飛躍し将来が約束されたかに思える企業も、いつの日か衰退の時が訪れる。それを分析に基づいて教えてくれる良書だ。
著者は企業の衰退の実態を調査し、調査結果として五段階の枠組みで表現している。
1.成功から生まれる傲慢
2.規律なき拡大路線
3.リスクと問題の否認
4.一発逆転策の追及
5.屈服と凡庸な企業への転落か消滅
衰退の道はどんな企業にも共通する一定の順序があるようだ。
今回の著書では、世界的有名企業でありながら衰退し、今は存在すらなくなってしまった企業から何とか回復の兆しが見え始めている企業までを取り上げ、その衰退の過程における問題点をクローズアップしている。
世界でも名を馳せた経営者であり、時代の寵児として取り上げらた方が、衰退の一途を辿る時には、同じようなプロセスでバットサイクルを繰り返す実態を目にすると一つ一つのジャッジの難しさやメンタリティの維持の大変さを痛感する。
そして、どんな優秀な人物でも過去の成功体験を捨てる事は、自己を否定とつながり、その個人的な見解を優先してしまう現実がある。気がつくと企業として致命的なダメージを受ける事も多いようだ。
積極的な拡大は、時にはメディアにも賞賛され、コンサルタントは成長戦略を描き提案し、企業としては正しい選択として認識するのだろうが、後にそれが無理な拡大での失敗とわかり、大きな損失を抱える時には手のひらを返したように非難の対象となる。当然のようにメディアやコンサルは責任は取ってくれない。
偉大なる経営者と称えられた人物は、いとも簡単に解任される。
ここに描かれる企業の多くは欧米中心のため、ドラスチックな人事は当たり前なのかもしれないが、一つの失敗で簡単に切り捨てられる背景があるとすると、ここに書かれている一発逆転策の追求をより求めてしまうのかもしれないとこの著書を読みながら感じた。
ただここに書かれている内容は他人事として捉えるのではなく、自分自身の事と置き換えて考える事も必要である。
そして、全体を通して、ドラッカーの著書に書かれている企業のあり方に近いのではないかと感じた。いつの時代も企業のあるべき本質は変わらないのかもしれない。
この著書の締めくくりには、こんな事が書かれてあった。
永続する偉大な組織は、基本的な部分で二面性を持っている。
時代を超える基本的価値観と基本的な存在理由を持ち、この基本理念は変わらない。
他方では、変化と進歩を常に求めており、創造性を発揮したいという強い欲求がときにBHAG(組織の命運を賭けた大胆な目標)の形であらわれている。
偉大な組織は、基本的価値観(組織にとって不変の主義)と戦略や慣行(世界の変化に対応して絶えず変えていくもの)とはっきり区別している。
これは世界的な大企業であろうと名古屋のちっぽけな企業であろうと何ら変わらない。
そう思うと、この締めくくりの文章は、その時々の自分の置かれた状況でつぶやく必要がありそうだ。
10日金曜日はグロービスが主催するTVセミナーに参加した。GREEの社長の田中良和氏の講演と対談を東京からリアルで中継して、名古屋と大阪に配信する企画である。
GREEといえば、確か5年ほど前のに学生モニターに招待してもらい、mixiよりも先に登録したSNSである。その当時は面白がって、日記を書いたり、いろんなコミュニティを覗いたりしていた。
田中氏の「僕が六本木に会社をつくるまで」も勢いで読んだ記憶がある。
SNSの走りはGREEだったはずだが、その後、mixiに押されて静かになったと思いきや、無料ゲームで息を吹き返し、今や時価総額で200番目の日本を代表する企業となった。
その田中氏の講演をTVセミナーで拝聴したわけだが、内容は痛快そのものだった。33歳という若さもあるだろうが、Tシャツにジーパンで登場した姿は自然体で、楽天時代の三木谷氏との関わりや起業時の苦労を実に楽しそうに話されていた。
新卒で入社したソネットを10ヶ月で退職し、友人の誘いで入社した楽天。そこでの経験や三木谷氏から受けた影響や学びが今の田中氏を創り上げたと言っていいだろう。
その後、起業し現在に至るわけだが、彼の仕事に対する姿勢が、今の大きな成功に結びついている。それは、徹底的に考え、徹底的にチャレンジすること。失敗を恐れず、まずは実行、そして継続。その徹底度があるからこそ、運よく成功できたのだと田中氏は語っている。
受講生からの質問にも、「運がよかったから成功しただけ。楽天もグーグルもたまたま上手くいったにすぎない」とビジネススクールの主催イベントとは思えない非論理的な回答を繰り広げてはいたが、実は論理的に考えたからこそ、導き出した答えがそこにあるようであった。
そして最も大切なのは「あきらめずに前向きにやること」だという。僕のブログのタイトルみたいで素晴らしいコメントだ。(な~んて・・・)
正直なところ、若手経営者のカリスマ性であるとか、研ぎ澄まされた感性の持ち主であるとかを感じたわけではなかった。
