これからも前向きに 名大社会長ブログ

ステキな親子関係を作りたいね

先週木曜日は第5回名古屋ファミリービジネス研究会のday2。
先月のday1ですっかり参加者同士打ち解け、信頼関係は十分。
この場では安心・安全な場所を掲げていることもあり、
始まる段階で和やかな雰囲気ができていた。

この関係性は事務局としても有難い。
お互いが気兼ねなく話し合える場が勝手に作られているのだ。

今回のメインテーマは「ファミリーの関係性と対話の進め方」
初の試みのとして受講者は関係の深い同伴者と一緒に参加。
父親、妹、息子、番頭さんとそれぞれ異なる身近な方を同伴。

一番の若手は大学2年生。
なんと僕の息子と一緒。
一般的に20歳前後の息子はそんな場を嫌がるだろう。
しかし、そんな感じは一切しない。
親子で参加するその姿勢は素直に感動した。

20歳から60歳過ぎと幅広い方が揃ったわけだが、違和感はない。
会場内は不思議と温かい雰囲気に包まれていた。
研究会の冒頭は僕の役割。

いつものようにアイスブレイク的に話を進める。
今回の研究会はてんこ盛り。

第一部は株式会社フェリタスジャパン丸山祥子代表による「ファミリーの関係性と対話の進め方」
第二部は親子によるトークセッション「アトツギはどう家業を継ぐか」。
そのため僕の持ち時間は普段より短め。
計算上は30分掛らない内容にまとめたつもり。

メインの丸山さんに
「今日は早く分かるから大丈夫」と自信満々に話したが、結果、5分程オーバー。
この日は珍しく参加者の集まりが早く、定時前にスタートのに何がいけなかったのか。
まだまだタイムマネジメントができません。

第一部の丸山さんはご自身の後継者の経験を踏まえ、
個人と家族と会社の関係について優しく語られた。

ワークを絡ませながら、ビジネスとファミリーの境界について分かり易く解説。
帽子を使っての説明で理解を深めた参加者も多かった。

ファミリーガバナンスもこれから重要になるだろう。

第2部はトークセッション。

ファミリビジネスアドバイザー講座で一緒に学んだ末松パパと
その翌年講座を受講した末松ジュニア。
詳細はジュニアである末松仁彦社長の株式会社バーテックのHPを確認してもらいたい。

二代目から三代目に継ぐ過程にはお互いかなり葛藤があるはず。
末松親子はある意味、理想的な承継だが、
その時の感情や行動を熱く語ってもらった。
父親の背中の見せ方や母親との会話内容は参加した方だけのメリット。

僕は家族内での曖昧な態度を反省しながら、羨望の眼差しで眺めていた。
参加者も自分に照らし合わせながら、感じる面や吸収する面は多かったと思う。
絶えない質問を聞きながら参加者の高い満足度を感じた。

本来は終了後、懇親会で更に親睦を図るが、まん延防止等重点措置のため中止。
その分、交流会とし対話の機会を設けた。

今回も事務局としては嬉しい研究会を提供できた。
自分たちで主催しながらつくづくいい会と思ってみたり・・・。

丸山さん、末松パパ&ジュニア、お疲れさまでした。
そして、貴重な話をありがとうございました。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その191

先週はうな丼でした。
自分では大いに見栄を張り贅沢な昼食でした。
確かに美味しいうな丼でした。

しかし、2切れという鰻の量にどうしても納得感が生まれません。
名古屋市内であればあれで普通だよと諭してくれる友人もいました。
確かにそうでしょう。
冷静に分析すれば説得力のある言葉です。

ただ僕は人気食べ物ブロガーと呼ばれた男。
美味しさを伝えることは当然ですが、見た目の満足度も追求せねばなりません。
それを考えるとここで終わるわけにはいかないのです。

