これからも前向きに 名大社会長ブログ

食べ物のはなし 番外編 八勝館

伏見シリーズの300回記念はまだ訪れません。
期待するファンがどこまでいるかは不明ですが、簡単にはやってきません。
今回は特別編ではなく番外編。
普段滅多にお邪魔することのない場所をご紹介するのです。

向かったのは名古屋・八事の老舗料亭「八勝館」さんです。

2020年に国の重要文化財に指定された由緒正しき場所。
人気食べ物ブロガーも敷居が高いですが、所属する団体で会合が行われるためお邪魔しました。
この日はどうしても外せない用事があり車でした。

料亭に車で伺う。
本来はあり得ません。
一通りの会合が行われ、会食がスタートします。

まずはビールで乾杯です。
「すいません、ノンアルでお願いします。」
「えっ、山田さん、飲まないの?」
「今日、車なんですよ・・・」
「あら、残念」

本当に残念で、動揺していたせいか先付は撮り忘れました。
こういった料理に合うのは日本酒です。

他の方も僕のところに来て、
「山田さん、どうぞ」
「すいません、車なんですよ~」
「代行呼んで帰ればいいじゃん」
「そうですよね。でも、面倒なので・・・」

後悔が募ります。
しばらくすると八勝館の女将さんが注いでくれます。
「今日、いい日本酒をご用意してるんですよ」
「え~っ、飲みたいなあ~。ああ~、残念」
「車ですか? いいですよ、今日は駐車場に置いてってください」
「えっ、いいんですか」
「特別ですよ」

悪魔の囁きでした。
周りの方も誘惑します。
「山田さん、飲んじゃお、飲んじゃお」
「あっ、そうですね。では、頂きます!」

甘い言葉に意志はいとも簡単に崩れます。
そこからは飲めなかった時間を取り戻さなければなりません。
この日は何種類もの南部美人が用意されていました。

「全部頂きます」
遠慮することなくグビグビと頂きました。
どんな料理にも合います。

〆に近づくころには南部美人を飲み干し、熱燗を飲んでいました。

最後はデザート。

「そういえば今日はビールを飲んでないな。まあ、いいか・・・」
気持ちよく酔い自宅に帰りました。
いい気分はすぐに終わってしまいます。

翌日はいつもより早く家を出て車を八事まで取りに行きました。

八勝館は朝も厳かな構えですね。
ごちそうさまでした。

Z世代の社員マネジメント

正式タイトルは
「Z世代の社員マネジメント 深層心理を捉えて心離れを抑止するメソドロジー」
とかなり長い。

若手社員の育成に悩むマネージャーや経営者向けに書かれた書籍だが、
僕も別の意味で参考にさせてもらった。
まあ、自称Z世代研究家だったりするので(笑)。

そもそも「Z世代」は誰が名付けたのか。
アメリカ発祥で「ジェネレーションX」という表現から流れて、Y、Zときただけ。
日本では芝浦工業大学教授の原田曜平さんが「Z世代」と命名したと言われる。
「~世代」と名付けるのが上手い方で流行語大賞も獲得されている。

先日、その原田さんの講演会が名古屋で開催されたので参加してきた。
「こんなに違う!変化する世代間のキャリアの考え方
~就職氷河期世代からZ世代まで~」
という興味を引くタイトル。

各世代間の特徴を様々な視点から話された。
僕の目的はZ世代ネタを増やすこと。
アウトプットのためのインプット。
ただ他の世代の話で時間が過ぎ、肝心なZ世代ネタは限定的。
それでもいくつかポイントとなる特徴は伺うことができた。
ありがとうございました。

本書とは関係ない内容が続いたが、講演と本書がリンクしている点は多い。
育ってきた環境で作られる価値観は近くなるということ。
とはいえ100人いれば100通りで少しずつ異なる。

