出張した昨日の土曜日、比較的に時間があったので、田舎者らしく話題の東京スカイツリーを見学に出掛けた。
本オープンは僕の誕生日である5月22日であるが、外観は概ね完成しているようなので、どれくらい迫力があるのか、実際、自分の目で確かめに行ったのだ。
昨日の東京は小雨。
大いに不安はあったのだが、見事に的中。塔の先端どころか地上350メートルの展望デッキも全く見えない状態。
誰を責めるわけでもないが、かなり寂しい状況であった。僕はついでだからいいものの、わざわざ観光で見に来ていた方はガックリと肩を落としていたことだろう。
思った以上に周辺施設は大きい。スタバもマックも看板が既にあげられていた。
この東京スカイツリーの展望デッキには、僕の先輩が役員を務めるレストランも入店することが決まっている。魅力的なお店になることだろう。誕生日祝いにご招待してくれないかなあ~。100%無理だろうけど・・・。
せっかくなので歩きながら浅草に向かうことにした。
吾妻橋を渡り浅草駅を抜け、雷門へ。吾妻橋では水上バスも眺めることができた。雨というのに雷門周辺はすごい人。
高校生の卒業旅行からお年寄り団体ツアー、中国、韓国、東南アジアからの観光客まで多く方が雷門の前でパチリ。
浅草寺に続く仲見世も人をかき分けないと通れないほど、賑わっていた。僕もその中に混じり通りを抜け、浅草寺でお参りを・・・。
もっと時間の余裕があれば、お土産屋を回り、神谷バーでデンキブランと生ビールを飲みたかった。
残念でならない・・・。
浅草に訪れたのも多分20年振りくらいだと思う。その当時とどれだけ町並みは変わったのだろうか。そのままのような気もするし・・・。
東京を一人でぶらりとする。たまにはいいもんだ。
2012年3月25日
雨の東京スカイツリー
2012年3月24日
13卒新卒採用は課題がいっぱい。
昨日はふるさと就職応援ネットワークの幹事会。
全国から13社の地域の就職情報会社のトップが集合し、情報共有を中心に濃密な時間を過ごした。議論のテーマは複数にわたり解決すべく案件もあるわけだが、大きな要素として取り上げられたのが、13卒(来春卒)就職戦線の動向だ。地域的な差があるにせよ、企業や学生が抱える課題に大きな違いはない。
採用環境を語る上で自社の企画内容だけ見ていると大局的な見方ができなくなる。大手同業他社の情報も参考にはなるが、それだけに頼っても公平性があるとは言い切れない。
僕のようにこの業界内で長い年月を過ごしてきた者は、どうしても凝り固まった思考に陥りがちだが、そこは客観情勢も冷静にみながら、見極めないといけないのだ。
13卒の取組みについては、各加盟会社も気になる点であった。
全体的な動向で言えば13卒の学生については、12月のスタート時は積極的な動きが見られたものの、それ以降はトーンダウンし、ここ数年の動きと比較すると学生の動きの鈍さを感じるのが大方の見方。
我々が運営する合同説明会は大手同業他社も同じで、2月以降、来場者数の減少に課題を抱えていた。それは各地域の加盟会社も同様。
個別の会社説明会に学生が向かっているというシンプルな理由もあるが、それを全ての原因にしてしまうのも安易。学生の全体像を捉える必要もある。仕組みの問題も・・・。
今のままの状況で学生が内定を獲得出来ていくのだろうかと不安になる。
大手企業を中心に4月に選考を行い、GW前後に内定を提示する企業は多いだろう。その段階で就職活動を順調に終えられる学生は昨年と比較しても多くはないだろう。
景況感で捉えれば、先日の日経新聞の発表のように採用数は拡大すると予測される。しかし、足元の学生の動きをみると必ずしもそれが上手く反映されるとは思えない。
学生も企業も長期戦になることを覚悟する時期がいずれ訪れるかもしれない。
今回の議論では、そんな内容を含め議論が行われたのであるが、各社とも長期戦を睨んだ企画を練り直しているようだ。お互いにフットワークが軽い存在なだけに、環境に合わせ俊敏に動かねばならないだろう。
全ての加盟会社が自らのミッションを持ち、自分たちの立ち位置を確認できた有意義な幹事会であった。
