本日は、愛知県のある私立大学の「リーダーシップ論」の授業で、社会人講師として90分のひとコマを担当させていただいた。
大学3年生・4年生が中心ということもあり、就職を見据えた上で、自分がこの21年間、どんな仕事を行い、リーダーシップを発揮してきたかをその時々の事象を解説しながら話をした。
前回のブログでも書いたように、よりリアルな姿を見せた方が、学生に伝わるのではないかと感じたからだ。
クラスがスタートし、担当の教授が僕のことを紹介してくれている最中に席に着席する学生が多く、実際、自分の話がスタートした段階でも、当たり前のように入室してくる学生も多かった。ある程度は予測はしていたとはいえ、また、自分も真面目な学生ではなかったとはいえ、残念な光景であった。講義中も携帯電話をいじっている学生も居れば、正々堂々と眠り始める学生もいた。
悲しいと受け止めるよりは、これが現実と認識しなければならないのだろう。一方で、メモを取り、うなずきながら受講する学生も多く、それがなければこちらのモチベーションも上がらなかったと思う。
(後々話を伺うと、それでも今日は普段よりもみんな真剣だったというから、いかに学生を惹きつけることが難しいかがよくわかる。)
今回の講義では、僕自身が新規事業の責任者となり、苦労しながら立ち上げてきた時に学んだリーダーシップの在り方を中心に、駆け出し社会人に必要な事、経営幹部に求められる事など、「働く」という中でより実態に近いことをパワーポイントを使いながら、その当時の日記も紹介し説明した。
70分程度、話をさせてもらった訳だが、終了時には、あまり手応えは感じなかった。学生の反応が全く見えなかったからだ。
授業終了後、担当教授と昼食を共にし、その後提出されたアンケートを読む時間を頂いた。そのアンケートを読んで、正直驚いた。
「将来、仕事をする上で参考になった」
「仕事をする上で継続することがいかに重要かがよくわかった」
「普段の授業では学べないことが学べ、良かった」
など、うれしいコメントが多く書かれていた。中にはこんなコメントもあった。
「いい話をされているのだから、寝てる学生も起きて聞くべき」と・・・。
ダイレクトに表現したり、表情に表すことが苦手な若者が増えているのは事実だろう。
こちらの意図が伝わったことに対し安心したのと同時に、こういった学生をもっと教育していく必要性も強く感じた。
今回は、学生の感受性や実態を知る上ではいい勉強になった。
今後、このような機会があるかどうかはわからないが、少しでも気づきが提供できるのであれば、継続したいと思う。
2010年06月の記事一覧:
2010年6月29日
大学での講義
2010年6月27日
ゆっくりとした日曜日
梅雨の真っ只中。昨日の土曜も今日も天気が悪い。おまけに蒸し暑く過ごしにくい日が続く。
特に本日は予定もないことから、今月29日に愛知県のある私立大学で依頼を受けた講義課題をまとめる事とした。
大学3・4年生を対象とした授業で臨時講師をやらせていただくのだ。大きなテーマとして「就職活動とリーダーシップ」を結びつける事。
何とも難しい課題であるが、悩んだ末に、これまで自分が仕事を通してやってきた事を学生に伝え、その中から考えられるリーダーとしての役割を話す事にした。そして、その内容から就職活動にヒントとなる行動は何かを気づいてもらう。そうすれば、少しは学生にも役に立つだろうと考えた。(少々、強引かもしれないが・・・。)
リーダーシップという言葉は当たり前のように利用するが、それを分かりやすく伝え、学生に掴んでもらおうというのは難しい事だと思う。
リーダーというのは、他人から任命されたり、本人が挙手したり、その行為が始まる前段階で決定する事がほとんどだが、リーダーシップはキャリアと同じで、後からついてくるものと考えるからだ。
多くの課題や困難を解決した上で、初めてリーダーシップが身につくのであり、リーダーシップを身に付けようと勇んで行動したところで、本来あるべきリーダーシップが身につくとは限らない。
それを上手く説明しようと思うと、これまで自分自身の仕事を通して経験してきた事を話した方が伝わるし、その方が説得力も増すと考えたのだ。
果たして本当に伝わるかどうかはわからない。ただ、学生が社会に出る前に少しでも何かを感じて、前向きになってくれればいい。
そんな事を思いながら、講義内容をまとめ、ゆっくりとした日曜日を過ごした。
2010年6月26日
決勝トーナメントへ!