メラメラとリベンジしたい気持ちが湧いてきます。
ちょっと前にざるうどん事件がありましたが、それに近いのでしょう。
これは何としてでも見た目の満足度を追い求めなければなりません。
それも前回のうな丼に近い値段で・・・。

自分の嗅覚を信じて彷徨っていると天の声が聞こえます。
「昼間だけ営業しているお値打ちな鰻屋さんがあるよ・・・」
自分の行動を信じれば救いの神は現れるようです。

その声に導かれるまま住吉町方面に向かいます。
そうするとこんな看板が現れました。

まるで孤独のグルメの井之頭さんが探し求めたお店のようです。
「いいぞ、いいぞ、俺はこんな店を探していたんだ・・・」
看板に書いてあるメニューを眺め、「よしっ!」と頷きます。

2階にある「昼だけうなぎ家」さんに行ってきました。
どうやらそんな店名のようです。
こちらは前払い。
値段は確認しています。

自信満々に「特上を下さい!」力強い声で注文し、支払いを済ませ席につきます。
隣の席ではカップルがひつまぶしを突き合っています。

「ひつまぶしもいいけど、男は黙ってうな丼なんだよ」
心の中で呟きます。
しばらくすると運ばれてきました。

ひつまぶし 特上 2300円

「あれっ?頼んだのはうな丼の特上じゃないか・・・。」
焦りを隠しながら、お品書きを確認します。

「ああ~っ、そうだったのか・・・」
ため息が漏れます。

こちらのお店はひつまぶしが上、特上、極上と分けられ、
うな丼はにぶいち、しぶさん、いちまる、ぼんはんと書かれています。
人気食べ物ブロガーの完全な早とちりでした。
自信満々に特上だなんて・・・。

周りやスタッフを見渡しましたが、誰も不思議な顔はしていません。
「そりゃそうだ・・・」
ひとり納得して、特上のひつまぶしを眺めます。

一杯目は普通に頂き、二杯目は刻みのりをまぶして頂きます。

三杯目は当然のようにお茶漬けです。
まっとうな食べ方でひつまぶしを頂きました。
この値段はかなりお値打ちといえるでしょう。

うな丼のリベンジはうな丼で返す。
そんな想いもありましたが、そんな個人的な気持ちは捨て去りましょう。

ごちそうさまでした。
しばらくしたらうな丼いちまる(一尾分2200円)にチャレンジします。

Fネットは14期を迎えました。

先週金曜日はFネット(ふるさと就職応援ネットワーク)の13期総会&14期第1回例会。
Fネットとは全国の各地域で人材サービスを行う事業者のネットワーク。
今回からラーニングエージェンシーさんが加盟し23社となった。

僕は会長を任され、この14期で4年目。
まず最初に開催された13期総会で挨拶をさせてもらった。

ちなみに今回もオンラインでの開催。
当初はパフ会長の釘崎事務局長がオープンしたハナリー島で行う予定だったが、
それどころではなくなった。
あっ、ハナリー島とはフォークソング居酒屋のことね・・・。

加盟会社のほとんどは緊急事態宣言もしくはまん延防止等重点措置の地域。
冒頭の挨拶で対象外は山形と長野のみと話したが、新潟もそうだった。
西嶋社長、すいません、勝手に対象地域にしてしまって・・・。

まずは13期の活動報告。
Fネットの例会は2か月に1度開催。
通常会は東京、年1回は各地域で開催するのが恒例だったが、この1年は全てオンライン。

一度も各社の代表と顔を合わすことなく一年が過ぎてしまった。
真面目な議論だけでなく、懇親会での親睦も大きな目的だったので、
一年、そんな機会がなかったのは寂しい限り。

やむを得ないことは理解しているが、これはFネット関係者の共通認識。
今後のリアル開催を希望する声も多かった。
ワクチン接種が終了した段階ではみんな集まりたいね。

総会では僕の方から14期の活動方針を発表。
例会の内容と他の取り組みについて考えを述べた。
概ね了承してもらったので、あとは幹事会で具体化する流れ。
前期は若手研修しかできなかったが、今期は階層別の研修や意見・情報交換会も展開したい。
また、オンラインでの共同企画も。