本書ではあくまでもマネジメント側が留意すべき点を重きに置く。
僕らはZ世代をひとまとめにする傾向はあるが、それは危険。
ある傾向はある傾向として分けた方がいい。

「個人人格」「組織人格」は新人類と呼ばれた僕らでも使い分けがあるが、
世代によって受け止め方も発し方も違う。
2013年と2023年でもかなり異なる。

何が違うかは本書を読んでもらえばいいが、
100%該当しないにしても世代的特徴として押さえる点ではある。
各世代の特徴や価値観を少なからず学び間違いなく言えるのは、
「最近の若いヤツは~」はいつも面倒くさいということ。

僕が若かった頃、団塊世代や上司にあたる世代は僕らがめんどくさかった。
僕がマネージャーの頃、若いヤツはめんどくさかった。
その後のゆとり世代もめんどくさかった。
Z世代もそれと同じ。

オッサン、オバサンはもちろんのこと、
ちょっと上の先輩でも面倒に感じる面はあるだろう。
若いヤツはそんなものと捉え、否定せず、どう向き合うかが大切なだけ。
若者の特権なんだよね。

結論は信頼関係になるが、その在り方をこちら側がしっかりと考えなきゃいけない。
とかく大袈裟に考えるのではなく、シンプルに捉えた方がいい。
本書を読み、原田さんの講演を聞き、大学で学生らと接し、そんなことを思った。

あまり書評になっていないが、これからも吸収することが大切。
当たり前の話だけど(笑)

映画「アイミタガイ」

本作もご当地映画といっていい。
舞台は近くの三重県桑名市。
僕は近鉄電車で通勤。
主役である梓(黒木華)や恋人の澄人(中村蒼)が乗る電車と同じ名古屋本線。

それだけで親近感が湧く。
かつ、アナウンスで流れる桑名や弥冨は身近な駅。
普段、利用することはないが、いずれも酔って乗り過ごした時に降りた。
自慢するわけではないが、近しい存在なのは理解できるだろう。
どうでもいいか・・・。

本作はてっきり黒木華の泣いた笑ったの人間ドラマと思っていたが、そうではなかった。
いい意味で裏切られた。

僕らは常に「偶然」や「運」、そして「縁」で生きている。
それを大切にすることが自身の生き方にもキャリアにもプラスに働く。
クランボルツ理論は大学の授業でも一番に教えること。
キャリアとは異なるが、本作も「偶然」や「縁」の大切さを教えてくれる。
些細な繋がりが人と人を結び、いいキッカケを与える。
そのキッカケは悲しみを喜びに変える力を持っている。

誰しもが最初に「アイミタガイって何だ?」と疑問が湧く。
僕はおまじないかと思ってしまった。
漢字で書くと「相身互い」。
なんとなく意味が分かる。
そして、映画を観ると明確に意味が分かる。
「相身互い」になればいい循環が回る。

役名を無視して俳優で並べるのであれば、藤間爽子が黒木華を救い、
黒木華は草笛光子を救い、草笛光子は升毅を救い、
升毅は中村蒼を救い、中村蒼は田口トモロヲを救い、
田口トモロヲは松本利夫を救い、松本利夫は西田尚美を救い、
西田尚美は黒木華を救う。

どう?
全く意味は分からないでしょう。
風吹ジュンや安藤玉恵や白鳥玉季も「相身互い」の存在。
まあ、人と人が繋がっていることが理解されればそれでOK。

ちょっとしたシーンで涙を誘うし、ぐっとこみ上げてくるものもある。
日本映画らしい温かい作品、
一年に何本かはこんな作品を観て優しさを保ちたい。

調べてみたら近鉄蟹江駅でもロケをしていた。
こちらは隣駅。
頻繁に乗り過ごす駅。
これだけでも愛着が増す。

もう1回、観てもいい。
それが理由か(笑)

映画「十一人の賊軍」

白石和彌監督は東映のヤクザ映画や時代劇を相当リスペクトしていると思う。
東映のオープニングは70年代の映像じゃないかな。
100%東映らしい作品にあえて仕上げたと感じた。

かつて「十三人の刺客 」という作品があり2010年にもリメイク
浪人たちを集め江戸時代後期の幕府に立ち向かう痛快な時代劇だった。
本作は明治維新の前、戊辰戦争を描く。
一昨年観た「峠 最後のサムライ」と同じ新潟が舞台。

