14日放映の「カンブリア宮殿」をこの休日に観た。前日本代表の岡田武史氏の特別番組である。
日本人の中で、これだけメディアに持ち上げられたり、ボロカスに言われた人も少ないだろう。
こんなジェットコースター状態では、マスコミ嫌いとなり番組出演も拒否してもおかしくない。もしかしたらカンブリア宮殿という世間から見れば、ビジネス向けの番組だから出演したのかもしれない。
まず感じた事は、岡田氏の書斎の本の多さである。企業の経営者を思わせる書棚で、その分野も多岐に亘っていた。そもそもサッカーの監督は理論家が多く、経営者と相通じる面があるのだろうが、岡田氏の場合、それをより一層思わせる本の量であった。
フランス大会時の映像から今回の南アフリカ大会まで、数多くの映像が流れていたが、その積み重ねた経験と年齢には、かなりの深みがあった。相当の苦労を重ねてきた要素が、一人の指導者としての成長をその発する言葉から感じ取る事ができた。
その代表として、「弱さ」を自覚したから勝てたという言葉は、ドラッカーの名言「強みをいかせ」に通じると感じた。
自分たちの状態をしっかりと把握する事で、その戦い方を明確化する事ができる。今回の一次予選突破もそこにポイントがあったようだ。
これはビジネスの世界でも共通だろう。
「リスクを冒す」のは重要だが、それに失敗したら責められる。責任が伴う。当たり前の話である。しかし、そこに挑ませる、チャレンジさせるのがリーダーの役割であるのは、間違いない。
この番組を観ていくうちに岡田氏が語る内容は、企業経営者の話に段々と思えてきた。それだけ数多くのリーダーとしてあるべきコメントが発せられていた。
(きっとそこに番組に意図があるのだと思うが。)
岡田氏は、経営の勉強や他のスポーツの技術を素直に吸収することでサッカーに生かしてきた。
その反対に、今回の岡田氏の出演は、ビジネスに生きる我々の世界でも十分に参考になる内容だった。
サッカー界には戻らないなんて言わず、いざという段階でまた戻ってきて頂きたい。
期待している。
2010年10月18日