早速、週明けには会社内でも情報共有を行い、今後の動向を探っていきたい。13卒新卒採用は、まだまだ課題が多そうだ。
2012年3月22日
残念!皆勤賞
山田家は体が丈夫だけが取り柄の家族である。
僕は小学生の時は皆勤賞だったし、嫁さんも至って体は丈夫だ。僕自身の体の頑丈さにおいて自慢したいことがあるのだけれど、そのネタはもうしばらく先のブログに公表したい。(いやらしい性格なのだ。)
今回は子供の話である。
今の生活の中で、小学校6年間を皆勤で過ごすのはかなり難しい。
実際、娘も息子も数年前はインフルエンザで休んだこともあった。昔は少しくらい体がしんどくても、無理矢理に学校に行くことを許されたが、昨今は親が許しても、周りは許してはくれない。逆に迷惑を掛けてしまうからだ。
そんな環境下でも、中学2年生の娘は、中学校生活において今のところ皆勤賞。3学期も残すところ、あと2日なので、まず達成することは間違いないだろう。
小学4年生の息子も何の病気を患うこともなく、3年4年は皆勤であった。つい一昨日までは・・・。
あと数日というところで、残念な結果に終わってしまった。
「春分の日」の一昨日、公園の遊具で遊んでいたところ、足を踏み外し、頭から落下し、額がパッカリ割れ、救急車で運ばれてしまったのだ。
この知らせを聞いた時には、正直、血の気が引いた。病院に駆けつけ、大事に至らない知らせに安どしたわけだが、本人に接するまでは要らぬ心配もしてしまった。
万が一の事があれば、呑気にブログを書くなんて許される状態ではないし・・・。
それでも七針を縫うケガを負ったため、安心できるわけではないが、普通通りの生活が送れることは有り難いと思わないといけない。本人も自分が痛い目に合って、周辺に対してより注意する必要性を身を持って感じただろう。
当然だが、昨日は再検査のため病院に行かねばならず、学校は欠席。
息子としても、皆勤賞を逃したことは悔やまれるだろうが、これも自業自得。ここは無事で良かったと感謝せねばならない。
何事も最後の最後まで気を抜いてはいけないということ。ロスタイムに得点を許すサッカーの試合のようなものなのだ。
息子には今回の事故をいい教訓として、来年度以降に臨んでもらいたい。
皆勤賞の存在が遠くなり、残念でした。
(でも、ホッとしました。)
2012年3月20日
ドラマ「運命の人」
日曜日に終了した「運命の人」は、久々に1回も欠かさずに真剣に見たドラマだった。
多分「ハゲタカ」以来だろうから、相当久しぶりのことだ。
ドラマの予告編から惹きこまれ、回を追うごとにドラマの展開に自らが巻き込まれていった。国家権力の恐ろしさを背景にした重厚な人間ドラマは緊張感たっぷりだった。
ドラマの舞台となる毎朝新聞も、登場する佐橋総理も田淵氏も福出氏も実際はどこなのか誰なのかは容易に想像できる。ある意味、TBS系だからこそ成し得たドラマで、他局だったら、ここまで切り込んだ演出はできなかったのではなかろうか。
ストーリーをこのブログで書くつもりはさらさらないが、僕は最終回の2時間スペシャルとそれまでの回とは全く異なるドラマだと勝手な見方をしている。
ストーリーは繋がっているし、主人公の弓成亮太の使命感は共通しているものの、僕には視聴者へのメッセージが2つ存在するのではと考えてしまった。
これは僕の勝手な思いなので、他の視聴者からすれば、一本筋の通ったドラマなのかもしれないが・・・。
この骨太のドラマは日曜日21時のオンエアというのに、家族で一緒に見る者はいない。子供たちにも嫁さんにも重すぎるようだ。だからこそ、僕は面白いのだけれど・・・。
主役の弓成亮太に自分を重ね合わせる必要はないのだが、甘い誘惑(?)の恐ろしさをまざまざと感じてしまった。お互い悪気もなく、むしろ正義感の方が強いのだろうが、一歩誤るとどん底に落ちてしまう。全てを失くしてしまうのだ。
自分の行動には細心の注意を払わねばならない。変な意味ではなく・・・。
そんな事も含め、この「運命の人」は十分楽しめた大人のドラマだった。
