高橋俊介氏の著書はこれまで何冊か読んできたし、講演も伺ったことはある。キャリアに対しての基本的な考え方は変わらないのだろうが、働き方の多様化や求められる人物像の変化に伴い、微妙にメッセージも変わってきているような気がする。あくまでも主観で・・・。
本書では、序章で
「職業経験もない状態で、自分のやりたいことなどわかるはずがありません。それに、キャリアというのは目標を定め、そこから逆算して最短距離を行こうと思っても、決してうまくいくものではないのです。」
とバッサリ。
また、文中にも
「日本国憲法に、国民の三大義務のひとつとして定められていることからもわかるように、勤労というのはその能力を持ったすべての成人に課せられた社会的な役割であり、責任なのです。
だからまず、その役割と責任を果たすのが先であって、自分がやりたいとかやりたくないとかを優先させるというのは、大いなる勘違いと言わざるを得ません。」
と厳しい言葉も。
就職活動を始める学生に啓蒙する「やりたい仕事を見つけること」を完全否定していると言える。
僕もやりたい仕事なんて幻想に過ぎないと思っていることもあり、高橋氏の言葉には共感する。
それは自らの半生を語っても言えることだ。自分が就職する段階で、今の主たる業務である採用支援事業をやりたいなんて、これぽっちも思っていなかった。
日々の経験とその中で学んだことが背景にあり、その積み重ねにより今の立場で仕事をしているだけだ。偶然に導かれ、運が良かっただけとも言える。
しかし、ただ風に流されるまま適当に仕事してきたわけではなく、時代に適応しながら、目の前のことに真摯に取り組んできた結果はあるのだろうけど・・・。
自分ではまだプロフェッショナルとは言い切れないと思っているが、歩んできた過程だけを捉えれば認めてもいいのかもしれない。プロフェッショナルとは所詮そんなもんだと・・・。
プロフェッショナルという言葉は、いかにもハードルが高く厳しいことと捉えがちだが、決してそうではないと教えてくれるのも本書。どう行動をすべきか、今、何をしなければならないのかを考えてもらうことに主眼を置いている。ヒントはあるが、明確な回答はない。それで十分。
僕としては、大学生あたりの読んでもらいたいが、却って悩んでしまうかもしれない。背骨を作ることが重要だと言っても・・・。
しかし、背骨があるとないとでは随分、人生は変わるのだろう。
ロンドンオリンピックの男子マラソンも終了。
いやあ~、アフリカ勢は速いですね。やっぱり全く参考になりません。アフリカ勢が台頭する中、6位入賞の中本選手は大したもの。自分のペースを守り続ける走りには拍手。
(時事通信社)
ぎふ清流マラソンを一緒に走った(くどい)藤原選手は終盤遅れてしまったが、途中まではレースを盛り上げてくれた。
こうやってレースを振り返るとマラソンは実に難しい競技。
実力があるから必ず勝てるというわけでなく、ちょっとしたペース配分の狂いで、順位に相当の差がついてしまう。誰とどう闘うかと同時に自分とどう向きあうかも考えねばならない。実力ある選手がバタバタと棄権する姿を見ると体力や精神力だけではない別の何かを持たないと勝てない競技なんだと思う。
そんな中、先週も何とか4回のランニング。
仕事、飲み会、オリンピック観戦の合間を縫って走るのは、結構しんどいが、このような一つ一つの積み重ねが後に活きてくると信じたい。
6日(月) 27分52秒
7日(火) 29分10秒
10日(金) 28分44秒
12日(日) 59分32秒
距離で言えば26キロ。同じコースを走ってもばらつきがあるのは、珍しく仕事を終えて帰宅後に走ったせいもあるだろう。
昨日はLSDで15キロほど走るつもりだったが、10キロ強で断念。この暑さでのLSDは難しいかも・・・。
オリンピックを見て改めて理解した事だが、自分のペースをキープすることがやはり重要のようだ。焦りからスピードを上げてしまったり、周りの走りに影響されることは当然のようにつきまとう。それをどう取っ払って走るかが、フルマラソン完走のカギになりそうだ。
まずは今の走りをキープしながら、9月に入ったらLSDだ。
マラソンを始めて少し経った頃、この時計を購入した。
確か今から4年ほど前。アテネ五輪金メダリストの野口みずき選手が愛用していたという理由だけで購入したセイコーのSUPER RUNNERS。
きっと本日のオリンピック男子マラソンでも、腕にはめている選手はいるだろう。とても軽く走っていても気にならないというふれこみがあったかどうかは定かでないが、確かに軽い。
その時計の調子が2か月ほど前から悪くなり、ストップウォッチやラップが機能しないことが度々。この4年間一度も電池交換をしたことがなかったので、それが理由かと時計屋さんに持ち込むが、どうやら接触がよくないとのこと。
「世界のSEIKO製ですよね?」と店主に伺うが、「中国で作られてますから・・・」とあさっり。
その後もだましだまし使用していたが、全く反応しない時もあり、遂に買い替えのタイミングと判断した。