普段、平日も土曜・日曜も5時台か6時台に起きるようにしている。しかし、今日は7時半の起床であった。
出張疲れもあるだろうが、日本×デンマークの試合観戦やその後の報道チェックでの睡眠不足が原因であるのが大きい。
実際の試合で、その内容は分かっているのに、何度も何度も本田のゴールやコメント、その他のプレイをTVのニュースで観る事にもなった。
全く飽きる事がない。ちょっと騒ぎ過ぎではないかと思わないでもないが、それでもうれしいのは事実。
岡田監督のコメントでもあったように、チームが一つになった事によって、勝ち得た結果だ。それは、サッカー日本代表の姿であると同時に、我々日本人が世界で戦っていく上で必要不可欠なことであろう。WBCが優勝した時もチームが一丸になって戦った事が要因だろうし。
また、企業が国内においても海外においても勝ち抜こうと考えれば、特定の個人の力で勝負するのではなく、組織として勝負していくのが、日本人の築いてきた歴史であり、「強み」になるのではないだろうか。
そう思うと今の日本代表の一体感は頼もしくもあり、誇りでもある。
選手一人ひとりのコメントも、個人よりもチームに重きを置いた発言がほとんどであり、前回のドイツ大会の反省が自己発生的に生まれてきたように思える。
決勝トーナメントでも今の姿勢で臨んでもらいたい。
今回、グランパスの楢崎や玉田はあまり出番に恵まれないが、その分、本田、川島がチームを引っ張っている。彼らも以前はグランパスの選手だ。
韓国の金正友や北朝鮮の安英学もグランパスで活躍していた。かなり強引だが、グランパスで学んだ事がこのワールドカップに生かされていると勝手に思い込んでいる。名古屋での経験が、この南アフリカの地で旋風を巻き起こしているのだ。
書いている内容が、何の脈略のない展開になってしまったが、まだ興奮状態ということで許していただきたい。
2010年6月25日
刺激と感動の一日
昨日は名大社が加盟するふるさと就職応援ネットワーク(Fネット)の幹事会が開催された。
当社は正式な加盟後、2回目の出席になるのだが、ここではFネットの取組みとしての話合い以外に、多くの情報が得られるのも貴重だ。各地域の就職情報サービス会社の社長が集まるのだから、当然と言えば当然なのかもしれないが、業界が厳しい現状の中で、奮闘している姿をリアルに伺えるのは大きい刺激だ。
今回もいくつかのテーマに沿いながら、加盟各社の新たな取組みの話が聞け、学ぶことが多かった。その後の懇親会。こちらも楽しみの一つである。
日本橋にある鉄板焼きのお店で、旬な素材を味わいながら、情報交換をさせて頂いた。この日(正式にいえば翌日)は、日本にとっても、僕にとっても重要な日である。普段であれば喜んで参加する二次会も遠慮しようと当初は考えていた。
しかし、そんな意志はお酒の力であっさりと崩れ、有志でのカラオケに参加。そこでも3時間も盛り上がり、終わる頃には、ただの酔っ払いになってしまった。
ホテルにチェックイン後、すぐ就寝したが、愚かなことに目覚ましをセットするのを忘れていた。
しかし、体は反応するのか神からの報せか、4時少し前にパッと目が覚めた。やばいと思い、すぐにTVをつけるとちょうど本田がゴールを決め、サポータのもとへ走っている瞬間だった。一瞬、何のことかわからなかったが、その後のVTRで、その内容が理解できた。
そこから目はすっかり覚め、TVの前に釘付け状態となった。2点目の遠藤のゴール、川島の拳を地面に叩きつける悔しさいっぱいの表情、長友の果敢な上りとシュート、そして、本田から岡崎へのやさしいパスから生まれたゴール。全てが感動の連続だった。