今回の例会は講演やブレークアウトルームでのディスカッションはなくし、各社の情報共有に特化。
どうしてもオンラインだと一方通行的に僅かな時間しか報告できない。
互いにもう少し深堀りするために報告と質疑の時間を増やした。
それでも結果的には駆け足で終えざるしかなかった。

また、20社近い報告をみっちりきっちりずっと聞き続けるのはかなりしんどい。
Zoomの画面を通して参加者の疲労度が分かりやすく映っていた。
最後は質問も出なくなったり・・・

それでも各社の取組みや地域の景況感、同業他社の動きが理解でき、充実した時間を送ることができた。
午前中は幹事会や他の業務もあり、僕もかなり疲れた。
リアルだとそこまで感じないけど、年齢のせいもあるのだろうか・・・。

こうして14期第1回の例会が終了。
この一年も新たな取組みしながら、Fネットを盛り上げていきたい。

みなさん、どうぞよろしくお願いします。
そして、早く一緒に飲める時を作っていきましょう。

最後は結局、そこだね(笑)。

映画「アンダードッグ 前編・後編」

どうしてボクシング映画はこんなに暗いのか。
暗いだけでなく必ず犯罪の香りもするし性的描写も多い。
日本映画で明るいボクシング映画なんて観たことがない。

4月に観た「BLUE ブルー」は犯罪の香りはしなかったものの暗かった。
本作もこれまで観た作品と同様。

森山未來演じる元日本ランク1位の落ちぶれボクサーも暗い。
笑ったシーンなんてほぼない。
ぼそぼそ呟いているのがほとんど。
奥さんにも逃げられるし、ジムの会長からも見放されている。
唯一、父親を信じる可愛げな息子が味方にいるだけ。

しかし、憎めない存在。
昼間はサウナで働き、夜はデルヘル嬢の運転手で何とか生計を立てる。
まともな人間から見れば蔑んでしまうが、これもどうも憎めない。
映画を観る観客もなぜか復活を願う。
きっとやってくれるだろうと期待してしまう。

大体、ボクシング映画はそんなふうに作られることが多い。
身近な世界でありながらも身近でやっている者は誰もいないが、応援してしまう。

それがシンプルなスポ根映画なら爽やかな感動を呼ぶだろうが、
主役が主役なだけに爽やかさなんて一つもない。
ただ僕らはその殴り合う姿に引き込まれ抜け出すことができない。
1ラウンド1ラウンドを息を飲みながら本当の試合の如く魅入ってしまう。

不思議だ。
それは鍛え上げられた森山未來の肉体が本物のボクサーと思わせるからだろう。
最近の彼の演技はことごとくいい。
2年前の大河ドラマ「いだてん」も良かった。
5年前の「怒り」も良かった。

本作の演技で昨年のキネマ旬報主演男優賞も獲得。
多分、そのボコボコにされても立ち続ける姿が評価を生むのだろう。
そういえば3年前の主演男優賞は菅田将暉で対象作は「あゝ、荒野」だった。
ボクシング映画は単純に映画評論家の評価が高くなるのかな。

それにしても本作は前篇、後篇合わせて4時間半。
長い。
これでも僕は忙しい。
しかし、一気に観てしまった。

そして、後悔した。
やはり映画館で観るべきだったと・・・。
昨年秋に会社近くのミリオン座で公開されていたが、観ることができなかった。
無理してでも調整すべきだったとAmazonプライムで観た後に後悔した。

いかん、いかん、なぜかボクシングに惹かれる自分がいる。
そのうち始めてしまうんじゃないか・・・。
それは100%あり得ないが、きっとボクシング映画はこれからも観るだろう。