しかし、その熱く、一つの質問にも真剣に応える姿は、田中氏がこれまで培ってきた経験や人との関わり方を上手く表していたと思う。
テーマが「夢を形にする情熱の源泉とは~インターネットを通じて、世界をよりよくする」。
このテーマに沿い、ネット社会の行く末を拝聴しようと参加したセミナーだったが、実際は一人の経営者の考え方や行動を学ぶセミナーとなった。
自分なんて人より秀でた能力は全くないと謙虚な発言はされていたが、学生時代からMBAの書物を読み漁り、マイケル・ポーターの講演に参加する行為は、やはり尋常ではない。僕なんて、つい数年前までポーターなんて存在すら知らなかったわけだし・・・・。
田中氏いわく、これからが本当のインターネットの時代で、世の中を変える大本命だという。その中で、日本の企業として、グローバルに戦っていくことに大きな意味があるとの事。
規模の違いはあるにせよ、名大社もネットの関わる事業は遂行している。彼のネットに対しての熱い思いを、爪の垢を煎じて少しは飲んでおく必要がありそうだ。
今週は比較的時間の余裕があったことから、以前よりお世話になっていたクライアントへ挨拶回りを行った。
社長に就任したにも関わらず、まだまだ挨拶をさせて頂いてないクライアントも多く、時間を見つけてはお邪魔させていただいているのだ。
7社ほどお伺いしたのだが、そのほとんどが社長との面談であった。
右も左もわからない新米社長の自分としては、同じ社長とはいえ、経験も実績も比較にならない社長とお話しさせていただくことは、世間話をするだけでも勉強になる。
長年積み上げてきた生き方、考え方がその何気ない話でも十分に感じることができる。
お邪魔したクライアントの1社に、僕と同様、今年の6月から新たに就任されたシステム開発会社の社長がいらっしゃる。
その方とは、実に20年近いお付き合いになる。
まだ僕が入社2年目あたりで、毎日のように飛び込み営業で汗を流していたころに出会った方である。僕はもちろん平社員、その方は確か主任か係長だったかと思う。
今は会長になられた当時の社長と共に懇意にして頂いて、かなり長い期間のお付き合いだ。初めてお付き合いをさせて頂いた頃は、50名を満たない会社だったが、今は300名を超える名古屋でも有数のシステム開発会社に成長された。自分自身がどこまで貢献できたかは定かでないが、そのような企業と今もお付き合いできることは本当に喜ばしい。
ましてやその当時、担当をされていた方が社長として辣腕を振るわれている姿を拝見するのは、実に感慨深い。
お互いに現状の仕事や経営についての考え方など、情報交換をさせて頂いた。お互いに営業を長くやってきたこともあり、就任前は外出し客先への訪問が、ある意味仕事の大半を占めていた。しかし、トップとなり会社の中での業務が中心となったことで、外の出ないもどかしさを感じている。
お互い生粋の営業であることが抜けきらない体質も共通しており、苦笑したりもした。そして、社長として最も重要な仕事。それは「明確なビジョン」を示すこと。それも共通した考えであった。
大変失礼なこととは思うが、同じような時期に社長に就任し、同じような価値観で仕事を進める方が近くに存在することは、参考にさせて頂く面が多く有難い。
結局、このクライアントでは、その後、会長も交えて人材教育から政府の政策まで、幅広く話をさせてもらい、2時間半もの時間、滞在することとなった。
挨拶が大きな目的にも関わらず、それだけ長居させてもらえるのは、信用の証なのかもしれない。感謝である。
この日は、別のクライアントの社長とも多くの話をさせて頂き、人と人とのつながりの大切さを改めて痛感した一日であった。
やはり外に出ないといけない。外に出て、人と話をしないといけない。そこで、お互いの想いを語らないといけない。
これからも、機会を見つけて、いろんな方と話をしていきたい。
11月23日に行われる名古屋シティマラソン。昨年から名大社の若手社員を半ば強制的に参加させるようにしている。
昨年は、全員で10キロを走ろうと全体の飲み会で盛り上がったものの、のんびり構えていたら10キロの申し込みに間に合わないメンバーがいて、結局、4キロと10キロと分かれて走り、後悔する事になった。
その反省もあり、今年は8月下旬から若手に呼びかけて、9月1日に始まる予約開始を待つことにした。
そして、予約が始まった9月1日。僕自身は昼休み中にネットで申し込んだのだが、Web上でも順番待ちの状態。詳細情報を入力するのに、かなりの時間を待たされたのだ。
Web上の手続きで順番待ちの表示が出るのは、初めての経験。この事態に今後の予約に対して、何となく不安を感じた。
他のメンバーは仕事が週末のイベント前で、バタバタ状態であったことから、僕以外のメンバーは、まだ予約する余裕はない模様。余裕があった者も、まだまだ大丈夫と甘く見ていた。
しまった!
