これからも前向きに 名大社会長ブログ

食べ物のはなし 伏見シリーズ その212

人気食べ物ブロガーのランチタイムはあっという間に終わります。
元々は優秀な営業マン。
早食いを得意としており、すぐに次の行動が起こせるよう昔から鍛えていました。
デキる営業は早飯なのです。

その癖が抜けず、今でもつい早食いになってしまいます。
時間に余裕があったとしても・・・。
毎朝、家人に「もっとゆっくり食べたら?」と叱られています。

ランチタイムが短い理由はそれだけではありません。
伏見界隈の人気店を紹介するのが大切なミッション。
当然、お店は混んでいます。

そんな時、ゆっくり寛いでいるわけにはいきません。
食べ終わったらサッサとお店を出て、次のお客さんに譲る。
それがマナーでありポリシー。
お店に配慮する姿勢も忘れません。

そんな人気食べ物ブロガーですが、
たまにはゆっくりとランチタイムを過ごしたい時もあります。
3月も中旬になり少し落ち着いてきました。
ピークを過ぎた時間にお邪魔すれば、
お店にもお客さんにも迷惑をかけることはありません。

会社から北に向かい錦通を越えた場所にある「英吉利西屋珈琲店」さんに行ってきました。

老舗Barの英吉利西屋さんの系列かどうかは知りませんが、老夫婦が営まれています。
この雰囲気が居心地の良さを感じさせてくれます。

営業時間が8:00~17:00なのも潔くていいですね。
完全禁煙なのもゆっくりしたい立場としてはありがたいです。
ランチは日替わり。
この日はミートソースでオムレツかペンネを選ぶことができました。

本日のランチ(ミートソースペンネ) 900円

大食漢には物足りない量かもしれませんが、最近はこれで十分と思えたりもいます。
普段、ペンネなんて食べることはありませんが、たまにはいいですね。
やっぱりあっという間に平らげてしまいました。

そして、美味しいコーヒー。

冷蔵庫で保管されたフレッシュが出されるのも嬉しいです。
これから時間に余裕がある時はここで読書を楽しむことにしましょう。
ちょっと暗めなので、老眼には厳しいですが・・・。

ごちそうさまでした。

フラフラ、ヘトヘト 3年ぶりの名古屋シティマラソン

一昨日13日は名古屋シティマラソン。
コロナ禍で中止もあり3年ぶりの参加。
マラソン大会自体、3年ぶりとなる。

過去はエントリー後、事前受付を済まし参加するだけだったが今年はそうではない。
1週間前から毎日健康チェック&検温を報告。

そしてPCR検査を受けなきゃいけない。
参加ハードルはグッと上がった。
そのせいか例年多い初心者ランナーは少なかったような気がした。

開催一週間前に雪がパラついていた名古屋はウソのよう。
この日の最高気温は21度。
晴天でなかったのは救いだが、暑さ対策は必要。

会場となるナゴヤドームは色とりどりのランナーで盛り上がっていたが、
いつものような騒がしさはない。

 

正義正しい方が多いのだろう。
きちんとマスクをしてスタートを静かに待っていた。

大会MCは以前一緒にラジオ番組を担当していた山口千景さん。

舞台の前で思い切り手を振ると気づいてくれた。
「あ~、今、私の友達も通っていきました。」
とアナウンス。
それって、オレだよね?
勘違いだったりして・・・。

スタートから4分後にゲートをくぐった。
すでに暑い。
アンダーシャツは脱いでTシャツ1枚になればよかったと後悔したが、すでに遅し。

自分のペースでRUN。
10キロ時点で56分とほぼ予定通りのタイム。
今回の目標は2時間切り。
同じペースで走りきることが大切。

12キロあたりまではよかったが、徐々に遅れ始めた。
給水も欠かさず取っていたが、どうも気分はすぐれない。
そして、18キロあたりでふくらはぎがピリピリし始めた。
「ヤバい・・・」と思いながら走り続けるも、やはり足が攣った。
そこからは歩いたり走ったり、時々、屈伸したり。