本作が史実かどうかは知らない。
峠のような武士道的な美学はない。
白石監督らしい人間の本性むき出しのグロさが前面に出る。
それが却って好感が持て、賊軍と呼ばれる罪人集団を応援してしまう。

罪人が集められ戦いの始まりから終わりまでぶっ通しの155分。
長さを感じることはない。
舞台となる砦でのほぼ3日間を描くが、その間に多くの人間模様が露わとなる。
その駆け引きやいやらしさ、見せかけの強さや本来のエゴがあぶり出され、感情を動かす。

1対1であり、藩対藩であり、新政府軍対幕府軍。
自分の正義であり、相手にとっては別の正義。
妻を寝取られ新発田藩士を殺害し罪人となった山田孝之演じる政から正義を感じないが、それも正義。
多分、書いていることは伝わらないので、それぞれの正義を映画で確認してもらいたい。

政に殺害される藩士は音尾琢真。
彼は白石作品には欠かせない役者だが、出番は少ない。
あっという間に殺されてしまう。
友情出演でいいんじゃないかな(笑)。
本編に影響を与えないネタバレなので許されるだろう。

唯一、本物の正義があるとすれば、仲野太賀演じる鷲尾兵士郎。
彼の生きざまが本物の武士を感じさせる。
このあたりも往年の時代劇特有の在り方と思うが、潔く気持ちがいい。

仲野大賀は味のある役者とは思っていたが、カッコよさは感じていなかった。
失礼しました・・・。
すこぶるカッコいい。
本作は彼が主役といっても問題はない。
殺陣も決まっていた。
他の賊軍も役割が明確で分かりやすかった。
特に初めて知る役者陣も個性が輝いていた。

そして新発田藩家老の阿部サダヲ。
一番似合うのはコミカルな役柄だが、本作では本音を見せないちょっと不気味な家老。
思い出したのは「死刑にいたる病」
正義を装う曖昧な表情が一致する。
白石監督が好む理由わかった・・・。
そんなことも感じてしまった。

想像以上に斬り合うシーンはグロテスクなので怖気つくかもしれない。
万人受けはしないが「仁義なき戦い」シリーズが好きな人はドはまりする。
果たしてそんな若者はいるか。

こんなハードな作品を白石監督はこれからも撮り続けるのだろう。
個人的にはこれからも期待したい。

映画「ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦」

世の中知らないことが多い。
無知をさらけ出すのは恥ずかしいが、正直な気持ちを表現したい。
時々はドキュメンタリー作品に触れた方がいい。

僕は本作を通して世界的指揮者グスターボ・ドゥダメルという存在を知った。
この分野に関しては知識もセンスも持ち合わせていない。

ドゥダメルが振るう指揮で、彼はダメだししたり褒めたりするが違いは分からない。
同じように素晴らしい演奏に聞こえる。
観客はスタンディングオベーションで大絶賛するが、
それはドゥダメルの指揮による演奏が本当に良かったからだろう。
それだけ魅了された証か。
違いは分からない。

もっと愚かなのは本作で描かれる世界を知らないということ。
ベネズエラが政局不安定な国であるのは理解しているがその程度に留まる。
国内で起きる不幸な出来事までは僕には届いていない。

世の中を大局的にみるのは重要だが、小さな点に気づかなければ本当の不幸は理解できない。
本作ではドゥダメルの活動を通して抉り出す。
政治的な活動を控えてきたドゥダメルだが、ある事件を発端に自分の意思を表明。
それが政府の反発を買い、国内での活動ができなくなる。

自分の身を守るためにその場から離れるメンバーもいるが、当然のこと。
危険にさらされる状況は身の回りでおきる。
そんな中でも諦めない姿勢で情熱的に活動を続けるドゥダメル。

もっとその行動は世の中に知られてもいいと思うが、
(実際は知られているのかも)
この分野に関心がなければ何もなく過ぎ去っていく。
別の業界で、別の国で同じような事象はあるのだろう。

