公開されたのは今から10年前。
ずっと気になる作品だったが観る機会がなかった。
TSUTAYAに行っても本数が少なく貸出中ばっかりだったし・・・。
今回、Amazonプライムに加わりようやく観ることができた。
やっぱりAmazonの回し者?(笑)。
これは当時の韓国の社会を描いているのか、
万国共通の家庭間の闇なのか、それは分からない。
平凡な生活を送る者としては避けて通りたい世界の話である。
本作は冒頭からグイグイ引き込まれ、
体も心もグダグタになったところで映画は終わる。
本作の紹介によっては純愛ストーリーとあるが、そう捉えるのは結構酷だ。
確かにその要素は多い。
2人だけのシーンはその要素はあるし、言葉にならない言葉に愛を感じるのは事実。
当然、キスシーンもなければ、手をつなぐシーンもない。
あくまでも暴言を吐き、その乱暴な言葉から愛情を推測するしかない。
この作品もそうだが、昨年観た「愚行録」でも「ムーンライト」でも
いかに子供の頃の生活環境がその将来に影響を及ぼすか、
生き方を大きく変えてしまうか、共通するところ。
健全な環境でないと健全な育て方はできない。
この暴力的な主人公も被害者であり、実際、それは自分自身も理解しているが、
自分ではどうすこともできず、暴力に頼るしかない。
それがとてもせつなく、観る者を動揺させる。
それが映画の最大の魅力だ。
僕は韓国映画に詳しくない。
今まで観た映画は暗い作品ばかり。
それが特徴なのか?。
本作は主役のヤン・イクチュンが監督も手掛ける。
こんな野蛮な顔をした役者が、こんな繊細な映画を作ることができるのか。
それだけでも観る価値はある。
それ以外にも観る価値もあると思うが、それは一体なんだろうか・・・。
観ていない方は、ぜひ、確かめてもらいたい。