかな。
次回は年明け。
全国から全メンバーが集まるのはまだ難しいが、来年も盛り上げていきたい。
今年一年間、お疲れ様でした。
まだ幹事会はあるけどね・・・。
伏見を少しだけ離れます。
伏見シリーズでもいけますが、周辺に詳しい方からは叱られそうです。
会社から早足で15分。
ギリギリ大丈夫じゃないでしょうか?
いいっすよね?
伏見シリーズで・・・。
あまりしつこいのも嫌われるので止めておきます。
ここはいつものように爽やかに攻めたいものです。
場所は東新町。
やはり伏見シリーズには無理がありますね・・・。
あんかけスパゲティはヨコイ、チャオあたりが有名ですが、
こちらも外すわけにはいきません。
昭和47年創業の「ユウゼン」さんに行ってきました。
創業を調べてみるとヨコイさんは昭和38年、チャオさんは昭和54年でした。
ユウゼンさんはその間に入るわけですね。
こちらのお店にお邪魔するのはかれこれ10年以上前じゃないでしょうか。
中日ビルにオフィスを構えていた営業時代はちょくちょくお邪魔していたと記憶しています。
当時は明らかに質より量。
ライスの付くAセットか一番お値打ちなカントリーの1.5倍を注文していました。
懐かしい気持ちで店内に入ると当時と様子は大きく違います。
2019年にリニューアルされました。
注文も自販機に変わっていました。
すぐにお客さんが後ろに付くのでゆっくり考える時間はありません。
直感的にボタンを押し、席に移りました。
昔に比べカウンター席が増えたような気がします。
一人客が多いのが理由でしょうか。
ここで初めてメニューをじっくりと眺めます。
「なるほどね。やっぱり値上げもしないとやれないよね。」
と呟きながら、次回は何にするかを考えます。
「スペシャルは強烈だなあ~」
とメニューを戻すタイミングで運ばれてきました。
スパニッシュ 950円
こちらはオニオン、コーン、トマト、ピーマンの入ったオムレツになります。
メニューには玉子焼きと書かれています。
この玉子焼きはかなりのボリューム。
これだけで食べごたえがありそうです。
こんなあんかけスパには粉チーズ、タバスコ、黒コショウをかけなければなりません。
分からないでしょうか?
ランチタイムはサービスなのか、コロッケが付いていました。
太麺のパスタとソース、そして玉子焼きを絡めて頬張ります。
「やっぱりこれからは量より質だな・・・」
と至福の時間を楽しみます。
人気食べ物ブロガーもこの10数年で成長しました。
久々の訪問でしたが、とても美味しく頂きました。
定期的に食べたくなるソースですね。
ごちそうさまでした。
今年年明けに公開された映画。
迷っていうるちに公開終了。
今回、Amazonプライムで観ることができた。
姿を消した父親を捜す娘を描いたヒューマンサスペンス。
どこかから持ってきた引用だが(笑)、まさにその通り。
暗闇の映画館の方が緊張感をもって観れるのは間違いない。
その分、面白さを引いても、うまく誘導され、なるほどと思わせてくれた。
但し、予告編のインパクトを越えることはなかったのかも・・・。
どう予告編を見せるかは難しいところ。
本作はそうでもないが、予告編だけで十分という映画は存在する。
一番面白いシーンを集めたのが予告編という映画もなくはない。
映画監督という仕事は大変。
予告編で出し渋ればヒットしないし、披露しすぎればつまらないと叩かれる。
要は面白い映画を創れば何も問題はないが、そうならないのも映画。
まず面白くなりそうかどうかは脚本の出来次第。
本作でいえば、上手く捻ってあり観客を見事に惑わす。
主人公に肩入れしてしまう愚かな自分を十分に感じる。
人間の正しさ、弱さ、醜さは環境によって露になる。
正しい行動を心掛ける人間もふとした出来事で意志と反した行動に出ないとも限らない。
「さがす」とは「捜す」ではなく「探す」か。
それとも反対か。
観る人によって解釈は異なるのかもしれない。
大河でイヤらしい比企能員を演じた佐藤二朗はここでもイヤらしいオヤジ。
僕は彼が上手いのかどうかさっぱり分からない。
メチャ大根役者のような気もするし、名演技のような気もするし・・・。
それよりも唸らせるのは娘役の伊東蒼。
彼女の演技はすこぶるいい。
昨年観た「空白」のちょっと足りない感じも見事だったが、
今回も関西弁を見事に操り人間味を表現している。
ラストの卓球のシーンは名シーンとも呼べるのではないだろうか。
あのワンカットで全てを物語っている。
そこはしっかりと確認してもらいたい。
決して美人ではない。
アイドル路線を走る女優ではない。
しかし、彼女が今後活躍する舞台は増えてくるだろうし、
いずれもっと素晴らしい作品に出会うような気がする。
あくまでも気がするだけだが、最近の中では記憶に残る女優。
まだ16歳なので、これからの活躍に注目したい。
と、あまり映画を語らずにブログを終えそう。
最近、やたら無差別に人を刺す残酷な事件が多い。
映画も時代を象徴しているということか・・・。
まっとうになるためにはまっとうでない映画を観ることが大切かもね。
監督の石川慶氏も原作の平野啓一郎氏も愛知県出身。
それが理由か、一瞬だけ名古屋駅前が再会の場として使われていた。
きっと郷土愛が映画にも反映されているのだろう。
映画の本筋とは一切関係ない。
そんなことに気づく人も少ない。
このブログだけの小さなネタとして捉えてもらいたい。
本作は久々に原作も読んでみたいと思った作品。
映画との違い、原作で描かれる主人公の心模様、
そんなことを感じてみたいと思ったのだ。
たまにはミステリー小説を読むのもいいかもしれない。
これは僕の勝手な見方だが、本作には3人の主役がいる。
ある男として存在する谷口大祐こと窪田正孝、
その奥さん役の安藤サクラ、
そしてそこに関わる弁護士役の妻夫木聡。
この3人が主役。
それぞれ置かれた環境を抉るだけでも魅力的な人間ドラマ。
視点を変えれば主人公たる雰囲気を醸し出す。
抱える個人的な苦悩がビジビシとこちらに伝わる。
それは窪田正孝のボソボソとした話し方であり、
安藤サクラのふと流れる涙であり、
妻夫木聡の抑えきれない感情であり、
それぞれが主役級の表情を見せる。
繋がらない接点が結果的に繋がりを見せながら・・・。
少し前に観た「千夜、一夜」は存在自体を消したいストーリーだが、
本作は存在を変えたいということ。
そこには大きな生命力はある。
しかし、正面からぶつかれない怖さが同居し、その葛藤が自身に襲い掛かる。
普通に育ってきた僕には理解しえない世界が繰り広げられる。
それが胸に突き刺さる。
最大の魅力だろうか・・・。
本作も石川慶監督と妻夫木聡とのコンビ。
「愚行録」はまともな人間が誰一人登場しなかったが、本作は全員がまとも。
不幸な生き方をしているに過ぎない。
いや、一人だけまともじゃないのがいるか・・・。
映画を観ながら「愚行録」を思い出し、
そこが石川監督らしい演出とも感じた。
理由は明確ではないが、その手法がそう思わせる。
アングルとか、表情の変化とか。
それにマッチするのが妻夫木聡。
温かさと冷たさを併せ持つ笑顔も、
理性と本性との交じり合いも、
石川監督との相性の良さを感じさせた。
せつないが、グッと心の沁みる映画。
2022年も終盤にきて日本映画もいい作品が増えてきた。
ラストスパートを期待したいね。