オーケストラによる演奏は明らかに芸術。
ド素人の僕でも凄いな!と感じる。
いい演奏との違いはよく分からないが・・・。

そこに命を懸けて臨む人たちがいる。
夢を追いかける若者がいる。
そんな人を自分たちのエゴで潰してはいけない。
自分勝手な正義で可能性を閉ざしてはいけない。
本作は当たり前なことを一人の指揮者を通して教えてくれる。

もう少しこの分野の理解を深めたい。
そうすればドゥダメルの才能も分かるかもしれない。

時にドキュメンタリーは必要。
それを感じさせてくれた作品だった。

食べ物のはなし 特別編 うな重特上

今回は伏見を離れます。
記念すべき300回の伏見シリーズは来週以降になります。
今は300回記念をどう書き上げようか試行錯誤の時期。
そのためにも遠征し、研ぎ澄まされた感覚を掴まなければなりません。

今回向かったのは三重県津市。
近くて遠い存在です。
三重は桑名や四日市、鈴鹿にお邪魔することはありますが、
県庁所在地の津市はあまり予定がありません。
以前、三重県でイベントも開催していましたが、せいぜい駅前周辺。
駅前も静かな雰囲気であまり賑やかさは感じません。

存在感は薄いですが、
(失礼ですね・・・)
津市は意外と食べ物が豊富。
津ギョウザなんてB級グルメで有名だったりします。

そして、もう一つ。
鰻屋さんが多いのも特徴です。
人気店は平日でもかなり行列ができます。
できるだけ混雑を避け優雅な時間を過ごしたい食べ物ブロガー。

それに相応しいお店に行ってきました。
「大観亭支店 渋見店」さんです。

栄本店や西口店は駅に近いため行列ができますが、駅から離れているこちらは余裕があります。
予約してお邪魔しましたが、その必要もなかったですね(笑)。
ビールか日本酒を飲みたいところですが、車のため我慢。
まずはこちらで体を整えます。

肝焼き 850円

驚きました。
かなりの量が入っています。
香ばしく美味しい。
やはりお酒が飲みたくなります。

そしてメインがやってきました。

うな重 特上 3100円

どうです。
この迫力。
肉厚のうなぎがお重を支配しています。

上から撮影します。

慌てて撮ったため、フレームに上手く収まりませんでした。
このあたりが可愛げがあって好感が持てるようです。
多分、ブログファンの方々は・・・。

あとは思い切って鰻とご飯を頬張るのみ。
ふんわりとした食感に益々食欲が湧いてきます。
食べ進めるとご飯の中からまた鰻が見えてきました。

特上の上には特註(3700円)があり、さらに鰻が隠れているようです。
贅沢して特註を注文しようかと思いましたが、特上で正解。
これでも相当な量でお腹は満腹状態。
これ以上、頂くのは難しかったでしょう。

それでもこの値段はかなりお値打ちですね。
津市の鰻屋さんは他店でも比較的、リーズナブルに食べさせてくれるようです。
次回は別のお店もチャレンジしたいですね。

ごちそうさまでした。

楽勝ではあるけれど、ランニング日記2410

ようやく走りやすい季節になってきた。
そんな季節はどれくらい続くだろうか。
あっという間に過ぎ去り、すぐ寒くなってしまうような気がする。

先月は中旬までは朝でも暑く、かなり汗だくだった。
中旬以降は気持ちのいい日が続いたが、
暑い日もあれば思いのほか寒い日もあり、不安定な天候が続いた。

こんな季節なので目標達成は当然のこと。
まあ、楽勝でしょう。
まずは結果の報告から。

10月のランニング距離は105km。
楽勝という割には大した距離ではない。
ギリギリに毛の生えた程度。
それは10月最終週の天候の悪さが原因で、それがなければもう少し距離を伸ばすことができた。