2012年3月19日
探偵はBARにいる
探偵はBARにいる 通常版 [DVD] (2012/02/10) 大泉 洋、松田龍平 他 |
名大社の哲学者がおススメする作品。確かに主役の大泉洋はカッコいい。普段通りの三枚目は維持しているものの、男っぽさをプンプンと感じる。小粒だが小気味よく日本映画が大切にすべき路線の映画だ。
この映画を観終わった後、懐かしさを感じた。
それは一体なんであろう・・・。探偵が本来は関わるべきでない事件に巻き込まれていくストーリーがドラマ「探偵物語」を思い出させたのか、松田龍平とのコンビが映画「傷だらけの天使」に通じるところがあったのか、はっきりしたことは分からないが、とても懐かしい気分になった。
この手に近い作品が他にもあったような気がしてならない。村川透か崔洋一の作品か思い出せないが・・・。
舞台となるのは北海道ススキノ。僕はこの街には大学時代に一度行ったことがあるだけ。夜中でも街路灯が雪に反射し、ススキノ全体が明るく華やかな印象があった。深夜の時間を感じさせなかった。
それがこの作品では猥雑に映る。しかも、それが魅力的に映っていた。学生時代に行ける範囲は決まっているので、映画との比較にはならないが、そのギャップに惹かれてしまうシーンも多かった。
もう一度、ススキノにも行ってみたい。
そして、男はウイスキーである。胸を焼き付けるような飲み方をしなきゃいけない。と、思わせてくれた。
今週はBARでウイスキーを飲もう。ストレートはキツいが、せめてロックで・・・。
えらく単純だな・・・。
2012年3月17日
資本主義以後の世界
資本主義以後の世界―日本は「文明の転換」を主導できるか (2012/01) 中谷 巌 |
この手の書籍の感想はとても書きづらい。
僕が政治的背景がある中で、明確な信念を基に行動しているわけでないし、中途半端な知識で意見を述べてしまうのは、いかにも無責任と感じるからだ。
ただ本書を読んで単純に思ったのが、著者の中谷氏の資本主義に対する考え方がこの10年で大きく変化してきたのだろうということ。前作「資本主義はなぜ自壊したのか」で、これまでの自身の活動や発言に懺悔していたが、本書ではさらに拍車がかかったようでならない。それはちょうど1年前に起きた東日本大震災の影響も大きいといえる。
原子力発電の事故は明らかに人災であり、効率と利益を求めた資本主義的な考えがその背景にあると・・・。
僕にはグローバル資本主義が本当に悪かどうかは、まだわからない。
ちっぽけな企業を引っ張る者として、自分たちが弱ければ負けるし、強ければ勝つという環境は当然のことと受け止めている。全ては自分たちに責任があるのであり、それを経済や環境のせいにするのは間違っているとも考えている。
確かにアメリカにおける金融商品が莫大な利益を生み、そこに関わる一部の人だけが富を築くことに違和感を感じるし、その姿には疑問も沸くのも事実だが・・・。
ただ共感するのは、我々日本人が自分たちの特徴を生かし、世界に立ち向かっていく方法があるということ。日本人としての「軸」「価値観」「美意識」を持って、日本的な価値を作りだしていくことは十分可能と言えるのだ。
その反対で、少し驚いたのが中国共産党に対する肯定的な考えだ。それはどう中国と対峙していくかを含め、読み取る必要はあるだろうが、著者の視点の高さには驚きを覚えた。
そして、本書で強調されていたこと。功利主義的で見返りを求める「交換」の思想から、「贈与」の精神への「文明の転換」が必要であるという内容。それが現代社会の抱える問題を克服する前提になるというのだ。
「贈与」という言葉は、必ずしもいい響きではないが、日本人が長い歴史の中で築き上げてきたのは、人と人のつながりを示す「共同体」の考えに通じるのだ。人とのふれあいの中で見返りを要求することが少ないのも日本人の良さだろうし・・・。
来週に名古屋で中谷氏の講演会が開催される。勇んで申し込んだが、その後、どうしても外せない予定が入り、泣く泣くキャンセル。
それだけが残念である。
2012年3月15日
個人面談開始!
