この年齢になると恋愛映画には興味がなくなる。
若い頃はそんな映画を観ながら胸をときめかせていたが、
自分自身が大人になり汚れてきたことでそんな感性も失ってしまった。
もうどんな恋愛映画を観てもと心を揺さぶられることはない。
そんなふうに思っていた。
しかし、である。
まだまだ僕の恋愛に関する感性は錆びついてはいなかった。
主役である松岡茉優さんに惚れてしまったわけではないが、
(実際、この主人公に惚れる客はいないだろう・・・笑)
彼女の魅力には打ちのめされた。
ある意味、松岡茉優100%の映画。
少し前まで名前すら知らなかった女優さんだが、
彼女の存在が僕の中でググッと大きくなってきた。
いやあ、凄くいい。
とてもキュートな女優。
あの愛くるしい笑顔に翻弄される輩はきっと多いはず。
何よりとても達者な女優さん。
あれだけ表情を変え、早口で小難しいセリフを言いまくり、嫌な女へと豹変する。
その演技が素晴らしい。
そして、頭の回転が速い女優なんだろうとイメージさせる。
これだけ妄想の世界を演じ切る想像力は監督の演出を超えているのではないだろうか。
と、なんだかベタ褒め状態。
そんな意味では久々に胸がときめいた女優さんだ。
当然のように原作は読んでいないし、ストーリーもほとんど知らずに観た映画なので、
想像と全く異なる世界に最初は戸惑った。
下手したら途中で席を立ってしまうかもしれないと思わせるような導入だった。
それが徐々に引き込まれ、気づいた時には主役ヨシカの一挙手一投足が気になって仕方なくなり、
その揺れ動く感情に気持ちを持っていかれてしまった。
決して可愛い正統派なヒロインの描き方ではない。
偏屈でわがまま。
ピュアなラブストーリーとは程遠いが、結果的にほのぼのとする恋愛映画。
50歳過ぎのオヤジでも十分楽しめる。
新しいタイプのアイドル映画といってもいいのかもしれない。
たまにはこんな映画も観て、感性が鈍るのを食い止めるべきですね。
松岡茉優、注目です。
もう注目してる?
ちと遅いか・・・(笑)。