その中でも僕自身が印象に残ったのが、ハーフタイム終了時に中村俊輔が、ピッチまで出て、戻ってくる選手にねぎらいの言葉をかけ、肩を叩いている場面。実に美しかった。日本代表がチーム一丸となって、戦っていることを象徴していたシーンだ。俊輔本人の立場からすれば、自分がピッチに立てない悔しさもあるだろうが、そんなことは関係ない。チーム全員で戦うことが重要なのだ。このシーンを見た時点で、僕はこの試合は間違いないと確信した。
この日は会社のメンバーと会うことができず、喜びを分かち合うことができないのは残念であったが、気持ちはきっと同じであろう。
刺激と感動が重なった素晴らしい一日だった。
2010年6月22日
営業のプロの話
少し前になるだろうか、ブリングアップの国吉さんのセミナーに参加した。
日経ベンチャーの講演CDで何度も耳にしていて、ずっと一度は話を聞いてみたいと思っていた経営者の一人だ。
セミナーの内容は後述するとして、この方の魅力は、その声のトーンと具体的な実例を面白おかしく、伝える話術にあると思う。
90分間の講演内容でも全く飽きさせないのは、その本人が培ってきた営業マンとして積み重ねてきたその経験にあるのではないだろうか。きっと相当修羅場を潜った体験をされているのだろう。
さて、肝心なセミナー内容である。
この日は「業績回復!儲かる仕組みつくり」という一見胡散臭さを感じるタイトルだが、中味は新規開拓の進め方を中心とした実態に伴う内容であった。
会社として新規開拓は積極的に取組んでいる面もあり、その進め方は共感する面も多かったが、ターゲティングの選定については大変参考になった。
この場で多くを語ることは、避けたほうがいいだろうが、新規開拓においては、「頂上作戦」がより効果が高いとの事。
トップ企業の方が中位の企業より競合が少なく、新しい商品を求める割合が高い事から、新規開拓の可能性は高いという。その根拠には納得させられた。
まだまだ東海地区の経済環境も厳しく、我々の業界もしばらくは我慢の時期と捉えないといけない。
そんな時期だからこそ、新規開拓の必要性があり、同時にチャンスもあるのだろう。
2010年6月20日
最高にうれしかった日
気持ちよく目覚め、朝から5キロほどランニング。
どんよりとした天気ではあるが、素晴らしい朝を迎える事ができた。
昨日は、月1回行われるCDAプラザの勉強会。
その勉強会終了後、CDAプラザのメンバーの方に僕の「社長就任パーティー」を開催していただいた。
このCDAプラザは、自ら学ぶと共に、名大社の企業展での就職相談コーナーでもお世話になっており、公私共にいいお付き合いをさせていただいている。
昨晩はそのCDAプラザの21名もの方に集まって頂き、お祝いをしていただいた。うれしい限りだ。
と同時に恐縮してしまう。こちらの方がこのメンバーの方にボランティアのような状態でいつも協力してもらい、申し訳ないと感じている面も多いからだ。
乾杯の後、美味しいビールを飲みながら、多くを語り合った。本来ならば、一人ひとりとゆっくり話ができればよかったが、さすがにそこまでの時間はなく残念な面もあったが、楽しいひと時を過ごさせてもらった。
会の途中に、プレゼントを頂いたり、表彰状も読み上げて頂いた。
↑社長=BOSS ヒューゴ・ボス気が利いている。
↑少々、恥ずかしい。でもうれしい。
↑嫁「そんなことまでしてもらって。お返ししたの?」 私「感謝の気持ちを・・・」 嫁「ダメじゃないの!」 私「スイマセン」
CDAプラザのメンバーはお互いに何の利害関係もなく、純粋にキャリアカウンセラーとして自己鍛錬をしたい方が参加している。
そのような方にお祝いの場を作ってもらえることに感謝しきれないと共に、人とのつながりの大切さを改めて実感する。
そこには目に見えない信頼があり、支えがある。それに対して、自分自身はどんな応え方ができるのだろうか。
目の前のことに精一杯の取り組んで、前に進むしかないのだと思う。
日本代表がオランダに惜敗し、日本全体としては残念な一日であったが、
僕にとっては最高にうれしい一日であった。
感謝!