森山未來演じる晃はまだ世界チャンプを諦めていないようだしね。

ウディ・アレン 追放

これも日経新聞の書評欄に紹介されており、つい手にした一冊。
普段読まない書籍を読む8月。

ウディ・アレンの作品はもう何十年と観ていない。
学生時代、粋がって、また知ったかぶりをして観ていた記憶はある。
「カイロの紫のバラ」「ハンナとその姉妹」「ラジオデイズ」。
ちょうど80年代、最も輝いていた時代。

ちょっと洒落ていて通好みの映画が多かったので、
感化されやすい青二才はいかにもそれっぽい感想を周りと喋っていたと思う。
何を喋ったかもどんな映画だったかも全く記憶がない。

所詮、そんなもの。
今はブログというツールがあり、記憶から消えても記録として残るからいいね。
それでもどの作品もミア・ファローが主役であったのは記憶にある。

当時、この2人の関係は知らなかったと思うが、
ウディ・アレンは今、思えば公私混同甚だしい監督。
それも超絶甚だしい。
作品のほとんどは自らの脚本で監督。
ある意味、思いのまま。
出演者も自分で決める。
女性への口説き文句にもなっているし、伴侶がいても簡単に恋に落ちる。

その時点で「ウディ・アレン追放」と思うが、そのあたりの事実は前座にすぎない。
言い方は失礼だが、背も低いし二枚目でもないのに、なぜこんなにモテるのか不思議。
やはり才能豊かな男はモテるということか。

それは実績が物語っている。
未だにほぼ毎年作品を撮り続けている。
入れ替わりの激しい世界でここまで続けられるのも豊かな才能があるからだろう。
脚本一本書くのも七転八倒な作家がほとんどだと思うし。

さて、本題。
本書はウディ・アレンとミア・ファローのゴタゴタを描いている。
ミア・ファローの養女への性的虐待が本書の中心。
読み進めるうちにイヤな気分にもなってくるが、そこに目を背けない。
人の愚かさや自分勝手な自己防衛を知るにはワイドショー的にも面白い。

僕はこの手のスキャンダラスに興味はないが、
世界的巨匠がどんな振る舞いをするかは興味が湧く。
裁判でもどう立ち回るかも・・・。
僕が当事者になることはあり得ないが、参考にはなった。

本書は翻訳された書籍ではなく、日本の映画ジャーナリストが書き上げた。
僕と同い年の女性映画ライター。
なぜウディ・アレンなの?と単純な疑問が沸いたが、そのあたりはあとがきに触れている。

それにしても不思議。
アメリカならともかく日本では売れようがないと思うんだけど・・・。
僕が知る以上にウディ・アレンファンが多いのか。
それともスキャンダルに関心が高いのか。
日本の俳優の不倫はネタとして小さすぎるかもね。

そんなワイドショー的な情報を著者は伝えたいわけではない。
あくまでも客観的事実。
捉え方は読者次第。
これがアメリカの実態かと・・・。
求められるのはどこまでいっても倫理観。

僕は追放されないですよ。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その190

前回は美味しい焼穴子丼を頂きました。
まるっと一匹、贅沢に食べられるのは本当に幸せなこと。
ありがたい時間を過ごすことができました。

しかし、人っていうのはわがままな生き物。
美味しいものは一度きりではなく続けて食べたくなるものです。
穴子の次となれば、やはり鰻。
夏は思いきり鰻を食べたくなります。

伏見周辺にはいくつかの老舗店もあります。
人気食べ物ブロガーとしてもいくつか紹介してきました。
気になる方は「鰻」でブログ検索をしてください。

あっ、それほど沢山は出ないですね・・・。

どんな鰻がいいか、悩んでいるところ、
名古屋で有数な鰻通の友人が新しいお店を教えてくれました。
これは行かねばなりません。
その場所に向かいます。

以前のオフィスに近い丸の内方面、記憶のあるお店です。
しかし、教えてもらった店名と違います。
調べてみると同じ系列店ですが、メニューを絞り新たな店名にしたようです。

