先日ブログに書いた「青少年指導者育成セミナー」の続き。
高校1年生から30歳の社会人まで約120名が集ったこのセミナーだったが、このイベントを終え、僕は晴れ晴れした気分になっていた。
若者たちの発表に感動してしまったのだ。
今回、参加した若者は世代の近い6つのチームで構成され、あるテーマを基にディスカッションを行う。そのテーマとは「幸運は天から降ってこない」という漠然としたもので、それを補うサブテーマが「幸運は輝いて生きる~夢は実現するためにある」
基調講演のバイマーヤンジン女史の話から、自分たちが置かれている環境を客観視し、将来に向けどんな取り組みをしていくべきかを3回のグループワークで討議し、各チームごとに発表をしたのだ。
その発表を聞く前に僕は正直こんな思いを抱いていた。
「ヤンジン女史の素晴らしい講演は参加者には伝わったのは確かだが、どれだけ自分のこととして認識しているだろうか。」「自分とは関係のない世界で、余計なお世話だくらい考えているのでは・・・」というのが本音だった。真摯に受け止める学生は少ないだろうと・・・。
しかし、それは全くの杞憂に終わった。
各チームとも、今の自分たちがいかに恵まれているかを理解し、幸せは自分たちで作り出すもの、努力と行動がなければ幸運は訪れないという表現を異口同音に発していた。それは寸劇であったり、模造紙に書き込んだチャートであったり、表現方法は様々であったが、彼らが感じたことが十分伝わる内容であった。
感謝、思いやり、向上心が満ち溢れていた。参加者は同世代という共通点があるだけでほとんどが初対面。見ず知らず同士が一泊ではあるが、寝食を共にして腹を割って話し合う。わずかな時間で信頼関係が出来上がり、お互いみんな笑顔で話し合っている。実にいい表情をしている若者が多かった。
これまで僕自身が若い世代に対してネガティブに捉えていた面もあったため、反省させられる点が多かった。ステレオタイプでしかなかったのだ。大変失礼な話である。
素直に理解し、努力を惜しまない若者も多いのだ。一番上の世代のグループが最後に言った。
「幸運は努力と共にあり!」
いいじゃないか!
2012年3月1日
今の若者も捨てたもんじゃない!
2012年2月28日
今週末は企業展&転職フェア
3月2(金)・3(土)日は、今年度最後のイベントを開催する。
リーマンショック以降、雇用環境の悪化で我々のような人材ビジネスももがき苦しんできたが(今も決して良くはないが・・)、今回はようやく100社規模のイベントを提供することができる。
新卒向けと転職希望者向けとの同日開催なので、手放しで喜べる内容ではないが、何とかイベントとしてスケール感のあるカタチとなった。
一人ひとりの社員の頑張りに感謝の気持ちで一杯だ。また、それはこのイベントに参加頂けるクライアントがあったからこそ。有り難い限りである。
今回は名大社を贔屓に頂く常連のクライアントも多いが、新たに参加頂くクライアントも多数存在する。業種も多種多様だ。
規模としては、実に3年半振りくらいのイベントとなる。年度末をこのようなイベントで締め括れるのは、ほっと胸をなでおろす状態。まだまだ満足しちゃいけないけど・・・。
あとは当日を万全の体制で臨み、満足度の高い結果を求めるだけである。今回のイベントも全社一丸で運営することになる。各々が自分の役割を忠実にこなし、参加企業、来場者共に価値のあるイベントに仕上げていく。それが我々の存在価値であり、重要な任務。
イベント終了後はヘトヘト状態が予測されるが、その疲労感を達成感に変えることで、モチベーションを上げていきたい。
相当ハードな2日間にはあるが、懸命に取り組んでいきたい。
そうは言っても僕が一番楽をさせてもらってるのだろうけど・・・。
イベントの詳細はこちら
企業展パート1&第118回 転職フェア
<日時>2012年3月2日(金)・3日(土)
11:00~17:00
<会場>名古屋国際会議場 イベントホール
地下鉄名港線「日比野」駅
または 名城線「西高蔵」駅より徒歩5分
※特別講演もあります!
