これからも前向きに 名大社会長ブログ

2024年10月の記事一覧:

映画「サウンド・オブ・フリーダム」

最近、海外作品は実話をベースにした映画を観ることが多い。
本作もそう。
「2度目のはなればなれ」のような気持ちが温まる作品ならいいが、そんな作品ばかりじゃない。
できれば目を背けたくなる作品も存在する。
むしろ辛い事実をこんな作品を通して理解するのが必要だったり。

15年前に観た坂本順治監督の「闇の子供たち」は衝撃的だった。
タイの裏社会で横行する人身売買などを描いた作品だが、
こんな事実があるのかと絶望的な気持ちになった。

「闇の子供たち」は実態をベースに制作されたフィクションだが、本作は違う。
ほぼ事実を描く。
その分、ショックは更に大きい。

コロンビアを中心に人身売買が行われ、性的虐待に遭う少年少女。
犠牲になった子供たちを救出する姿を描くが、
この国際性犯罪の市場規模は年間約1,500億ドルだという。
とんでもない規模。
その事実を知るだけでも居た堪れない気持ちになる。

観方を変えればヒーローものといえなくはないが、それは安易な発想。
主役の国土安全保障省の捜査官ティムはまっとうな大人として、
また親として正しい行動を取ったまでのこと。

しかし、それは命懸け。
それに成功確率は低い。
自らの命を落とす可能性の方が高い。
それでも子供を救出する意志が強い。

僕らが知らないだけで同じような実態は世界のあちこちで起きている。
多くは闇に葬られたり、社会に知らされず消えていくのではないか。
そうしないために事実を明らかにするのが、骨太な本作の役割。

映画で幸せになることも大切だが、
世の中の矛盾や信じがたい世界と向き合うのも映画の価値。
それを感じた作品だった。

本作では珍しくエンドロールであるメッセージと共にQRコードが映し出される。
映画館では必ず撮影禁止の案内が流れるが、この点は除外。
こんな画面が表示された。

これも映画の新しいカタチ。
撮影手法はB級映画を感じさせたが、れっきとした社会派ドラマ。
偶然見つけた作品だが、知らない世界を感じ取れたのはありがたい。

学生を盛り上げ地域も盛り上げる

先月27日(金)はふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の例会。
前回7月が九州大会のため4か月ぶりの東京開催。
全国から加盟会社の代表が集まり、
もしくはオンライン参加で自社の取組みや事例を共有。

新卒市場も中途市場も人手不足感が強いので各社に求められる役割は大きい。
それも全国区の一律ではなく地方ならではの独自のサービスが求められる。
各社ごとに特徴はあり、同じようなサービスでも成果の違いは大きい。
そのあたりの情報だけでも参考になる点は多い。

毎回、ゲストを招き有益な情報提供と共に
新たなネットワークを築いたりするが、今回のゲストは学生。
日本体育大学の準硬式野球部のメンバーを招いた。

今年よりFネットとしてこの部活をサポート。
第一弾として学生との交流の場を設けた。
ここでは体育会学生が抱える特有の悩みや今後の活動について意見交換。

体育会系学生というと多くの人は勝手に人物像を想像する。
それも日体大となるとより勝手な想像が膨らむ。
間違いではないが、かなりのズレがあるのも事実。
その特性を理解し僕たちができることを考える必要がある。

各社の代表は積極的に難解な質問からくだらない質問まで投げかけた。
キャプテンと副キャプテンが参加してくれたわけだが、
我々の質問に真剣に答えてくれた。
それだけでも好感度は上がる。

例会終了後は学生を交えての懇親会。
最近の学生は飲まないというがそんなことはない。
かなりの量を飲む。
そして礼儀正しく我々にも振舞ってくれる。

「さすが、体育会系!」
と思ったりするが、それも勝手な見方(汗)。
全ての体育会系がそうではない。
飲めない学生もいれば、気が利かない学生もいるはず。

彼らの本音を聞けたのは良かった。
部員は地方出身者も多いのでUターン就職で役に立てる場面も出るだろう。
小さな取り組みではあるが、学生と地域を活性化させられればと思う。

懇親会も和やかな雰囲気で終了。
最近はこれでは終わらない。
翌日にゴルフコンペを行うことが増えた。
今回は群馬でゴルフ。
加盟会社の株式会社スパンさんにお世話になったのだ。

