これからも前向きに 名大社会長ブログ

2022年05月の記事一覧:

名大社半生を振り返る その22

社長になるまでの一年間は以前にもブログに書いているので、かなり端折った。
2009年12月(対外的には2010年5月)に僕は社長に就任した。
副社長の期間は1ヶ月ちょっと。
経営者の準備をほとんどしないまま僕は社長になった。
そんな経験があったので、今度の高井との代表交代はかなり時間を設けたつもり。

右も左も分からないトップ。
それでも前に進むしか道はなかった。
2010年の正月はこれまでの正月とは一変。
会社のこれからばかりを考えていた。

まず行ったのはオフィスの移転。
2010年3月、設立以来ずっとオフィスを構えていた栄、中日ビルから丸の内へ移った。
家賃は1/3。
赤字が続く中、固定費をできるだけ下げなければならない。

都落ち感は拭えないが、新築のオフィスビル。
それも最上階。
メンバーのモチベーションはむしろ上がった。

オフィス移転を機にブログもスタート。
自分の想いを自ら発信しようと試みた。
最初はfc2のブログ機能を使った。
継続することを目的としていくつかのルールも設けた。
せっかくなので第1回目のブログをアップ。
「事務所移転。そして、ブログスタート!」

気がつけばこのブログも12年2か月。
書いた本数は2,900本強。
文字にしてざっと2,465,000文字。
いやあ~、結構、頑張ったね(笑)。

事業は大きくは変えられない。
リーマンショックの影響は大きく、事業を成長させるには時間が掛かる。
まずは組織の安定化。
これは体制が変わり、残るべくして残ったメンバーばかり。
一体感は増した。

そして、僕は積極的に外に出た。
可能な限り人に会いに行った。
以前、このシリーズで登場した怪しい名簿屋さんがちゃんとした企業に変わっていたので、
各地域の同業他社と接点を持つことができた。

社外取締役を務める株式会社パフともこの時に出会った。
(毎日やり取りする釘崎会長ね・・・)。
今、会長を任されるFネット(ふるさと就職応援ネットワーク)も2010年5月に加盟。

新卒ナビのサーバーがダウンしたり、朝日新聞から代理店契約解除の打診があったり、
大変なことは続いたが、深刻になることはなかった。
元来、楽天的な性格かもしれない。
なんとかなるだろうと思っていた。

苦労はあったが、結果的になんかとなった。
その年に立ち上げた障がい者採用向けのイベントは5年で撤退したが、
各媒体社の信頼回復には大きく貢献してくれた。

新たな試みを行った。
思い切って新卒ナビの標準プランをFREE(無料化)したり、
パートナーと一緒に内定塾を開講したり・・・。
流行りに乗った感はあるが、チャレンジすることに抵抗はなかった。

経営者が集まる団体にも自ら参加した。
こういう団体は誘われてやむを得ず入会するパターンが多いが、自ら出向いた。
ロータリークラブ(前社長から勧められたこともあるが)、
出身大学の経営者の会、ユニー創業者の経営塾、商工会議所系経営塾など、
社長就任後2~3年は時間を許す限り関係性を作った。

訳が分からず入ったものの、10年経つと会長、副会長、
副事務局長、幹事、委員長など任されるようになった。
幸か不幸か、あちこちから責任が舞い込んできた。
しかし、それは僕には大きな財産。

こうした活動を通し人間関係が広がり、雲の上のような存在と対等に話して頂ける場もできた。
続く・・・。

映画「死刑にいたる病」

本作のキーワードは「死刑」でもなく「病」でもなく「いたる」。
そんなふうに僕は感じた。

この映画がもたらそうとしたものは何なのか。
映画を観ながらも、映画を観終わっても、僕は回答できない。
映画に登場する人物同様、阿部サダヲに振り回されただけだ。
一体、どうしたいのか・・・。
それがまさに「いたる」だと思う。

僕はこれまでの白石作品をイメージさせながら観ていたが、明らかにジャンルは異なる。
目を覆いたくなるようなハードなシーンは彼の特徴でもあると思うが、
人物の描き方はこれまで以上に深刻というか異次元の世界。

今、僕の中で白石監督は日本映画で最も注目している監督。
かなりの作品を観ている。
明るく幸せな映画は皆無で、人の闇へ誘う作品が多い。

ちょっと病んだ人間が更に病み、傷ついた人間が更に傷つき、
どうしようもなく堕ちていくケースが多い。
その中でかすかな希望が見え隠れしたり・・・。

そんな作品ばかり。
映画を観てハッピーになりたい人は避けた方がいい監督の一人。
僕はどちらかといえば、そちら側に人間だが、
不思議と白石監督には惹かれ、本作も公開2日目に観てしまった。