2012年2月26日
修学旅行のような2日間
昨日、本日と青少年指導者育成セミナーに参加させて頂いた。
セミナーと言っても一泊二日の合宿のようなものである。岡崎にある「愛知県青年の家」に、高校生から30歳までの若者が120名近く集まり、基調講演始め、グループワーク、発表を通し指導者としての資質を伸ばすプログラム。
僕はあくまでもオブザーバーという無責任な立場であるが2日間立ち会うこととなった。
この2日間の行動は基本的に若者と同じ。食堂で食事を共にし(学食のようだ・・・)、敷布を自分たちで運び布団に被せる。部屋にはトイレも風呂もなく、あくまでも共同。入浴の時間もしっかりと決められている。タオルもパジャマも持参だ。ホテルや旅館ではないので当たり前なのかもしれないが、こんな経験は修学旅行以来じゃないだろうか。
アルコールなんて、もっての他。テレビも当然ない。部屋も相部屋で僕は先輩経営者の方とご一緒させて頂いた。多くの情報交換をさせて頂くも、22時には消灯で、就寝。うれしいこと(?)にチャイムも鳴る。翌朝はしっかりとラジオ体操から始まる健全なプログラムだ。
このような生活をわずかでもさせてもらうといかに自分が楽で裕福な生活をしているかが手に取るようにわかる。それは参加する若者たちも同じだろう。一緒に風呂に入り、7人部屋あたりに押し込まれ親睦を深めるのもいい経験。一生の出会いになる可能性だってあるのだ。
そんなプログラムを2日間送るわけだが、昨日、行われた基調講演の内容が特に素晴らしかった。
バイマーヤンジン女史というチベット出身の音楽家で、現在は日本国内でも講演活動の他、チベット国内での学校の開校を支援されている。
ヤンジン女史の人生は壮絶だ。想像するにヤンジン女史は僕とほぼ同世代。同じ時代を生きている事は間違いない。しかし、国が違えば、生活環境も経済も全く異なる。未だ子供が学校に通えないのが当たり前で、親の識字率も低いというのだ。
そんな環境の中、ヤンジン女史は唯一電燈がある共同トイレで猛烈に勉強し、苦労の末、中国の音楽大学に進学。実兄が放牧の家業で稼いでくれたお金で大学に通うも、民族差別に遭い、辛い日々を過ごされたという。
その中でも必死にこらえ大学を卒業し、夫となる日本人男性と出会い、日本へ来日。大きなカルチャーショックを受けながら、17年間を過ごし現在に至っている。その間、起きた出来事を冗談を交えながら、流暢な日本語で話されていた。
(相当端折ってます・・・。)
講演の中で強調されていたのは、「日本は天国だ」「素晴らしい社会」ということ。これだけ恵まれた生活を送れるのは日本だけだと若者に強くメッセージを残された。そして、最後には「日本はアジアの誇りだ」と言われ、講演を締めくくられた。
普段、当たり前のように生活している身としては、その有難さが分からなくなっているのだろう。それは自分だけでなく、自分の子供も含め、参加している若者も一緒。
外国の方からのメッセージは参加した若者にも説得力があったのだと思う。終了後の拍手の大きさで、講演で与えた影響力が十分に理解できた。僕にとっても自分の生活や置かれる立場を改めて思い直すことになったし、若者たちにも気づきを与えたのだろう。大変ありがたい講演であった。
いくつかのプログラムを終え、本日2時に解散。
(グループごとによる若者の発表も良かった。その内容は近いうちに書きたい。)
セミナー当日までは仕事の事もあり、あまり乗る気ではなかったが、このような修学旅行のような生活を送るのも案外悪くないと思った帰宅後の自分であった。
いや悪くないのではない。とても有意義な2日間と言っていいだろう。
2012年2月24日
なでしこの組織マネジメント
一昨日は貴重な講演の機会を頂いた。今回はサッカー日本女子代表監督の佐々木則夫氏による「なでしこの組織マネジメント」。