腕に自信のあるトップの多い中でのコンペ。
僕はハンディに支えられ3位の成績。

1ホール目がバーディーという信じられないスタートだったが、後は続かなかった。
こんな交流もお互いの関係性を高めるには効果的。
真面目な面もそうでない面もあるが地域を盛り上げることを大切にしたい。

お疲れ様でした。
来月は姫路開催ですね。

食べ物のはなし 特別編 日替わりカレー3種

今回も特別編になります。
向かったのは東京・九段下。
9月は3日間連続でお邪魔しました。
それでも宿泊は1泊のみ。
どこでもドアを使うような生活をしているようです。

この界隈に飲食店は多く、どんなジャンルでも営業をしています。
その分、競争は激しく、しばらくすると全然違うお店に変わることもしばしば。
こちらも以前お邪魔した時はイタリアンじゃなかったでしょうか。

九段下から飯田橋に向かい東京大神宮近くにある「TOKYO BHAVAN 」に行ってきました。

インドカレーのお店と伺ったので、ナンとカレーのセットかと思いましたが違いました。
こちらは南印度料理店。
名古屋で見かけることはあまりありません。

ランチメニューは4種類。
定番のカレーにしようかと迷いましたが、せっかくの東京です。
それも南印度料理です。
多くの経験をした方がこれからの人生に活かせるでしょう。

日替わりカレー3種 1200円

3種類のカレーとバトゥーラと呼ばれる揚げパンとライスのセット。
バトゥーラはドーサと呼ばれるクレープと選ぶことができますが、
ここは男らしく揚げパンを選択。
イメージした揚げパンとは随分と異なりました。

カレーは辛口、中辛、マイルドと辛さも3種類。

カライクデイチキンコランブ。
こちらは辛口で汗が出る辛さ。

エラキライ。
小エビのカレーでほうれん草とココナツソースです。

カボチャとオクラ。
こちらはほんとマイルドな辛さ。

それぞれを交互にライスに乗せながら、揚げパンをちぎりながら頂きます。
プレートに隠れていますが、ちょっとした野菜サラダもついています。
辛口、中辛のカレーでライスが進みます。
ライスはお替り自由。

インド米?タイ米?なんでしょうか。
モチモチしていない分、軽いのでいくらでも食べれます。
お替りをお願いすると大皿に乗せられたライスから好きなだけ入れてくれます。
「少しでいいですよ」とお願いしましたが、かなりの量が追加されました。

少しという曖昧な表現はいけませんね。
もっと明確な表現が求められます。
お茶碗の1/3程度とか・・・。
おかげでお腹いっぱいになりました。

調べてみるとこちらは百名店2024にも選ばれています。
早い時間に満席なのがその理由でもあるでしょう。
たまにはこんなカレーもいいですね。
個人的にはビールでも飲みながらツマミにしたいです。

ごちそうさまでした。

沖縄も東京も ランニング日記2409

9月下旬になり、ようやく過ごしやすくなった。
走りやすくなるのはこの10月。
年々秋は短くなっているので、来月はもう寒かったりして・・・。

9月も暑い日々が続いたが、まずは結果から報告しよう。
9月のランニング距離は101km。
なんとか目標は達成。
パチパチ。

8月が75kmという不甲斐ない距離だったので、なんとか9月は達成したかった。
ギリギリだが、何とかすることができた。
誰も褒めてくれないので、自分で褒めるしかない。

先月は出張が多かった。
できれば出張先でも余裕があれば走りたい。
それが実現できたのも目標達成の要因。

9月頭は沖縄へ。
スーツケースにランニングシューズとTシャツを詰め込んだ。
ホテルが国際通り沿いだったので、その周辺を朝RUN。

牧志駅からぐるりと5kmほど走った。

「プレモルが180円で飲めるのか、いいな・・・」
とどうでもいいことを考えながら、歓楽街を抜け沖縄県庁を通りホテルに戻った。
前の晩は遅くまで飲んでいたが、比較的朝は快適。
たかだか5km程度だが、いい汗をかいた。

その週末は東京出張。
東銀座に泊まったので、銀座を駆け抜け皇居を一周。

朝の銀座は静かだが、6時台でも皇居は結構な人。
多くのランナーが走っていた。
ホテルを出て皇居を走り戻るとちょうど8km。
9月の距離としては最大。

下旬までは朝5時台、6時台でもかなりの暑さのため距離はセーブ。
本来であれば休日は10kmを走りたいが今年はサボってしまった。
サボったというよりは控えたという方が適切。

