今、最も話題となっている一冊。
ビジネス書籍の売行きの発表を見るとかなり好調のようだ。僕の場合、商売柄要素も強いので、本書を読むことは必須条件でもあるが、一般的にもマッキンゼーの採用基準はかなり気になるところなのだろう。
僕の知り合いにはマッキンゼーに勤務している社員もOBも誰一人いない。行動範囲が狭いと言われればそれまでだが、名古屋で働いていて遭遇するのはレアなケースだと思わなくはない。そのせいか、優秀たるコンサルタントぶりが勝手にイメージされる。
本書に書かれているように高学歴で論理的思考力が抜群で、フレームワークを駆使し、問題解決もチョチョイのチョイというようなイメージが・・・(笑)。
しかし、実際に求められる人物はそうではないようだ。必要最低限の要素で地頭力、分析能力や語学力は付いて回るが、それが最重要ではない。
一番大切なのはリーダーシップだという。本書を読み進めて行けばわかるのだが、著者が最も表現したいのはマッキンゼーや著者の考えるリーダーシップ論。採用基準はオマケに過ぎないと感じてしまう。
世の中にリーダーシップに関する書籍は溢れかえっており、その類のタイトルではインパクトは小さい。いくらマッキンゼーが求むリーダーシップ像と大々的に謳っても影響度はそれほど高くはないだろう。
これは勝手な見方で推測にすぎないが、本書のタイトルとしては「採用基準」とした方が、世間的にインパクトが強く販売にも繋がると・・・。そんな風に思ってしまった。本書を読み終えた人には、きっと僕と同じような思いの方も多いんじゃないかな。
著者の考えでは、真のリーダーシップがあれば、日本もグローバル化の中で十分戦っていけるという。
日本ではTPPに関しても「参加したら、国際交渉でアメリカに押し切られ、日本は不利益を被る」という理由で反対する人がいて驚かされます。なぜそうではなく、「国際交渉の場で、きちんと自国の利益を確保できる人材を育成することが急務である」という発想にならないのでしょうか。
この一文だけでも、リーダーシップがもたらす効果を物語っている。
そして、今後、必要になるのは中央集権的な意思決定システムではなく、分散型の意思決定システム。
この考えには僕も賛成で、リーダーシップはトップ一人に求められるのではなく、メンバー全員に求められるということ。これはリーダーである僕が逃げているわけではなく(能力はないですけど・・・)、よりよい仕事の進め方において日々の中で強く感じることでもある。
それにしても、このタイトルは抜群だ(笑)。
僕は人前でスピーチをすることに対して悩むことはない。数を経験したせいもあるだろう。最近はどれだけの多くの方を前にしようとも緊張しなくなってきた。
但し、話す内容は全く別物である。度胸も大切だが、何をどう伝えるかが重要で、その中味となると課題は尽きることはない。
どんな悩みでも人によっては些細であり、人によっては最重要であることは間違いない。置かれた立場や生きてきた環境によって背景は大きく異なるので、悩みはどこまで行っも他人事でしかない。上辺の共有しかできないのだ。
なぜ悩むのかといえば、人はプレッシャーの中で生きているからだろう。それが重ければ重いほど、そのストレスが弱みとして出てしまうのだ。
この映画を通して、そんなことを痛感した。(ちょっと表現がよろしくないかな・・・)
それにしてもイギリス映画は暗い。
この映画でも晴れのシーンは皆無。どんよりとした天候しか表れない。そしていつも寒そうなのだ。それが映画の緊張感を維持させているようでいいのだけれど・・・。
静かで地味な映画だが、とても素敵な映画だった。その時代を背負った背景と登場人物の表情や発言が、映画の魅力をより強く押し出していたような気がしてならない。観終わった後は幸せな気持ちになれるのがいい。
やっぱり人は自信を持つことが重要だな。そうすれば全てが変わる。
そう感じさせてくれた映画だった。
またまた読んでしまった。池井戸氏を・・・。偏った読書は禁物だが、書籍広告を見て、つい書店で手にしてしまった。小説なら他にもいくらでもあるというのに・・・。
池井戸氏の作品はことごとく企業内の絡み合った人間関係を描いている。登場人物の大半は、エゴの塊であり、保身であり、組織に対して都合よく体裁を整える者が多い。はっきりいって腹立たしい人物ばかり。しかし、そんな人物も卑劣というよりは、目の前の小さな栄光に執着するか弱き存在がほとんどなのだ。
同情しなくはないが、その行動が許されるとは少しも思わないし、絶対に許してはいけない。
本書のテーマはなんだろうか。
大組織の弊害なのか、正義の解釈なのか、信の仕事の目的なのか・・・。
正直なところ、これまで読んだ著者の作品の中では、一番しっくりこなかったのが本書。巧みに繋げられる人間関係の描き方など、本書ならではの面白さも多い。この作品が良かったという書評も多い。僕がこれまでの作品に比べスッキリしなかっただけで、否定することではない。その証に一気に読んでしまったし・・・。