何と驚くべきことに予約受付後、3日目の夕方にハーフも10キロも締め切られてしまったのだ。もっと注意して呼びかけるべきだった。
対応が遅いと言われればそれまでだが、締め切られるのが早すぎる。
それだけマラソンブームが浸透しているのか、今年ラストになる名古屋シティマラソンへの記念参加かが多いかはわからないが、そのあっけない結末にかなり驚かされた。
結果的に名大社内で申し込んだのは僕のみ。社員を叱咤するも、事態が変わるわけでもなく・・・。とても残念な結果に終わった。
後の祭りでしかないが、こんなことならハーフに申し込めばよかった。マラソン慣れしていないメンバーに合わせて10キロにエントリーしたが、誰もいないのでは、全く意味を成さない。トホホ状態・・・。
毎年名古屋シティに参加するマラソン仲間は、みんなハーフに申し込んでいるので、な~んか一人取り残された状態になってしまった。ブツブツ・・・。
いかん、いかん、なんだか愚痴っぽいブログになってしまいそうなので、ここは気分を変えて・・・。
せっかく若手メンバーも走るつもりになってきたのだから、別の大会で全員が10キロを目指すことにしようと思う。
そして、来年は名古屋国際女子マラソンと統合するスケールの大きい東海随一のマラソン大会にみんなで出場することにしよう。
まだまだ暑い日が続く毎日ではあるが、少しずつ走る距離を延ばし、秋の大会に備えよう。
どんな状態でも前向きに走っていくのだ!
確か昔はジャイアンツファンだった。
しかし、何故か最近はドラゴンズを応援している。地元愛なのか、息子の影響なのか、大きな権力への抵抗なのか、自分でもよく分からないが、いつの間にかドラゴンズを応援するようになっていた。
昨日の日曜日、息子と一緒にナゴヤドームにジャイアンツ戦の観戦に出掛けた。首位との差が0.5ゲームとなり、ナゴヤドームも否応なく盛り上がり、この日も満員御礼の表示が出ていた。
このゲームも終始、ドラゴンズがゲームを握り、ひやひやするシーンもあったものの、結果としては浅尾、岩瀬の必勝リレーで完勝。ファンにとってはたまらない一日となった。
普段、ドームに行く時は、長くても8回くらいで席を立って帰っていたが、この日は息子の要望もあり、ヒーローインタビューまで見てしまった。
ドーム自体が一体感に包まれ、テレビでは感じる事のできない、いい雰囲気を味わう事ができた。
土曜日は、45歳の山本昌が完封勝利。同世代のオジサンたちに勇気を与えていた。
僕もその一人になるのだが・・・。
ドラゴンズが盛り上がると名古屋も活気づく。我らグランパスも調子がいいが、その与えるインパクトはドラゴンズとは比較にならない。
日常会話の話題も提供し、笑顔も増える。地元チームが強いことはうれしいことだ。
それが理由ではないが、ドームでもたらふくビールを飲み、いい気持ちになってしまった。
燃えよ!ドラゴンズ。残りの試合を期待している。
9月3・4日は2011年卒学生を対象とした最後の企業展。今回も2日間で1200名ほどの学生に参加頂いた。
例年、9月の企業展はファイナルセミナーと銘打って告知を行うので、学生に対して危機感を煽るのか(申し訳ないです・・・)、後半時期にも関わらず多くの学生が参加する。
この2日間も予想以上の来場者があり、主催者として喜ばしい気持ちがある一方で、複雑な気持ちにもなる。参加人数が多いということは、それだけ就職活動が上手くいっていない学生が多い証にもなってしまうからだ。
この季節になると、気の早い3年生の参加も出始めるが、大半は4年生の参加。公務員試験や教員試験が終了し、そちらを目指していたが残念な結果に終わり、今から民間へシフトする学生も多い。そんな学生は、この時期でも就職活動初心者にあたる。合同説明会の利用も初めてだったりするので、新鮮である。
全く業種や職種の志望もないまま、参加企業に向かうケースも多い。