10月になって10kmRUNを再開。
9月までは暑くて耐えられなかったが、ようやく走れるようになった。
久々に戸田川緑地公園もRUN。
秋らしい季節を感じる。

コキアも可愛らしい。

ランニングしたこの日は午前中から同窓会行事で母校の学生らをBBQに招待した。
この日は2回も戸田川緑地公園に来たわけね。

大学の課外授業の一環で行われた稲刈りの後、
腹を空かせた学生らにお肉や飲み物を振舞った。

僕は午前中から仕込みに入り、
ビールを飲みながら試験的に焼き鳥を焼き、それを試食しながら学生らを迎えたのだ。

彼らが参加する頃にはいい気分になっていたが、それもよし。

楽しい時間を過ごすことができた昨年も同時期に行ったので、毎年の恒例行事になりそう。

そんな感じで10月は過ぎていった。
そして、今月11月も目標は必達。
今月クリアできなければクリアできる月はない。

来年3月の名古屋シティマラソンと穂の国豊橋ハーフマラソンに申し込んだ。
名古屋シティマラソンは2年ぶりの参加。
名古屋シティは初めてマラソン大会にチャレンジする仲間と一緒。
一人がとても心配・・・。

当面はこの大会に向けて走ることになるだろう。
12月に安城シティマラソンもあるが・・・。
まあ、こっちは10kmなので、さほど問題はない。

そんな感じで今月もコンスタントに走っていきたい。
月末はもう寒いかもね。

映画「室井慎次 敗れざる者」

テレビドラマシリーズの映画化を観ることは少ない。
「踊る大捜査線」の映画を観たのも多分、1~2本。
「踊る大捜査線 THE MOVIE」だけかもしれない。
記憶も曖昧。
ドラマも観ていない。

その程度の興味だったので、本作も観るつもりはなかった。
しかし、意外と評判は良い。
映画評論仲間からは「観ないと映画コラムニスト失格」という烙印を押された。
それを回避するために観ただけといっていい。

結論から言おう。
次作「室井慎次 生き続ける者」を早く観たいと思った。
テレビシリーズの流れは組むものの、一本の映画としての存在感は明確。
見応えはあった。

ただいえるのは本作は何も語っていない。
ドラマを知らない者に室井慎次の人間性を伝えたに過ぎない。
「次作がすべてだぞ!」と表現しているだけ。
本編にたどり着くまでの前座。
2話完結のドラマの前編。

本作を観た98%の人が次作も観るだろう。
実に巧みな戦略。
興行収入を上げるための戦略にまんまと乗ってしまいそうだ。

柳葉敏郎演じる室井慎次は元警察官僚。
警察を辞めて田舎に戻り、里親を引き受けひっそりと暮らす。
そんな中、起きた殺人事件。
あんな家の近くに死体が埋められていたことが信じられないが、
そうでもなきゃ田舎に住むオッサンが事件に絡むことはない。

少しずつ紐が解かれていくが肝心なところは何も分からないまま終了。
8年前の「64 ロクヨン 前編」「64 ロクヨン 後編」に比べると前編が弱いが、計算ずくか・・・。

次作は3人の子供がカギとなるんだろうか。
小学生の凛久は間違いないし、謎の少女日向杏も何かありそう。
杏を演じた福本莉子は「ディア・ファミリー」で病気の次女を演じていたが、180度異なる役柄。
将来が楽しみな女優。

高校生の貴仁の刑務所での面会シーンもよかった。
あんな犯罪者に新人弁護士が立ち会っても何の進展もないと思う。
室井さんに一言言わせたかっただけかな・・・。
この3人が次作でどう絡んでいくかが楽しみ。

回想シーンでは織田裕二や深津絵里が登場したが、サプライズで次作に出演したりして。
2人ともまだ生きているんだよね。
そんなことを思ったり・・・。

あと10日もすれば「室井慎次 生き続ける者」も公開される。
少しばかりのネタバレは問題ない。
映画コラムニストの端くれとして次作も観ますよ。

映画「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」

公開されて10日後に鑑賞(ブログはその12日後)。
映画を観ようかどうか迷うほど評価が分かれていた。
むしろ酷評が多い。

何をもって評価が低いかは映画を観れば理解できる。
純粋に前作「ジョーカー」と比較して評価と思われる。
「ジョーカー」は衝撃的で、2019年の映画界の話題をさらっていった。