いやあ~、とても面白くかつビジネスの上でも非常に参考になる講演であった。
佐々木氏が講演される姿はTVに映るインタビューのまま。話がとても上手く声のトーンも聞きやすい。講演が本職といってもおかしくないほど、90分の講演時間は飽きさせず、笑いを取り、考えさせる充実した内容。
普段の語り口から楽しめる講演になるだろうと期待していたが、実際はそれを遥かに上回る。あっという間の90分だった。
そして、何よりも組織をまとめる一人として、大変勉強になった講演であった。
なでしこジャパンのワールドカップ優勝はいろんなメディアで特集が組まれ、その組織の完成度は周知の事実であるが、現役監督からのリアルな話はより説得力が増す。そして、佐々木氏のリーダーとして、マネージャーとして、コーチとしての存在の大きさに納得することとなる。
今回の優勝は偶然ではなく必然であったと言えるだろう。企業経営者が経営戦略を基に実行し、成功を収めるのと同じ。
また、NTTのサラリーマンとしてガツガツと働いていたことも組織マネジメントにおいては大きな影響を与えているのだろう。ドラッカーあたりを読み、企業経営の勉強もかなりされているとも思うし・・・。
組織マネジメントのためのいくつかのキーワードも頂いた。それを全部披露することはできないが、「眼力と肝玉が重要」という言葉が印象的であった。
また、指導理念もサッカーに合わせイレブンとし、11のキーワードがあり、その最後は「コミュニケーション問答の質」というもの。
監督、コーチ、選手がコミュニケーションを図るのは当然だが、その受け答えに対する質が重要だという。
サッカーの場合、ゲームがスタートすれば監督が選手に指示する機会は非常に少ない。ファウルなどのわずかなゲーム中断の時間を利用して、監督は的確な指示を出す。もしくは選手はピッチ上の問題点を瞬間的に伝えなければならない。のんびりと情報を伝える時間なんて存在しないため、質が求められるというのだ。
そんな話を含め、貴重な時間を過ごさせて頂いた。自分の仕事にも大いに役立たせてもらおうと思う。
現在、日本の女子サッカーの登録選手は3,7万人。一方でアメリカの女子登録選手は160万人という。そんな規模の違いがありながらも、優勝するなでしこジャパン。
やっぱスゴイね。
2012年2月22日
ようやく届いたキネマ旬報
すっかり購入するのを忘れていた「キネマ旬報2月上旬号」。
この号は毎年日本映画&外国語映画のベストテンが発表される。学生時代は他の号もちょくちょく購入していたが、働くようになってからは年に一度、このベストテンが発表される号のみを欠かさず購入している。
実際の発売日は2月5日。
月2回の発刊なので、気づいた時は既に2月下旬号の発売に切り替わっていた。購入するのをすっかり忘れていたのだ。
それでも大手の書店ならバックナンバーがあるだろうと名古屋最大規模の書店をいくつか回るが既に在庫はなし。考えてみれば、こんな雑誌を買うのは相当なマニアックになるのだろう。希少価値の存在なのだ。
そうなると無性に欲しくなるのが人の性。帰宅する電車の中でスマホからアマゾンを開き検索。うれしいことに在庫はあるではないか。アマゾンで本を購入することは日常茶飯事であるが、スマホでの購入は今回が初めて。思った以上に手間取りながらもショッピングカートへ。一日でも早く手に入れたい思いから、お急ぎ便をタッチしてしまう。
今までお急ぎ便なんて使用したことはなかったが、何と配送料が348円掛かるのだ。全然知らなかった。
セコイと言われればそれまでだが、ひどく勿体ない気になってしまった。宅配が1日2日遅くなろうが何も変わらないないというのに・・・。
これが2148円もするキネマ旬報。
中味は変わらないが、いつもより汗とお金が沁みこんでいる。大切に扱わないと・・・。
そんな事よりも圧倒的に見ていない映画が多い事の方が寂しい。せっせとDVDを借りに行かなきゃ!
