ここ最近、硬い本ばかり読んできた。
そのため真剣に人生に向き合い、これからの生き方、
自分の存在価値について頭を悩ませる日々を送っている。
僕の人生に価値はあったのか・・・。

考えれば考えるほど迷い、苦しみ、もがく日々。
酒浸りになり、家人を傷つけ、物を壊し、自らを制御できない。
そんな時間を過ごしている・・・。

そんなわけないか。
硬い本ばかり読んで哲学チックになっているが、それも寝たら全部忘れている。
所詮、そんな程度。

しかし、硬い本ばかりでは自分自身が窮屈になるのも事実。
もっとお気楽に考えることも必要。
そんな時に手に取ったのが本書。

書籍広告だったか書評か忘れたが、ノリでkindleでダウンロード。
文庫版はこの5月に出版だが、内容は2010年に行われた2人の対談。

なんというか「SPA的」。
SPAという雑誌をほとんど読んだことはないが、
実にくだらないことを真面目に語っている。

逆かな?
真面目なテーマをおちゃらけに語っている。
「人生」「人間関係」「仕事」「生と死」にまつわることを、
更に深掘りしながら二人で語り合っているのだ。

テーマだけ見れば哲学的。
深みにはまり、救いようがなくなることもある。
だが、そんなふうにはならない。

ここは達観した2人。
それも自分を守るものを捨て、全てをさらけ出す生き方。
怖いものは何もないように思える。

怖いものというのは自己保身とか恥ずかしさとかプライド的なこと。
タテマエ的な表現はバッサリと捨て去り、本音で、
それも居酒屋で酔って語る本音で勝負している。
その潔さが心地よく、そしてこちらの生き方もラクになる。

いいじゃないか。
こんなもんで・・・。
どんなに一生懸命生きたって、どうせ死ぬわけだし。
それが諦めではなく真っ当な生き方として語られる。
そのほとんどは下半身に結びつく話だが、それも正直で好感が持てたり。

リリーフランキーさんの出演作なんて見ると平気で変態や犯罪者、ろくでなしを演じる。
自分を覆い隠すものがないせいもあるだろう。
どう見られようがヘッチャラだし、いい人に思われようなんて微塵も感じない。

そのぶっ飛び方に憧れを抱く。
一歩間違えれば迷惑がられるだけだが、これが好かれる要因になるとは。
誰に気を遣うことなく、
(実際は使っているんだろうけど)
正直に思うがままストレートに表現し続ける生き方。

これも天才肌だからできるんだろうね。
多くの挫折を繰り返しているからできるんだろうね。
そんなふうに思う。

軽い。実に軽い。
そんな2人の対談だが、かなり哲学的でもある。
その塩梅がいいのかも。

読書も自分の中のジャンルを広げるべきだろうね。