これは期待値がぐっと上がります。
「ひつまぶし やまと」さんに行ってきました。

鰻通の友人の写真はれっきとした正しいうな丼でした。
ここは迷う必要はありません。

「うな丼をください!」
はっきりとした口調で注文します。

カウンターの奥では職人さんが鰻を焼いている姿が想像できます。
しばらく待つと箱慣れてきました。

うな丼 2280円

「えっ、あれ?」
想像と違いました。
アップにしても同じ。

丼には2切れの鰻。
鰻通の友人の丼にはもっと沢山乗っていたような・・・。
鰻は今や貴重な食べもの。金額も時価で変動します。
「これが正しいのかな?。それともひつまぶしを食べるべきだったかな?」

メニューを見るとひつまぶしメニューが並んでいます。

お店は鰻でも地鶏でも豚でも和牛でもひつまぶしを頼んで欲しかったのでしょう。
これは素直に反省。
鰻は普通に美味しかったです。

しかし、もっと食べたい気持ちが体を覆います。
これもリベンジすべきでしょうか。

ごちそうさまでした。
最近、リベンジシリーズが増えてますね。

新・人間関係のルール

この夏休みは普段読まないジャンルの書籍を読もうと思い購入。
タイトルだけ見れば普段のジャンルと遠くはないが、
読めばそのジャンルの違いが分かるけどね。

普段読まないジャンルを探すのは意外と難しい。
目につくのはどうしても自分の興味のある分野。
大体はビジネス関連になってしまう。

そろそろ仕事脳から頭の中を切り離し、脳みそも多様化させたい。
そんなに多く入らないのは分かってはいるが・・・。
知人の紹介する書籍も大切だが、いつくかの書評も参考にしたい。

本書は少し前に日経新聞で紹介されていた。
そもそも日経新聞の書評から選ぶこと自体、仕事脳から外れていないが、
その中では違う空気を放っていた。

辛酸なめ子さんの名前はちょくちょく伺うが、実際の生業もよく知らない。
もちろん書籍も初めて。
ビジネス要素がゼロとは言わないが、僕がいつも気にする組織とか評価とか、
そこから導き出す人間関係とは大きく異なるだろうと安易に想像。
95%は正解だった。。

僕はどうしても会社を中心に人間関係を考えることが多い。
上司部下の関係、部署を跨いだ関係性、ブレーンやクライアントなど、
あくまでも会社が主体。

僕個人が人間関係に悩まされることはあまりない。
ノー天気な性格、かつ苦手なタイプがない万能営業だったので、まあまあ上手くこなしてきた。
常にテキトーだろという反論もあるだろうが、それも持ち味と勝手に解釈。

むしろ周りの人間関係に悩まされてきた。
やはり自分と他人とは違う。
他人のことはわからない。

それを組織論でまとめるのではなく、本書のような存在から学ぶことも必要。
結局は仕事に繋げている気もするが、
著者の人に対する接し方と考え方を面白おかしく知り、吸収することができた。
結構、笑えるし・・・。

僕自身も大いに頷ける点もある。
一方で、自分の鈍感さで気づかない点もある。
オリンピックでも話題になったが、SNSの存在が今後人間関係に与える影響も大きい。

著者は世の中を斜めから見て、世間ずれしているわけではない。
常識人であるのは間違いない。
しかし、その視点は少し角度が違う。
異次元でもないし反体制的でもない。
いい表現が見つからないが、角度が左にずれ下がっているのだ。

著者の実体験を基に書かれているので、納得感も強かった。
これからはもっと違うジャンルを読もう。
そして、下エネルギーの発信には気をつけよう。

そんなことを思いながら読み終えた。

日記から昔を振り返る

9連休が終了し、今日から仕事再開。
多分、前日から今週の準備をしていると思うので、休みボケなんてないはず。
全員の今日からの仕事ぶりに期待したい。

これだけ休みがあると例年なら普段できない仕事をするのだが、
今年は敢えて仕事をしないようにした。
最低限に留めた。
映画コラムニストの仕事は結構したけどね(笑)。
会社のことを頭から消すことはできないが・・・。