なんともお粗末な終盤で、それでもゴール。
途中から2時間切りは諦め何とか2時間10分切りを目指したが、それも叶わず。
手元の時計では2時間10分36秒。

あ~、過去最低のタイム。
大会は久々といえ、継続的にランニングはしてきたけど。
名古屋シティマラソンで2時間オーバーは初めて。

う~ん、厳しい結果。
鍛え方が悪いのか、歳のせいか。

今回はそれでは終わらず。
終了後、ファミリービジネスアドバイザー仲間の集まりがあったので、顔を出させてもらった。
ビールを1杯飲むが美味しくない。
腹は減っているが食欲はない。

仲間と別れ、帰りの電車で急に気分が悪くなった。
帰宅後、しばらくダウン。
体は痛いし気持ちは悪いし酷い状態。

楽しみのはずの夜のアルコールも飲まず仕舞い。
熱中症か、脱水症状か・・・。
なんとも情けない一日だった。

それでも昨日は復活。
嫁さんの冷ややかな視線はあったが、美味しくビールも日本酒も飲めた。
さて、今月末は豊橋。
それまでには何とか調整したい。

お疲れさんでした。

名大社半生を振り返る その13

「テツ、明日、辞表を持ってこい!」
「お前はエゴイストだ。会社のことを全然考えていない!!」
社長からの強烈な言葉が続いた。

始めのうちは先輩も後輩も庇ってくれていた。
「ヤマちゃんは頑張ってますよ。みんなのためにやってますよ」
「お前は何も分かっていない。こいつは自分のことしか考えていないんだ!」

社長の迫力に押され、誰も反論できなくなった。
次第に
「そうですね。テツは自分勝手ですね・・・」
手のひらを反すような言葉に変わった。

まさにサンドバック状態。
自分なりの抵抗はみせるものの、完全否定されボコボコ。
社長としては1年以上前から僕の言動に不満を抱いていたのだろう。
溜まっていたものが爆発した。

ボロカスにいわれ、ただ酒を飲むしかなかった。
気がついた時に社長宅には社長と僕だけ。
途中からの記憶はない。
他のメンバーはいつの間にか消えていた。

あれだけ激しく罵倒されたのは初めて。
日記を読み返すと最後は握手をして別れたと書かれているが、
僕はずっと追い出されたと思っていた。

深夜1時は回っていただろう。
翌朝は酷い二日酔い。
体調も良くなかったが、気持ちも落ち込んでいた。

それでも普通に出社。辞表は持たずに。
僕が普段通り出社したので、同席した役員や先輩は驚いていた。
さすがに休むと思っていたようだ。

数日後、社長と一緒に罵倒していた役員も気にしていたのだろう。
珍しくフォローがあった。
その後、社長からお咎めはなかったが、鼻をへし折られたことは事実。

確かに調子に乗っていた面もあり、この夜の出来事はいい反省材料にもなった。
それにしても言いすぎだと思うけど・・・。
そして断固として言いたい。
エゴイストではないと・・・。

不況期であってもノルマに追われ仕事は忙しかった。
個人としては良かったが部下の成績がイマイチだったり、
部下がクライアントとトラブルを起こしたりと
上司としてマネジメントの難しさを感じていた。

頻繁に社長や役員から叱責を受けた。
唯一の救いは娘の存在だった。
当時の日記には娘への溺愛ぶりが綴られている。

今は影も形もないが、2歳の頃はよく懐いてくれた。
起きている時間に帰宅すると走って抱きついてきた。
週末のひと時に癒され、幸せを噛みしめていた。
仕事の苦労も吹き飛んだ。

家庭では何もしないダメ夫に嫁さんは不満を持っていたはず。
帰りは仕事で遅いか、飲んで遅いか、週末も仕事を持ち込んでいた。
この頃からそれが常態化していった。

続く・・・。

映画「夕方のおともだち」

映画コラムニストはどんな作品でも観なきゃいけない。
それがたとえR18であったとしても、話題性や芸術性があれば問題はない。
SMシーンがハードだとしてもそこは敢えて挑む。
これも仕事なんだと自分に言い聞かせて観るのだ。

