一昨日は貴重な講演の機会を頂いた。今回はサッカー日本女子代表監督の佐々木則夫氏による「なでしこの組織マネジメント」。
いやあ~、とても面白くかつビジネスの上でも非常に参考になる講演であった。
佐々木氏が講演される姿はTVに映るインタビューのまま。話がとても上手く声のトーンも聞きやすい。講演が本職といってもおかしくないほど、90分の講演時間は飽きさせず、笑いを取り、考えさせる充実した内容。
普段の語り口から楽しめる講演になるだろうと期待していたが、実際はそれを遥かに上回る。あっという間の90分だった。
そして、何よりも組織をまとめる一人として、大変勉強になった講演であった。
なでしこジャパンのワールドカップ優勝はいろんなメディアで特集が組まれ、その組織の完成度は周知の事実であるが、現役監督からのリアルな話はより説得力が増す。そして、佐々木氏のリーダーとして、マネージャーとして、コーチとしての存在の大きさに納得することとなる。
今回の優勝は偶然ではなく必然であったと言えるだろう。企業経営者が経営戦略を基に実行し、成功を収めるのと同じ。
また、NTTのサラリーマンとしてガツガツと働いていたことも組織マネジメントにおいては大きな影響を与えているのだろう。ドラッカーあたりを読み、企業経営の勉強もかなりされているとも思うし・・・。
組織マネジメントのためのいくつかのキーワードも頂いた。それを全部披露することはできないが、「眼力と肝玉が重要」という言葉が印象的であった。
また、指導理念もサッカーに合わせイレブンとし、11のキーワードがあり、その最後は「コミュニケーション問答の質」というもの。
監督、コーチ、選手がコミュニケーションを図るのは当然だが、その受け答えに対する質が重要だという。
サッカーの場合、ゲームがスタートすれば監督が選手に指示する機会は非常に少ない。ファウルなどのわずかなゲーム中断の時間を利用して、監督は的確な指示を出す。もしくは選手はピッチ上の問題点を瞬間的に伝えなければならない。のんびりと情報を伝える時間なんて存在しないため、質が求められるというのだ。
そんな話を含め、貴重な時間を過ごさせて頂いた。自分の仕事にも大いに役立たせてもらおうと思う。
現在、日本の女子サッカーの登録選手は3,7万人。一方でアメリカの女子登録選手は160万人という。そんな規模の違いがありながらも、優勝するなでしこジャパン。
やっぱスゴイね。
2012年2月24日
なでしこの組織マネジメント
2012年2月22日
ようやく届いたキネマ旬報
すっかり購入するのを忘れていた「キネマ旬報2月上旬号」。
この号は毎年日本映画&外国語映画のベストテンが発表される。学生時代は他の号もちょくちょく購入していたが、働くようになってからは年に一度、このベストテンが発表される号のみを欠かさず購入している。
実際の発売日は2月5日。
月2回の発刊なので、気づいた時は既に2月下旬号の発売に切り替わっていた。購入するのをすっかり忘れていたのだ。
それでも大手の書店ならバックナンバーがあるだろうと名古屋最大規模の書店をいくつか回るが既に在庫はなし。考えてみれば、こんな雑誌を買うのは相当なマニアックになるのだろう。希少価値の存在なのだ。
そうなると無性に欲しくなるのが人の性。帰宅する電車の中でスマホからアマゾンを開き検索。うれしいことに在庫はあるではないか。アマゾンで本を購入することは日常茶飯事であるが、スマホでの購入は今回が初めて。思った以上に手間取りながらもショッピングカートへ。一日でも早く手に入れたい思いから、お急ぎ便をタッチしてしまう。
今までお急ぎ便なんて使用したことはなかったが、何と配送料が348円掛かるのだ。全然知らなかった。
セコイと言われればそれまでだが、ひどく勿体ない気になってしまった。宅配が1日2日遅くなろうが何も変わらないないというのに・・・。
これが2148円もするキネマ旬報。
中味は変わらないが、いつもより汗とお金が沁みこんでいる。大切に扱わないと・・・。
そんな事よりも圧倒的に見ていない映画が多い事の方が寂しい。せっせとDVDを借りに行かなきゃ!