短い距離しか走っていないが、1週目、3週目は週5日走った。
他の週も4日。
日数の多さも目標達成の要因。
雨が少なかったのもよかった。

さて、10月。秋らしくもなるので朝も気持ちがいいはず。
走り出しが少し暗いかもしれないが、より朝を感じられる。
最近は連続の目標達成が少ないので、今月は何とかクリアしたい。

その流れで11月、12月も超えていけるといい。
出張もなく楽しみも少ないが、頑張っていきたいね。

映画「2度目のはなればなれ」

今週末より公開。
初めてオンライン試写会で鑑賞。
とても便利なシステムだと思うが、やはり映画館で観たい。
決して文句は言わないけどね(笑)。

原題は「The Great Escaper」。
翻訳すると「偉大なる逃亡者」。
映画を観ると理解できるが日本語タイトルとは程遠い。

このタイトルに行きつくまで相当な議論もあったのだろう。
配給会社の努力も垣間見れる。
原題も邦題も映画を観ながら解釈するが、これでいいんじゃないかな。

本作は実話をベースに描いたヒューマンドラマ。
老人ホームで暮らす年老いた夫婦のラブストーリーともいえる。
とてもチャーミングな作品だった。

主演は91歳のマイケルケインと87歳のグレンダ・ジャクソン。
グレンダ・ジャクソンはイギリスで映画公開前の2023年6月に他界。
本作が遺作となった。
調べてみると政治家としても活躍され重責も担っていたので本国では有名な方。

一番に感じたこと。
レネ役のグレンダ・ジャクソン、このお婆ちゃんがほんと可愛い。
その仕草や会話がとても愛らしく、それだけで気持ちを持っていかれる。

ネタバレしない程度にいえば、
マイケルケイン演じるバーナードが老人ホームを抜け出しひと騒動起こす。
その一連の流れが「はなればなれ」の一つだし「逃亡者」。
ある目的を達成するために「逃亡者」にとなるが、そこには生きているうちに果たしたい約束がある。

その行動も感動的だが、なんといっても2人の夫婦愛だ。
若かりし頃から老いた今まで愛情は途絶えることはない。
お互いを信じ、どんなことがあっても認め合う。
「逃亡者」のお爺ちゃんをお婆ちゃんは健気に待つ。

できればこんな夫婦でありたい。
こうして最期を迎えたいと素直に思ってしまった。
ラストシーンもジーンときた。

イギリスだろうが日本だろうがどこの国だろうが、夫婦は存在は変わらない。
僕も頑張らないと・・・。
名優マイケル・ケインは本作が引退作だという。
マイケルケインもグレンダ・ジャクソンも見事な演技。

仲のいい夫婦もそうでない夫婦も観てもらいたい。

映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」

最近、「ぼくが~」で始まる映画が多い。
この1ヶ月でも「ぼくの家族と祖国の戦争」「ぼくのお日さま」を鑑賞。
なぜ、漢字ではなく平仮名なのか。
柔らかい雰囲気を出すためか、ただの偶然か。

僕はブログではぼくでもボクでもなく僕だけどね。
それはどうでもいいか(笑)。

本作は評価が高いことと呉美保監督作品が気になり観ることに。
エンドロールで主人公と原作者が同じ名前と知り、最後の最後で実話だと認識。
確かにフィクションにはないグッと迫るものがあった。

耳のきこえない両親と耳の聞こえる息子の愛情を描いた作品。
耳が聞こえない親から耳が聞こえる子供が生まれるのはいわゆるコーダ。
コーダといえば「コーダ あいのうた」
素晴らしい映画だった。
その流れでいえば2年前の「ケイコ 目を澄ませて」もステキな映画。
特別な観方はしていないが、気持ちは揺り動かされる。

本作もかなり気持ちが揺れ動いた。
当事者でもその立場でもないが、親の気持ちも息子の気持ちもよく分かる。
だから辛いと感じるし、愛おしくもなる。

母親明子は両親の反対を押し切り結婚し、また反対を押し切って子供を産む。
注ぐ愛情は強いが、なんせ耳が聞こえない。
赤ちゃんが泣く声も何かに触れる音も聞こえない。
危険な状態は毎日続く。
それでも周りの協力があり、子供は育つ。