と、言い訳じみた書き出しになったが、本作はかなり過激な映画。

冒頭シーンから観る者はショックを受ける。
しかし、映画が進めば進むほど純粋なラブストーリーのような気がするし、
屈折した人間関係を表現する社会派ドラマのような気もする。

言っておこう。
エロ映画でも変態映画でもない。
どうにも生きずらい現代社会を違う角度から切り取った作品。
R18が成人映画という解釈はもう古く、大人しか分かりえない世界を描くカテゴリーとすべき。

事実、女性客も多かったし映画館はミリオン座。
世界の佳作を流し続ける映画館だ。
「ドライブ・マイ・カー」だって最初はここしか上映してなかったんだぞ。

と映画館を味方につけて自分を正当化する。
ただし、ここで映画を深くは語らない。
どうしても墓穴を掘りそうだし、危うい表現も溢れてしまいそうだから・・・。

僕は原作も作者の存在も知らない。
その分野では有名な作家だが、僕は本作で初めて知った。
廣木隆一監督作品なら面白いかも・・・と思ったのが理由だろうか。

廣木監督が描く真っ当でない恋愛ドラマに魅力を感じるのだ。
ピンク映画出身なのも下積み感があっていい。
5年前の「彼女の人生は間違いじゃない」はよかった。

この作品で瀧内公美さんの笑顔にやられた。
今やキネマ旬報主演女優賞を獲得する演技派。
昨年の「由宇子の天秤」も素晴らしかった。

横道に逸れたが廣木監督の「ヴァイブレータ」の男女の描き方も苦しくてよかった。
同時期に「ノイズ」が公開されているので、売れっ子監督の一人。
「ノイズ」は観てないけどね。

普通の人ならそっちを選ぶと思うが・・・。
それは僕が少なからずM的要素があるということ。
一般的に会社経営者はM的だと言われるけどね。
ここでも言い訳をしておこう。

本作のヒロイン、いや女王様の菜葉菜さんもキュートだった。
未だに苗字と名前の区別がつかない。
全部苗字かもしれないし、名前だけかもしれない。
どうなんでしょうか?
誰か教えてつかあさい。

今年はなんだかマイナーな日本映画ばかり観ている。
そろそろメジャーな日本映画を押さえたいが、何がいいんだろう。
琴線に触れる作品はないだろうか。

映画「宮本から君へ」

宮本が友達だったら超面倒くさいヤツと思うだろう。
うざいヤツと思いながらも仕方なく付き合うだろう。
頻繁に周りに迷惑を掛けるが憎めない。
金を貸してくれと言われれば、何も言わず貸してしまう。

宮本はそんなヤツ。
暑苦しくて仕方ないが嫌いにはなれない。
巻き込まれるのを拒みながらも巻き込まれてしまうような気がする。
それも自ら望んで・・・。

映画の宮本に僕らはなんやかんやで共感してしまう。
感情的で一方的でナルシストで自分勝手な正義感に僕らは共感する。
それは自分でできなさそうなことを真剣にやってしまうから。

それは難しいことにチャレンジするのではない。
ちょっとしたことにムキになり立ち向かうだけ。
それにはくだらない勇気と呆れる正義感が必要。
それを宮本は持っている。

分かり易くいえば、彼女を寝取られた僕が
ラグビー日本代表の稲垣選手にケンカを売るようなもの。
絶対、勝てるわけがない。
コテンパンにやられるのは分かっている。

予測できる結果はどうでもよく、
とにかく勝つことを信じて稲垣選手にぶつかっていく。
どんな状況でも僕は絶対にやらないが、
とことんやればほんの少しは可能性が生まれるかもしれない。

本作はそんな成り立ち。
宮本を演じるのは池松壮亮。
彼の真正面から向かう演技が素晴らしい。
実際に前歯を失くしてもいいと本作に臨んだようだ。

その相方は蒼井優演じる靖子。
彼女も感情丸出しで宮本にぶつかる。
そして、「宮本ーーー!」と叫び続ける。

男女が出会って結婚し子供を産むまでの単純な話だが、
どうしてこんなに面白くなるのか。
その熱量に圧倒される。

本作はAmazonプライムのウオッチリストにずっと入っていたが、
最近になりようやく観ることができた。

真利子哲也監督、なかなか、やるな。
前作「ディストラクション・ベイビーズ」も横暴な男が殴り合うだけの映画だったが、
メチャ面白かった。
シンプルな物語をすこぶる面白く魅せる演出はこれからも楽しみ。