どうやら闇に共感する一面が体内に潜んでいるのかも・・・。
しかし、そこを超えてしまったのが本作。
人として全うな面は見事にかき消されてしまった。

それは悪人が救いようのない極悪非道の悪人ということではない。
人を魅了し、なぜか好意を抱かせてしまう魅力を持つ悪人。
それも完璧に相手をコントロールし、
ギリギリになるまでそれが分かることはない。
分からないまま過ごしてしまう人物も多い。
それは獄中であっても、これまでの生活圏でも・・・。

死刑囚榛村大を演じる阿部サダヲはその役柄を完璧にこなす。
死んだような目つき、善人の塊のような笑顔など恐ろしいくらい。
彼が見事に演じることで極上のサイコパス作品が出来上がるのだろう。

それに付き合うのは心も体も疲れてしまう。
かなり観る者を選ぶ映画になるんじゃないかな。

これから白石監督はどこへ向かっていくのだろう。
益々、目が離せなくなってしまった。
きっとオファーは尽きないだろうから、今後も注目したい。

未鑑賞の「彼女がその名を知らない鳥たち」をまず観ないと。
そうか、これも阿部サダヲ。
この2人が組むとかなりヤバいかもね。

映画「カモン カモン」

映画を観ながら、ずっと思っていた。
僕は父親として子供のことを理解していたのかと。
子供の素直な気持ちを聞いたり、受け止めたりしていたのかと。

そもそも子育ても嫁さん任せで大したことはやってこなかった。
自分の価値観は押し付けたかもしれないが、
子供の価値観を理解していたのだろうか。
つくづく父親としては何もできていないな、
そんなことを映画を観ながらも、終わってからも感じていた。

本作は父親と息子の関係を描いた映画ではない。
ホアキン・フェニックスが演じるジョニーが
甥っ子であるジェシーを数日間、面倒をみて共同生活するというストーリー。
特に波乱に満ちた場面があるわけでもなく、
衝撃的な展開が待っているわけでもない。

移動を伴う仕事をするジョニーがアメリカの街を転々としながら、
ジェシーと関係性を築いていくだけの話。
ただそれが簡単でない。

当たり前だ。
9歳のジェシーは小さな子供。
親と離れた生活をそれほど深い関係でない伯父さんとするわけだから、
子供ながらの自分勝手な行動や感情が溢れ出る。
好奇心旺盛で聞き分けがいい時はいいが、そうでない時は面倒でしかない。

正論をかざしたとことで理解できる能力はまだ備わっていない。
その割にはませていて、一人前のことを喋ったりもする。
大人に対しての一定の理解を示す。
お互いの会話は本質を突き哲学的。
ハッとさせられ、冒頭に書いたように自分自身の未熟さを痛感する。

ジョニーの仕事はラジオインタビュアーなので、多くの人を取材する。
その大半が10代の子供。
置かれている環境は異なり、人種も含め多様。
その中で自分自身を表現している。
どの子供も真っ当な話をする。
子供らしさを感じれば、大人への不信感、将来への期待や不安も表現する。

それがジェシーの言動とシンクロし、観る者に余計な考えを生ませることになる。
まんまと僕は乗っちゃったわけね・・・。
うむ、辛い。

優しくするだけでもダメ、厳しくするだけでもダメ、
どう真剣に向き合うことができるか。
それは海外であろうと国内であろうと同じ。
万国共通で子供は子供で自分を認めて欲しい、愛して欲しいと思っている。

今頃、気づくようでは失格。
なんだかダメージを受けた映画になってしまった。

ホアキン・フェニックスはご存知ジョーカー。
本作では腹の出たオッサン。
同じ人物には思えない。

そして9歳のジェシー役のウッディ・ノーマン。
いやいや、天才子役だね。
とても演技しているとは思えない。

映画の中で時折話される、カモン、カモン。
そんな意味なんだ。
しかと受け止めねば・・・。

20年前に上映して欲しかった。
うむ。

13歳からの地政学

最近、「地政学」という言葉をよく耳にする。
特にロシアがウクライナ侵攻を始めてからは多くなった気がする。
僕が学生時代、ボーっとしていたせいかもあるが、
昔はそんなに耳にしなかったような気がする。
違うだろうか・・・。