耳の聞こえる息子大は両親の愛情を理解しながらも、自分の存在にコンプレックを感じる。
そして母親に辛く当たってしまう。
幼少の頃から手話を覚え母親と接せる姿をみれば優しい息子なのは百も承知。
そんな自分が許せず、一方で親から離れたいという気持ちで東京へ。
距離を置くことで視野は広がる。

息子大は吉沢亮。
葛藤する表情も優しい目も死んだ目もよかった。
大の少年時代の子役が吉沢亮に似ていると思ったのは僕だけか。

そして母親明子役の忍足亜希子が本当に良かった。
実際、ろう者の俳優。
息子を見つめる表情が美しくも悲しくも切なくもなる。
すべては母親としての愛情表現。

何も聞こえない静かなシーンで涙が出る。
もし僕がコーダだったら、大よりも優しくできるだろうか。
もっと愚かな態度で接するかも。
うむ・・・。

ふたつの世界を生きるのは簡単じゃない。
間接的だがその世界に触れられたことを感謝したい。

株主総会から特別例会まで、充実した一日

先週26日(木)は超ハードな一日。
普段は夜ばかり忙しく日中は平和な時間が多い。
しかし、この日は違った。

朝から晩までぎっしりスケジュール入っていた。
午前中は東京で株式会社パフの株主総会。
第28期も増収増益。
株主からの苦情や文句は一切出ず、和やかな雰囲気で総会を終了できた。
役員改選が行われ今期より赤坂さんが取締役に就任。

(写真左から2番目)
プロフィールはパフのHPで確認して欲しい。
僕も社外取締役として再任された。
この一年もいい年にしたいね。

お昼はなだ万のお弁当が提供されたが、僕は10分で平らげ名古屋へ戻った。
15時半より南山大学の授業があるため、急いで移動。
現地で相方のニシダと待ち合わせをし150名の学生に「企業と業界の研究」の授業。
授業のことは改めてブログに書きたい。

いつもなら最後にリアぺを回収し終了するが、この日は中座。
全てをニシダに任せて次の場所に向かった。
申し訳ないね。

9月26日は毎年恒例の西川塾特別例会。
僕は幹事長という西川塾の責任者。
本来であれば早めに集合し準備を行うが、この日はギリギリで会場入り。

頼りになる幹事メンバーを中心に完璧な準備をしてくれた。
特別例会の講演者は杉本食肉産業株式会社の杉本社長。

今年も100名を超える経営者やそれに近い方に参加頂いた。
最初は僕の硬めの挨拶。
西川塾の背景を紹介し、塾主の奥様へつなぐ。
毎年、ご出席いただき感謝!

そしてメインの杉本社長の講演。
「知られざる食肉業界の話~進化する老舗企業であるために~」
として70分程話をして頂いた。

杉本社長は業界や会社の変遷、トップとして取り組みを包み隠さず披露。
経営者として学ぶ点ばかり。
終了後、僕の元にも「凄く勉強になった」という声を多く頂いた。
本当に感謝!

謝辞は塾生の木下さん。
西川塾を代表するには相応しい挨拶。

懇親会は隣の会場。
こちらでも大いに盛り上がった。

杉本社長の前には次から次へと参加者が挨拶に並んだ。
食事ができたかが心配だったが、塾生の話では問題なかったよう。
逆に僕はいろんな方と挨拶するうちにほとんど食べれず仕舞い。
まあ、仕方のないこと。

締めの挨拶は昨年の登壇者遠藤さん。
必ず笑いを取るテクニックはさすがというしかない。

そして西川塾定番の締めは名古屋ナモ締め。
今年も懲りることなく僕が担当。
大勢の前でのナモ締めは気持ちがいい。
一体感のあるいい締めじゃないかな(笑)。

最後は記念撮影。

こうして毎年特別例会を実施できるのはありがたいこと。
久しぶりにお会いする方もみえて話は尽きなかった。
杉本社長の講演は特に若い経営者に響いたと思う。
僕も改めて勉強させてもらった。