僕のランナー仲間でもスマホでアプリをダウンロードし、それを時計代わりに使う者もいるが、今のところ、そのつもりはない。走る時は何も持たないのだ。
現在、連載されている日経「私の履歴書」の君原健二氏ではないが、走る時はできるだけ軽いほうがいい。携帯も小銭も持たない。
時々、途中で倒れたらどうなるのかなと心配になることもあるが、きっと親切な人がいるだろうと前向きに思うくらいで何かを持つつもりがない。だから、スマホのアプリも予定がないのだ。
次にどんな時計にするかまだ決めていないが、多機能であっても、結局、使うのはストップウォッチとラップくらい。カロリーの消費量や心拍数計測だとかは最初は興味本位で試したとしても、すぐ飽きてしまうと思うし・・・。
使い慣れたSUPER RUNNERSにするかもしれないし、外観重視でオシャレな時計にするかもしれない。
新しい時計が手元に届くまで、しばらくは付き合ってもらうが、この4年間、大変お世話になりました。
タイムを計りながら、一喜一憂していた。練習には欠かせない存在だった。
セイコーSUPER RUNNERS、お疲れさまでした。
名大社では明日11日(土)~15日(水)まで夏季休暇に入り全ての業務がお休み。
「えっ、少な!」と思う方もみえるかもしれないが、決してそんなことはない。会社としての休みはこの5日間なのだが、社員はそれとは別に7月~9月までに2日間の休暇が与えられている。このお盆の期間に16・17日も休みにしてしまえば、最大9連休と大手メーカー並みの連続休暇にもなるのだ。
本来、会社のルールは4日間の夏季休暇。土日を合わせても最大6連休になるのがこれまでだったが、今年は1日プラスとなった。
休暇を増やすという社員にとって嬉しく優しいサービスではなく、やむを得ずそうしたのが正直なところ。
ここ最近の主催イベントが土曜に行われることが圧倒的に多いため、振替日の設定に苦労した結果だ。だから、社員にとっては嬉しくも優しくもなく、当然の権利でしかない。誰も喜んでくれないのが現実・・・。
さて、個人的にどんな休みにするか。
例年であれば、数少ない家族サービスをこの夏季休暇で補い償うのだが、今年はそれもなし。
受験生の娘がなんと二泊三日で塾の合宿に出掛ける。避暑地 志賀高原で猛勉強をするらしいのだ。今どきの受験生は大変だ。揃いのTシャツまで購入したようだ。お揃いのTシャツが成績アップの効果になるかは疑問だが、モチベーションは上がるのだろう。きっと・・・。
そんな理由で今年は家族で旅行もなし。実家に顔を出し、野球バカの息子とナゴヤドームに行くくらいの予定しかない。あとはゴルフとランニングで体を動かし、溜まった本を読むのみ。
う~ん、休みらしくない・・・。来年こそは何年か振りに沖縄に行きたいと強く願う。来年は行くぞ!
それでもリフレッシュはできるだろう。社員も真っ黒になって、出社してくるだろう。有意義な休みを過ごしてもらい、元気な姿で会いたいものだ。
日本男子サッカーは残念ながら、メキシコに完敗。その悔しさを今夜(明朝?)のなでしこジャパンがきっと晴らしてくれるだろう。
なでしこの活躍といい、卓球女子、バレー女子といい、女性選手の活躍が目立つ。
9日朝現在の日本のメダル獲得数は合計31個。男子が17個、女子が14個と獲得数だけ見れば、男子が上回っているが、その活躍ぶりを見ると女子の方が圧倒的な存在感があり健闘しているように思えてならない。
これからの種目も先述のサッカーやバレー、レスリングと女子選手が臨む競技が多く、期待度も高い。追い込まれた状況で力を発揮するのは、女子なのだろうか・・・。
就職戦線の現場では、女子学生が男子学生より優秀とここ数年言われている。
前向きな姿勢にしても、積極的な発言内容にしても、女子学生の方が評価される場合が多い。実際、僕が学生と面接してもそれを痛感するのも事実だ。「男子よ!もっと元気を出せ」と・・・・。一部では肉食系男子は消滅したと言われているし・・・。
肉食系の最高峰でもあるオリンピック選手(表現が妥当でないかな)の中でも、女子が優勢を誇っているのは、そんな時代の証なのかもしれない。
しかし、一方で女性の管理職や経営者はまだ少ない。女性起業家やフリーで活躍されている方は増えているが、組織を束ねる人はまだ少ないように思える。経営者向けの勉強会に参加しても圧倒的に男性の割合が高い。企業文化や社会の仕組みの問題でもあるだろうが・・・。ただこれも時間の問題なのかもしれない。
うちの会社で捉えてみても、今や名大社女子が支えている場面は多い。名大社男子にはない能力を発揮し、会社に貢献している。それは明らかにいい傾向でもあり、何ら否定するものでもない。もっともっと頑張ってくれてもいいのだ。
オリンピックのことを書くつもりが、変な方向に進んでしまったが、この1週間くらいで、改めて感じてしまった。
そして、その象徴となる試合が間もなく行われる。
うれしい事に僕は今日一日夏休み。しっかり休養を取って臨むとしよう。
頼むぞ!なでしこジャパン!