書店にもその類の書籍が並ぶ。
佐藤優氏の著書か迷ったが、もっと手前から学ぼうと手にしたのが本書。
帯には真山仁氏が
「大人にこそ読ませたい未来を生き抜く必読書」
と勧めているし・・・。

文字通り13歳からの地政学なので、とても分かり易い。
高校生と中学生の兄妹がカイゾクと呼ばれる
アンティークショップの店主から7日間、地政学を学ぶ。

その学びの中で登場するのが地球儀。
地球儀のある国や地域を指しながら、周辺諸国との関係性を解説していく。

海を支配する国が強い国になること、
陸続きの国の難しさや少数民族を抱える国の悩み、
アフリカは何故豊かにならないのか、
地形で運不運が決まってしまうこと等々。

世界で起きている事実は知っているようで、実は何も知らない。
僕は表面をなぞっていたに過ぎない。
100年前の地球儀を見ると朝鮮半島は日本になっているし、
国の数が今より100以上少ない。

アフリカの国々の境界線が直線で引いてあることに
何の疑問を持たなかったのを恥ずかしく思う。
そこにも大きな理由があるのだ。

本書を読みながら、改めて自宅の地球儀をまざまざと眺めてみた。
普段はインテリアとして存在するだけで、埃も被っていた。

この地球儀、どうしたんだっけ?
ユーラシア大陸を見ると比較的新しいことが分かる。
選べるギフトでもらったのか・・・。

改めてロシア、ウクライナ、ポーランド、ルーマニアや
その周辺諸国を眺めるだけでも、いろんなことが頭に浮かぶ。
昨年観た「コレクティブ 国家の嘘」はルーマニアの映画。

その時は思わなかったが、こうして場所を確認するとその国の姿勢が腑に落ちる。
政治色も表れるわけね・・・。

地球儀の裏側も見てみた。今までひっくり返して見たことはない。
南極大陸って、こんなにデカいんだ・・・。
南極って、誰のもの?
こんなことも考えたことはなかった。
頭の中は13歳レベルってことか。

これを機会にもっと地政学を学ぶとしよう。
次回は佐藤優氏かな。
自分なりの考えを述べれるようにならないとね。

食べ物のはなし 伏見シリーズ その217

ゴールデンウイークは散在しました。
どこも出掛けていないのに散財とはどういうことでしょう。
密かに家族想いの行動をしたと予測されます。

真相はともかく、しばらくランチは節約しなければなりません。
伏見にもリーズナブルのチェーン店が金欠のサラリーマンの胃袋を満たしています。
いつもは横目に見ながら人気食べ物ブロガーの道を歩みますが、
たまには混じるのも許されるでしょう。

向かったのは伏見通りを北に向かった場所にあるあるお店。
「吉野家伏見通錦店」さんに行ってきました。

最近、ちょっと話題を提供した企業。
ひとつの発言がSNSで広がり、企業価値を大いに落とすことになりました。
迂闊な発言は誰しもありますが、決して許されることではありません。
人前で話すことの多い人気食べ物ブロガーですので、
ここはあえて自分事と捉えます。
そんな姿勢は大切ですね。

また、新卒採用の現場でも評判を落としました。
それが引き金に客離れが起きる時代。
気をつけなければなりません。

本来なら力を入れた商品をうまくPRしたかったのでしょう。
店内にポスターも飾られています。

企業価値を上げるにはいい商品、いいサービスを提供することが求められます。
こちらは10年かけて開発を行ったといわれます。
普段は牛丼しか食べませんが、ここは応援の意味も込めて注文しましょう。

親子丼437円+キムチセット162円

単品にしようか迷いましたが、周りの目を気にする小心者の食べ物ブロガー。
写真映えを考えるとキムチが合っています。

親子丼をアップにするとこんな感じ。

とろ~りとした卵が食欲を増進させます。
そこにひょっこり顔を出す鶏肉。
絶妙なバランスで丼の中で躍動します。

卵、鶏肉、ご飯をレンゲですくい、口の中へ放りこみます。
「お~、なかなかやるじゃないか」
開発10年という言葉に説得力を感じた瞬間。
コスパはかなりのもの。
最後はキムチと一緒にかき込んでしまいました。