通常で考えれば、それはあまり良くない活動方法なのかもしれないが、偶然の出会いが運命的な出会いとなる場合も意外と多く存在し、あまり否定的な見方もできない。
企業と学生のお互いが納得すれば、それでいいのかもしれない。試験を受ける企業数が多ければ多いほど、もちろん選択肢も広がるし、視野も広がるだろうが、本人にとってそれが本当にいいかは何とも言えない。
今回の参加学生でも30社受けたが1社も通らないという学生が相談コーナーに訪れていた。
きっとどんな企業にもヤリガイは存在する。しかし、そのヤリガイは実際に働いてみないとわからないのが事実。
偶然の積み重ねにより、就職先を選ぶこともある。企業展会場でも、人事担当者の話し方であったり、ブースの演出であったり、社長の情熱であったり、本来の仕事内容とは全く異なる魅力で企業を判断することも多い。
そう思うと、我々はその偶然の出会いの素晴らしさを「雇用機会の創造」というカッコつけた言葉を使いながら、提供し続けなければならない。
来春卒業者向けの企業展は今回がラストとなるが、名大社では10月の名古屋市主催の合同説明会でも、11月の転職フェアでもサポートしていく。就職サイトでも同様である。
現実の厳しい環境では、就職活動を長期化させる学生は多い。
まだまだ就職活動は続くだろうが、これからも偶然の出会いを提供してきたい。
会社では今週からインターンシップの学生を2名受け入れている。共に地元の懇意にしている大学の3年生だ。
毎年、この時期には必ず学生が名大社にインターンシップを申し込んでくるが、理由は明確。これから就職活動に役立つであろうと考えるからだ。
本日も実施研修として、企業展の会場で受付回りを中心にスタッフとして働いてもらった。自分より一つ上の先輩が就職活動を継続させている姿をじかに見ることは、どんな言葉で就職戦線を語るよりも与える影響は大きいだろう。予想以上に4年生の学生が会場を動き回っている姿に驚きを感じているようだ。
また、本日、企業展会場には、新聞社のインターンシップ学生が取材に訪れた。今の女子学生の就職状況と将来の結婚観をリサーチし、学生目線で新聞記事にまとめ、掲載するためにである。
その学生も大学3年生。この日のインタビューでも、これから自分が行う就職活動と照らし合わせていたようだ。そのインターンシップ学生も先輩学生の多さに就職戦線の厳しさを感じ、不安に陥っていたようだ。
昨日はお付き合いのある教育研修会社の担当がインターンシップ学生を営業同行させていた。それも大学3年生。その席では就職活動に対してのいくつかの質問に対し、回答する形になった。
時期的には就職にとまどいを感じながらも、何らかの形で前に進まないといけないという自分への危機感が行動へ導く頃だとも思う。
一気に何人かのインターンシップ学生と接して感じたこと。
どの学生も真面目で勉強熱心。単位取得の目的もあるだろうが、自らの意志でこの暑さの続くこの時期にスーツを着て動き回っている。その真剣な姿を見ているだけでも応援したくなるし、いいアドバイスもしたいという気持ちにもなってくる。しかし、そこは最低限にとどめておく。
多くの社会人と接して会話し、その仕事振りを見て、肌で感じて欲しいと思うからだ。
この経験が就職活動の大きなアドバンテージになるわけではないが、決して無駄な経験にはならない。世の中にはどんな仕事があって、どんな気持ちで働いているのかをリアルに感じることは、そうそうにできる経験ではない。
ほとんどの大学ではまだ夏休みで、その休みを謳歌している学生も多いだろう。
その中で、回りはクールビズの軽装だというのに、着慣れないスーツを着て、汗だく状態で仕事をこなす。素晴らしい経験だ。
名大社でのインターンシップ学生の受け入れは来週いっぱい。
彼らに仕事の面白さや厳しさ、辛さ、ヤリガイを掴んでもらいながら、僕らも彼らから多くのことを吸収したい。
インターンシップを楽しもう!
