これからも前向きに 名大社会長ブログ

2025年02月の記事一覧:

映画「愛を耕すひと」

何度も予告編を目にし、安易なタイトルだと感じ観るかどうか迷った。
結論からいえば素晴らしい作品と出会え、観て正解。
原題は「Bastarden」。
日本語にすると「ろくでなし」。
このタイトルではヒットしないだろうね。
「愛を耕すひと」でよかったのかな(笑)。

本作は史実も基に製作され、舞台は18世紀のデンマーク。
18世紀といえば大河ドラマ「べらぼう」と同じ。
僕の記憶が正しければ、本作は18世紀前半だと思うので少し昔だがほぼ同じ時代。

貴族の生活と武士の生活。
ヨーロッパと日本。
特権階級が牛耳っている点は同じだが、建築物、衣装などの違いにハッとさせられる。
ヨーロッパが近代的に見えるのは当然のことか。
それにしても「べらぼう」はビジネスドラマを見てる感覚。
結構、面白い。
横浜流星もいいね。

話を戻さねば・・・。
本作は退役軍人ケーレンが荒野の開拓に命を懸ける姿を描く。
貴族の称号を得たいという野望はあるが、
不可能に思えた荒れ地を農作物が育つ環境にしていく。

それに関わる訳アリの人たち。
その交流を通し、人として大切なことと希望を見出していく。
それが愛を耕すということ。

そして、現れる「ろくでなし」。
違う立場からみればケーレンもろくでなしだが、観客の立場から見るろくでなしは共通。
どんな時代でもこんなろくでなしが人々を傷つけ国を停滞させる。
このろくでなしにはメチャクシャ腹が立ったが、演技は見事。
実際はかなりの二枚目なので日本でも人気が出るじゃないかな。
誰だ、誰だ・・・。

主演はマッツ・ミケルセン。
僕は「アナザーラウンド」の酔っ払いの印象だが、
デンマークの至宝と呼ばれる実力派俳優。
彼の感情を押し殺しひたむきに正しい行動を貫く姿は感動的。
不器用な生き方も共感を生むだろう。
ろくでなしとのコントラストが坦々と進行するドラマに刺激を与える。

本作はオバマ元大統領が選ぶ2024年のベスト映画10本の一本という。
大いに納得。

今年も重厚なヨーロッパ作品が楽しませてくれるのか。
こんな作品をこれからも観ていきたい。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その305

やってきました。
皆さんお楽しみの月末水曜のラーメンブログ。
今回もドーンといってみましょう。

といいたいところですが、伏見シリーズでの企画はかなり限界にきています。
この周辺で新たに紹介するラーメン屋さんがなくなってきました。
今回もあの手この手で紹介していないラーメン屋さんを探しました。

探すと発見できるものですね。
この地区も新陳代謝が激しいせいか飲食店は続々とオープン。
会社から栄方面に向かったところにある「豚骨麺屋一番軒 栄住吉店」さんに行ってきました。

こちらは昨年12月にオープンしたばかりの新しいお店。
豚骨ラーメンのお店ですが、本社は名古屋で東海地区でチェーン展開されています。
食べ物ブロガーでありながら全然知りませんでした。

以前、この場所にはイタリアンがあり伏見シリーズでも紹介しています。
月日の流れは早いですね・・・。
入口に自販機があるので注文しようとすると席に案内されます。

QRコードからオーダーするのがお店のシステム。
最近、このシステムが増えていますね。
こちらの画面からオーダーし届くのを待ちます。

黒豚骨ラーメン 850円

メインは豚骨ラーメンですが、映えを狙いました。
あまり関係なさそう・・。
レアチャーシューがあれば十分ですね。
昆布酢や辛味油があるので味変するにはいいのかもしれません。

無料の高菜をお願いし、途中からガッツリ入れて頂きました。
以前であればチャーハンのセットや替え玉をお願いしましたが自粛しました。
それが正解でしょう。

「ごちそうさま」と女性スタッフに声を掛けると自販機での会計と教えられました。
入口にある自販機は会計用でした。
「う~ん、全てが省人化だな・・・」
と思いながらも、ふと気になりました。
「だったら注文も会計も最初に自販機でいいのに・・・」
替え玉とかトッピングとか自販機では面倒なことがあるのでしょうか。