2010年6月18日
”人と企業が、出会う場所” HPをリニューアル
本日、名大社のオフィシャルHPをリニューアルした。
以前制作したHPから少しずつ手を加えていたものの、現在のCMSを主流とした最新のシステムからは程遠くメンテナンスも手間がかかる事から、思い切って刷新してみた。
オフィス移転やトップの交代も含め、いいタイミングでもある。また、今後の事業戦略を考えると新たな取組みも必須となってくるため、その情報も盛り込めるようにしなければならない。
会社として表現したいことは、HP上に反映しているので、一度確認いただきたいが、我々の役割、果たすべきミッションは明確にしたつもりだ。
全体を通したコピーは20年以上の付き合いになり最も信頼のおけるライターに依頼。名大社のポジションをわかり易く表現してもらった。
「人と企業が、出会う場所」
我々のような会社は、変にカッコつけるわけでなく、シンプルにストレートに表現することが大切だと思う。それが最も伝わりやすいのではないだろうか。ただ、シンプルだけでなく、このキャッチコピーの中には会社や僕自身が考える多くの大切な意味も含まれている。
また、トップページのフラッシュからは、イベント前にオンエアするTVCMも見られるようにした。ネットの場合、特に地域を限定するわけではないので、UターンやIターン希望の方にも当社がCMを流していることを理解していただけるだろう。東西のクライアントについても、当社がどんな告知方法を採用しているか見ていただくいい機会だ。
今後はこのHPから多くの情報を発信し、より多くの方にご利用頂き、お役に立てるようなメディアを作らなければならない。
今回のホームページのリニューアルは、あくまでもスタートでしかないと捉えている。
PS: 新幹線も走っています!
2010年6月17日
「決断の作法」を読む
新さんシリーズ第2弾(?) 大いに勉強になった「経営の教科書」の次の著書である。
決断の作法 (2010/05/11) 新将命 |
サブタイトルは、「正しい独裁の条件」。このタイトルからは、かなり例えは悪いが、昨日逮捕された商工ローン会社の社長の立ち振る舞いをイメージしてしまうかもしれない。(本当に例えは悪すぎるが・・・)
ここでいう正しい独裁とは「衆議独裁」ということである。
「衆議」とは、多くの人の意見を聞き、議論をするという意味である。「独裁」は言葉の響きはあまりよくないが、衆議を重ねた後で、最後は自分独りの判断で物事を裁決し、実行を指示するということである。と・・・。
多数決による民主主義的な結論のとり方であれば、経営者としての存在理由なんて必要がないということだ。
確かに数が多いからといって正しい判断にはならないし、経営者の中には少数意見にこそ正解があると考える方がいるくらいであるから当然の発想かもしれない。
また、こんなことも書かれている。
経営者は「無情」であってはならないが、ときには「非情」に徹しなければならない。「友情」によって経営判断が曇ってしまうことは許されないのだ。
これを読み取る分においては当たり前である。しかし、その当たり前が当たり前通りにできるかどうかは別問題ではないだろうか。自分自身を含め、情けに揺らぐことは、残念ながら付きまとう。
これまでのいろんな企業を見てみると、その判断で決定的な失敗もしているのだろうから、事あるごとに肝に銘じないといけないだろう。
そして、この著者は最後にこう締めくくっている。
いつかは必ず潰れてしまう運命を持つ会社の寿命を、どれだけ長く伸ばすことができるか。それはあなたの決断力にかかっている。愛情と非情のバランスを取りながら、しがらみにとらわれず前進してこそ、長寿を保つ「勝ち組企業」になることができるのだ。
重みのある言葉である。いくつかの企業のトップを歴任し、実際の現場で数多くの苦難を乗り越えてきたからこそ、発せられる言葉だろう。
駆け出し経営者の僕自身としては、言葉で理解できたとしても、身体の隅々まで沁みわたり浸透するにはまだまだ時間のかかることなのかもしれない。
ただ駆け出しだろうが、ベテランだろうが、世間は容赦するわけではないし、戦い方をそのレベルによって緩めるわけではない。
常に正しい判断ができるよう自分を鍛え続けるしかない。きっとそこには終わりがない世界なのだと思う。
「正しい独裁の条件」 頭の中で繰り返し繰り返し唱えなければならない。
2010年6月15日
株主総会に参加!