その分、時間が十分あったので、やろうと思って中々できないことに取り組んだ。
その一つに過去を振り返ること。
思うことがあり、30歳から書いている日記を読み返した。

これまでも当時の記憶を戻すために断片的に読んでいたが、
一年間の日記を全て読み返すのは初めてのこと。
とはいっても一年分を読むのに3時間ほど掛かるので、まだ2年分しか読めてはいない。

1997年からスタートした日記。
当時30歳、その年の4月に娘が生まれた。
今から25年ほど前のことだが、当時の生活が思い出された。

今の時代なら、確実に家を追い出されていただろう。
自分では毎日懸命にやっていたと思うが、客観的見ると呆れることも多い。
4月に娘が生まれたため、溺愛ぶりもかなり書いているが、
家庭をないがしろにしていた事実は言い訳できない。

確かに当時は忙しく自宅に帰るのは22時頃。
それだけならまだしも、飲みに行って、2時3時まで飲んでいることもざら。
帰るのが面倒になってカプセルホテルにも結構泊まっていた。
二日酔いも頻繁。
どれだけ二日酔いという文字が日記に登場することか・・・。

ちなみに今は二日酔いなんてほとんどない。
ゼロとは言わないが、数カ月に1回程度。
当時は毎週二日酔いだった。

今はすっかり朝型だが、寝るのは大体1~2時。
飲んで帰ると更に遅くなるので、
そんな状態でよく仕事をやっていたなと呆れる一方で感心もする。
今の5時起きなんて考えられない。

当時は始業9:10。
9:00に出社していたので、多分、7:30まで寝ていた。
それでも仕事は懸命にやっており、毎年のように部下をもらっていた。
社内での評価も高かった。
その分、調子に乗ってかなり持論をかざし、トップとぶつかっていたと思う。
そのあたりはその後の日記に出てくるはず。

仕事の振り返りは時期をみてしっかり行いたいが、
まずはどんな生活をしていたかを披露。
あれだけ仕事し、飲み回って、ちゃんと寝ていたかどうか自分でも心配になる。
まあ、健康と元気だけが取り柄だったわけね。
今と変わらんか・・・。

まだ2年分しか読んでいないが、いかに嫁さんが我慢したかは容易に想像できる。
どこかのタイミングでちゃんとお詫びしないと・・・。

読んだ本や観た映画の感想もあるが、すっかり忘れていることも多い。
椎名誠はもっと若い時かと思っていたが、この時期にも読んでいたわけね。

日記を読み返す目的は自分のだらしなさを確認するためではない。
他に目的があるのだが、こう振り返ると当時通っていたお店や仲間が思い出される。
熱い濃密な時間だったのも事実。

これから少しずつ読み進め、半生を振り返ることにしよう。
反省ばかりだけどね(笑)。

映画「キネマの神様」

松竹映画100周年の記念の作品。
監督は松竹を支えてきた山田洋次氏。
「男はつらいよ」シリーズがなければ、松竹の経営はかなり厳しかっただろう。
貢献度でいえば100周年は山田監督しかない。

ふと、思った。
この作品は松竹がやりたかったのか、
山田監督がやりたかったのか。
いかにも松竹っぽく山田監督らしいので、キッカケが気になってしまう。

スタイルは山田監督の定番中の定番で昭和的。
何かがあった時になんかが起きるとルールが守られている。
よく分かんない表現ですね(笑)。
監督に詳しい方は納得してもらえるはずだ。

僕の本作の事前知識は主役が志村けんから沢田研二に変わったことと、
昔の映画を題材にした作品であることくらい。
(敬称略ですみません)
ある種、活況だった日本映画へのオマージュかと・・・。