さて、それでは今月も頂いたラーメンをアップしていきましょう。

担々麺

中華そば

担々麺

牛骨醤油ラーメン

まぜそば

赤味噌ラーメン

濃いスガキヤラーメン

塩とんこつらーめん

今月は前半はラーメンを食べる機会はありませんでした。
九州旅行でも一度も食べませんでした。
その分、後半にかなり追い込みました。
使命感がなせる技ですね。

さて、来月はどんなラーメンを紹介できるでしょうか。
ごちそうさまでした。

映画「リアル・ペイン 心の旅」

全く予備知識なく鑑賞。
映画を観終わって初めて監督と主演が同じだと知った。
僕が主演と思っていたのはむしろ助演で、監督本人が主演。
一体何のことか分からないよね(笑)。

本作はユダヤ人のデヴィッドと兄弟のように育った従兄弟ベンジーの旅を描く。
デヴィッドが主演のジェシー・アイゼンバーグで、ベンジーが助演のキーラン・カルキン。
ベンジーの方が圧倒的な存在感なので主演とも受け取れるが、作品はデヴィッド目線。
キーラン・カルキンはゴールデングローブ賞の最優秀助演男優賞を受賞。
本年のアカデミー賞にもノミネートされている。
まあ、納得できるよね。

最優秀作品賞にもノミネートされていたが、あまり話題になってはいないような・・・。
テーマが地味すぎるのかな。

従兄弟同士の2人はポーランドのツアー旅行に参加。
そこでの珍道中を描くが、背景にあるのは生きづらさ。
生真面目で社交性に欠けるデヴィッドと社交性豊かだが感情的なベンジー。

対照的な2人はもしかしたら現代人の象徴かもしれない。
お互いに悩みを抱え、それをオープンにするでもクローズにするでもない。
ツアー旅行に参加する人たちとの関わりを通して2人の人物像があからさまになる。

一般的にみれば関わる人にとって2人は迷惑な行為がほとんど。
ただ関わる人も何かしら抱えるものがあり、2人に対しては寛容。
大きなトラブルが起きることはない。
大人な対応ができない人はブチ切れるだろう。

ふと、思った。
アメリカに限らず、日本に限らず、現代人にとって生きづらさはある程度、持つもの。
ノーテンキな僕が鈍感で感じないだけで、多くの人はそんなふうに生きている。
それが健全なのか・・・。

日本の幸福度ランキングは51位。
アメリカは23位。
かなりの差はあるが僕は日本の方が高いように思えてならない。
アメリカの方が人種が多く様々な課題に向き合わざるを得ない状況をみると余計に感じる。
本作で描かれるユダヤ人もそんなふうに思う。
どんな人に対してもハグできる環境が幸福度を上げさせるのかな。

本作は何か問題が解決するわけではない。
かといって、大きな問題が残るわけでもない。
時間が流れていくだけ。
きっとそれでいい。
世の中はだいたいそう。

原題は「A Real Pain」。
邦題はそれに「心の旅」が加わる。
そこに大きな意味があるのかもしれない。

映画「ショウタイムセブン」

「セプテンバー5」に続くテレビ局内を中心としたサスペンス映画。
一日の事件を追いかけているのも同じ。
フィクションかノンフィクションかの違い。
フィクションの方が過激な演出になるのは当然のこと。

時代設定は異なるとはいえメディアが抱える問題は常に同じ。
視聴率と話題性にがんじがらめになり目的があらぬ方向に向かう。
タイプが異なる2作だが恐ろしさを感じることとなった。
ただ本作はエンターテイメント性が強い娯楽作。
社会性はなくはないが「セプテンバー5」とは比較にならないし、比較すべきではない。