いやいや、期待以上に楽しめた映画だった。

原作「ハウス・オブ・グッチ」

映画「ハウス・オブ・グッチ」はファミリービジネスを学ぶ者としていい学びとなった。
何かのネタになると思いグッチ家のジェノグラム(家系図)も作ってみた。
そのタイミングでFBアドバイザー仲間と映画をテーマにした勉強会も開催された。

ここは映画コラムニストとしても参加しなきゃいけない。
適当に作成したジェノグラムを発表する機会も頂いた。
中途半端な知識では却って恥をかくと思い、原作を読むことに・・・。

それが本書を読んだ理由。
結果的に上巻しか勉強会当日に間に合わなかったが、ジェノグラムの完成度は少し上がった。
まあ、それもいいキッカケ。

実際、上下巻を読んで映画と比較すると異なる点は多い。
それは当然のこと。

映画はレディ・ガガ演じる元妻パトリツィアを中心にスキャンダラスに描かれている。
グッチ家とは何ぞや?を問うてはいるがエンターテイメント性に満ちた作品。
これはこれで面白い。

原作を基に制作される映画の場合、よく議論の対象になる。
原作の方がデキがいいとか、映画が原作を上回ったとか・・・。
本作もそんな対象にならないとも限らないが、そこはあまり大切ではない。

ある部分を切り取ったのが映画。
原作は必ずしもパトリツィアが主役ではない。
三代目マウリツィオ・グッチがあくまでも中心で、殺害事件もある部分に過ぎない。

殺害に至るまでの異常な世界も見ものだが、
親族内のドロドロとした関係性やその後の経営権争いが読みごたえがある。
名門企業はどうすれば没落し、またどうすれば復活するのか。

池井戸氏のビジネス小説なら無責任に面白がればいいが、
真実を描いた世界だとこちら向かう迫力も異なる。
読むべきはノンフィクションか・・・。

本書は2004年に発行されているが、昨年発行された新版は新たなあとがきが加えられている。
直近のグッチの動向も描かれ面白い。

そして、映画の主役パトリツィアの近況も・・・。
どうやら映画で描かれている自分の姿には不満のようだ。
そもそも自分へ挨拶に来ないことも、一銭の支払いのないことも不満。
それも彼女らしいのかな。

映画と比べながら読むとより楽しめるのではないだろうか。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その211

3月に入り、はや2週目。
あと20日で2021年度が終了します。
今期もコロナに振り回された一年でした。
前年度と比較すればかなり回復してきましたが、100%とは言い切れません。

社外活動も同じ。
制約された活動が続きます。
安心して動ける日々を待つばかりです。

いつでも全力で行動できるよう準備を怠ってはいけません。
常に元気いっぱいの体にしておく必要があります。
そのためには肉。
肉を体に投入せねばなりません。

牛も鶏もいいですが、ここは豚ミンパワーを投入しましょう。
最近は家での焼肉も豚がメインになってきました。

堀川沿いの広小路通と錦通の間にある「納屋橋ホルモン」さんに行ってきました。
この通りは小規模の雑多な店舗が並びます。
お隣もその一つ。
歴史の長そうなスナックもありますが、一度もお邪魔したことはありません。

こちらは焼肉屋さん。

本来であればビールをガンガン飲みながら、とんちゃんを果てしなく食べたいですが我慢。
ランチで元気いっぱいになる体作りです。

こちらはバラ豚丼、ロース豚丼、合い盛り丼の3種類。
量は小盛から特盛まで選べます。
温玉、キムチ、チーズなどトッピングも豊富。
ここはまず正統派として攻めるべきでしょう。