周りのお客さんを見ると多くの方が親子丼を注文していました。
せっかくの信頼を裏切ってはいけません。

ごちそうさまでした。

名大社半生を振り返る その21

半生もすでに20回を経過した。
ありがたいことに喜んで読んでくれる方もいて、多くの感想も頂き嬉しかったり・・・。
今の若いメンバーが半生ブログを読んだところでどう感じるかは分からない。
ただの昔の話と思うだけかもしれない。
それはそれで仕方がない。

しかし、これも主観的にみた名大社の歴史。
違う視点で見れば全く違う会社像になるかもしれない。
過去は自分の解釈で事実も大きく変わる。

現段階で働き始め19年が経過しているが、この社会人生活は客観的に見てどうなんだろうか。
一般的なサラリーマン人生なのか、波乱に満ちた人生なのか。
今思えば良くも悪くも中小企業で多くの経験をさせてもらっているが、所詮東海圏内の話。
全国を飛び回ってとか、海外と交渉を繰り返してとかは無縁。
小さな世界であるのは間違いない。
その小さな世界でしか経験できないこともあったり・・・。

やばい、今月中にこのシリーズを終えなきゃいけないが、まだ10年以上残っている。
本来なら今回含め、あと4回。
ちょっとムリかも・・・。
月曜のアップだけでは終わりそうにない。

いかん、前置きが長くなった。

2008年のリーマンショックで業績が大きく崩れていった。
それはバブル崩壊ともネットバブル崩壊とも比べようにならな過去見たこともない落ち込み。
僕は独りぼっちで営業をする日々。
会社を辞めようと思い、人材紹介会社に登録するものの、らしい会社には出会えない。

仕事へのモチベーションも上がらない僕に叱ってくれた大切なクライアントもあった。
「役員降格中の話」というブログでも書いたが、
こういった有難い方のおかげで会社に留まることができた。
以前、「山田さんは人間性だけだね」と言われたように、
僕の存在価値はそれだけだったかもしれない。

気持ちを切り替え、みるみる売上が下がっていく会社に正面から向き合うようになった。
一方で会社はギスギスした状態。
僕の代わりに役員に昇格した後輩は部下を怒鳴りつけ罵倒し、
会社としては理想の上司だった。

蚊帳の外にいた僕は冷めた目で見ながら、黙々と自分の仕事をこなしていた。
叱られもせず、褒められもしない。
「今はやるべきをやろう」
孤独ではあったが、そんな気持ちだった。
会社を見限る社員も増え退職者は続出。
会社の雰囲気はどんどん悪くなっていった。

ちょうどこの頃からマラソンを始めた。
長距離を走ることなんて好きでも何でもなかったが、
自分と向き合い、自分と戦うにはいい材料だった。

今一つ元気のない僕を誘ってくれたのはビジネススクールの仲間。
それにより自分に向き合えるようになった。

それからのことは以前のブログに書いた通り。
「社長になるまでのこと(前編)」
「社長になるまでのこと(後編)」
2007年度から2009年度までの2年で売上は15%までに減った。
15%減ではない。
リーマンショックの年に55%まで下がり、その翌年はさらに30%まで下がった。

過去経験したことのない赤字額。
名大社のかつての栄光はどこに・・・。
大げさにいえばそんな状況。
名大社は終わったと思った関係者は多かった。

そんな時に僕は社長になった。

続く・・・。

映画「ツユクサ」

ほんわかと幸せになれる作品。
映画を一言で表現するならそんな感じ。

登場する人物は決してシアワセな人生を歩んでいるわけではない。
それぞれが辛い過去を背負っているが、
その過去は過去として受け入れ真っすぐ生きている。

それもあくまでも自然体。
気負うことはない。
その流れる空気が実に心地いい。

舞台は伊豆の港町(多分)。
とても小さな街なので、街中はみんな知り合い。
ちょっとした噂もすぐに広まってしまう。
それを嫌がる人はおらず、それすら楽しんでいる感覚。

ネタバレしない程度に解説すると子供を事故で亡くした芙美さん(小林聡美)と
妻が自殺した吾郎さん(松重豊)とのちょっとしたラブストーリー。

松重豊はどこにいってもゴロウなんだ。
映画の中でも食事のシーンがあるが、井之頭五郎を思い浮かべてしまった。

この2人を中心に芙美さんの親友の小学生や会社の同僚が絡んでいく。
ここで存在感を出すのが同僚の妙子(江口のりこ)。
江口のりこが抜群に面白い。
「鎌倉殿の13人」でも独特のイヤらしさを出していたが、
本作ではコミカルに軽やかに絶妙な演技を見せる。
ほんわかさを上昇させているのは彼女のおかげ。