2012年2月21日
社畜のススメ
社畜のススメ (新潮新書) (2011/11) 藤本 篤志 |
誤解を招くかもしれないが、大いに共感した本だ。
社畜という表現が、いかにも会社の奴隷のような響きであるため誤解を招きかねないが、僕にしてみれば、凄く全うなことが書かれていると判断した。
それは自分自身のこれまでの経験と健全な仕事や組織を考えた場合において、そう考える。経営者の立場というよりも、一人の企業人として考えているのだ。
社会人となって間もなく23年が経過しようとする。その間に多くの経験をしてきた。理不尽に思うことも、納得できないことも、反発することも多かった。それでもきっと僕は社畜であったと思う。仕事を行う上で自分を捨てなければならない場面はある。(魂まで売るわけではないが・・・)。
役割を演じるという表現もあれば、立場がそうさせるとの理解の仕方もあるだろう。自分の認識が相当甘かったことも多かった。その時々にもがき苦しむ経験をして、それを乗り越えた後でないと答えなんて見つからない。自分の価値観に合わないからできないというのは我儘にしか映らないこともあるはずだ。それは価値観を完全否定するのではなく受容するということなのだ。
本書にも書かれているが、特にキャリアを築く初期段階では、激流に身を任せ、次々訪れる困難な課題を対処していく「筏下り」の時期が必要。できるだけ沢山の苦労をした方がいいのだ。
ここに書かれているサラリーマンの四大ダブー。
「個性を大切にしろ」
「自分らしく生きろ」
「自分で考えろ」
「会社の歯車になるな」
サラリーマン、すなわち給与を頂いて働く者にこの言葉はタブーだという。本書を読まずしてこのタブーだけ理解すると、なんて酷いことを思われるだろうが、読んでみれば意外とあっさりと理解できるのではないか。
しかし、反省もせねばならない。四大タブーの言葉。僕が全く使わないかと言えばウソになる。「自分で考えろ~!」なんて、よく使ってしまう。まだまだ未熟な世代にも・・・。反省。
読後、何故か、「就活エリートの迷走」を思い出した。テーマも内容も異なるが、同じことを表現しているのではないかと思い出したのだ。今の若者世代や社会の流れを汲み取るにはいい題材だ。
社員にも読ませたいな。
しかし、僕の今の立場で読ませたら、間違いなく誤解されるだろうな・・・。
2012年2月19日
「経験代謝」を学ぶ
昨日はキャリアカウンセラーの仲間で組織する「CDAプラザ」の自主勉強会。僕も時間のある限り出席しているが、今年は初めての参加。
今回はピアファシリテーターである大山氏を講師に招き、「経験代謝」について学んだ。
現在、CDAの資格を取得するのに「経験代謝」の知識とスキルは必要になるのだが、僕がこの資格を取得した6年前にはその名称すら存在しなかった。
知識もなければどんなシチュエーションで行われるかもさっぱり見当がつかない状態でこの場に臨んだのであった。
既に「経験代謝」を学んだCDAにとっても、この概念を理解するのは難しく、概念の捉え方も人によって解釈が異なったりしているのが現状のようだ。カウンセリング業務がすっかり過去のものとなりつつある僕としては、この概念は新鮮ではあるのもの、一度きりでは理解し難く、このブログで言語化して説明するのも難しい。
簡単に言ってしまえば、クライエント(相談者)が持っている表面的な悩み(考え)や経験から、自分にも見えていない本来の悩み(考え)を導き出す。それを信頼関係や感情移入をしながら本人に気づかせることを言うのだろう。(これでは全然わからないだろうな・・・)
今後のカウンセリング業務においては必須のスキルのようだ。
この講習を受けながら、以前受講した「クリティカルシンキング」の問題解決のプロセスを思い出した。問題解決の技法としてロジックツリーがある。Where→Why→Howの問題解決のステップで一番有効的な打ち手を導き出していく手法だ。
これは僕の勝手な解釈で正しいかどうかわからないが、ビジネスチックに論理的に行うのがロジックツリーで、人とコミュニケーションを図りながら感覚的に行うのが経験代謝だろう。どちらも物事の本質を捉える意味では一致していると思うのだが、ずれた解釈だろうか・・・。
この日はその流れで「経験」と「体験」の違いについても議論を行った。
キャリアカウンセリングの世界では明確な違いが提示されているようだが、そのテキストも未読のままなので何とも言えない。(ただの勉強不足です・・・)
確かにこの二つの言葉は違いを持つ。営業経験者歓迎と言っても営業体験者歓迎とは言わない。初体験と言っても初経験とは言わない。普段、何気なく使用する言葉ももっと意味を把握しながら使わないと誤解を招くことなるだろう。
そんなことも考えさせてくれた今回の勉強会だった。
勉強会終了後は、案の定、懇親会。結果的に5連チャン。おまけに2次会まで行ってしまった。反省・・・。
お疲れ様でした!