阿部寛演じるニュースキャスター折本眞之輔の独壇場で彼自身がドラマ。
何度も観た予告編でもそれを匂わせた。
最近では一番面白い予告編で自ずと期待値が上がった。

期待値が高すぎた分、一般的な評価はイマイチなんじゃないか。
僕は評価がイマイチなのを確認してから観たため、逆に期待した以上に楽しめた。
不思議なもんだね・・・。

ハラハラドキドキの展開なのは間違いないが、観る人にとっては受け止め方は変わる。
よりサスペンス度を高めるのか、よりエンタメ性を高めるのかで映画の角度は変わる。
本作は両方狙おうとしたのかもしれないが、それはかなり難しい。
どちらかに寄せた方が作品自体のクオリティは高まる。

上から目線で申し訳ないが、そんなことを感じた。
ニュースキャスター折本の言葉が重いのか、軽いのかはっきりさせた方がよかった。
ショウタイムなので観客を楽しく喜ばせるほうがいいのだろうが・・・。

映画はラジオ局内、テレビ局内とほぼ密室で繰り広げられる。
取材現場からの映像はあるが、これもカメラを通して映っているにすぎない。
小さな世界にも拘わらずスケールの大きさを感じた。
このトリックが本作の最大の面白さだったりして。
ブログを書きながら、そんなことを思った次第。

本作はテレビ局の裏側を描いているが、少なからず近い出来事はあるかもしれない。
こんな描き方だとますますテレビ離れが進む。
余計なことを心配してしまった。

勇気は時として仇になってしまうね。

映画「セプテンバー5」

実話モノの映画が好きだ。
それも時代を忠実に反映させ緊張感で押し迫ってくる作品が。
本作もそんな作品といえる。

描かれるのはミュンヘンオリンピック開催期間の1972年9月5日。
この一日だけを描く。
だからタイトルはセプテンバー5。
そのままである。
小難しいタイトルよりも好感が持てる。

パレスチナ武装組織によるイスラエル選手団の人質テロ事件を描く映画を
この時期に公開するのはなんらかの意図があるのか。
考えすぎなのかな・・・。

僕はこの事件はうっすらと知っているものの詳細は知らなかった。
当時は6歳。
日本人選手が活躍する競技も後の時代に知るだけ。
この事件は日本でも大きなニュースになったと思うが、どこまで世間が揺れ動いたかは想像できない。
生中継が与える衝撃は相当だが、ドイツと日本の時差は8時間。
生中継の時間は夜中なのかな?

イスラエルとパレスチナとの緊張感も重要だが、より重要なのはジャーナリストとしての姿勢。
事実を伝えるのがジャーナリストの務めだが、真摯にそれだけに向き合えるのか。
1970年代であろうと2020年代であろうと変わらない。

倫理観は持つとはいえ自社メディアが他社よりも優位に立つ使命感も必要。
自社や他社、自分と戦いながらどう関わっていくか。
賛同を得る行動と批判に晒される行動は紙一重。
賛同を得て評価されれば名声に繋がるが、その逆のパターンもあり得る話。

誤ったニュースを伝え、よかれと考えた報道がマイナスに進むと180度違う展開になる。
メディアの功罪といえる。
最近、公開される時代を描く作品は今に繋がっているように思えてならない。
時代を映す鏡。
ネットが繋がっていようとなかろうと。

本作はドイツとアメリカの合作。
英語とドイツ語が飛び交う。
どちらも分からない僕は字幕に頼るだけ。

その2か国語の仲介に入り通訳も務めるのがレオニー・ベネシュ。
どこかで観た女優と思っていたら、昨年観た「ありふれた教室」の主役。
本作といい感情表現が難しい役を上手く演じていた。

僕らはこうした作品を通して歴史的な事件の真相を理解する。
こんな機会はありがたいし、こんな作品が世界情勢を語る。
エンタメ映画もいいが、骨太の映画も大切にしたい。

高峰秀子の流儀

盟友でもある副本部長が感銘を受けていたので手に取った。
高峰秀子という大女優はもちろん知っているが、生き方、考え方までは知らず。
本書を読み感動。
こんなカッコいい人だったのかと感動した。

