映画を観終わった後、チャーチルがどんな人者かをググってみた。
写真だけ見れば驚き。
ゲイリー・オールドマンが演じた主役にそっくり。
アカデミー賞を辻一弘氏が受賞したのも頷ける。
無知の状態であればチャーチル首相が
ゲイリー・オールドマンであることは誰も気づかないだろう。
本作はこの特殊メイクが話題になっているが、映画も骨太の優秀作。
いつもイギリスはどんより暗く、
(「英国王のスピーチ」もそうだが、ほんと晴れたシーンがない)
常に曇っている。
そして、重厚な部屋で喋るシーンが多い。
華やかな場は一切ない。
これを疲れた状態で観ると眠気が襲ってしまうかもしれない。
しかし、どんどん映画に吸い込まれていく。
相当のヘビースモーカーで半分アル中のような首相も段々魅力的になってくる。
よくもまあ、あれだけウイスキーのストレートを飲んでいるな(笑)。
それに繋げて言えば、チャーチル首相が地下鉄に乗るシーンがある。
映画にとって最重要で感動的な場面なのだが、
ここでも当たり前のように葉巻を吸っている。
それも赤ちゃんを抱いた母親に語り掛ける。
今の時代に照らし合わせば考えられない。
おおらかな時代だったのだ・・・。
歴史的英断をしたチャーチル首相だが、
強烈なリーダーシップを発揮しているかといえばそうではない。
迷い迷い、悩み悩み、結論を導いている。
人間的な弱さもにじみ出している。
そこがいい。
そして、奥さんが感動的なセリフを言う。
もちろんこのブログではそれを明かすような愚かなことはしないが、
僕はここが一番感動し涙した。
多分、感動のしどころは人によって異なるが、
僕はそこに一番響いたし、自分のあるべき姿を再認識させてもらった。
ちょっと映画とはズレてますね(笑)。
何を守り、何を捨て、どこに誇りを持ち、
一番大切にすべきものは何なのか。
それを考えさせられた。
そんな意味では、本作は世界にメッセージを発しているし、
日本人に対してもメッセージを発しているように思える。
僕はまだまだ歴史を知らない。
点で理解しているだけでは何の意味もない。
それだけを知れただけでも収穫。
感動と共にいい勉強になりました。