同級生経営者の櫻山さんが推薦していたので手にした一冊。
知り合いがおススメしなければ、自ら読むことはなかったと思う。自分で選ぶ本はどうしても偏ってしまうので、知り合いの意見を聞き参考にしなければならない。
現に今年読んだ本の中で女性の著書は「破壊と創造の人事」(楠田祐、大島由紀子共著)があるだけで、それ以外は見事に男性の作品。なんて視野の狭い人間。気が付かなかった・・・。
著者は郵便不正事件で巻き込まれた官僚。
当然ながら僕はマスコミの報道で、その顛末を知るくらいで、検察って恐ろしいなあ~と感じていた程度。しかし、本当の恐ろしさはその当事者しかわからないこと。本書の半分近くはその検察とのやり取りが書かれている。
その壮絶な状況は、もっと深く切り込んでもよさそうではないかと思ったが、現時点で書けることは本書が限界なのかもしれない。
著者の視点はあくまでも女性で、今後キャリアを積み重ねたい方にエールを送っている。そのため作品の半分は著者の仕事の半生が著されており、事件にだけ関心がある人にとっては物足りないのかもしれない。だが、仕事の半生があったからこそ、事件を乗り越えられてきた強靭な精神力を感じさせ納得させられる。
人は仕事を通じて、もっともっと苦労しなければいけないのだ。
巻末資料には著者が勾留生活164日間で読んだ149冊の書籍が紹介されている。ほぼ一日一冊。佐々木譲から塩野七生、稲盛和夫まで・・・。幅広い見識が窺える。
沢木耕太郎は「危機の宰相」。そういえば、この作品読んでいないな・・・。
昨日はオリンピック女子フルマラソン。
日本人選手は残念な結果に終わったが、最後まで諦めない懸命な姿勢は十分伝わった。
優勝したゲラナ選手のタイムは2時間23分07秒のオリンピック新記録。レース終了後も余裕の表情で国旗を背負い走り回っていた。
悪天候の中でロンドンの狭い都心部を走り、きっと非常に難しいレース展開だと思うが、いとも簡単そうに見えてしまう。流石としか言いようがない。凄い!。
フルマラソンに向けての参考にしようかと観戦していたが、そのスピードに感心するばかりで、全く参考にはならなかった。
僕のフル初挑戦は、せめてゲラナ選手の2倍のタイム、すなわち4時間46分で走りたいが、どうだろうか。目標タイムとして設定しよう。かなりハードル高いかな・・・・。
先週は何とか週4回のランニングは死守。せめてこれを継続せねばと思うが、オリンピックもまだ続き、早起きできるかが不安。
30日(月) 28分22秒
31日(火) 28分15秒
2日(木) 28分12秒
5日(日) 51分23秒
距離として25キロ程度。この暑さの中で今以上ペースを上げるのは難しい。週末はもう少し距離を伸ばしたいが、この暑さで挫けてしまう。
12日は男子マラソンが行われる。ぎふ清流マラソンを一緒に走った藤原新選手には、是非頑張ってもらいたい。
(ただ同じコースを走っただけですが・・・)
今度こそ参考にするぞ!
昨日の障がい者向けイベントは無事終了。
猛暑の中、100名近い方に参加頂いた。
熱心に企業の方の話に耳を傾けられる姿は、人事担当者にも伝わっているかと思う。概ね参加頂いた企業の方のも満足頂けたようだ。
そして、日々盛り上がっていくオリンピック。
サッカーは男子も女子もベスト4進出でメダルの期待が高まる。昨日の男子の試合も素晴らしかった。
グランパスの永井は、今回の活躍で海外のチームからオファーを受け移籍するんじゃないかと心配になるくらい。闘莉王がFWで活躍しても、今のグランパスに必要だ。もうちょっと頑張ってくれ!