2012年2月18日
経営者の息づかいを感じながら
今週は那古野塾、盛和塾と立て続けに経営者向け勉強会に参加する機会を頂いた。ここでは家族的経営を行われるトップから名古屋を代表される企業のトップまで様々な方が参加されている。
那古野塾は昨年末からの延長戦になるが、盛和塾は初めての経験。那古野塾で懇意にして頂いた先輩経営者に紹介して頂いた。
今回も多くの学びを得た。那古野塾では同朋大学の伊東眞理子教授による「老年学」。年齢を積み重ねることの素晴らしさを教えて頂いた。先生のホームページをご覧になればお分かりの通り、年齢を全く感じさせることない美しさ。驚きである。
盛和塾では2人の経営者に「私の履歴書」というべきこれまでの人生を共有させて頂いた。いくつもの苦労を経験された後に掴まれた成功は説得力があり感動的だ。そのストーリーを伺うだけでも大きな学びだ。
勉強会終了後には当たり前のように懇親会がある。初めて会う方にはその場でご挨拶をさせて頂くが、ここでも感謝することは多い。
「あのCMで有名な名大社さんですか。」「名古屋で頑張っておられますね。」と有難いお言葉を頂くこともしばしば。その度に恐縮してしまうのだが、うれしいのも事実。中には仕事でお世話になっていたり、過去から何らかのご縁のある方も多い。何事にも代えがたい財産だ。
このような場に参加されるトップは自分で会社を立ち上げた方もしくは二代目、三代目で会社を引き継がれている方がほとんど。僕のようなサラリーマン出身者はほとんどいない。
ゼロから組織をまとめられてきた力強さや会社を辞めることはできず守り続ける覚悟をもった方ばかり。自分のような運だけで今のポジションにある人物とは比較にならないのだ。
その分、語るひとつひとつを学ばせて頂く。経営者としての息づかいを肌で感じさせてもらうのだ。自分も語る側にならなければと思いながら・・・。
本日は午後からCDA(キャリアカウンセラー)の勉強会。きっと夜の懇親会もあるだろうから、5連ちゃんにはなる。
いい一日を過ごせることに感謝である。(ちょっとしんどいけど・・・)
2012年2月15日
講演は勉強になる。
昨日は「バカの壁」の著者で東京大学名誉教授である養老孟司氏の講演会に参加した。
講演テーマは「本質を見抜く-これからの環境エネルギー問題-」。養老氏の専門分野ではないが、客観的事実を鋭く見抜いた実に示唆深い内容だった。
エネルギーの消費量と経済成長率の関係性に対しての持論は、論理的で思慮深く洞察力があり、納得せざる得なかった。
本日のブログはその講演内容に関することではなく、養老氏の講演者としての立ち振る舞いについてである。
90分間の講演で養老氏はパワーポイントなどのスライドを使うわけでもなく、台本や資料を読んだり見たりするわけでもなく、自らの言葉と時折ホワイトボードを使用するだけであった。
きっちり90分と正確にはいかなかったが、あらかじめ予定された内容が100%盛り込まれた講演だった。どうすればあのように淀みなく話すことができるのだろう?というのが僕の素直な疑問。講演に慣れていらっしゃるとはいえ、できる技ではない。見事だ。
僕の見る観点が人と異なるのかもしれないが、大いに感心してしまった。
僕自身もいろんな場で講演をさせてもらうことはある。その場合、ほとんどはパワーポイントを使用しての講演。30分、60分なら時間通りに話を進行する感覚は持ち合わせているつもり。台本を見ながら話すわけでもない。