「すいませ~ん、バラ豚丼、並盛で!」
何の変哲もない注文の仕方。
これが正統派なのです。

バラ豚丼 850円

丼を囲むように豚バラが並べられ中央にもやしが鎮座します。
真上から写すとこんな感じ。

食欲を掻き立てる盛り付けです。
食べ方はいろいろ。

しっかり味が浸み込んでいるのでそのままご飯と食べるもよし。
もやしを絡めながら食べるもよし。
ワサビと乗せて食べるもよし。
一味をかけて食べるもよし。
グワシグワシと豪快に頂きます。
人気食べ物ブロガー的にはワサビでしょうか。

更に元気になるために大盛もチラつきましたが、並盛で十分元気になれます。
やっぱ豚ミンパワーですね。
とても美味しく頂きました。

ごちそうさまでした。
次回はロース豚丼で攻めてみます。

名大社半生を振り返る その12

環境が変わると期待したが、誰しも変わらないことは分かるだろう。
今も名大社だし・・・。
当たり前の話か(笑)。

イケメンU氏の会社から僕は採用とも不採用ともいわれていない。
早ければ年内に返事を出すと聞いていたが、
年が明けても一向に連絡はなかった。

しびれを切らして本社に電話。
副社長が対応してくれたが、
「山田さんは名古屋支社長と相談してくれ。」という回答だった。

後日、名古屋支社長との面談では
「よくうちのことを見てから判断してください。」
というOKともそうでないとも受取れる内容。

そうこうするうちに僕はこの会社にいろいろと提案し仕事を受注。
かなり大きな新規契約となった。
連日、深夜2時、3時まで企画書を書いていた。
営業部長が契約の経緯を聞いてきたが、知り合いからの紹介と適当にごまかした。

転職活動は時間と共にうやむやになり、それまで。
そこは名大社以上にハードワークだったし・・・。
他の会社を受けることはなかった。

99年は国内全体が不況で失業率も5%を超えた。
同業界でも廃業とかリストラが行われた時期。
10年後、さらに酷いリーマンショックが起きるが、当時もかなり厳しい環境。

親会社であった大阪の大有社もこの年に自己破産。
世間的には名大社も連鎖倒産するのではと思われていたし、
取引停止になったクライアントもあったが、何ら影響は受けなかった。

そこは社長の手腕。
いずれこうなることを予測し、親会社との資本関係を数年前から解除していた。
風評被害にあったことに対してかなり憤っていた。
そりゃ、怒るよね。

その決断があったからこそ、今も会社が存在する。
改めて敬意を表します。

大型受注はあったものの、僕自身も会社自体もこの不況下で厳しかった。
チームも僕の成績も下がっていた。

新卒イベントもリクルートはナゴヤドームで大々的なイベントを行い差も開いていた。
また、時代も移り変わる頃。
インターネットが普及し始め、大手就職情報会社はナビサイトをスタートしていた。

名大社は大手に比べ2~3年遅れていた。
僕は早い段階からネット事業への参入を訴えていたが、
営業全体として危機感は乏しかった。
その後、インターネット委員会なるものか立ち上がり、僕もその一人として加わった。

この年は社長宅での飲み会が頻繁に行われた。
数名のメンバーが招かれ、社長が手料理を振舞ってくれるというもの。
僕は6月上旬に役員、先輩、後輩と一緒に出向いた。

最初は和気あいあいとした飲み会。
どうだろうか、1時間過ぎたあたりから雲行きが怪しくなってきた。
社長も少し酔いが回ってきたのか、
最初からそのつもりだったのか、雰囲気が激変。
僕へのあたりが強くなった。
いかに僕が自分勝手な社員であるかを強調していた。

そして、言われた。
「テツ、明日、辞表を持ってこい」

続く・・・。

映画「ドリームプラン」

原題は「King Richard」。
主役ウィル・スミス演じる父親の名前。
僕はこのままのタイトルの方がいいが、それでは日本でのヒットは望めない。

社会派ドラマっぽくなってしまう。
明るい未来を匂わせる邦題の方がしっくりくるかもね。
「夢への計画」だとちょっと甘ったるいし・・・。
そう考えると映画のタイトルは難しい。