2012年2月21日
社畜のススメ
社畜のススメ (新潮新書) (2011/11) 藤本 篤志 |
誤解を招くかもしれないが、大いに共感した本だ。
社畜という表現が、いかにも会社の奴隷のような響きであるため誤解を招きかねないが、僕にしてみれば、凄く全うなことが書かれていると判断した。
それは自分自身のこれまでの経験と健全な仕事や組織を考えた場合において、そう考える。経営者の立場というよりも、一人の企業人として考えているのだ。
社会人となって間もなく23年が経過しようとする。その間に多くの経験をしてきた。理不尽に思うことも、納得できないことも、反発することも多かった。それでもきっと僕は社畜であったと思う。仕事を行う上で自分を捨てなければならない場面はある。(魂まで売るわけではないが・・・)。
役割を演じるという表現もあれば、立場がそうさせるとの理解の仕方もあるだろう。自分の認識が相当甘かったことも多かった。その時々にもがき苦しむ経験をして、それを乗り越えた後でないと答えなんて見つからない。自分の価値観に合わないからできないというのは我儘にしか映らないこともあるはずだ。それは価値観を完全否定するのではなく受容するということなのだ。
本書にも書かれているが、特にキャリアを築く初期段階では、激流に身を任せ、次々訪れる困難な課題を対処していく「筏下り」の時期が必要。できるだけ沢山の苦労をした方がいいのだ。
ここに書かれているサラリーマンの四大ダブー。
「個性を大切にしろ」
「自分らしく生きろ」
「自分で考えろ」
「会社の歯車になるな」
サラリーマン、すなわち給与を頂いて働く者にこの言葉はタブーだという。本書を読まずしてこのタブーだけ理解すると、なんて酷いことを思われるだろうが、読んでみれば意外とあっさりと理解できるのではないか。
しかし、反省もせねばならない。四大タブーの言葉。僕が全く使わないかと言えばウソになる。「自分で考えろ~!」なんて、よく使ってしまう。まだまだ未熟な世代にも・・・。反省。
読後、何故か、「就活エリートの迷走」を思い出した。テーマも内容も異なるが、同じことを表現しているのではないかと思い出したのだ。今の若者世代や社会の流れを汲み取るにはいい題材だ。
社員にも読ませたいな。
しかし、僕の今の立場で読ませたら、間違いなく誤解されるだろうな・・・。
2012年2月19日
「経験代謝」を学ぶ
昨日はキャリアカウンセラーの仲間で組織する「CDAプラザ」の自主勉強会。僕も時間のある限り出席しているが、今年は初めての参加。
今回はピアファシリテーターである大山氏を講師に招き、「経験代謝」について学んだ。
現在、CDAの資格を取得するのに「経験代謝」の知識とスキルは必要になるのだが、僕がこの資格を取得した6年前にはその名称すら存在しなかった。
知識もなければどんなシチュエーションで行われるかもさっぱり見当がつかない状態でこの場に臨んだのであった。
既に「経験代謝」を学んだCDAにとっても、この概念を理解するのは難しく、概念の捉え方も人によって解釈が異なったりしているのが現状のようだ。カウンセリング業務がすっかり過去のものとなりつつある僕としては、この概念は新鮮ではあるのもの、一度きりでは理解し難く、このブログで言語化して説明するのも難しい。
簡単に言ってしまえば、クライエント(相談者)が持っている表面的な悩み(考え)や経験から、自分にも見えていない本来の悩み(考え)を導き出す。それを信頼関係や感情移入をしながら本人に気づかせることを言うのだろう。(これでは全然わからないだろうな・・・)
今後のカウンセリング業務においては必須のスキルのようだ。
この講習を受けながら、以前受講した「クリティカルシンキング」の問題解決のプロセスを思い出した。問題解決の技法としてロジックツリーがある。Where→Why→Howの問題解決のステップで一番有効的な打ち手を導き出していく手法だ。
これは僕の勝手な解釈で正しいかどうかわからないが、ビジネスチックに論理的に行うのがロジックツリーで、人とコミュニケーションを図りながら感覚的に行うのが経験代謝だろう。どちらも物事の本質を捉える意味では一致していると思うのだが、ずれた解釈だろうか・・・。
この日はその流れで「経験」と「体験」の違いについても議論を行った。
キャリアカウンセリングの世界では明確な違いが提示されているようだが、そのテキストも未読のままなので何とも言えない。(ただの勉強不足です・・・)
確かにこの二つの言葉は違いを持つ。営業経験者歓迎と言っても営業体験者歓迎とは言わない。初体験と言っても初経験とは言わない。普段、何気なく使用する言葉ももっと意味を把握しながら使わないと誤解を招くことなるだろう。
そんなことも考えさせてくれた今回の勉強会だった。
勉強会終了後は、案の定、懇親会。結果的に5連チャン。おまけに2次会まで行ってしまった。反省・・・。
お疲れ様でした!