そんな話はさておき、今朝、放映された日本の競泳陣の活躍にも感動した。
女子リレー銅メダル。男子リレー銀メダル。チーム力の高さを証明したメダル。もし、TBSの朝の時間帯に張本氏が出演していたら、「あっぱれ」のオンパレードだったことだろう。
ビジュアル系スイマー寺川綾や体育会系健康女子鈴木聡美の、泳ぎもコメントも本当に良かった。
入江陵介の「27人が一つのリレーをしている」と言う言葉は日本競泳陣のチームワークの良さを証明していた。そして、「康介さんを手ぶらで帰らせるわけにはいかない」と言う松田丈志の言葉は選手同志の一体感の象徴だった。
ハードなトレーニングを重ねて多くの選手がメダルを獲得したのは事実だが、それを後押ししているのが競泳陣全体のチーム力であると痛感させられた。
これも他者を思う、仲間を尊重する日本人らしさではないだろうか。
もう一方で日本らしいと感じたのが柔道。
素人の僕が映像だけを見て言うのは間違っているかもしれないが、今回の柔道を見て感じたのだ。
選手は必要以上にコーチ・監督、そして柔道界そのものに縛られすぎているのではないかと。意識がそこばかりに向かい、大きなプレッシャーとなって選手にのしかかる。コーチ陣も錚々たる成績を残してきた方ばかりなので、絶対的な存在。そんなタテ社会を重視するのも日本人らしい。
水泳も柔道もあくまでも個人競技だが、その日本人らしさの向かい方の違いによって、今回の成績に表れているのではと思ってしまった。
(あくまでも素人感覚。そんな単純ではないと思うので、関係者の方はお許しを・・・)
喜ぶ選手、悔しがる選手、一人一人の背景にはすさまじい努力がある。たかだか10キロ走って、ヒーヒー言ってる自分が情けなくなる。それを感じさせてくれるのもオリンピック。
ベスト4に進んだサッカーも含め、楽しみはしばらく続きそうだ。これからも選手の一挙手一投足から、いろんなことを感じたいと思う。
予備知識を全く持たず観た映画。もちろん原作も読んでいない。かえってその方が良かったのではないだろうかと映画を観終わった後の気怠い気持ちがそう思わせた。
森山未來が扮する主役 北町貫多は昭和42年生まれの19才の設定。僕は41年生まれなので、ちょうど大学時代を過ごした時期にあたる。
まさにその時代を写した映画であり、自分の青春時代とオーバーラップする。その当時を記憶しているせいもあり、時代考証の素晴らしさに感動する。
山下監督の前作「マイバックページ」の描き方も素晴らしかったが、本作はよりリアルに感じることができる。
NCAAの缶ジュースやもみあげを斜めに切るテクノカット、ストーンウォッシュのジーンズなど80年代の香りがプンプンし、流行が忠実に映し出される。それだけで唸ってしまう。
ヒロイン役の前田敦子も普段感じることのない昭和チックな姿も魅力的だった。
肝心な映画はどうだったか・・・。
ある者にとっては大いに共感するだろうし、別の者には全くつまらない映画と真っ二つに評価が分かれるのではないか。僕自身は世代的共感もあり、あのモヤモヤ感はすごく理解できた。
しかし、ちゃんとした大人が見ると情けない人物でしかないだろう。それは自分達の親の世代であり、もしかしたら現代の若者も同様な受け止め方をするのかもしれない。全く参考にならない批評だな・・・。
主役の森本未來のファンではないが、彼の作品を「ALWAYS三丁目の夕日64」「モテキ」と立て続けに見た事となる。上手い!。全く異なる役柄を期待したい。
それにしても映画の中では、ずっとタバコを吸っている。あんなにみんな吸っていたかな・・・。
極端な言い方をすれば、僕もこんな感じで経営を任されたに近い。(実際は、そんな簡単ではないが・・・。)経営者としての薫陶をしっかりと受けたわけでもない。
しかし、本書に書かれている「経営の20の課題」については概ね正しい方向で答えられた。それは少なからず2年間社長として、多くの事象で決断を迫られ、考えてきた結果に過ぎない。3年前にこの本書を読んでいたら、どこまで比較的正しい解を導けたかどうかは何とも言えない。
この書籍はジュンク堂に立ち寄り、ビジネス書コーナーでぶらぶらと書棚を眺めながら偶然手にしたもの。著者も知らなかったし、「インバスケット・トレーニング」という手法も全く知識がなかった。
ゲーム感覚で経営思考を身に付ける本書の流れは中々面白い。休日にガッツリ仕事の事は考えたくないけど、少しは勉強したいという気分の時にピッタリだ。数時間でインバスケット体験も終了することができる。休日にそんなことをしている時点でワーカーホリックかな・・・。
実際に経営を任されている者やMBAホルダーには物足りないかもしれないが、20~30代の将来経営層を目指す方には楽しく学べる一冊だ。より深く考える必要はあると思うが。
そして「社長なんて、いつもボーッとしていて脳天気。お気楽だなあー」と思っているうちの社員にも読んでもらいたい。
少しは僕の苦労がわかるはずだ・・・(笑)。