まず言っておこう。
組織に属する者、中小企業の経営者は観るべき一本。

日本映画強化月間なので、映評ブログが続く。
体をゾクゾクさせながら観た映画で、確かに面白いし感情移入するシーンも多い。
自分だったらどう判断するだろうなんて、映画と一体ともなっていた。

しかし、あれだけの超大作(上下巻併せて900ページ)を2時間で
まとめてしまうのはかなり無理がある。

5年前に読んだ小説のブログはこちら
かなり感動した記憶はある。
細かいところは既に忘れているが、
映画の表現だけでは物足りないのも事実。
せっかくだったら一昨年の64(ロクヨン)のように
前篇、後篇と分けても良かったんじゃないだろうか。
その方が感動も数倍増したと思う。

そう考えると池井戸作品は映画よりも
むしろTVドラマの方が向いているのかもしれない。
「下町ロケット」にしても「陸王」にしても毎回目をウルウルさせながら見ていた。
少々引っ張られた感はあるが、日曜の夜は感動に浸っていた。

本作は人間ドラマの特有な泥臭さはあるものの、
エンターテインメント性の強い娯楽作品にまとめあげた感じ。
それはそれで悪くはないが、もっともっと泥臭くてもよかった。

池井戸作品は大企業の組織が腐っているケースが多いが、
現実問題としてどうなんだろうか。
中小企業しか知らない身としてはあり得ない人事であり、
派閥であり、ヒエラルキーだが、まだまだあんな役員が暗躍しているのだろうか。

それにしても岸部一徳さんのああいった役って、なんで見事にハマるのだろうか。
笑ってしまうくらいお見事だ。
あとは奥さん役の深キョン。
「頼りにしてますよ。社長さん!」と言われたら、
どんなに落ち込んでいても頑張っちゃうだろうなあ~(笑)。

「万引き家族」のように映画を観て考え込んでしまうのも大事だが、
映画を観て前向きになるのも大事。
僕は企業のトップとしてまだまだだと実感。
もっと熱くならないとね・・・。

「空飛ぶタイヤ」は以前WOWOWでも制作され、Amazonプライムでも視聴は可能。
今度、比べて観ることにしよう。