2012年2月18日
経営者の息づかいを感じながら
今週は那古野塾、盛和塾と立て続けに経営者向け勉強会に参加する機会を頂いた。ここでは家族的経営を行われるトップから名古屋を代表される企業のトップまで様々な方が参加されている。
那古野塾は昨年末からの延長戦になるが、盛和塾は初めての経験。那古野塾で懇意にして頂いた先輩経営者に紹介して頂いた。
今回も多くの学びを得た。那古野塾では同朋大学の伊東眞理子教授による「老年学」。年齢を積み重ねることの素晴らしさを教えて頂いた。先生のホームページをご覧になればお分かりの通り、年齢を全く感じさせることない美しさ。驚きである。
盛和塾では2人の経営者に「私の履歴書」というべきこれまでの人生を共有させて頂いた。いくつもの苦労を経験された後に掴まれた成功は説得力があり感動的だ。そのストーリーを伺うだけでも大きな学びだ。
勉強会終了後には当たり前のように懇親会がある。初めて会う方にはその場でご挨拶をさせて頂くが、ここでも感謝することは多い。
「あのCMで有名な名大社さんですか。」「名古屋で頑張っておられますね。」と有難いお言葉を頂くこともしばしば。その度に恐縮してしまうのだが、うれしいのも事実。中には仕事でお世話になっていたり、過去から何らかのご縁のある方も多い。何事にも代えがたい財産だ。
このような場に参加されるトップは自分で会社を立ち上げた方もしくは二代目、三代目で会社を引き継がれている方がほとんど。僕のようなサラリーマン出身者はほとんどいない。
ゼロから組織をまとめられてきた力強さや会社を辞めることはできず守り続ける覚悟をもった方ばかり。自分のような運だけで今のポジションにある人物とは比較にならないのだ。
その分、語るひとつひとつを学ばせて頂く。経営者としての息づかいを肌で感じさせてもらうのだ。自分も語る側にならなければと思いながら・・・。
本日は午後からCDA(キャリアカウンセラー)の勉強会。きっと夜の懇親会もあるだろうから、5連ちゃんにはなる。
いい一日を過ごせることに感謝である。(ちょっとしんどいけど・・・)
2012年2月15日
講演は勉強になる。
昨日は「バカの壁」の著者で東京大学名誉教授である養老孟司氏の講演会に参加した。
講演テーマは「本質を見抜く-これからの環境エネルギー問題-」。養老氏の専門分野ではないが、客観的事実を鋭く見抜いた実に示唆深い内容だった。
エネルギーの消費量と経済成長率の関係性に対しての持論は、論理的で思慮深く洞察力があり、納得せざる得なかった。
本日のブログはその講演内容に関することではなく、養老氏の講演者としての立ち振る舞いについてである。
90分間の講演で養老氏はパワーポイントなどのスライドを使うわけでもなく、台本や資料を読んだり見たりするわけでもなく、自らの言葉と時折ホワイトボードを使用するだけであった。
きっちり90分と正確にはいかなかったが、あらかじめ予定された内容が100%盛り込まれた講演だった。どうすればあのように淀みなく話すことができるのだろう?というのが僕の素直な疑問。講演に慣れていらっしゃるとはいえ、できる技ではない。見事だ。
僕の見る観点が人と異なるのかもしれないが、大いに感心してしまった。
僕自身もいろんな場で講演をさせてもらうことはある。その場合、ほとんどはパワーポイントを使用しての講演。30分、60分なら時間通りに話を進行する感覚は持ち合わせているつもり。台本を見ながら話すわけでもない。
しかし、パワーポイントでの講演なんていうのは、正々堂々とカンニングをするようなもので、映し出された文字や画像から、話す内容を引き上げることは可能だ。90分となるとハードルは上がるけど・・・。
それを何もない状態で完結してしまうのは、見事としか言いようがない。それも全くの自然体であるし・・・。努力と準備と場数の組み合わせがそうさせるのか、才能なのかはわからないが、今後の講演やプレゼンにおいて、参考になったのも事実。
たまたまこの日は、経営者や議員などお偉方を対象とした勉強会の講演依頼を受けた。未知なる領域となるため、パワーポイント使用のカンニングは必須だが、養老氏の演台を行き来し、身振り手振りで話された講演のイメージは自分の中にも持つとしよう。大丈夫か不安だが・・・。
勉強となる講演を有難うございました。
2012年2月13日
SNSは疲れるのだろうか?
