sinyasyoku1521

フォーストシーンを観て、これは昭和の時代を描いてるのかと思ってしまった。
新宿あたりの街並みに「ドン・キホーテ」の店舗が映ったので、
今の時代かと認識したが、映像のテイストは昭和の香りが残っていた。と思う。

僕は原作もドラマ化されたことも知らない。
ファンであれば小林薫演ずるマスターの顔の傷の理由が何なのかを知っているのかもしれないが、
僕は何も分からない。
ジワーッとした人間味溢れる表情の中に過去に背負うものを感じるが定かではない。

映画の大半は「めしや」の暖簾を出す深夜食堂で繰り広げられる。
「ナポリタン」「とろろご飯」「カレーライス」が四季と共にテーマとなり
それぞれのドラマが構成されているが微妙に絡み合っている。
その微妙さがたまらなくいい。

監督は松岡錠司。松岡監督と言えば一宮出身の自主映画あがり。
僕が大学時代に8mmで映画を撮っていた頃のスターでもある。
学園祭の映画上映会では松岡監督の自主作品「三月」「田舎の法則」を上映した記憶がある。
ちょうどぴあフィルムフェスティバルが全盛期で、
ここからメジャーにのし上がろうとする映画野郎がたくさんいた。懐かしい~。

映画を観ながら松岡監督のデビュー作「バタアシ金魚」を思い出した。
その映画の主役は筒井道隆。ヒロインは高岡早紀。
「おいおい、そのまんま映画に出てるじゃないか!」とツッコミを入れたくなった。
当時高校生だった二人も、酔っ払い男と愛人になってしまった(笑)。

ツッコミついでにいえば、のほほ~んとした警官役のオダギリジョーは
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」の主役。
なんだ、なんだ、身内ばかりじゃないか・・・。
大林宣彦監督の大林組ではないが、いずれ松岡組なんて呼ばれるのかもしれない。

あらら・・・。作品とは関係ないことばかり書いてしまった。
これでは読んでいる方に全く参考にならない。

僕はこの映画をあまり気分の良くない時に観た。
思うように進まないことにイライラしていたのだ。
しかし、この映画を観た後は、イライラしていた自分がバカバカしくなってきた。
そして、温かく優しい気持ちも芽生えてきた。
そう感じさせてくれるのがこの作品のいいところかもしれない。

上手くまとまったかな・・・(笑)