確かにその要素は含まれるが、主張は微妙に違う。
そこは観て確認してもらいたい。

ネタバレにならないことでいえば、
主役の若かりし頃を菅田将暉が演じ、老いぼれを沢田研二が演じている。
相方の若かりし頃を永野芽衣が演じ、献身的な老婦を宮本信子が演じている。
超個人的な感想だが、若かりし頃の永野芽衣はメチャ可愛い。
あんな態度で接すれば誰でも惚れてしまう。

昭和の大女優を演じた北川景子が一目を置くのも理解できる。
ちなみに昭和の銀幕ヒロインを演じた北川景子も見事。
昭和30年前後の雰囲気を上手く醸し出している。

勝手な想像でいえばリリーフランキーが小津安二郎で北川景子が原節子か・・・。
それは僕の乏しい想像力でしかないが、そんなイメージがノスタルジックに僕を襲う。
よき日本映画を懐かしんでいるようにも思える。

往年の日本映画ファンならそれでいい。
年配者のみを観客とするのであれば問題ない。
しかし、本作にはこれから日本映画を支えるであろう
菅田将暉や永野芽衣が重要な役を演じている。

配給側は理解をしていると思うが、その客層を掴めているのか。
少々心配であったり・・・。

いい意味でも悪い意味でも本作は日本映画のこれまでとこれからを占う作品。
松竹が次世代の作り手をどう育てていくのか。
楽しみに待っていたい。

ブログを書いているうちに違う方向に向かった。
これは映画評といえるのか。
そのあたりはキネマの神様に聞いてもらいたい(笑)。

映画「アウシュヴィッツ・レポート」

例年、この季節になると戦争の悲惨さや愚かさを伝える特集番組が組まれる。
意味があり、続けることで同じ過ちを繰り返さない戒めにもなる。

映画も同様。
この時期には反戦要素の強い作品が公開される。
それも大切なこと。

ただ僕らが見る世界は日本が舞台で、その悲劇を伝えるのがほとんど。
あくまでも自国の目線が中心。
それは間違ってはいないが、視野を広げれば、
同じように悲劇を繰り返さないために作られた海外の作品も多い。

本作もそう。スロバキア・チェコ・ドイツの合作。
アウシュヴィッツ強制収容所で起きた実話を描いている。
自国を否定する映画を作るドイツは尊敬に値するし、
僕らが知らない世界を映画という媒体を通し歴史認識が深まるのは感謝すべき。
ホロコーストの事実をおぼろげに認識しても、実態を知る機会はあまりない。

本作を通して、戦争の悲惨さを改めて学ぶことができた。
簡単にいえば、アウシュヴィッツ強制収容所を脱走した若者が、
真実を伝えることで12万人のユダヤ人の命を救ったストーリー。

しかし、そこに感動はない。
厳しい事実を見せつけるだけ。
演出された映画ではあるがドキュメンタリーの再現ドラマにも思える。

余計な感情を排除し、真実に基づいた出来事を忠実に伝える。
それがメッセージとなり、僕らはアウシュヴィッツ収容所の恐怖を認識する。

昨年、観た「サウルの息子」はハンガリー系ユダヤ人からの角度だったが、
本作はスロバキア系ユダヤ人の角度。
角度を広げれば解釈も広がる。
映画は楽しむものであり、学ぶものだと改めて実感。

脱走する主役の2人は、「逃げる」ことが目的ではなく「伝える」ことが目的。
その方が危険度は高い。
肉体や精神が破壊してもおかしくない極限状態が続く。

それを支えるものは何なのか。
ラストの長回しでまざまざと受け止めた。

映画の冒頭で「過去を忘れる者は、必ず同じ過ちを繰り返す」と
哲学者ジョージ・サンタヤーナの言葉が紹介される。
エンドロールには各国の首脳の発言が・・・。

それが映画の最大のメッセージなのか。
この時期に日本で公開されるのも大きな意味があるのだろう。