先週の日経ビジネスの特集は「忍び寄るSNS疲れ~リスクを乗り越え使いこなせ~」。
Facebookにファンページを開設し、顧客に向けた新たなサービスを展開する企業が急増している。書店に行ってもSNS絡みの書籍は目立っているし、僕も既に何冊かは読んでそれなりの学習はしている。
名大社においても新卒学生向けではあるがFacebookページで就職関連の情報を流したり、twitterでも同様につぶやいたりしている。Facebookページのいいねは最近300を超えたばかりなので、発展途上であるのは間違いないが、ようやく手応えを感じるようになった時期が今。
Facebookにせよtwitterにせよ、社員に担当させているわけだが、この人選には迷うこともあった。無理矢理やらせるのは日経ビジネスの記事のように負のスパイラルに陥るだけなのはわかっていた。
その本人がSNSに関心がなければならないし、多方面に目配せができないといけない。軽はずみな発言が炎上を招き、企業イメージを下げてしまうことは大いにあり得る話で、それは絶対に起こしてはならない。それを必要以上に認識させなければならない。
僕のブログも同様で、個人的な色合いが強いにしても、会社を代表して書いているため、細心の注意は払わないといけない。
(そもそもレベルの問題はありますが・・・)
思いつきで話したことが命取りになるケースも想定しないといけないのだ。ただ僕の場合は、全て自分で責任をとる覚悟があれば済む話。しかし、社員の場合はそうはいかない。責任を取らすわけにはいかない。
かといって、いちいちチェックをしていてはSNSとして機能しない。多くの企業で悩ましいところだろう。
従来の販促や広報とは全く異なり、前例があるわけでもない。自分たちの手でノウハウを掴んでいくしかないのだ。
そこも含め「SNS疲れ」になるのだろう。
結局は発信する本人が楽しめるかどうかが、カギとなるのだろう。ブログも勢いよく立ち上げたはいいが全く更新されてなかったり、一言二言で終わってしまうのが多いのも同じことだと思う。
そして、体内に習慣化できるかも重要。歯を磨くのと一緒と思わなければ、やらない方がいいのかもしれない。
うちのSNS担当は歯を磨く事を面倒くさいと思ってなければいいが・・。
自分にも問う。ブログを書く事を楽しんでいるかと・・・。
こんなブログでも、ネタに困りもがき苦しむことだってある。
それも楽しみだったりして・・・。
2012年2月12日
犬山シティマラソンの後は焼肉なのだ!