そして、やっぱり小林聡美がはまり役なんだろう。
雰囲気はCMやドラマのまま。
どこでも同じような気がするが、それが彼女の魅力なのか。

大林宣彦監督の「転校生」なんてもう40年前。
基本その時と変わっていないんじゃないかな。
そんなふうに思わせる。

なんだか出演者のことばかり書いているが、
小さな町のごく限られた登場人物だけで構成された映画。
そうなるのはやむを得ない。

映画的には昭和っぽさが残っているが、逆に今の時代だからこそ大切だとも思う。
コロナ禍で人との繋がりが希薄になったり、
妙なことで疲れてしまったり。
そんな時だからこそ温かい日本映画の存在はありがたい。

どこかの映画祭に出品する作品でも、
なにか特別な賞を受賞する作品でもない。
(すいません、失礼ですね・・・)
しかし、僕たちが忘れてはいけない何かと、
それを与えてくれる何かがこの映画に詰まっている。

個人的には好きな映画。
思わずホロっとしてしまうシーンもあるし。

そして、ラストシーン。
予想通りだが、予想を裏切ってくれる。
あの後、どうなったの?なんて愚問。
ステキなハッピーエンド。

愛に飢えたオジサン、オバサンは観た方がいいだろうね。

続・フィールドワーク? いやいや、単なる男旅

水戸は初訪問。
還暦のお祝いは無事終了。
茨城の料理やお酒も美味しかった。
料理の写真はないけど・・・。

翌日は再びフィールドワーク、いや男旅の続き。
向かったのは茨城県大津港駅。

前日入りした茨城県は県自体にお邪魔するのが初めて。
正直なところ水戸と大津港の位置関係すら分からない。
こんな機会がなければ、死ぬまで来なかったかもしれない。

改めて誘っていただいたS氏に感謝。
大津港駅から向かったのは茨城県天心記念五浦美術館。

到着時は開館前のため、周辺を散策。
美術館から眺める海岸も素晴らしい。

日本美術院研究所跡地。
この場所を知っている人はどれだけいるのだろうか。

このあたりも東日本大震災の被害があり、断崖絶壁の状態。

近くから覗き込むだけで体が震える。

開館の早かった茨城県五浦美術文化研究所へ入館。
受付の方にいくつかの質問をするが、懇切丁寧に教えてくれた。
前日は千葉のいい、翌日の茨城といい、このエリアの中年女性はとても優しい。
感謝。

こちらには岡倉天心の天心遺跡と呼ばれる旧天心邸、六角堂、長屋門が寄贈されている。

実際、こちらの施設も震災の被害にあったようだが、現在は復興。
近くには岡倉天心のお墓もあり、地域との関りを窺うことができる。

茨城県天心記念五浦美術館では常設展の他に特別展示も・・・。
こんな機会がなければ地方の美術館にお邪魔することはない。
ましてや茨城の海沿いなんて、もう2度とないかも・・・。
日本は広く、まだまだ知らない土地は多い。
老後の楽しみが増えたというもの。

ここまでは真剣に歴史のお勉強。
岡倉天心の功績を学ぶことができた。

少しは休息も取った方がいい。
美術館の近くには五浦観光ホテルがあり、日帰り入浴で温泉を楽しませてくれる。

ここではしばし温泉に浸かり、普段の疲れをとる。
温泉の後は美味しい食事をするのが人として真っ当な行動。
海鮮が有名なお店で刺身、焼き物、天ぷら、フライを堪能。

当然、地酒も飲むよね。

こうしてフィールドワークは完了。
学びの多い貴重な研修旅行。
いやいや、男同士であちこち回って、飲んで食べてただけのような気もするけど・・・。

有意義な2日間。
副本部長、ありがとうございました。

フィールドワーク? いやいや、単なる男旅

4月某日。
お世話になっている先生の還暦祝いで水戸に向かった。
お祝い会は夜。

せっかくなので千葉エリアの現地調査を日本史に精通するS氏と行うことに。
歴史に疎い僕は千葉でお邪魔したことあるのは
某レジャーランドと某大手流通チェーンの本社のみ。
55年の人生で伺う機会はなかった。