深く考えているわけではないが、それは何故かと言えば、組織や会社に対する僕の考えとこの小説の舞台となる会社 東京建電の考えが真逆だからだろう。
多分、世の中的にこの東京建電と同じような会社はほとんど存在しないと思うが(そうでもないかな・・・)、どうしても受付けないのだ。
ストーリーに一切触れていないので、何のことかさっぱりわからないと思う。参考にもならない。いつもこんな書評で、申し訳ないです・・・。
就職活動を迎える学生が読んだら、会社や仕事への前向きな気持ちは萎えてしまうだろう。決してそんなことはないから心配なく・・・。
でも、そんな気持ちになったら、「下町ロケット」を読めばいい。
何だか上手くできているな(笑)。
本日はうちの会社の賞与支給日。きっと社員は鼻の下を長く伸ばして待っていることだろう(笑)。
本来は第2週の金曜日が支給日なので、例年より一週間遅らせたことになる。出し惜しみしたわけでも、資金繰りに苦しんだわけ(笑)でもない。
一人ひとり個人面談をして、その評価について話をしてきたため、支給日が後ろにずれたのだ。
これまで会社の習わしとして、賞与は基本給の○ヶ月分と低額だけ決めて、あとは査定分を加えた総額を本人に渡していた。
査定内容はあいまいでロジカルな説明も特にしてこなかった。査定が間違っていない限り、その方法は悪くはないと思うのだが、透明性や納得感において問題がないわけでもなかった。
そのため今回の賞与から完全に見直しを行い、賞与の基本的な考えから、評価項目やポイントの査定基準、本人への期待値(ここは査定とは関係ないけど)までも明確にして個人面談を通し提示するようにした。
(今頃の対応なんて、ちょっと遅すぎますね・・・。)
個人面談は昨日で全て終了。晴れて本日を迎えることができた。仕事全体に対する個人面談は年度末にたっぷり行うとして、今回のような面談もお互いにとっては有意義であったと思う。何より全員が納得してくれただろうし・・・。
うちのような小さなサイズの会社であれば、トップの僕が直接話をするので誤解されるかもしれないが、僕が賞与を支給するわけではない。あくまでも会社から支給するのであって、僕はその役割を担っているに過ぎない。
当たり前の話だが、僕が偉いわけでも何でもない。みんなが懸命になって働き稼いできた利益を代表して配分しているだけなのだ。
しかし、社員はそうとは思わないようだ。役割である僕に対して「ありがとうございます。」と感謝を述べる。だから、僕も「こちらこそ、ありがとうございます。」と答える。何だかピントのずれた妙な会話だが、それが現実。
賞与を出す会社が素晴らしいのか、賞与分を稼いでくる社員が素晴らしいのかは、はっきりするところ。かと言って、賞与を出せない会社の社員がダメなのかと言えばそうではない。それは会社の責任であり、それがきっと経営そのものにあたる。
ここしばらくの間、賞与について考えるうちに、当たり前だけど欠落してしまいそうな基本に立ち戻った。
無駄使いするか、有効的な使い方をするかは関与しないが、いい年末年始を過ごしてもらいたい。夜の錦を闊歩するのも構わない。
ありがとうございました。
と言っても、あと8日間、ガンガン働いてくださいよ!
昨日は仕事を早々に終え、ウインクあいちへ。会社のイベントではない。講演を拝聴するために伺ったのだ。皇學館大学の創立130周年の記念特別講座。
皇學館大學はこの会場で、これまでもJR東海の葛西氏など結構面白い講演を企画している。
今回の講演は藤原正彦氏による「日本の再生」。
藤原氏といえば、我々日本人を奮い立たせる数学者。
僕も僅かながら「国家の品格」や「日本人の誇り」を読ませて頂いた。
藤原氏の著書にかかれば、僕は何とも頼りない日本人ではありますが・・・。
1時間半に亘る講演はあっという間に終了。とても刺激的で示唆に富み愛に満ちた講演であった。
前半は完全に日本人否定の内容だったが、それも親が子供に厳しく接するような感覚で、見捨てているわけではない。愛するがゆえに、何とかせねばならないという裏返しの表現であった。だからこそ現状に対し、強い反発やわだかまりを持たれているのだろう。
歴史を学べば我々日本人の本質は明確だ。他の国からすれば異常とも思える日本人らしさとは何たるかも・・・。
藤原氏曰く、日本人としての宝物は、”異常な美的感受性”。
日本人しか持ち合わせない「美的感受性」が日本人のお家芸であり、どんなことがあろうと守らなければならないことのようだ。
美的感受性は、礼節や惻隠、倫理や規律や文化に繋がっていく。その一体化こそ、他の国にはあり得ない日本人の異常ともいえる高貴さを生んでいるのだ。
僕自身の表現力では上手く伝えきれないが、日本人として大切にしなければならないこと、誇りに思わねばならないことを感じさせてもらった講演であった。
この講演では偶然にも同級生経営者櫻山氏に遭遇。明日、一緒に飲むというのに(笑)。求めていることが近いということか・・・。
もっと歴史を学ばないとダメだなと痛感させられた講演でした。
昨日、一昨日は懇意にしている大学へ訪問。大学3年生向けの就職ガイダンスで講演を行うためだ。