かなりヘトヘトな1日だが、それを上回る充実感。
こんな日ばかり続くと体が持たないが、たまには刺激的でいい。

みなさん、お疲れ様でした。
そして、ありがとうございました。

食べ物のはなし 特別編 ジャンボステーキ

今回は伏見を離れます。
今月は特別編や番外編で攻めたいと思います。
伏見シリーズはあと5回で300回を迎えます。
いつどのタイミングでお届けするのかを綿密に考える準備期間が必要です。
全国30万の食べ物ブログの読者は理解いただけるでしょう。

本州を越え、はるばる沖縄までやってきました。
向かったのは中頭郡北中城村。
どのあたりかイメージするのは難しいかもしれません。
分かりやすく説明すると北谷市の南、沖縄市の西に位置します。
あ~、なるほどね・・・。

沖縄で一緒に仕事をした方に連れいただきました。
それがこちら。

「PUB LOUNGE EMERALD」さんです。
店名から推測すると飲み屋さんのようですが、れっきとしたステーキハウス。
それも1979年創業の老舗店になります。

店内もステーキハウスらしい雰囲気が漂っています。
これも沖縄らしさでしょうか。

メニューを眺めます。
お値打ちなランチからずらりと並びますが、ここは勝負をしなければなりません。
「よしっ!」と頷きながら注文しました。

まずはプラス250円でセットになるスープ。

こちらも甘さの中にコクがあります。
しばらくすると香ばしい匂いと音で運ばれてきました。

ジャンボステーキ300g 3350円

こちら定番のステーキですが、かなりの迫力です。
お願いしたのはミディアムレア。
写真からも肉肉しい感じが伝わってくるでしょう。

特別にこんなソースをサービスして頂きました。

ナイフでステーキをカットし、思い切り頬張ります。
口の中にジュワーッと肉汁が広がります。
柔らかすぎず硬すぎずガッツリとステーキを食っているという感じ。
ダイナミックな食べ方が相応しいように感じます。
当初300gはキツいかと思いましたが、意外と軽く食べることができました。
きっと450gでもペロリと平らげられたでしょう。

アイスコーヒーを飲みながら、余韻も楽しみました。
時にガッツリとステーキを頂くいいですね。

ごちそうさまでした。

映画「ぼくのお日さま」

実に愛らしい作品。
映画を観ながらつい微笑んでしまった。
アイスダンスの練習シーン、
カップラーメンをリズムに合わせて食べるシーン、
氷の張った湖でじゃれ合うシーン、
どれも愛らしい。

ひたむきにスケートの練習に励むことが特別ではない。
当たり前に描かれる日常だが、
光が差すスケートリンクが幻想的に見えてしまう。

映像やフレームからして16ミリで撮影したのか。
手触り感が残る映像が観る者を優しくさせる。
小さな幸せを感じながら観ることができた。

時代設定は今の時代かと思ったがそうではない。
車にカセットテープを入れる。
スマホは登場しない。
せいぜいガラケーが使われるくらい。
あるシーンのカレンダーから推測すると1990年代後半。

そんな時代設定。
今ほどLGBTQの理解はない。
それにより苦しめられるが、子供たちは純粋でひたむき。
そんなシーンを連続的に観ているうちに微笑ましくなってしまった。

そうそう、どんな作品かといえば北海道を思わせる田舎町で、
アイスダンスに取り組む男女とコーチの出会いから別れまで。
雪が積もる半年間の物語。
冬は人の気持ちも清らかにさせるのかもしれない。
スケートに取り組む3人がキラキラと輝いている。

コーチ役の池松壮亮は不思議な役者。
いつも同じ雰囲気だが、その中に役者魂を感じさせる。
まるで本物のスケート選手のよう。
自然体で上手い。
「白鍵と黒鍵の間に」ではジャズピアニストを見事に演じたが、役作りは徹底。
相当量の練習をしたのだろう。

フィギュアスケート選手を目指すさくらを演じる中西希亜良も本物のよう。
そのままオリンピックを目指してもよさそう。
きつ音の少年タクヤも日に日に成長していった。
演じる越山敬達の上手さか。
静かに流れる時間が心地よかった。

奥山大史監督の存在も初めて知った。
調べてみるとまだ28歳と若い。
先日の「ナミビアの砂漠」の山中監督も27歳。
才能ある若手監督が存在感が目立つようになってきた。
機会を与えるプロデューサーの役割も大きい。

大きな話題になるわけではない。
大ヒットするわけではない。
上映する映画館も限定的。
そんな中にステキな作品が紛れている。

そういう日本映画も大切にしていきたい。