つい先日まで、日本経済新聞のコラム「私の履歴書」は、元プロ野球監督の広岡達朗氏が執筆されていた。ご本人には失礼かもしれないが、大変面白く読ませていただいた。
TVのコメントあたりで拝見すると、とても堅そうで全てを論理的に物事を進めるタイプではないかというように勝手にイメージしていた。確かにそんな面がないわけではないだろう。
しかし、このコラムでは、それよりも自分の信念を貫き、多くの人とぶつかり、喧嘩別れする姿が多く見られた。
そこにはある意味、人としての潔さも感じた。自分の考えをズバズバとストレートに言い、ここまで同じチームであったり、フロントであったり、オーナーとぶつかる人も少ないのではないか。
全くめげないわけではないだろいうが、それを意に介さないような文章は逆に好感が持て、無責任に面白いという表現になったのだ。
選手として活躍した巨人も、監督として貢献したヤクルトや西武でも、確執が生まれ、結果的に更迭に近い辞任で終わっているケースが多い。
それは、一定の成績を残せなかったという結果よりも、長いものに一切巻かれない、どんな上司だろうが遠慮せず、意見するというその態度が気に入らず、袂を分かつ事がほとんどのようだ。
それでも、オファーが届き、次のステップへとチャレンジできる環境があるのは、何よりも実績に裏打ちされた期待感が、オーナーや球団には強いということだ。最終的には同じような結末をたどるのだが・・・。
それだけプロ野球のオーナーや経営者は同じタイプが多いといえるのかもしれない。
広岡氏の履歴書は、プロ野球球団のヒエラルキーがあからさまにされているようで、大変面白く読ませていただいた。
31日放送の「ガイアの夜明け」は”ゆとり世代”の働き方を取り上げた特集だった。
最近は就職戦線でも、”ゆとり世代”は一つのキーワードになっていて、この番組に描かれていたのと同様、その世代は採用側にとって、あまりいい捉え方をされていない。
優秀な学生は数少ないと思われ、いかにゆとり世代を感じさせない学生を採用するかが企業のカギともなっている。
今回の番組も、どちらかと言えばネガティブな表現として使われていた。しかし、この番組だけを捉えていえば、人は環境で変わるという事だろう。逆を言えば、変わる環境の中に強引でも持ち込まなければ、人は変わらないということだ。(当たり前か・・・。)
今回は、秋山木工という丁稚経験を4年間積み重ねることを条件とし、丸坊主、恋愛禁止、携帯電話禁止と今の若者文化を全否定するような事を必須としている会社が取り上げられていた。
今時の企業としては考えられない体制で仕事をしているわけだが、そこに先輩として登場した丸坊主も経験済みの入社5年目の女性は、素晴らしい表情をしていた。
その表情から、何も語らなくともイキイキと仕事をする姿が想像できた。厳しい環境の中で鍛えられ、苦労しながらも成長したことをその笑顔から思い知る事ができたのだ。
その秋山木工の秋山社長は、「仕事において悩み抜かないといけない。そうしないとしないと人間性は磨かれない」(きっとそんなような言葉)と語っていた。
予想以上に厳しい職場だったので、その会社に少し疑問を持ちかけていたが、その秋山社長の言葉には納得させられ、素直に共感した。そして、人を育てるというのは生半可な事ではないと改めて反省させられた。
”ゆとり世代”の代表としてこの番組に登場した数名の若手が、今後、どんな人生を歩んでいくかなんて全く分からない。しかし、この番組で取材された仕事ぶりを見ると、純粋に将来は楽しみになる。
今から5年後の彼らの姿を見ることで、”ゆとり世代”の評価も変わってくるのではないか。もし、この番組が続くようであれば、是非、そんな番組作りをしてもらいたい。
また、我々の役割として、”ゆとり世代”を嘆くばかりでなく、しっかりと育て上げなければならない。この番組を見て、そう感じた。