読後、勢いで高峰氏の著書「わたしの渡世日記」も購入。
文庫本解説で楠木健氏がもっとも影響を受けた書籍として紹介していた。
こちらも楽しみにしていきたい。
楠木氏は高峰秀子の存在は国民的な教養の価値があり、
義務教育に入れるべきだととんでもないことを言っているし・・・。

高峰秀子は日本を代表する女優。
2014年発「キネマ旬報」の「オールタイム・ベスト日本映画女優」でも第1位を獲得。
日本映画史上ナンバーワンの女優と称されている。

僕が観た作品は「浮雲」「無法松の一生」。
「二十四の瞳」も観た気もするが高峰秀子主演作じゃないかもしれない。
いずれも学生時代なので遠い昔。
すっかりと忘れている。

55歳で引退し、その後エッセイストとして活躍されたが、僕の関心は向かなかった。
人としてレベルの低さを実感。
人となりを見て吸収すべきかどうかを考えなきゃいけない。

本書は高峰秀子の養女となった齋藤明美が彼女との生活やインタビューを通し、人物像を著している。
その姿がカッコいい。
司馬遼太郎は「どんな教育をすれば高峰さんのような人間ができるんだろう」
と言ったらしいし、沢木耕太郎もそれに近いことを本人に言ったという。
それだけ周りの者を唖然とさせる。
僕も生き様に感動し、チープな言葉で「カッコいい」とまとめてしまった。

詳しくは本書を読んでもらえればと思う。
小見出しで「動じない」「求めない」「期待しない」「振り返らない」
「迷わない」・・・と括ってあるが、まさにそれ。

5歳でデビューし、デブと呼ばれる酷い養母に育てられ、
(ほんとにこの養母はサイテー)
学校にも通えず、好きでもない女優業を55歳まで続けてきた。

大物俳優にありがちな驕ったエラそうな態度はなく、誰に対しても同じ姿勢。
その姿も尊敬に値するが、「信用」を最も大切にする生き方はまさにお手本。
こんな潔い生き方を少しでも見習いたい。

そして、高峰作品を改めて鑑賞したいと思った。
そうそう、今、ミッドランドスクエアシネマで生誕100周年プロジェクトで作品も上映。
時間を作って行ってみたい。

素晴らしい書籍をご紹介頂き、ありがとうございました。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その304

寒い日が続きます。
一日会社にいると外に出るのが億劫になります。
それでもランチ時には外に出ます。

基本的にお昼に出る時はコートを着ません。
余計に寒さを感じてしまうので、遠くの店よりは近くのお店。
それもあまり風にさらされないお店に行ってしまいます。

向かったのは伏見駅に隣接する日土地ビル。

地下1階にある「テング酒場 名古屋伏見店」さんに行ってきました。

仮に満員で外で待っても寒くはありません。
早い時間にお邪魔したので待つことはありませんが、それも考えられるのです。
チェーン店に伺う機会は少ないですが、こんな日には最適かもしれません。

こちらはいわゆる居酒屋の天狗さん。
何年も夜にお邪魔したことはありませんが、若い時はちょくちょく利用していました。
貧乏だった学生時代、彼女と飲んだことを思い出します。
当時、天狗さんは名古屋に進出したばかり。
話題性もあったので彼女も喜んでいたと思います。

こんなメニューがあったかは忘れましたが、それっぽいサワーを注文していました。
甘酸っぱい思い出ですね。

こちらのランチはとんかつがメイン。
いろんな種類のとんかつが並んでいます。
ここは名古屋。
やはり代表的なメニューをオーダーしなければなりません。

味噌かつ定食 950円

写真はとんかつに味噌が掛かっていましたが、実際は別盛。
映えが足りなくなってしまいました。
仕方がないですね。
とんかつをアップにしましょう。

もう少し分厚いと絵になりますが、この価格ならこれが妥当。
店内は若いビジネスマンが多い印象です。
ご飯大盛無料が魅力的なんでしょうか。
多くのお客さんが大盛を注文していました。