そんなことはどうでもいい。
本作は実話を基に制作。
もちろん実話通りでなく過度な演出もあるだろうが、より感動を生むのは真実のドラマ。
実際にこんな事実があっただけでドラマとしては成功。

それも歴史上の人物ではなく、ヴィーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹という
誰しもがイメージできるテニスプレーヤーだからなおさら。

僕は派手でワガママなテニスプレーヤーだと思っていたが失礼な話。
大坂なおみとの試合を見ちゃうとそう思っちゃうよね。
申し訳ありませんでした。
人を上辺で判断してはいけません。

この姉妹のお父さんであるリチャードは夢の実現に向けて筋の通った生き方を貫く。
その信念と行動力には感動し凄いと思うが、全て共感するかは別。
冷静に受け止めればかなり危険。
時に軋轢を生む。
無償でコーチしてくれた一流コーチをクビにしたり、
自分たちに都合のいい条件を強引に進めていったり。

それくらいの気持ちがないと目指す世界に辿り着けないのだろうが、リスクも大きい。
結果としてアメリカンドリームを引き寄せたが、これが万が一上手くいかなければ・・・。
アメリカにはそんな人たちがごまんといるかもしれないね。
その覚悟にはあっぱれだけど。

そうそう、本作も昨日に続き本年のアカデミー作品賞候補のひとつ。
またも「ドライブ・マイ・カー」のライバルを観てしまった。
本作は誰が観ても心温まる秀作。
それもハンディを克服する家族愛を前向きに描く。

「ドライブ・マイ・カー」のように暗くはない。
いかん、これは新たな強敵が現れたぞ。
「ドライブ・マイ・カー」が受賞した時に反発を抑える意味でも、
本作の日本でのヒットは不可欠。

何だか変なブログになってしまったが、
時間のある方は観てもらいたい。

映画「パワー・オブ・ザ・ドッグ」

驚くことにまたしても本年アカデミー賞ノミネート作品。
今までさほど興味を示す賞でもなかったが、
「ドライブ・マイ・カー」がノミネートされたことで他の作品も気になった。
これも相乗効果。

これから地味であまりヒットしなさそうなノミネート作を観させるなら、
候補作に日本映画をぶつけるのが一番。
隣の作品と比較したくなる弱い人間をカモにすべきだね。
いいカモになりました(笑)。

本作はその中でも最も多い11部門にノミネートされている。
もしかしたら独占してしまうかも・・・。
それを劇場だけでなくNetflixで既に観れるわけだから、映画が置かれる環境も変わった。

先日までインターンシップに参加した学生はこんなことを言っていた。
「TVは見ずに、Netflixばかり見てます」
もうそんな時代。
これまで当たり前と思っていた映画の在り方も変わっていくんだろうね。
これも勉強だな・・・。

本作の舞台は1920年のアメリカ・モンタナ州。
日本だと大正9年。
その頃の日本の田舎とアメリカの田舎はスケールも含め何かも違う。
そんなどうでもいい事を思い浮かべならら観るのも面白い。

今から100年前はアメリカも閉鎖的。
男は男らしく、女は女らしく、そんな時代。
ダイバーシティという言葉は存在するだろうが使われ方は異なる。

主人公フィルも今の時代だったら人の扱い方や態度は180度違うだろう。
家庭内における人間関係は普遍でどんな時代でも問題を抱える。
感情的に動く限り仕方がない。

しかし、常識が変われば感情面のコントロールも変化する。
そうなるとこの兄弟の関係、義兄と嫁の関係。甥の関係は全く違うものになる。

ミステリアスな人間ドラマは1920年代だったからこそ深く描ける。
大草原やそびえ立つ山々が神々しい存在にもなり・・・。
ここまで書いたところでどんな作品かは1mmも理解できないと思う。

この類の作品は事前情報ができるだけない方がいい。
どんな映画か分からないし、映画コラムニストのブログも理解不能。
でもノミネート作品だから、観た方がいいかも・・・。
そんな状態でOK。

こんな映画が作品賞を受賞するような気もするが、
ここはやはり「ドライブ・マイ・カー」で。
う~~んと唸る映画であるのは間違いなかった。