まずは香取市。
有名なのは伊能忠敬。
駅前に銅像がそびえ立っている。
至って駅前は静かではあるが・・・。

最初に観光案内所でおススメスポットを教えてもらう。
懇切丁寧に案内してもらい、忠実に行動することに。
腹ごしらえをした後に向かったのは香取神宮。

満開の桜ではなかったが花見には十分な時期。
こちらは神武天皇の御代により創建されたといわれる由緒ある神宮。
境内をぐるっと回る。
本殿、拝殿でお参りし、要石のある場所へ。

これによって地域も護られている。
タクシーで駅前近くまで戻る。

小田川沿いは重要伝統的建造物群保存地域。
昔ながらの商家が並ぶ。
船に乗る予定だったが、時間的余裕はなく諦めることに。
その付近ではTVの収録でタレント陣が周りを盛り上げていた。
このGWに放送されていたと思うけど違うかな。
ちらっと鹿島神宮でのシーンを見たし・・・。

伊能忠敬記念館と旧宅は必見。
江戸時代にあんな精巧な地図を作るなんて、
それも50歳を過ぎてから全国を歩き測量するなんて感動。

高校時代にはその功績に気づけなかった。
もっと歴史を知らないと・・・。

佐原をおさらばし(シャレじゃないよ)、茨城へ。
次に向かったのは鹿島神宮。

鹿島といえば今やすっかりアントラーズだが、元々はこちらほうが有名。
こちらも神武天皇元年創建の由緒正しき神宮。
厳かな雰囲気に凛とした気持ちにもなる。

歴史のある神社だが、現代的な要素も取り入れている。
境内にはオシャレなカフェも併設。
スタバにいるようなお姉さんが切り盛りしていた。

鹿島神宮駅はサッカーが開催される日は賑やかだろうが、それ以外はとても静か。
選手も参拝に訪れるのならサポーターにも行ってもらいたい。

こうしてフィールドワーク、いやいや男旅の初日は終了。
1回でブログを終えようと思ったが、それは無理だった。

明日へ続く。

食べ物のはなし 特別編 シンスケ

ゴールデンウイークも終盤です。
みなさん、どんな休暇を過ごされているでしょうか。
大して予定のない人気食べ物ブロガーはせっせとブログを書いております。
休暇中も仕事をしているということですね。

せっかくの休暇中。
伏見シリーズなんて行動範囲の狭さは止めにして、
ど~んと特別編で大きく外に飛び出しましょう。

向かったのは東京上野。
上野というよりは湯島と言った方が正しいでしょうか。
正統派の居酒屋を知る年齢にもなってきました。

名古屋でいえば大甚。
あの雰囲気も日本を代表する居酒屋。
東京ではどこになるのでしょう。
食通が超おススメする「シンスケ」さんに行ってきました。

お店の面構えからその雰囲気が伝わってきます。
庶民的でありながらも上品さが漂ってきます。
粋な東京人がサクッと飲み、一言語って店を出ていくのでしょうか。

無駄な会話はしない。
長居もしない。
そもそも酔わない。
そんな格を醸し出しています。

カウンターには一人客、
または秘書を連れた会社役員(そんなふうに思える・・・)、
品のいい老夫婦が愉しそうに飲んでいます。

見習わなければなりません。
ビールは3種類。
ここはハートランドからスタートです。

メニューもシンプルでありながら、東京だから堪能できる品々。
いい食材が集まってくるのでしょう。
ひと手間かける丁寧さも伝わってきます。
季節ごとにメニューも変わるのでしょう。

セリの胡麻和え

この優しさが嬉しいです。
焼津の初かつを

からしで頂くのがシンスケ流。

そうなると日本酒が飲みたくなります。
こちらは両関一本勝負。

本醸造、純米酒、大吟醸。
飲み方もお客次第。
常温で飲んでいるお客さんも多い。
我々は燗酒。

そして、鰯の岩石揚げ。

表面の硬さと中身の柔らかさが絶妙。

やりいかのやわらか煮。

温かさを感じます。

肴をつまみ、しみじみと日本酒を頂く。
決して騒いだり、大声で笑ったりはしない。
ここでは静かに日本の文化や歴史について語り合う。
それを自社の事業に結びつけながら・・・。

普段とは違った角度で会話を楽しむことも大切です。
お店の雰囲気がそんな会話に色をつけてくれます。
注文もし過ぎない。
お酒も飲み過ぎない。
適度の量を頂きお店を出ました。

こんなお店が名古屋にもあるといいですが、
やはり土地に相応しいお店なんでしょうね。

ごちそうさまでした。