しかし、パワーポイントでの講演なんていうのは、正々堂々とカンニングをするようなもので、映し出された文字や画像から、話す内容を引き上げることは可能だ。90分となるとハードルは上がるけど・・・。
それを何もない状態で完結してしまうのは、見事としか言いようがない。それも全くの自然体であるし・・・。努力と準備と場数の組み合わせがそうさせるのか、才能なのかはわからないが、今後の講演やプレゼンにおいて、参考になったのも事実。
たまたまこの日は、経営者や議員などお偉方を対象とした勉強会の講演依頼を受けた。未知なる領域となるため、パワーポイント使用のカンニングは必須だが、養老氏の演台を行き来し、身振り手振りで話された講演のイメージは自分の中にも持つとしよう。大丈夫か不安だが・・・。
勉強となる講演を有難うございました。
2012年2月13日
SNSは疲れるのだろうか?
先週の日経ビジネスの特集は「忍び寄るSNS疲れ~リスクを乗り越え使いこなせ~」。
Facebookにファンページを開設し、顧客に向けた新たなサービスを展開する企業が急増している。書店に行ってもSNS絡みの書籍は目立っているし、僕も既に何冊かは読んでそれなりの学習はしている。
名大社においても新卒学生向けではあるがFacebookページで就職関連の情報を流したり、twitterでも同様につぶやいたりしている。Facebookページのいいねは最近300を超えたばかりなので、発展途上であるのは間違いないが、ようやく手応えを感じるようになった時期が今。
Facebookにせよtwitterにせよ、社員に担当させているわけだが、この人選には迷うこともあった。無理矢理やらせるのは日経ビジネスの記事のように負のスパイラルに陥るだけなのはわかっていた。
その本人がSNSに関心がなければならないし、多方面に目配せができないといけない。軽はずみな発言が炎上を招き、企業イメージを下げてしまうことは大いにあり得る話で、それは絶対に起こしてはならない。それを必要以上に認識させなければならない。
僕のブログも同様で、個人的な色合いが強いにしても、会社を代表して書いているため、細心の注意は払わないといけない。
(そもそもレベルの問題はありますが・・・)
思いつきで話したことが命取りになるケースも想定しないといけないのだ。ただ僕の場合は、全て自分で責任をとる覚悟があれば済む話。しかし、社員の場合はそうはいかない。責任を取らすわけにはいかない。
かといって、いちいちチェックをしていてはSNSとして機能しない。多くの企業で悩ましいところだろう。
従来の販促や広報とは全く異なり、前例があるわけでもない。自分たちの手でノウハウを掴んでいくしかないのだ。
そこも含め「SNS疲れ」になるのだろう。
結局は発信する本人が楽しめるかどうかが、カギとなるのだろう。ブログも勢いよく立ち上げたはいいが全く更新されてなかったり、一言二言で終わってしまうのが多いのも同じことだと思う。
そして、体内に習慣化できるかも重要。歯を磨くのと一緒と思わなければ、やらない方がいいのかもしれない。
うちのSNS担当は歯を磨く事を面倒くさいと思ってなければいいが・・。
自分にも問う。ブログを書く事を楽しんでいるかと・・・。
こんなブログでも、ネタに困りもがき苦しむことだってある。
それも楽しみだったりして・・・。