6sai151

アカデミー賞のノミネート、ゴールデングローブ賞を始め数々の映画賞の受賞など、
今、最も話題の映画の一本。キネマ旬報のランキングでも2位だった。
僕はキネマ旬報でこの作品を知っただけなので完全に遅れてるが、
その実験的な映画製作がかなり高い評価となっているようだ。

多くの映画賞の受賞は、12年の年月をかけて、
一人の少年を中心にその成長過程を描いたことが大きな理由にもなっているだろう。
もちろん映画としても優れた作品だと思うが、その取り組みに対する評価も否定はできない。

あの可愛らしい少年が18歳になるとあんな大人になってしまうとは監督も想像できなかっただろう。
太ったり痩せたりするわけで、きっと監督の思い通りにはならなかったはずだ。

6歳の少年はiMacを使っていたが、18歳になった時点では当然のようにiPhoneを使っている。
それは今を同時進行で生きている僕たちにとっては当たり前のことだが、
映画の撮影が始まった当初は12年後の世界なんてイメージできないと思う。
随分と脚本も手直しされたのだろう。
うまい具合にAppleの宣伝にはなっているな(笑)。

人は育つ環境で人間性が作られていく。
主役であるメイソンは幸いにもまっとうな生き方を選択したが、
あの家庭環境であればもっと危うい方向へ向かっても不思議はない。
12年の流れは、僕が同時に自分が親として携わっている時間ともオーバーラップする。

ほぼ同世代の子供を持つ親として、子供とどう接するのか、
どんな環境で育てていくことが大切なのかを感じながら観ていた。
全て嫁さんに任せてしまっている段階で僕は失格なのだが、
夫婦揃っていることが子供にとっては何よりも重要ではないかと感じていた。

日本とアメリカの違いはあるだろうが、子供が親から受ける影響は大きいはず。
もっと手本となるような態度を示さないといけないのかな・・・。

この映画に関わったキャスト、スタッフの苦労も感じ取るべきだが、
僕のようなちょっと残念な父親にも観て欲しい映画だ(笑)。