その続編は主演のホアキン・フェニックスもトッド・フィリップス監督もメインスタッフも一緒。
自ずと期待値は高まる。
同じようなテイストの作品と想像するのが一般的。
予告編を観ながら僕もそんな期待をしていた。

そして見事に裏切られた。
これが僕らが望んだ続編か・・・。
イメージと異なる世界に対して落胆したのではないか。
それが評価に繋がったのだろう。

しかし、それは自分勝手な話。
ゴッサムシティで神格化された「ジョーカー」も同じじゃないか。
いつの間にかアーサー・フレックはジョーカーが全てとなり、
アーサー・フレックがジョーカーであることに苦しめられる。
どんな大罪を犯した者でも人間的な感覚は少なからず残る。

ジョーカーはジョーカーでなければならない。
それは続編が制作されるまでの4年間であり、
アーサー・フレックが収監された2年間を指す。
反逆者は民衆の代弁者として存在しなければならない。

トッド・フィリップス監督は批判を覚悟の上で全て変えてしまった。
きっと違う演出もあったとは思うが、あえてこの道を選択。
そんな風に思えてしまう。

それは裁判で悲しげに語るアーサーであり、ラストシーンで見せるアーサーの表情。
それは果たしてジョーカーといえるのか。
疑問の残すことが一つの解のように思える。

ここで忘れてはならないのがレディー・ガガ演じるリー。
彼女の存在がアーサーをまた別人格の持ち主にしてしまった。
僕なんかはアーサーはピュアで牢獄での行為は初体験じゃないかと思ってしまった。
アーサーとリーが歌うカーペンターズの「遥かなる影」は美しすぎて映画に似合わない(笑)。

レディー・ガガは僕の中では「ハウス・オブ・グッチ」だが、本作もインパクトを残す。
もはや大物女優なんだ・・・。

賛否の多い本作。
僕はこれはこれでありで十分楽しめた。
もう次作はないと思うが、突拍子もないカタチで生まれたりして。

飲みながら批評するにはいい作品かもね。

高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば

NHKの人気ラジオ番組の冒頭の3分をエッセイとしてまとめた書籍。
ちなみにラジオは一度も聴いたことがない。
本書はたまたま自宅にあったので手に取った。
義母が購入し読後、カミさんが読んで僕に回ってきた。

考えるのは義母はなぜ本書を読みたかったのか。
ラジオを聴いているのは知っていたが、読む理由は分からない。
単純にファンなのか。
事実は不明だが、読み終えて何となく理由は分かるような気がした。

50分番組の最初の3分。
チェックインというか簡単な挨拶というかたわいもない話。
それがエッセイになってしまうのは著者の力量。
それを読むだけで高橋氏の人となりや考え方が伝わってくるから不思議だ。

番組がスタートしたのは2020年4月。
ちょうどコロナが蔓延し日本中が緊張状態に陥った時のこと。
読みながら4年前を思い出した。
わずか4年しか経過していないが随分昔のことのよう。

時事ネタを盛り込みながら高橋氏の思いが素直に語られている。
そして語られるのはその半生。
子供時代、学生時代、作家を目指しバイトをしていた時代。
僕よりも15歳年上なので、学生運動が盛んな時期。
モヤモヤを抱えながら若い頃を過ごしてきた。
どんな人でも多かれ少なかれ同じなんだろうね。

自分の中では大先輩という認識だが、違和感というか不思議に感じた点がひとつ。
高橋氏は結婚が遅く子供が生まれたのもいい年になってから。
僕の子供よりも小さい。
現在進行形で子供の成長を語っているが、
それが中学生だったりするので不思議な感覚に襲われた。
なんてことはない話んだけど・・・。

それを含めて自分を表現することなんだろうね。
簡単に読める書籍だが、まず自分では購入することはなかった。

義母が読んだ本を読むことも不思議な感覚。
それもおススメされたわけでも譲られたわけでもない。
共有の空間があったというだけ。
ただこの先を考えると貴重な時間だと思う。

たまにはそんな読書もいい。
僕もくだらない映画ネタや食べ物ネタだけじゃなく、
教養を感じさせる深みのある挨拶をできるようになりたい。
難しいと思うけど。