本日より部長以下の全社員に対し、一人あたり1時間の面談を実施することにした。
これまでは個別のミーティングはあったものの、一人ひとりと長時間かけて個別に向き合い面談する機会を設けてこなかった。
厳密に言えば、2人での飲みの場はセッティングしていたので、全くないわけではないが、応接室で向き合って話すことは僕が社長に就任しては初めての試みとなる。
(飲み屋の場合だと話があちこち飛び過ぎるし、必要以上に熱くなる・・・)
月1回の早朝会議や毎週月曜の朝礼、定例会議など全体の意思統一を優先させるため、全社員に対し同じ方向性の話は頻繁に行ってきたが、個別に話す機会は少なかった。
個々の課題にサゼッションを与えることや個別相談はあったが、せいぜい15~20分程度の時間。その状況に応じてのやりとりでしかなかったのだ。
日常の業務のチェックや普段のコミュニケーションから、社員のことはわかっているつもりではいるが、あくまでもわかったつもりでしかない。
僕自身が距離感を持っていないつもりでも、社員が同様とは限らない。知らず知らずのうち意思の疎通が滞っている恐れもあるのだ。
年度末を迎えた事や僕が会社を任されて2年経過したことも面談を行うにはいいタイミング。お互いの考えをぶつけさせるにもいい機会。
今後は年1回もしくは2回は堅い雰囲気の中で緊張感を保ちながら話をする場を作るのもいいだろう。
今回は、あらかじめ社員にいくつかのテーマを与えている。どこまで本人が深く考えているかは、この後の面談で明かされる。
果たしてどうなるだろうか・・・。
本日から2週に亘り、じっくりと話をしていく。いや、聞いていく。
心地よい疲労感が体を襲うことを期待したい。
2012年3月13日
経営者に向けた貴重な講演
本日は貴重な機会を頂いた。出身大学の経済人で組織する会に講演者として出席させて頂いたのだ。
参加者は地元企業の経営者や議員を中心に40名ほどの大学OB。大先輩がほとんどだ。
2ヶ月に一度開催される朝食勉強会で、毎回大学OBの各業界で活躍されている方が講演を行う。なぜ僕に話が回ってきたかは、不思議でしかないが有り難い場として引き受けさせてもらった。
朝7時には会場となるホテルに到着。
パソコンを設定し、早々に食事を終え、7:30からのスタートを待つことに。会長の挨拶のあと、早速、僕の出番となった。
これまで講演と言えば、学生相手がほとんどで、たまに親向けやキャリアカウンセラー向けの場合もあるが、今回のように経営者向けの講演は初めてのケース。
人前での話に、ほとんど緊張することはないが、さすがにこの日は緊張が・・・。当然と言えば当然だ。僕なんて、まだひよっこに過ぎない存在だし・・・。
講演内容は「大学生の就職環境」。
本年卒、来年卒の学生の就職環境や企業の動向について、客観的に情報に主観を交え、40分程度話をさせて頂いた。
自己紹介が長すぎたのか(反省)、予定時間を少々オーバーしてしまったが、話すべき内容は漏れることなく、無事に講演は終了。温かい拍手を頂いた。
どこまで話が伝わったかはわからないが、講演後のいろんな方との挨拶で、内容は概ね間違いなかったと勝手に解釈した。
昨年3月にこの会に初めて参加させて頂き、その時は最年少だった。その後、Facebookから同じ大学出身の経営者と繋がるようになり、本日は僕よりも若い経営者が何名か出席されていた。その中の懇意にする一人に撮ってもらったのが、上の写真。いいショットである。
このような場で話をさせてもらうのは、大変光栄。拙い面も多いが、貴重な機会でありがたい。今後、お呼びがかかるかどうかは相手次第だが、チャンスがあれば外に対しても発信できればと思う。
本日はありがとうございました!
2012年3月11日
FunRun 名古屋シティマラソン2012
爽やかな朝でスタートした名古屋シティマラソン。
今回は会社のメンバー6名と参加。男子はハーフを走り、女子は10キロを走る。会場となるナゴヤドームは物凄い人。
何しろ全体で3万名の参加だから、この地区ではかつてない規模。オペレーションの難しさもあったのだろうが、荷物の移動を含め、大体は順調に進行していた。荷物を預けるコンテナもずらりと並んでいた。
唯一残念だったのが、荷物を預けた薄着のランナーの居場所がないこと。3月の屋外にシャツ一枚では寒すぎると感じた。
忘れてならないのは本日は東日本大震災から1年。
僕もこのワッペンを胸に走ることとなった。
まずは9:10にオリンピック選考の対象でもある女子フルマラソンがスタート。色とりどりのウェアに包まれたジョガーは美しかった。
ニュースでしか知る由はないが、日本人トップは2位の尾崎選手。
おめでとうございます!