本日は犬山シティマラソン10キロに参加。今シーズン10キロのマラソンは初めてである。3月の名古屋シティマラソンの前哨戦として勝手に捉え、大学時代の仲間と参加。
会場となる犬山城は現存する最古のお城。城下町にあたる商店街も高山の思わせる風情のある風景。この中を駆け抜けるマラソンなのだ。
写真の上に少しだけ見えるのが犬山城
スタート後は木曽川沿いを延々と走っていく。ここ最近はいびがわであったり、美濃加茂であったりとアップダウンの激しいコースを走ってきたが、ここは比較的、平坦でなだらかなコース。
その分、必要以上にペースが上がるため調整が難しかったりする。おまけに途中のキロ表示が一切ないため、自分のペースがどんなものなのかは非常に分かりずらい。
結果はグロスで49分30秒とノルマにしていた50分切りを何とか達成したタイムで終了。このコースであれば、もう少しタイムが伸ばせそうな気もするが、そこは実力。甘くはないのだ。
マラソン終了後は国宝を眺めることもなく、一目散に焼肉店に・・・。
犬山駅の近くにある昔ながらの焼肉屋が目的地なのだ。ハーフマラソンの後のビールも確かに美味いが、体の疲れが先行し、それほどビールが進むわけではない。その点、10キロのマラソンは程よい疲れと運動がマッチし、ビールを飲むのに最高の状態になる。
焼肉を食べながら、ビールを飲む。いくらでもいけてしまう。仕事の後のビールも最高だが、マラソンの後にビールも最高なのだ。
消費したカロリー以上のカロリーを吸収してこの日のイベントは終了。練習量の課題は残すものの、充実した一日であった。
次は来月の名古屋シティマラソン。
会社のメンバーを引き連れての大会。頑張らねば・・・。
2012年2月10日
「もしドラ」を読んでしまった。
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら (2009/12/04) 岩崎 夏海 |
絶対読むことはないだろうと思っていた。
あまりにも売れすぎたため、流行に乗っているようにしか思えなかったし、ドラッカー本を直に引き続き読めば事足りると考えていたからだ。
しかし、正直なところ、気になってもいた。どれだけ感動するのかと・・・。そんな時、偶然入ったBOOKOFFで見つけて、あっさりと手に取ってしまった。
題材となる「マネジメント」は数年前に読んでいて、その重要性も理解していたつもり。だが、かなり抜け落ちているのも事実。一度読んだだけでは文字として頭の中に入りきるわけではないし、実践においても十分機能を果たすわけではない。
本書は到底あり得ないストーリーを非常にわかりやすく描いている。よくある青春ものの変化球だ。
物書きを本職としている方にとって、この売れ行きの凄さは許しがたい事実かもしれないが、結局はマーケットが判断するのだから仕方ない。マーケティングの勝利と言っていいだろう。
実際僕も面白おかしく一気に読んでしまった。
そして、思った。本来は本書を読んだ後、「マネジメント」を手にすることを想定しているのだろうが、その逆もありかと・・・。「マネジメント」に書かれていることを思い出しながら、読み進める。読後に再度読んでみる。そんな読み方をすれば、より吸収もできるだろうと。
僕も「マネジメント」を一度読んだだけでは全てを理解するのは無理。もう一度、いや、もう何度か読んでみよう。いいきっかけとなった本である。
2012年2月9日
薬師丸ひろ子と長回し
先週「ALWAYS三丁目の夕日64」を観た。
昭和の風景が一層の涙を誘う素敵な作品であった。この映画の冒頭のシーン。子供が飛ばした飛行機が街を駆け抜け東京タワーのてっぺんまで届く一連のシーンがワンカットで撮られている。
通常の撮影ならあり得ないが、VFX技術を駆使して見事な映像に仕上がっている。このシーンを観ながら、すごい長回しだと感じ、相米慎二監督を思い出した。
長回しを多用して有名なのが相米監督で、その彼のデビュー作が「翔んだカップル」。
主役は「三丁目の夕日」のお母さん役である薬師丸ひろ子である。何という偶然・・・。長回しで繋がっていたのだ。(かなり強引だな・・・)
僕は薬師丸ひろ子の一番魅力的な作品は「セーラー服と機関銃」や「Wの悲劇」ではなく、「翔んだカップル」だと思っている。
演技力であるとか作品のクオリティで言えば別の作品だろうが、「惚れてまうやろ~」というべき作品は、やはり「翔んだカップル」。
鶴見辰吾扮する田代勇介と薬師丸ひろ子扮する山葉圭の最後の絡みの長回しは何とも切ない名シーンである。
最後に見たのは20年以上前で(もっと以前に何回も観ている)、記憶も薄れているし、感受性も今とは随分違うと思うが、ときめいていたのは間違いない。
その映画に出演していた先の二人も尾美としのりも石原真理子も今は40代後半だから、かなりのオッサンオバサン。
みんな歳を取ってしまったが、薬師丸ひろ子は今でも輝いている。日本の正しいお母さんを見事に演じ、「三丁目の夕日」のハマリ役になっている。
高校生の役とお母さんの役。
それが長回しという共通点で、一人の女優の存在感を際立たせている。
興味のない人にはどうでもいい話だが、今回観た映画で僕がふと思ったことだった。
「翔んだカップル」をもう一度観てみたい。
TSUTAYAにあるかな・・・。