本日、大手外食チェーンの株主総会に参加した。
これまで株主総会への出席は自社の経験しかなく、実際、どんな風に仕切られてるはドラマ「ハゲタカ」か映画「金融腐蝕列島〔呪縛〕」でのイメージしかなかった。今後、名大社の株主総会も進行役を務めることを前提に、他社が一体どんな開催をしているのか肌で感じたいと思い、今回出席することにした。
10時からスタートした株主総会の会場は、800名の席数が全て埋まり、立ち見が出るほど人が溢れかえっていた。
監査役の監査報告から始まり、社長による事業報告の後、株主による質問が順序通りの行われた。今回の企業は、社長も以前挨拶させて頂いたことや役員の方とも懇意にさせて頂いていることもあり、全く経営陣を知らないわけではない。
そのためか滞りなくスムーズに進行して欲しいと願ってしまう。
しかし、次から次への挙手された株主の質問は容赦なく、厳しい内容が続いた。株価も上がらず、配当も見送りという現実からすれば、予測できる範囲であり当然のこととも言えるが・・・。
どんな質問であろうとトップは答えなければならない。正々堂々と丁寧に回答する社長の真摯な態度を見て、不謹慎かもしれないが、これが上場企業の責任者の姿だ感じた。
株主に対しての気の遣い方、お客様への感謝、社員を想う気持ち、会社に対しての理想や責任。その一つ一つから発せられる言葉から、社長のあるべき姿を感じることができ、株主であることを忘れてしまうくらいに感動する議事進行であった。
株主への説明責任も限られた自分自身と比較をする事自体、失礼な話ではあるが、その立ち振る舞いが自分に果たしてできるものかどうかを話を聞きながらイメージしてみたりもした。
そんなイメージをすると、それほど年齢差のない経営者に対して尊敬の念を抱くのも当然のことだ。
株主総会の勉強をしようと思い出席した株主総会ではあったが、経営者として大切なことは何かを学ぶことができた株主総会であった。
経営者として、企業の責任を負う者としての理想像を見せていただいた気がしてならない。
2010年6月13日
子供たちから教わったこと
ちょうど今から1年ほど前、嫁さんが子供会の会長を務めていた関係から小学校高学年のソフトボール大会を手伝ったことがあった。
2ヶ月ほどの練習を終え、学区内のチーム対抗戦が行われた。
自分達のチームは、全6チームの中で優勝候補といわれるほどメンバーが揃ったチームで、練習試合においても大差で勝利する事がほとんどであった。
ところが、学区の対抗戦では、あいにく初戦でいきなりもう一つの優勝候補のチームといきなりぶつかり、接戦ではあったが、なんと0×1で負けてしまった。
悔しがるメンバーもいたが、意外とあっさりしたメンバーが多かったため、最近の子供は冷めているものだと勝手に解釈していた。
特にチームを引っ張るキャプテンも平然としていた。
しかし、接戦で敗れたライバルチームとは、その後の大会で再度試合を行う可能性を残していた。
その大会とは、別の小学校も交えた大会で、2ブロック3チームずつでリーク戦を行い、そのブロックの優勝チーム同士で決勝を行うというもの。
自分達のチームも、そのライバルチームもブロックでは勝ち進み、決勝で再度戦う事となった。さすがにこの時のメンバーは燃えていた。
キャプテンはじめ、雪辱を果たすべく気合が十分に感じられ、いい緊張感がチームに覆っていた。肝心の試合もかなりの好ゲームで、接戦を繰り広げていた。
そして、最終回を迎えるにあたり、我がチームは逆転をし、7対5となり、最後の3アウトを残すだけとなった。
相手チームを含め、応援に駆けつけている親も含め、声援もかなりのもので、子供の大会とは思えない雰囲気でもあった。
1アウトを取るものの、連続ヒットで1失点。7対6となり、ランナーは二人。
打席は相手チーム一番の強打者。
会心の当たりはレフト方向に飛び、レフトの選手が飛び込むも捕球できず、ランナー二人が生還。
サヨナラ負けを喫する事のなったのだ。
その時である。
前回は平然としていたキャプテンも表情を隠すことなく、泣きじゃくっていた。他の選手も全員泣いていた。
レフトを守っていた選手は、責任を感じてかチームに合流しようとしない。
全員が悔しさを前面に出していた。
もちろん応援する身としては残念でならないが、その態度や表情を見て、清清しさを感じた。
こうゆう「気持ち」を持たないといけないのだ。
負けて悔しいと思う気持ちが、この子供達には一番重要なのだ。
人として、大切な面を教えてもらった瞬間であった。