女子のフルマラソンに続き、我々のハーフもスタート。
スタート地点まで10分くらいかかるものと思っていたが、混雑は予想より小さく4~5分程度。思った以上に気持ち良くスタートできた。結果としては前半10キロを51分で走り順調だったが、後半15キロあたりから失速し、結果ネットで1時間55分と今季を象徴するようなタイムで終了。
平坦で走りやすいコースであったが、最後はバテバテの状態でゴール。激しく疲れた大会であったが、華やかさ、人の盛り上がり、沿道の声援含め楽しく走ることができた。
一緒に走ったメンバーもタイムはともかく全員完走。特にハーフは僕以外は初めての経験であったが、何とか走りきることができた。良かった!
終了後は、伏見にあるキッチンマツヤで乾杯!思い思いを語り合うことになった。
明日の仕事に支障がないか不安要素が付きまとうものの、気持ちのいい一日を過ごすことができた。
感謝!
2012年3月9日
「私、社長ではなくなりました。」を読む
私、社長ではなくなりました。 ― ワイキューブとの7435日 (2012/02/28) 安田 佳生(やすだ よしお) |
当初、ブログのタイトルは「私、社長ではなくなりました。」だけであったが、誤解を招くといけないので(笑)、上記のように変更した。読めばわかる話だけど・・・。
珍しく1日で読み終えた1冊。前半部分は謙遜というよりも自虐的に書かれているという印象を持った。そうならざるを得ない時期のかもしれない。
ワイキューブは少なからず縁があった。本書にも登場するオシャレな名古屋支社にもお邪魔したことはあったし、会社同士で何度か交渉したこともあった。同業界でもあるので、営業先でバッティングもした。
著者の安田氏とは、僕が営業マネジャーの頃、講演を伺って名刺交換をさせて頂いた機会が一度あるだけ。その当時、飛ぶ鳥を落とす勢いで会社が成長しており、その斬新な手法に感心させられたのも事実だった。同時に違和感も持ってはいたが・・・。
倒産が発表される前から噂がついて回っていたので驚きはなかったが、自社や自分の役割をより深く考えさせられたのも記憶に新しい。
本書を読み始め、いきなり1章で引っかかった。申し訳ないが、『私はワイキューブを「その他大勢の中小企業」で終わらせたくなかった。』という表現に嫌悪感を覚えたのだ。まるで「その他大勢の中小企業」が負け組のように扱われていると感じてしまったのだ。
名大社もその他大勢の中小企業だし、同様にそこで懸命に頑張っている会社は多い。失礼じゃないかと直感的に感じてしまった。著者の意図は異なっているかもしれないが、一人の読者としてはそう捉えてしまったのだ。
僕とは歩んできた人生も会社に対する考え方も安田氏とは全く異なるが(なろうと思ってもその実力はないですが・・・)、そもそもの価値観が大きく違うのだろう。どっちが正しいということではないと思うが・・・。
社員や福利厚生に多大な投資をし、その回収ができず、結果として破たんを招いたわけだが、この事実から社員との関係性はお金だけでないことがよく理解できる。
誰だって給与は高い方がいいし、カッコいいオフィスで福利厚生が充実していた方がいいには決まっている。だが、仕事をする上での優先順位はそこではないはずだ。もっと大切なことがあるはずなのだ。何かはここでは書かないけれど。
(高い給与も充実した福利厚生も提供できていない言い訳かな・・・)
しかし、読み終えていくうちに、しんみりした気持ちになってきた。
安田氏も孤独だったのだと・・・。その孤独を埋めるために、社員の待遇を良くし、豪華な施設を作り、自分の回りに人が集まるようにして。
経営者は孤独だと言う。
果たして僕はどうだろうか。孤独でもあるし、孤独でもないというのが答え。ただ孤独であることが好きでないと務まらない職種なのかもしれない。