食べ物ブロガーは普通盛。
それよりも高騰するキャベツを大盛にして欲しい…そんな想いでした。
サンプル写真よりもやや少ないように感じましたし。

とんかつは至ってノーマル。
普通に美味しく頂きました。
料理が提供される時間が恐ろしく早いのはチェーン店のオペレーションのなせる技でしょうか。

ごちそうさまでした。

男5人九州旅行~後編~

九州旅行の2日目は湯布院から。
湯布院は由布院という表記もあるがどちらも正しい。
湯平町を含むか、含まないかで変わるようだが、あまり問題ないみたい。

ちょうど金鱗湖を見学する頃、雨が降り出してきた。

周りは圧倒的に中国人と韓国人観光客。
SNSで話題になっているのだろうか。
写真を撮りまくっていた。
人のことはいえないけど・・・。

昼食まで時間があったので雨宿りがてらにカフェへ。

普段は絶対飲まない抹茶ラテなんぞ、飲んだりして。
昼食は豪華なランチ。
こちらは食べ物ブログで紹介しよう。

せっかくの温泉地なので絶景の露天風呂にお邪魔する計画だった。
しかし雨のため急きょ変更。
その場で調べた地元の公衆温泉「由布岳温泉」に向かった。

露天風呂がお休みのため料金を半額にしてくれた。
中に入ると小さなお風呂が一つ。

「まっ、300円だしね・・・」と男5人が肩を寄せ合って浸かった。
これもいい思い出なのかも・・・。

夕方は博多へ移動。
幹事Oさんがよく利用するお店を押さえてくれた。

「もつ鍋ながまさ」さんだが、もつ鍋だけでなく九州名物を食べさせてくれる。
博多だけでなく九州全域だね。

2年前、頂くことができなかったイカ活き造りも。
てんぷらにもしてくれた。

感謝、感謝。
ガンガン飲んでガンガン食べてガンガン喋る。
スナックは行けなかったけど、ガンガン歌い博多の夜を満喫。

とんこつラーメンを食べる余裕はなかった。
最年長の広島のオジサンは夜中、知らぬ間に一人で出掛けたが・・・。

最終日は柳川に向かった。
土地勘のない僕は博多から近いと思っていたが、高速道路を使っても1時間程度。
むしろ佐賀の方が近い。
まだまだ知らない場所は多い。

ここでは柳川の川下り。

1時間と30分の2コースがあるが、30分コースで十分楽しめるという。
冬は炬燵が用意され暖かい状態で周遊。
これが予想以上に楽しむことができた。

柳川城の外堀をぐるっと回るが、景色を眺めるだけではなく様々な演出がなされている。
船頭さんのパフォーマンスも見事。

北原白秋の歌から小話、そしてちょっとしたアクションまで、十分楽しむことができた。
これで一人1000円なんて超お値打ち。
次回は家人と一緒に来てもいいかな。

お昼は柳川名物の鰻のせいろ蒸し。
こちらも食べ物ブログだね・・・。
柳川から福岡空港に戻り、2泊3日の旅行は終了。

むさくるしいオジサンの塊だが、時にはこんな時間も必要。
いい休暇となった。
今回、アテンドしてもらった単身赴任のOさんには改めて感謝。
そして、みなさん、お疲れ様でした。
また、繰り出しましょう。

映画「ファーストキス 1ST KISS」

大人の恋愛ものと期待して劇場に足を運んだ。
60歳近い年齢になると子供じみた恋愛ドラマには興味が湧かない。
しかし、大人を感じさせるドラマはまだ欲求があるのか、妙に気になったり・・・。

本作は何度なく予告編を観る度にそんな気持ちにさせられた。
ピュアな心を求めているのか。
そんな意味では僕の期待を裏切らないストーリー。

くたびれた結婚生活の果てに最悪の結果を迎える夫婦は多い。
昔持っていた純粋な気持ちを取り戻すにはうってつけの作品。
危うい夫婦が一緒に観る機会は少ないと思うが、
どちらか観るだけでも一定数の夫婦が救われるのではないか。