「ランチタイム就活ミニセミナー」と称するお昼休みを利用したガイダンスで、学生らは弁当やカップラーメンを持ち込み、そこで食事をしている。講演が始まった段階で食事をしている学生はほとんどいないのだが、ほんのりラーメンスープの香りが教室内を漂っている。
このセミナーは、いくつかのテーマに分かれ、今月始めから冬休み前までの開催。
僕が講演を担当する前の数日間は、業界研究講座を行ったとのこと。思ったほど学生は参加しなかったため、キャリアセンターは不安を抱えていたようだ。そのため学生参加は70~80名と予測し、一昨日は余裕をみて100部の資料を持参し会場入りした。
僕の講演タイトルは「中小企業の魅力と探し方」という最近の定番。
中小企業に関心を示す学生が増えているのは間違いないだろうが、学生にインパクトを与える内容でもない。予測通りの学生が参加してくれれば、OKという認識。
しかし、その予測は完全に外れた。驚いたことにどんどん学生が教室に入ってくる。気がつくと160名程の学生が席を埋め尽くし、教室は満席になった。僕が準備した資料は全く足らず、学生には迷惑を掛けてしまった。
40分程度の僕の話にも真剣に耳を傾けている。時に納得しながら、時に驚いた表情を見せながら・・・。本来60分程度で話す内容を無理矢理40分に収めているので、メチャクチャ早口。そして、次から次へと展開していくため、聞いてる側は着いていくのに大変だったと思う。
初日に多くの学生が参加したため、2日目の昨日はかなり少ないのではないかと予測。それでも余裕を見て、この日も100部の資料を持参。
蓋を開けてみるとビックリ。昨日も120~130名の学生さんが出席したのだ。結局、この日も資料が足りない状況に陥ってしまった。申し訳ないです・・・。
大手企業を否定するつもりは全くないが、そこばかり見ていても就職活動は上手くいかない。スタート当初から中小企業の魅力を理解した上で就職活動を進めれば、視野も広がり、必然的にチャンスも拡がる。自分にとって相応しい企業が見つかる可能性も高まる。
そんな話をさせてもらい、2日間のセミナーを終えた。学生の意欲的な態度を肌でビシバシ感じながら・・・。有意義な活動を行ってもらいたいな。
大学を失礼した後は僕のランチタイム。昨日は四川ラーメン。
外は風が強く寒いというのに汗をかいてしまった。冬でも熱く燃えるのだ。僕も学生も・・・。
今日、明日は「名証上場企業就職フェア」。
きっと熱い2日間になるだろう。準備もあるので、いつもより早く出社。
それでは、今日も元気に行ってきます!
おっと、釘さん日記みたいになってしまった(笑)。
一昨日は日本経済新聞主催のセミナーに参加。
会場は金山にある日本特殊陶業市民会館。つい先日までは中京大学文化市民会館と呼ばれていた。名古屋在住の方には名古屋市民会館という方が馴染み深いと思うが、今はネーミングライツを取得した日本特殊陶業の冠である。
今回は1500名集客できる大きな会場。この規模のセミナーに参加するのは実に久しぶり。
受付を済ませて会場内に入ろうとすると、声を掛けられた。以前、名大社で働いていた後輩の会社がこのセミナーを仕切っているという。「な~んだ、教えてくれよ」と会話しながら指定された座席に着く。
講演前は日経新聞のPRが延々と続く。今回の講演は日経で知ったので、参加者は購読者がほとんどではないかと思うが、著名人の日経の読み方を学ばせてもらった。
関係ない話が随分と続いたが、今回の目的は東レ経営研究所の佐々木常夫氏の講演を聴くこと。名前とその活躍ぶりは以前から存じ上げていたが、情けない話、著書は一度も触れたことがなかった。
講演終了後の感想は、これは著書を読まないといけないなという至って単純な感想。佐々木氏の歩んできた人生からその価値観、仕事に対しての考え方、姿勢まで、学ぶ点は数えきれないほど。
講演内容も素晴らしかったが、その中味から垣間見れる佐々木氏の人物像を、全てを達観した人間性の持ち主だと感じてしまった。人に悟られたくない面を飄々と語り、その苦労話をいとも簡単に当たり前のように話してしまう。
人間は自分の苦労をよりオーバーに話したい生き物だと思うが、そのかけらが全くない。まさに達観しているのだ。
今回、学んだ肝心な仕事術については、著書を読んでからまとめてみたい。それが礼儀だと感じてしまって・・・。
自分自身がいかに毎日何も考えずに仕事をしていたか痛感してしまった。
少しだけ印象に残ったことを披露すると、40代はしなやかに生きろということ。シンプルな言葉だが、その半生を伺えば、その言葉は深い。
そして、日経新聞でまず最初に読むのは「私の履歴書」。但し、経営者が登場する時は、自慢話ばかりでつまらないということ。最近では桂三枝や君原健二が良かったと・・・。それは同感!
いい話を聞いて満足するだけでは何の意味もないという佐々木氏の話の通り、僕も満足してブログに書いてるだけでは何の意味もない。
う~ん、困ったと思いながら(笑)、一つ二つはマネさせてもらおう。