映画館には松村北斗ファンらしき若い女性が多かったが、できれば中年夫婦に観て欲しい。
僕は危ういわけでも冷めた関係でもないが、もう少し優しくなろうと強く思った。
映画が持つ副産物。
自分自身、反省する面も多かった。

本作は過去に戻って未来を変えていこうとする行動を描く。
タイムトラベルする過程はやや強引だと思うが許せる範囲。
15年前に戻って全てを変えたいという気持ちがヒシヒシと伝わるから。

タイムトラベルするのが主人公カンナを演じる松たか子。
その夫で15年前の青年駆を演じるのは松村北斗。
松村北斗は昨年のキネマ旬報主演男優賞。
僕も1位に推した「夜明けのすべて」での演技が認められた。
僕はさほど凄い演技とは思わなかったが、本作で素晴らしさを知った。
繊細な表情ができる役者であると。

どうだろう。
松たか子は現在が実物で15年前の彼女はなんらかの手が加わっている。
松村北斗は15年前が実物で現在の彼は老けさせ太らせ手が加わっている。
微妙な腹の出方に好感を持った。
それが普通に年齢を重ねることだ。

一方で15年前の松たか子は随分と可愛らしい。
個人的には「四月物語」の彼女が好きだが、15年前の彼女も負けてはいない。
あれはどう加工?メイク?したのだろうか。
きっと同じことを思っているくだらない輩は多いはず。

いかん、本筋から外れた。
どんな手を打ったとしても自分の未来を変えることはできない。
ただ相手を想う気持ち一つで幸せになるか、ならないかは決めることができる。

今さら、それを学んでも遅いかもしれない。
しかし、未来をこれから作るわけだから、決して遅くはない。
やれることは多いと・・・。

そんなことを感じた作品だった。

映画「怪獣ヤロウ!」

初めて予告編を観た時は「なんだ、学生の作る自主映画か・・・」という感想。
と同時に舞台が岐阜県関市であることに驚いた。
僕の実家は岐阜市だが、東に100メートル歩けば関市。

それに母親は関市出身。
小さい頃の買い物はほとんど関市だった。
初めて映画に行ったのも今はなき関市の映画館。
加えて主人公は山田一郎、ヒロインは吉田麻衣。
吉田は母親の旧姓。
何かと近い存在なので観ることとした。
舞台が知らない町なら観なかった可能性は高い。

本作はご当地映画の製作を命じられた関市役所職員の奮闘を描く。
正直、いかにも・・・という感じだが、むしろ好感が持てる。
市長役は清水ミチコ。
彼女は岐阜県出身だが高山市。
まあ、近いということで選ばれたのかな?

作品は関市が全面的にバックアップ。
商店街や企業も積極的にサポートしている。
関市を代表する企業も有名な鰻屋さんも僕が営業時代にお世話になった企業も協賛。
なんとその企業の社長はセリフまでもらい出演。

ここまで徹底したバリバリのご当地映画って、これまであったか。
単に美しく見せるだけならあるかもしれないが、怪獣が公舎を壊してしまうなんて・・・。
市長の描き方も過激なので、器の小さい市長なら激怒するんじゃないか。
その点で関市の寛容さというか、思い切ったチャレンジというか、その姿勢には感服。
ご当地映画の取り組み方だけでも話題になる。

東海地区中心の公開かと思ったが、どうやら全国で公開されているよう。
綾野剛がほんのわずかでも出演してくれたら、もっと話題になっただろうね。
主役山田一郎を演じたぐんぴぃは知らなかったが、
YouTubeでメチャクシャ人気のあるお笑いグループ。
相方もさりげなく映画に出演しており、このあたりもファンには嬉しいだろう。

SNSを通して本作がより話題となり、関市が更に注目されると相乗効果も生まれる。
大ヒットはしないし、優秀作としてベストテンに入ることもないが、
(スミマセン・・・)
作品が存在することがシアワセ。

これをキッカケに少しでも多くの人に関市へ来てもらいたい。
今は商店街も寂しいし・・・。
少しでも活性化になれば我がこととして嬉しい。